はじめに
近年、学生の間でも人気が高まっているベンチャー企業ですが、就職するからには年収が気になるものです。
大企業より若いうちから稼げるという話もある一方、年収が少ないという話も聞こえてきます。
いったい、ベンチャー企業の年収ってどれくらいなのでしょうか。
ベンチャー企業での年収の増やし方や、年収の多いベンチャー企業の特徴をご紹介していきます。
【ベンチャー企業の年収ってどれくらい?】ベンチャー企業の平均的な年収は?
ベンチャー企業は若くても頑張り次第で高収入が得られるという話と、大企業に比べて年収が低いという話の両方が利かれます。
では、ベンチャー企業の平均的な年収はどのくらいなのでしょうか。
1年目の月収の平均は27万程度、年収は370万程度が平均的な相場といわれています。
あくまでも平均なので、平均より高い企業、低い企業があるわけですが、意外に高月収だと感じたかもしれません。
もっとも、単純に年収を月給で割ると約14ヵ月分なので、ボーナスの割合が少ないとみることもできそうです。
大企業の場合、業績によるとはいえ、夏と冬は月給の2ヵ月分ほどのボーナスが予定されるので、その点では、企業の業績や各自の成果が影響するといえるかもしれません。
大企業は福利厚生が充実している
就活生の中には、安定していて知名度も高い大企業と、早い時期から活躍できて、やりがいがありそうなベンチャー企業とで迷っている方もいることでしょう。
比較ポイントは色々あると思いますが、年収も気になるところです。
この点、大企業の場合も、1年目の給料は、ベンチャー企業とあまり変わりはありません。
しかし、2年目以降は大企業のほうが給料が増えていく傾向にあります。
近年は成果主義の導入も進んでいるものの、年功序列的な傾向は今も残されていて、勤続年数が長くなるほど、経験値も上がることで給料が増えるためです。
また、大企業は福利厚生が充実している点で、小さなベンチャー企業とは差があります。
給料面でも各種手当が充実しており、勤続年数が長くなれば、結婚したり子どもが生まれたり、マイホームを買ったりすることで、家族手当や住宅手当などが支給され、給料も上がっていくことになるのです。
【ベンチャー企業の年収ってどれくらい?】年収はベンチャー企業によって変わる
ベンチャー企業の年収ってどれくらいかといえば、370万円というのは、あくまでも平均であり、ベンチャー企業に勤務したら、平均額が支給されるわけではありません。
年収はベンチャー企業によって変わりますし、個々の成果によっても差が出るのが特徴です。
年収はベンチャーの投資ステージでも変わり、初期のステージでは売上が少ないため、少ないのが一般的です。
事業が軌道に乗り、売上が増えるにつれ、年収も加算されていきます。
ただし、大企業よりもシビアで、個々の頑張りも大きく影響を与えます。
企業の業績がよくなっても、成果を上げられない人は年収は低く、成果が出せれば、年齢や勤続年数を問わず、年収がプラスされるのが一般的です。
【ベンチャー企業の年収ってどれくらい?】ベンチャー年収はどのようにして決められるの?
では、ベンチャー年収はどのようにして決められるのでしょうか。
ベンチャー企業の成長段階と、個々人の成果が影響するケースが多いですが、ベンチャー企業はそもそも給与テーブルが存在しないことも少なくありません。
一方で、ベンチャー企業は出来高で変わることが多く、同じ企業に勤めている同期や同世代の同僚でも、大きく差が出ることがあります。
詳しく見ていきましょう。
ベンチャーは給与テーブルが存在しない!?
ベンチャー年収はどのようにして決められるのか気になるところですが、企業の成長段階や規模にもよりますが、給与テーブルが存在しないケースが少なくありません。
とくに、創業して間もない、まだ事業が軌道に乗り切っていない、少人数企業である、ようやく中途採用や新卒採用をはじめるなど創業時のメンバー以外の従業員を採用するようになったというベンチャーでは、明確な給与テーブルがなく、経営者の裁量などで決められているケースが多いです。
そのため、経営状況によって給料が決められることがあり、安定しない傾向にあるのは事実です。
もっとも、あくまでもベンチャーの経営状況や成長段階などによるので、すべてが不安定というわけではありません。
ベンチャーは出来高で変わることが多い
ベンチャー年収は出来高で変わることが多く、個人の能力や成績に大きく影響されます。
日本はこれまで年功序列の給与制度が多く、勤続年数が長くなるほど、年収が上がっていく仕組みでした。
近年では職種を問わず、成果主義を採り入れる傾向があるものの、やはり、ベースは年功序列や基本給があり、給料の一部に成果主義を導入している企業が多いです。
これに対して、ベンチャーは能力で評価されることが多く、各自の出来高が年収に影響を与えるケースが多くなります。
営業職など成績での評価がしやすい職種だけでなく、エンジニアなども年俸制など能力で評価される成果主義や実力主義の社会です。
年齢や勤続年数を問わず、高収入が得られるチャンスがあるため、能力がある人、成果によって評価されたい人には魅力的です。
【ベンチャー企業の年収ってどれくらい?】年収はどうやったら増やせるの?
ベンチャーは給与テーブルがないケースも多く、一方で、成果が出せれば高収入が得られる可能性があるといわれますが、実際のところ年収はどうやったら増やせるのでしょうか。
ベンチャーの傾向からすれば、自身のスキルを増やしていき、能力を認められ、成果を出して評価されることが、年収アップの基本です。
また、事務職など成果が出しにくい職種や、まだ成長過程にあるベンチャーなどで、大幅な年収アップが期待できない段階なら、残業で増える可能性もあります。
自身のスキルを増やしていく
ベンチャー企業での年収の増やし方の基本は、自身のスキルを増やし、能力を高めていくことです。
高い能力を身につけ、仕事の幅を広げることで評価を得ることができ、給料が増える可能性があります。
もっとも、いかにスキルを増やしたり、知識を身につけたりして、仕事の幅が広がったとしても、成果が出せないと評価されないケースも多いです。
ベンチャーは成長過程にあり、新たなビジネスを成功させていこうとする企業です。
大企業に比べて人数も少なく、成長できるかや、業績を高められるかは、1人1人の成果にもかかっているので、目に見えた成果が出せないと、収入に結びつかない場合もあります。
残業で増える可能性がある
ベンチャーで年収はどうやったら増やせるのかの、もう1つの方法は残業で増える可能性がある点です。
最近、働き方改革の影響でワーク&ライフバランスを重視する傾向や、メンタルヘルスへの配慮などから、残業を禁止する企業やノー残業デイを設ける企業、残業時間を規制する企業が大手を中心に増えています。
残業が減って自由時間が増えて嬉しいという声がある一方、残業代が減ったことで収入が大幅に減ってしまい、副業を探しているといった方もいます。
この点、ベンチャーの中には自由で柔軟なワークスタイルを導入する企業がある一方で、仕事量が多く、長時間の残業や土日出勤があるケースも少なくありません。 そのため、残業を行うことで、給料が増える企業も存在しています。
【ベンチャー企業の年収ってどれくらい?】年収の多い企業の特徴
ベンチャー企業の中には、年収が多いと話題になっている企業も少なからず存在しています。
では、年収の多いベンチャー企業にはどのような特長があるのでしょうか。
大きくわけると、3つの特徴が見られます。
・成長事業に取り組む企業
・資金調達額の多い企業
それぞれ、特長を見ていきましょう。
メガベンチャーなどの企業
年収の多いベンチャー企業の特徴の1つ目は、メガベンチャーなどの企業であることです。
メガベンチャーは成長期から成熟期に移っており、一部上場をはたすなど、大手企業と肩を並べるレベルまで成長しているケースが少なくありません。
従業員の規模でみても、大企業に劣っていないケースもありますし、商品やサービスが認知され、ブランドの人気も出て、売上も大きくなっています。
そのため、ベンチャーの中でも、高い給料になる傾向にあります。
もっとも、メガベンチャーに成長したから、社員の誰もが高収入を得られるわけではありません。
能力主義、成果主義が重視される傾向が強いので、活躍することが求められます。
メガベンチャーほど経験者の能力が高いので、現場でどんどん吸収しながら、能力を高めていくことが必要です。
成長事業に取り組む企業
年収の多いベンチャー企業の特徴の2つ目は、成長事業に取り組む企業です。
今後成長する事業に取り組む企業は、年収が増える傾向にあります。
社会に求められ、世界に求められる事業や、ニッチな市場に参入し、道を切り開いて一人勝ちしているような企業などです。
ベンチャーは新たな技術やアイディアを持って独自の開発を行い、独自のサービスを提供してヒットするケースも多く、他が追い付いてくるまでの間は独走状態になります。
その間に知名度やブランド力も高まり、他が類似の事業をはじめても、ユーザーの心をがっちりつかんで売上が伸びていく期待が持てます。
こうした成長事業に取り組むベンチャーに就職し、成果を上げていければ、高収入が期待できるでしょう。
資金調達額の多い企業
年収の多いベンチャー企業の特徴の3つ目は、資金調達額の多い企業です。
資金調達は今後の企業の成長予測に見合った額なので、資金調達が多い企業は今後成長を遂げ、年収が増えていく傾向にあります。
新興市場を含めた上場による資金調達をはじめ、ベンチャー特有の資金調達法である、ベンチャーキャピタルから投資をされている企業は要注目です。
ベンチャーキャピタルが投資するということは、企業の将来性や成長に期待していることを意味します。
なぜなら、ベンチャーキャピタルは企業成長による収益から配当を得たり、企業価値が高まったりしたところで、上場をはたさせ、株式を売却して利益を得るプロの投資家だからです。
高い年収を期待するなら、株主にベンチャーキャピタルが名を連ねているかもチェックしてみましょう。
【ベンチャー企業の年収ってどれくらい?】まとめ
ベンチャー企業の年収ってどれくらいかというと、1年目の年収は370万程度といわれます。
ベンチャー年収はどのようにして決められるのかですが、給与テーブルが存在しないケースが多く、個々人の出来高で変わるケースが少なくありません。
ベンチャーで年収を増やしたいなら、自身のスキルを増やして成果を上げていくか、残業を頑張って地道に稼ぐかです。
年収の多いベンチャー企業の特徴としては、メガベンチャーなどの成熟企業、成長事業に取り組む企業、資金調達額の多い企業がありますので、そうしたベンチャーを狙って就活するのもオススメです。