【2025年版】注目されているバイオベンチャー企業とは?仕事内容や向いている人など徹底解説!

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はじめに

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新型コロナウイルスのワクチン開発をはじめ、医療分野に世界が注目する中、バイオベンチャーの存在にも注目が集まっています。

就活においても、これまであまり関心がなかったバイオベンチャーに興味を持つようになった人も少なくないでしょう。

バイオテクノロジーは医療分野に限らず、これからあらゆる産業を支えていく期待の高い技術です。

その中でも時代の最先端を行くバイオベンチャーについて、どのような事業を展開しているか詳しく解説します。

【バイオベンチャー企業とは】バイオベンチャーとは?

バイオベンチャーとは?
バイオベンチャーは、バイオテクノロジーを用いて医療や産業の発展に貢献するベンチャーです。

バイオロジー(生物学)とテクノロジーからなる造語がバイオテクノロジーですが、これまでにもすでに生物の持つ能力を活用した医療や食糧確保、環境保全などの事業が多数確立されました。

国として統一された定義はなく、一般財団法人 バイオインダストリー協会が動向調査を行ううえで、一定の定義を設けています。

それによるとバイオベンチャーは、

・経済産業省の中小企業の定義に当てはまる(製造業なら従業員300人以下または資本金3億円以下)
・バイオ関連事業を主な事業とする(デジタルヘルス、医療機器なども加える)
・独自の技術基盤を有する(販売輸入仲介や開発受託、医薬品製造受託は除外)

以上のものが定義となります。 一般的にはこの定義に加えて「設立から20年未満」という条件も入りますが、こちらの調査ではあえてそれは外されています。

こちらの調査結果では、2019年4月時点までに把握された数は2,010社でした。

参考:一般財団法人 バイオインダストリー協会 「国内バイオ関連ベンチャーの現状調査と分析」

【バイオベンチャー企業とは】注目されているバイオベンチャー企業

注目されているバイオベンチャー企業として、どのような企業が挙げられるのでしょうか。

ここでは、注目されているバイオベンチャー企業を紹介します。

iHeart Japan株式会社

iHeart Japanは、心臓病治療に特化した再生医療ベンチャーです。

iPS細胞技術を応用し、重症心不全患者向けの細胞シートの開発を進めています。

この細胞シートは、損傷した心臓組織を再生させることで、従来の治療では難しかった心機能の回復を目指します。

超高齢化社会において、心疾患の患者数は増加傾向にあり、iHeart Japanの技術は、多くの患者の生活の質の向上に大きく貢献すると期待されています。

タカラバイオ株式会社

タカラバイオは、遺伝子技術を基盤とした研究試薬、受託サービス、遺伝子治療薬の開発などを幅広く手掛ける企業です。

特に、遺伝子治療分野では、がんや遺伝性疾患に対するウイルスベクターを用いた治療薬の開発に力を入れています。

また、新型コロナウイルス感染症のPCR検査試薬の提供でも貢献し、バイオテクノロジーの社会実装を加速させています。

その多様な事業展開と実績は、バイオテクノロジー分野におけるリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。

株式会社ツーセル

株式会社ツーセルは、再生医療分野において軟骨再生治療薬の開発を進めている企業です。

自家細胞を用いた軟骨再生治療薬「軟骨細胞シート」は、膝などの関節軟骨損傷の治療に用いられ、患者自身の細胞を培養して移植することで、自然な軟骨組織の再生を目指します。

スポーツ外傷や変形性関節症など、軟骨損傷に苦しむ多くの患者に新たな治療選択肢を提供し、生活の質の改善に貢献することが期待されています。

DAIZ株式会社

DAIZは、植物性肉代替食品の開発を手掛けるフードテックベンチャーです。

独自の「落花生発酵技術」を用いることで、大豆など植物性タンパク質の風味や食感を飛躍的に向上させ、本物の肉に近い代替肉を開発しています。

健康志向の高まりや環境問題への意識向上から、植物性食品市場は世界的に拡大しており、DAIZの技術は持続可能な食料システム構築に貢献するとして注目を集めています。

Heartseed株式会社

Heartseedは、iPS細胞から作製した心筋細胞シートによる重症心不全の再生医療を目指す企業です。

慶應義塾大学の研究成果を基に設立され、損傷した心臓に直接移植することで、心機能の回復を促します。

心臓移植以外の新たな治療法が求められる中で、Heartseedの技術は、重症心不全患者のQOL向上に大きく貢献する可能性を秘めています。

グローバルな展開も視野に入れ、開発を進めています。

株式会社リバネス

株式会社リバネスは、科学技術の社会実装を加速させる「知識製造業」を掲げるユニークなバイオベンチャーです。

研究者と企業、自治体、教育機関などを繋ぎ、ディープテック分野のスタートアップ支援、人材育成、研究開発プロジェクトの企画・推進を行っています。

生命科学、医療、農業、環境といった幅広い分野で、新たな知見や技術が社会に還元される仕組みを構築し、社会課題の解決に貢献しています。

単なる研究開発に留まらず、その成果をいかに社会に実装するかという視点で、多角的な事業を展開している点が特徴です。

QDレーザ株式会社

QDレーザは、半導体レーザ技術を基盤とした医療機器開発で注目を集めるバイオベンチャーです。

特に、網膜に直接映像を投影する網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA Display」は、視覚障がい者のQOL向上に大きく貢献する可能性を秘めています。

加齢黄斑変性や緑内障など、従来の眼鏡やコンタクトレンズでは視力矯正が困難なケースでも、独自の技術で網膜に鮮明な映像を届けます。

医療分野だけでなく、AR(拡張現実)技術への応用など、新たな市場開拓にも期待が寄せられています。

株式会社ちとせ研究所

株式会社ちとせ研究所は、藻類や微生物を活用したバイオマスの研究開発を専門とするバイオベンチャーです。

特に、微細藻類を大規模培養することで、食料、飼料、燃料、化学品などの製造を目指しています。

CO2を吸収して成長する藻類は、持続可能な社会を実現するためのクリーンな資源として注目されており、ちとせ研究所はその生産性向上とコスト削減に成功しています。

環境問題や食料問題の解決に貢献するだけでなく、新たな産業の創出にも繋がるとして、国内外から高い評価を得ています。

【バイオベンチャー企業とは】バイオベンチャーに将来性はある?

誰もが知るとおり、現在全世界は、新型コロナウイルスのワクチン開発・健康寿命の維持など、バイオテクノロジーが不可欠な時代にいます。

現在バイオベンチャーは、大手製薬企業やベンチャーキャピタルなどからまとまった資金提供を受けたり、共同開発を行ったりするなどして、事業活動をさらに活発化させています。

このコロナ禍が過ぎた世界でも、人々は暮らしをより豊かにするために、バイオテクノロジーを求めるでしょう。

バイオテクノロジーは人類の先端技術のひとつであり、事業化することで投資家からも十分な資金を引き出せる実力を持っていることは間違いありません。

つまり、しっかりとしたバイオベンチャーはしっかりとした経営力も持っており、今後成果物の需要も増え続ける予測があります。

将来性を疑う余地はないでしょう。

【バイオベンチャー企業とは】バイオベンチャー仕事内容とは?

バイオテクノロジーの活用は幅広いため、バイオベンチャーの事業も多岐にわたります。

医療や食品、化学分野のほか、農業・環境・情報分野でもすでにバイオテクノロジーは活用されており、利用される分野は多いです。

ただ日本国内では、ヘルスケア分野で事業を展開しているバイオベンチャーが多く見受けられます。

前述の調査でも、全体の6割がヘルスケア関連となっており、メインは創薬、IT・デジタルヘルスです。

次いで研究支援(試験/実験機器/試験・製造受託)が2割となり、調査から5年以内に設立したもっとも近年起業が盛んだったジャンルは、IT・デジタルヘルスという結果となっています。バイオベンチャーでの具体的な仕事内容や必要なスキルは?

日本国内では医療系バイオベンチャーが多いとはいえ、分野によって仕事内容も求められるスキルも大きく異なるため、一概にいえません。

ここでは大きく分野で大別し、一般的な仕事内容や必要スキルについてまとめます。

医療分野

医療分野では、再生医療やがん予防などに関する研究やワクチン開発などが主に行われています。

こうしたベンチャーに求められるのは、化学・生物学に関する専門知識です。

医学とまではいいませんが、大学の専攻で薬学・毒性学などの知識を持っていると、重宝されるでしょう。

製薬会社や食品会社など、一般企業の研究職に近いイメージですので、基本的に理系のスキルとなります。

また、ベンチャーは基本的に即戦力を求めていますので、博士課程の学生は歓迎されやすいです。

食品分野

食品分野もかなり幅が広いですが、食品系のバイオベンチャーでは現在、発酵や醸造で培ってきた技術を化粧品や医薬品の開発に活かしていこうという動きが盛んです。

たとえばトクホや機能性表示食品などの開発を行うベンチャーも多く、商品化を目指すためには臨床試験が必要なものも多くなります。

こうしたことから、各種試験の計画を立てられる人や、生物学・統計学の知識を持つ人が歓迎されるでしょう。

医療分野と同様に、食品分野でも一般企業の研究職に近いイメージで、理系スキルが求められます。

環境分野

環境分野は、地球環境に負荷がかかりにくい製品やシステムを開発するのがメイン業務です。

生物学以外にも化学や工学などの知識を持つ専門家と協力し、新たな製品を生み出す過程が多くなります。

医療分野や食品分野に比べ、製品やシステムをよりよくする画期的なアイデアを出す力が求められるのが特長です。

一般企業でいうと企画職に近い仕事を行うことが多く、基本的に理系ですが、より柔軟な発想力やマーケティング力のある人材が求められます。

【バイオベンチャー企業とは】バイオベンチャーに向いている人は?

バイオベンチャーは、革新的な技術や製品で社会貢献を目指す一方で、研究開発の長期性や不確実性といった特性を持つため、特定の資質を持つ人が活躍しやすい環境です。

学習意欲がある人

バイオサイエンスの分野は日進月歩で進化しており、常に新しい発見や技術が登場します。

バイオベンチャーでは、昨日まで常識だったことが今日には通用しなくなることも珍しくありません。

そのため、自身の専門領域だけでなく、関連する最新の研究動向や技術、さらにはビジネスモデルや市場トレンドまで、幅広く深い知識を貪欲に吸収し続ける学習意欲が不可欠です。

新しい情報にアンテナを張り、積極的に学び続けることで、変化の激しい環境に適応し、自身のスキルと会社の成長を両立できるでしょう。

好奇心旺盛な人

バイオベンチャーでの仕事は、未知の領域を探索し、誰も解決できなかった課題に挑むことの連続です。

既存の枠にとらわれず、「なぜそうなるのか」「どうすればもっと良くなるのか」といった純粋な好奇心が、新たな発見や革新的なアイデアを生み出す原動力となります。

予期せぬ結果や失敗に直面した際にも、それを単なる問題として捉えるのではなく、探求の対象として興味を持ち、その原因や解決策を粘り強く追求できる人は、バイオベンチャーの環境で大きく成長できます。

計画力のある人

バイオベンチャーにおける研究開発は、膨大な時間とコストを要し、多くのリソースが投入されます。

限られた資源の中で最大の成果を出すためには、明確な目標設定と、そこに至るまでの綿密な計画力が極めて重要です。

実験のスケジュール、必要な予算、人員配置、そして予期せぬトラブルへの対応策まで、多岐にわたる要素を考慮し、論理的かつ現実的な計画を立てる能力が求められます。

計画に基づき着実にプロジェクトを推進し、進捗を管理できる人は、成功への道のりを切り開く上で不可欠な存在となります。

まとめ

バイオベンチャーは、医療分野や食品分野、環境分野など幅広い分野で事業を展開しており、その将来は非常に大きく拓けているといえます。

それぞれが独自の技術で画期的な製品やサービスを開発し、全世界が注目するような成果を収めている国内のバイオベンチャーも少なくありません。

コロナ禍でも、ポストコロナ予測でも、バイオベンチャーには大きな期待があります。

各社とも千差万別ですので、就職を希望するのであれば、自身の専攻を活かしてどういった分野でどのように活躍したいか、マッチングをしっかり見極めることが重要です。

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