はじめに
ベンチャー企業への就職を考えている女性なら、社内における男女比がどうなっているか気になる方は多いでしょう。
実際、日本のベンチャー企業は女性社員の比率が少ない傾向にあるといわれています。
この記事では、以下の3点について解説しています。
・ベンチャー企業での男女比率
・男女比が女性の働きやすさにどのような影響をおよぼすのか
・女性が働きやすいベンチャー企業を見つけるコツ
ベンチャー企業に転職したいと考える女性はぜひ参考にしてください。
【ベンチャー企業の男女比】女性社員は少ない傾向
ベンチャー企業において、女性社員の数は少ない傾向にあります。
まず、日本では全体的に社員の割合として男性の割合の方が多くなる傾向にあるのです。
男性7:女性3という比率の企業が一般的です。
ベンチャー企業でも、一般企業と同様に女性社員の数はそう多くありません。
女性の社員が増えない理由については、理由として以下の3点があげられます。
・育児と両立できる制度が整っていない
・女性の離職を前提とした採用基準である(女性の採用数があらかじめ少なめに決められている)
・女性の志望者数が少ない業界であること
つまり、女性が仕事を続けながら家事や子育てをできるよう取りはかっているベンチャー企業は少なく、会社の構成メンバーに女性が増えにくいといった環境が原因の根本にあるのです。
【ベンチャー企業の男女比】男女比は業界によりさまざま
一般的に、会社の構成メンバーにおける女性の比率は少ないとされています。
しかし、一部のベンチャー企業では一概に女性が少ないとは断言できません。
ベンチャー企業における社員の男女比は、業界によりさまざまです。
業界によっては女性比率が高く、管理職もほぼ女性が占めるている企業もあります。
この章では、以下の2つをご紹介します。
・女性社員が多い業界
・女性社員が少ない業界
女性社員数の多い業界、または少ない業界を把握して、就職するベンチャー企業を選ぶ際の参考にしましょう。
女性社員が多い業界
女性社員が多いのは、医療・福祉・卸売・小売業界です。
特に、医療・福祉業界は古くから女性が活躍してきた歴史のある業界です。
社員の男女比率も女性が多くを占めるので、管理職に登用されている女性も大勢います。
一方、卸売業や小売業の代表格でもあるアパレル業界には、若い女性が多く働く傾向にあります。
結婚や出産といったライフイベントを控える女性が多いため、必然的に女性の働き続けやすい風土ができあがるのです。
雇用制度や福利厚生も、女性が多い企業になればなるほど、手厚いサポート制度が整っていると言えます。
女性社員が少ない業界
女性社員が少ない業界といわれるのが、IT・製造・不動産業界です。
特にIT業界は、女性の社員比率が1割~2割といわれるほど少ない傾向にあります。
製造や不動産業では、昔から男性社員が多く活躍してきたという歴史も影響しているでしょう。
ところが、一般的に女性社員が少ないといわれる企業の中には、積極的に女性社員数を増やすことに取り組んでいる企業もあります。
たとえば、採用段階で女性社員の採用枠を増やしたり、女性に向けの待遇を手厚くするといった施策を実施したりする企業も存在します。
女性社員しかいないという企業も
ベンチャー企業の中には、社員が全員女性しかいない会社もあります。
先ほど紹介したように、女性社員が多い業界にあるベンチャー企業の中には、起業者も女性、社員も全員女性という企業があるのです。
ベンチャー企業は、事業や社内環境に大きな特徴をもっている会社が少なくありません。
社会には、まだまだ女性が活躍しづらい風土や慣習が根付いています。
しかし、個性豊かなベンチャー企業ならではの強みを活かしてそうした社会制度を是正しようとする企業もたくさんあるのです。
【ベンチャー企業の男女比】男女比はどう影響するのか
それでは、男女比がベンチャー企業における女性の働き方にどう影響するのかを見ていきましょう。
社内における男女比率は、社内制度や企業文化に大きな影響をおよぼします。
つまり男女比率によって、企業での働き方は左右されるのです。
この章では、以下の内容についてまとめました。
・男性社員が多い職場の特徴
・女性社員が多い職場の特長
社員は会社の顔であり、社員の男女比率は企業の雰囲気に大きな影響をおよぼします。
それぞれの項目を詳細に見ていきましょう。
男性社員が多い職場の特長
男性社員が多い企業・職場の特徴は、以下の4つです。
・大切に扱われる
・人間関係がさっぱりしている
・固定観念がある
・制度が整っていない
まず、女性社員の数が少ないので、女性というだけで人材として大切に扱われる傾向が強くなります。
次に、人間関係がさっぱりしているので気持ちよく働きやすいでしょう。
ただ、女性の社会進出や昇進については、固定観念にとらわれる企業も少なくありません。
制度が整っていない企業も多いので、女性が働くうえで苦労する可能性もあるでしょう。
大切に扱われる
女性社員の少ない企業では、女性社員が男性社員から大切に扱われるケースがあります。
たとえば、仕事に使う重い資料を持ってくれる、作業の中でも比較的軽作業を任されるといった配慮があげられます。
これらは、女性と男性の能力を差別するのではなく、単純に性別の違いによる能力の違いを補う取り組み・配慮です。
女性だからといって、簡単な仕事しか任せてもらえないというわけではありません。
一方、女性にも男性と同等の仕事を求める企業もあります。
これらの違いは、企業による差が出る部分と言えるでしょう。
人間関係がさっぱりしている
男性の多い職場・企業では、人間関係がさっぱりとする傾向にあります。
男性は、女性に比べて誰かの悪口を言ったり、グループでまとまったりということがありません。
今まで、同性とのトラブルが原因で嫌な思いをしたという女性にはおすすめです。
また、まれに女性の上司のもとで働いた場合、同性ということもあり可愛がってもらえるといったメリットも考えられます。
その一方で、女性の上司がいない・少ない場合、昇進やワークライフバランスについてロールモデルとなる先輩社員や上司に出会えないといったデメリットもあります。
固定観念がある
男性比率の多い会社では、女性であることを理由にコピーやお茶出しなどの雑務を命じられたり、場合によってはセクハラを受けたりする可能性もあるかもしれません。
男尊女卑の思想がもととなり、悪影響をおよぼす悪い事例です。
しかし、ベンチャー企業においては、男性は男性でも比較的年齢層の若い社員が働いています。
「男性のほうが偉い、業務や昇進において優先されるべき」といった固定観念をもっている人が少ない傾向にあるでしょう。
また、ベンチャー企業の多くは実力主義です。
男性であろうが、女性であろうが、人材価値は実力だけで判断されます。
昇進の機会が男女に等しく与えられるため、女性でも意欲さえあればキャリアアップが叶うのです。
こうした企業なら、女性ものびのびと働けるでしょう。
制度が整っていない
男性比率の多い会社には、女性にとって働きやすい制度が整っていない場合もあります。
産休や育休といった制度は、利用する社員がいてこそ、はじめて機能します。
制度自体は設けられていても内容に不備がある、実際に運用されていなければ意味がありません。
女性特有の体調不良に対する理解が欠け、制度が形骸化してしまうというデメリットがあるのです。
ただし、このような企業では、交渉次第で制度の整備や改革が行われる可能性はないとも言い切れません。
産休や育休といった制度に対する取り組みについては、面接の逆質問などを利用して質問してみましょう。
女性社員が多い職場の特長
続いて、女性社員が多い企業・職場の特徴を見ていきましょう。
以下の4つが女性社員の多い企業の特徴です。
・体調不良、出産・育児に理解がある
・明るさ・華やかさがある
・清潔感がある
やはり、女性の味方は同じ境遇や経験をする可能性の高い女性である場合が多いです。
職場環境や上司が女性の働き方に理解があるため、仕事もしやすいでしょう。
また「女性がいるだけで社内の雰囲気が明るくなり、清潔感がある」といった意見もあります。
体調不良、出産・育児に理解がある
女性社員が多い企業には、体調不良や出産・育児について理解があります。
まず、社内において女性の占める割合が多い場合、出産や育児に理解がなければ、どんどん社員が辞めていってしまうことになるのです。
その都度、人員を補充しても、自社で長く働いて経験を積んだ人材は育成できません。
企業の発展の妨げとなってしまいます。
女性社員比率の多い企業では、女性の働き方を支援する施策がたくさんあります。
体調不良をサポートする休暇制度や、産休育休はその代表的なものです。
明るさ・華やかさがある
社内の女性比率が多いと、会社の雰囲気に明るさや華やかさが生まれます。
社会に出て働く女性の多くは「人と話すことが大好き」という気質です。
ほんの些細なことでも会話のネタにつながるため、女性が多い企業では、社内のコミュニケーションが活発化しやすい傾向にあります。
黙々と仕事をこなすだけの企業と比べても、社内に活気があふれるでしょう。
ただしその一方、おしゃべり好きが災いするケースもあります。
仕事や特定の個人に対して、陰口やうわさ話が多くなってしまうと、職場の雰囲気が悪くなってしまいます。
こうしたデメリットを被らないためにも、女性の多い職場にこそメリハリは大切です。
オンとオフを切り替えて、集中して仕事に臨む姿勢があれば、女性の多い職場のメリットを享受しながら業務に取り組めるでしょう。
清潔感がある
「女性社員の多い企業には、清潔感がある」という意見もあります。
一般的に、男性よりも女性のほうが何事においても、細かい部分に気づける傾向があるとされています。
そのため、女性社員が多い企業では、自ずと社内美化が推進されやすくなるのです。
仕事に使われる資料が整理整頓され、職場全体も片付く傾向が強いといわれています。
社内環境に何を求めるかは人それぞれです。
「職場は常に綺麗で片付ているほうが快適に過ごせる」という方は、女性比率が高い企業をおすすめします。
【ベンチャー企業の男女比】女性が働きやすい企業を見つけるポイント
社員の男女比は、働きやすさをはかる指標の1つです。
しかし、女性が少ないからといって、必ずしも働きにくい職場であるとは断言できません。
この章では、女性の働きやすさに影響をおよぼすポイントについて解説します。
・産休・育休の制度が整っている
・女性の上司がいる
いずれの項目も、女性がのびのびと働ける環境を求めるなら必須の項目と言えます。
また、面接ではこれらのポイントをチェックするために、ぜひ逆質問の機会をうまく活用しましょう。
産休・育休の制度が整っている
産休と育休の制度が整っている企業は、女性が働きやすい会社です。
産休・育休制度は、妊娠し出産したあとの母体と赤ちゃんを守る大切な制度です。
仕事を休む補償としてお金がもらえるので、お母さんは安心して赤ちゃんを産めるでしょう。
また、産休・育休制度の充実は、子どもを産んでからも職場復帰できる環境が整っていることを意味します。
仕事と子育ての両立を考える人にとっては、もはや必須の条件といえる制度です。
さらに、時短勤務やリモートワークができる環境も大切です。
子どもがいても仕事をできる制度が整っていると、母親であっても仕事を続けられます。
産休・育休制度の充実をはかり、そうした女性社員をサポートする企業こそ女性が働きやすい職場です。
将来子どもが欲しいと考えている人は、入念にチェックしておくことをおすすめします。
女性の上司がいる
女性が働きやすい職場には、女性の上司の存在も欠かせません。
人にもよりますが、女性の体はホルモンバランスの変化によって、簡単に体調の変化が生じます。
同じ女性であることから、女上司は女性の体調変化について一定の理解があるでしょう。
「体のことなので男性には話したくない」という方でも、相手が女性であれば相談もしやすくなります。
また、女性の上司は、同じ女性社員にとって働き方におけるロールモデルとなります。
身近にお手本がいれば、ご自身のキャリアプランも考えやすくなるでしょう。
逆質問の機会を活用する
女性が働きやすい企業を探すなら、面接の逆質問をうまく活用しましょう。
面接の終盤に面接官への質問の機会を設けられる場合があります。
女性が働きやすい会社を見定めるなら、逆質問で以下の2点を必ず聞きましょう。
・産休・育休の取得の有無
・女性管理職の人数
この2つが充実していれば、大抵の企業は女性にとって働きやすい環境が整っていると言えます。
質問をする際は、企業から渡される資料をよく読み、該当する記載がないかどうかも確かめましょう。
まとめ
ベンチャー企業の男女比率について、以上の項目を解説しました。
実態として、ベンチャー企業であっても業界や業種によって男女比率は大きく異なります。
女性の社会進出は進んだとはいえ、まだまだ管理職への登用や、産休・育休制度が充実していない企業はたくさんあります。
しかし、ベンチャー企業特有の個性や風土を活かし、女性が活躍しやすい職場環境を整えようと、積極的に動く企業が存在することも事実です。
企業から提示される資料やOB・OG訪問を活用して、企業が女性の働き方をどのように支えているか、しっかりを見極めましょう。