はじめに
就活生の人気が高まっているITベンチャーですが、会社運営の経歴が短いため、基盤が脆弱なのではと不安に感じる部分もあることは事実です。
それでも柔軟な働き方、新しい発想には大変魅力があり、自分のその一員となって仕事をしてみたいと希望する学生は多いです。
結論からすれば、納得のうえ、価値観の合うITベンチャーに新卒入社するのはもちろん「あり」です。
大切なのは、あらかじめメリットデメリットを正しく理解することですので、ここでしっかりITベンチャーの基礎知識を身につけましょう。
【新卒でITベンチャーはあり?】新卒がITベンチャーで就職するのはあり!
冒頭で述べたとおり、新卒でIT初心者であってもITベンチャーへの就職は可能ですし、十分「あり」です。
とくにITベンチャーでは学べることがとても多いので、慣れずに大変な面もありますが、挑戦してみたい人にはオススメです。
また、柔軟な発想を持つベンチャー自体に高い関心を持っている就活生なら、中でもITベンチャーを選ぶのはよい選択でしょう。
実績はなくても意欲と熱意があれば採用してもらえる期待がありますし、一般的な大手企業や中小企業よりも幅広い分野でIT関連技術を学ぶことができるため、その後のキャリアアップにも役立ちます。
ただしITベンチャーと一口でいってもさまざまタイプがあるため、それぞれ扱う仕事の分野は、あらかじめしっかり企業研究しておくことが大切です。
【新卒でITベンチャーはあり?】ITベンチャー就職の実態
現在のIT業界は、コロナ禍の影響もあり、就活生からの人気が上がってきています。
業界が活性化し将来性があるのは喜ばしいことですが、同時に就職の競争率も高いことを意味しますので、その点は厳しいといわざるを得ません。
もちろん伸びるベンチャーがもっとも狭き門になっており、急激に成長しているITベンチャーは、とくに就職偏差値も高くなっています。
ただ、IT業界の需要が伸びているのに対し、ITエンジニアは減少傾向で人材不足が続いていますので、全体として見れば、期待値の高い就活先といえるでしょう。
IT業界の成長が著しい!
IT業界は現在著しく成長していますし、この流れはこの先も続くどころか、加速度的に上昇することが予想されます。
残念ながら日本国内は現在世界の先進国の中では後れをとっている状況ですが、それだけに、ここから先の急激なIT業界の伸びは期待大です。
成長の真っただ中にある業界では日々学ぶことが多く、毎日が充実した忙しい社会人生活になるでしょう。
これからどんどん知識やノウハウ、技術を身につけたい若者にとって、自ら学び取れる環境が提供されることほど理想的な条件はありません。
AIやIoTなどIT技術がめまぐるしく進歩し、細分化する中、その技術を扱える人材になれることは大きなステップアップです。
日々飽きる暇がないほど、充実した社会人生活になるでしょう。
ITベンチャー就職では周りと差別化する力が必要
ITベンチャーへの新卒入社は、初心者OKという条件であることも少なくありません。
ただし、前述したとおり人気のベンチャーは競争率も高いため、内定を勝ち取るには、ライバルとの差別化が必要になります。
初心者OKであるからこそ、ITベンチャーへの就活はプログラミング知識やインターン参加実績など、何かしら周りと差別化できる武器を用意する必要があるといえます。
初心者なのだから何も知らなくてもよいのだと甘く考えていると、コツコツと努力してきたほかの就活生に、蹴落とされてしまうことになるでしょう。
狙うベンチャーがあるなら、少なくともサマーインターンシップなどのイベントはチェックし、ITの基礎知識は勉強しておくことが大切です。
【新卒でITベンチャーはあり?】ITベンチャーの仕事内容
ITベンチャーといっても、具体的にどのような仕事をするかで、働き方は大きく変わってきます。
もちろん企業ごとに細かい部署や職種は変わりますが、なんとなくイメージだけで先行しないように、一般的なITベンチャーの仕事内容を把握しておきましょう。
開発職
まずは開発職です。
開発職は、SEなどシステムの構築や設計を担当する職種であり、一定のIT専門知識が求められる部署です。
一概にいえませんが、システムエンジニアやWebデザイナーなどの職種があり、システムエンジニアはクライアントの要望にそってシステム設計をする仕事、WebデザイナーはWebサイトやアプリケーションなどの設計をする仕事が主となります。
ずっと一人でデスクワークをしている仕事のように思えますが、実際にはクライアントとのコミュニケーションやチームワークなど、人と接して協働するスキルを求められる仕事です。
営業・コンサルタント
営業・コンサルタントの職種は、クライアントとのコミュニケーションにより、課題解決に導く重要な存在です。
あらゆる営業に通じますが、何より傾聴力を持つことが求められる職種であり、人に寄り添い、真のニーズを引き出すことがとても大切な仕事になります。
もちろん商材はITですので、一定の専門知識も必要です。
相手の抱える課題から問題の本質を導き出し、最適なソリューションを提供できるのが、プロフェッショナルの仕事です。
コンサルタントになれば、相手企業の経営の中枢に関わる重要な業務にも携わるようになるでしょう。
マーケティング職
ITベンチャーのマーケティング職は、自社のサービスや商品を売り出していくためにWebマーケティングなどに取り組む職種を指します。
Webマーケティングには通常のマーケティングとは異なる専門性があり、IT知識だけでなくWebというメディアならではの専門知識も求められます。
近年では、SNSがTVにも匹敵する大きなメディアに成長しつつありますので、SNSマーケティングも必須です。
インターネットに関わるあらゆる知識に精通する必要があり、幅広い経験を積むことがとても重要な職種といえます。
【新卒でITベンチャーはあり?】新卒iでtベンチャーに就職するメリット
就活生にとって気になるのは、何の経験もない学生が、新卒入社でITベンチャーに就職することの意味でしょう。
ベンチャーの採用はかなり自由で独自の基準があるため、中途採用者も新卒採用者もわけ隔てなく、同じ目標に向かって仕事をする環境が出来上がっています。
もちろんそこにはメリットデメリットがありますが、まずはメリットについてまとめてみましょう。
裁量権が大きい
裁量権というのは、「自分で考え意思決定できる権利」です。
社会人経験がないためピンと来ない人もいるかもしれませんが、いかなるビジネスシーンにおいても、組織で働く以上、そこには本人が意思決定できる範囲の制限が決められています。
往々にして大手企業の縦割り組織では、新卒入社の社員に、裁量権はほぼ与えられません。
ところがベンチャーではそもそもの人数が少ないため、1人1人の裁量権が大きくなる傾向にあるのが一般的です。
同じ時期に入社した新卒入社の社員でも、ある企業では仕事の一切を上司に決められ、自分では何の判断もできないかもしれません。
それに対してベンチャーでは、新卒入社の社員でも自分で決めてよい範囲が大きく与えられ、その権限においては自由に仕事を進められる環境があることも少なくありません。
もちろん責任は伴いますが、早く成長したい人にとっては、まさに理想の環境です。
大手よりも多くの経験が積める
前述した裁量権もそうですが、自分で考え、工夫し、学びながら仕事を覚えて行けるため、入社してすぐに実践経験を積む中で学んでいけるのが大きな魅力です。
言われた仕事だけをコツコツこなしたい人にはあまり向きませんが、どんどん経験して肌感覚で仕事を早く覚えて行きたいなら、まさにITベンチャーは向いているといえるでしょう。
縦割り組織の大手企業では3年以上かかってようやく次のステージに上がれるところを、入社して数か月で一気にそこを突破できると考えれば、スタートダッシュの威力を理解できるのではないでしょうか。
より早くより多くの経験を積んで目指す将来のビジョンを実現したり、早く独立起業を目指したりするなら、まさにITベンチャーはメリットだらけです。
インセンティブがもらえる可能性がある
これはベンチャーによってさまざまな制度があるので一概にいえませんが、ITベンチャーでは歩合制・ノルマ制の仕事を多く任される傾向があります。
つまり働いたら働いた分だけ報酬がもらえる、仕事が成功すればするだけ昇給できるといったインセンティブ制が敷かれていることも少なくありません。
新しい仕事分野に挑戦することで給与アップが望める場合がありますし、とくに営業などはこうした制度で給料が増える可能性があります。
ただし、もちろん企業によりますし、営業職にはあってもマーケティング職にはないなど詳細な条件がありますので、あらかじめ調べておきましょう。
【新卒でITベンチャーはあり?】新卒でITベンチャーに就職するデメリット
ITベンチャーに新卒入社することにはたくさんのメリットがありますが、同時にデメリットも知っておく必要があります。
根本的なところでは、企業としての経歴が短く社会的信用度が低い、資本が少ないといった経営基盤に関わる部分にデメリットがあるのは周知のとおりです。
そのほかにも実際に働いてみてからわかるデメリットがある場合もありますので、あらかじめ認識したうえで選ぶことが大切です。
ただし、もちろんすべてのITベンチャーに当てはまることではありませんし、かえって力を入れているベンチャーもあるのでそこも理解しておきましょう。
教育体制が整っていない
ITベンチャーに限らずベンチャー全般に多いのは、新人の教育体制がないというデメリットです。
これはひとえに人的リソース不足で教育マネジメントに人を割くことができないため、特定の体制を整えることができないことが理由です。
大手では新人研修やセミナー、合宿などのほか、マンツーマンで先輩社員が面倒を見てくれる制度などが敷かれていることも少なくありません。
こうした手取り足取りの教育を望むなら、ITベンチャーに限らず、ベンチャーへの就職は考えたほうがよいでしょう。
ただ、上司に言われなくても自分で考えて行動できる、仕事や課題を自分で見つけて実行できるといった自走力のある人、独立心の強い人なら、デメリットにはならないはずです。
勤務時間が長いことがある
人的リソースが少ないことを前述しましたが、大手に比べ人数が少ないことで、どうしても避けられないのが、時間の余力です。
同じ仕事量でも携わる人員数が少なければ、どうしても勤務時間内に完了できず、残業になることもあります。
おおむね多くのベンチャーで1人1人の勤務時間は長くなる傾向にあり、これがデメリットに挙げられることになるでしょう。
ただし、これも企業によって変わりつつあります。
従来のITベンチャーの中には、仕事とプライベートの線引きがあいまいになり、気づかないうちにプライベートにまで仕事が持ち込まれる事態が少なくありませんでした。
とくに創業間もないベンチャーでは社内規定があいまいで、管理や対処が定まっていない場合も多いため、仕事がしづらく長引く条件や環境が揃ってしまっていないかは確認しましょう。
離職率が高い
ITベンチャーで離職率が高いのは、前述したように、勤務時間が長い、社内規定が定まっていないといった根本的な問題が関係することも少なくありません。
また、最初からベンチャーを腰掛けに利用する人も多く、そこで経験を積んですぐに他の大手企業への転職を目指す人も多いため、どうしても離職率は高くなりがちです。
ただもっとも避けるべき離職は、ITベンチャーにイメージで入社してしまい、ミスマッチが起きて、結局早期離職してしまうことです。
これは入社する側にも問題がある場合も多いですし、あらかじめしっかり相手企業を研究していなかったことが原因ともいえるでしょう。
とくに、「ベンチャー」と聞いて冒険的な仕事ができるとキラキラしたイメージを自己本位で持ってしまう人は、要注意です。
仕事に楽なものはないと肝に銘じて、本当にやってみたい仕事かどうかをしっかり考えて判断しましょう。
【新卒でITベンチャーはあり?】まとめ
結論をいえば、新卒でITベンチャーへの就職はもちろん「あり」です。
ITベンチャーで働く場合、求められるのは実務経験ではなく、意欲や熱意、発想力や自走力です。
もしアイディアをどんどん出せる力があり、周りに気圧されることなく自分の意見をしっかり伝えられる人なら、ITベンチャーでは十分活躍が期待できます。
また、大手企業より成長できるスピードは格段に速いことは間違いありませんので、幅広い業務に携わり、目指す自分に向かってどんどんステップアップしていってください。