デザイナーの採用試験では、デザインスキルはもちろんのこと、協調性や進捗管理能力などもチェックされることが多いため、きちんとアピールできるように準備が必要です。
そこで本記事では、デザイナーへの転職を検討中の方に向けて、自己PRで企業が見ているポイント、アピールすべき長所などをお伝えしていきます。
また、自己PRを書く際のコツや注意点、例文についてもいくつかご紹介します。
デザイナーの自己PRの作り方で悩んでいる方も、ぜひ本記事の情報をご覧になってください。
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・自己PRで企業が見ていること
・デザイナー職でアピールすべきこと
・自己PRの書き方
・デザイナー職希望の人
・自己PRの書き方に悩んでいる人
・デザイナー職向け自己PRの例文を見たい人
目次[目次を全て表示する]
【デザイナーの自己PR】デザイナーの自己PRで企業が見ているポイント
まずは志望先の企業が自己PRのどんな点に注目しているのかについて、みていきましょう。
入社選考時において、ほとんどの企業では、自社に合う人物かどうかを見極めようとしています。
また、応募者のコミュニケーションスキルについても、細かくチェックしている企業が多いです。
デザイナー職の選考でも、この2点は必ずチェックされるポイントですので、エントリーする前にしっかり対策を考えておいたほうが良いでしょう。
自社との相性
企業は、自社と応募者との相性を必ずチェックしています。
なぜ相性を見見るのかというと、入社後のミスマッチを避けるためです。
万一ミスマッチが起こってしまうと、せっかく採用しても、早期退職してしまうリスクが高くなります。
企業側としては、できるだけ長く務めてくれる人を採用したいと思っています。
自己PRを通して、応募者の人柄だけでなく、得意としている分野や仕事の進め方についても、見極めようとしているのです。
どんなに優秀なデザイナーでも、会社との相性が悪ければ、自分の能力を発揮することができなくなる可能性があります。
エントリーする前に、志望先の企業との相性について、よく考えてみたほうが良いでしょう。
実績や能力
デザイナー職はある程度専門性が高い仕事であるため実績や能力をアピールすることは非常に大切です。
「未経験ですが、頑張ります。」といった自己PRではなく、企業は経験や実績をチェックしているため、デザインの実績がある場合は積極的にアピールしていきましょう。
コミュニケーションスキル
応募者のコミュニケーションスキルについても、企業側は念入りにチェックしています。
デザイナー職は、パソコンやクリエイティブ系のソフトウエアを使って、一人で黙々と仕事をするというイメージを持っている方もいるかもしれません。
実際には、自社の社員たちと何度も打ち合わせやすり合わせをしながら、連携して仕事を進めていくことが多いのです。
クライアントに対してヒアリングを行ったりプレゼンテーションしたりすることもあります。
そのため、デザイナー職では、高度なコミュニケーションスキルが求められます。
企業は、応募者の自己PRから、他の社員たちと連携したり、クライアント対応ができるかどうかを見極めようとしたりしますので、しっかりとアピールしておきたいところです。
【デザイナーの自己PR】デザイナーの自己PRでアピールすべき長所
入社選考時おける自己PRの大切さは理解できたけれど、具体的にどんな点を伝えたら良いのかわからないという方も多いことでしょう。
自己PRでは、自分の良いところを伝えるのが基本です。
ネガティブな印象を与えるような内容は避けた方が無難です。
デザイナー職の自己PRにおいて、ぜひとも盛り込んでおきたい内容は、「伸びしろ」、「協調性」、「進捗管理能力」の3つです。
これらのアピールポイントについて、次の項目でさらに詳しく見ていきましょう。
伸びしろ
デザイナー職の選考では、伸びしろがあるかどうかが重視されます。
デザイナーのようなクリエイティブ力が求められる仕事では、次々に良いアイディア案を提案し、作り出していかなくてはなりません。
そのためには、ただ黙々と与えられた仕事をこなすだけでなく、日ごろからさまざまなことに対してアンテナを張って情報収集し、新しいことにチャレンジしていく必要があるのです。
入社選考時には、能力を高めるために取り組んでいることを具体的に述べて、自分の伸びしろを積極的にアピールしておくと良いでしょう。
企業側に伸びしろがある人物だと思わせることができれば、デザイナー職の経験が少ない方、年齢が若い方であっても、もしかしたら、採用してもらえる可能性が出てくるかもしれません。
協調性
協調性についても、自己PRでぜひともアピールしておきたいポイントです。
クリエイティブ職を志す人の中には、自分独自のやり方で仕事を進めようとしたり、こだわりが強すぎてしまったりする人が割と多いです。
そのような人だと、他の社員と円滑なコミュニケーションが取れず、会社に馴染めなく、仕事に支障を及ぼしてしまうこともあります。
場合によっては、クライアントと衝突し、信頼を失ってしまうこともあるかもしれません。
企業側としても、そのような人はリスクが高いため、採用したくありません。
企業が求めているのは、周りの人たちとうまくやっていける協調性のある人物なのです。
「この人とならばぜひ一緒に働きたい」と思ってもらえるように、協調性の高さをしっかりとアピールしておきたいところです。
進捗管理能力
自己PRでは、進捗管理能力についても、伝えておくようにしましょう。
デザイナーの仕事では、納期をきちんと守ることが求められます。
決められた期限までにラフ案を提出し、デザインを仕上げなくてはならないのです。
もしも、納期を守ることができないと、他の社員の仕事にも影響が出てしまいますし、クライアントへの納品も遅れてしまうことにもなりかねません。
そのようなトラブルを避けるためにも、企業側としては納期厳守で仕事ができる人を採用したいと考えています。
自己PRを作る際には、計画的に仕事を進められる、自身の作業能力を把握しているなどといったように、進捗管理能力の高さを伝えてみてください。
創造力
デザイナーにおいて非常に重要とされるスキルに「創造力」があります。
過去にデザインした経験などを織り交ぜて伝えられると非常に魅力的に映るでしょう。
自分が作品を作るにあたってどのような点に気をつけているかや、どのようなインスピレーションが湧いてきて、作品を制作したのかなどについて話す「言語化できる人物」が求められています。
【デザイナーの自己PR】自己PRを書く際のコツ
いざ、自己PRを書こうと思っても、すらすらと内容が浮かんでこないという人もいることでしょう。
反対に、あれこれとアピールしたいことを盛り込みすぎて、内容がまとまらなくなってしまうこともあるかもしれません。
そんな時には、「応募先の企業の情報を得る」、「自身の経験・強みと照らし合わせる」といったことから試してみると良いでしょう。
項目ごとに、デザイナーの自己PRを書く際のコツについてみていきます。
まずは自己分析をする
1にも2にも、まずは自己分析をすることが大切です。
自分がどのような性格をしていて、どのようなデザインをすることが好きなのかを分析することが非常に大切です。
自分が将来どうなりたいかも考えて話すと、企業とのマッチ度も計れるでしょう。
自己分析は自己PRだけでなく、自己紹介や志望動機、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)にも活用できます。
就活においてまず取り組むべきことの1つなので、早めに取り組みましょう。
自己分析の際はツールを使うのがおすすめです。
こちらの記事を参考に、ツールを使って自己分析をしてみてください。
応募先の企業の情報を得る
良い自己PRを作成するためには、まず情報収集をしておかなくてはなりません。
企業が募集している仕事の内容、その仕事をするためにはどんな能力や経験が必要なのかについて調べてみてください。
一口にデザイナー職といっても、各企業によって、仕事内容や求められる能力が大きく異なります。
求人情報やその企業のホームページの求人ページをよくチェックして、内容を正確に把握するようにしてください。
また、その企業の社風、どんな先輩社員や役員がいるのかについても、調べておきましょう。
社風等を調べるには、ホームページの情報が参考になります。
大学等のOGやOBがいる場合は、コンタクトを取ってみるのも良いかもしれません。
自身の経験・強みと照らし合わせる"調べた応募先の情報をもとにそれらに適した強みや経験をアピールする
応募先の企業に関する情報を集めたら、次はその情報をもとにして、自己PRを組み立てていきましょう。
自己PRを作る際には、応募先の企業が求めていることに合わせるのが大事なポイントです。
まず、集めた情報を分析して企業がどんな人物を求めているのかを考えます。
そして、それに合わせて自分の強みやスキルをアピールしていくのです。
企業が求めている人物像に寄せていけば、自社とマッチする人物だと思ってもらうことができますし、内定がもらえる確率も高くなります。
これまでの実績や成果をアピールする際には、自分のどんな強みや能力を発揮したのかが相手に伝わるように、具体的なエピソードを盛り込んでいきます。
【デザイナーの自己PR】自己PRを書く際の注意点
デザイナーの自己PRを作成する際には、自分の実績紹介とならないように注意してください。
なぜなら、自己PRは、自分の華々しい実績を紹介する場ではないからです。
もちろん、デザインコンテストでの受賞歴などは、自分の良いアピールポイントとなることは事実です。
大手企業での仕事などの実績があると、中途採用においては、有利になりやすい面もあります。
ただ、自己PRで、実績紹介だけを熱心に伝えてしまうと、自分の人間性、協調性、コミュニケーションスキルなどを知ってもらうことができなくなってしまいます。
これまでの実績紹介よりも、その結果を出すために発揮した自分の強みに重点を置いてアピールするようにしましょう。
【デザイナーの自己PR】自己PRの構成
ここからはデザイナーの自己PRを製作にするに当たっての構成について詳しく紹介していきます。
下記の4つを構成に含めることでより魅力的な自己PRを作成できるので、確認してみてください。
①結論
一番最初に結論を述べることはデザイナーに限らず、どの志望業界の自己PRを作成する際も非常に重要なことです。
結論を先に述べることで、書きやすい上に読み手も分かりやすい文章になります。
何を主題としているのかわからない冗長な文章は無数の志望動機や自己PRを読む採用担当にとって集中が削がれる原因となります。
必ず結論から述べるようにしましょう。
②具体的なエピソード
具体的なエピソードを導入するのも非常に重要なことです。
結論をまず先に述べ、それを補強する具体的なエピソードを述べることができれば、さらに話がわかりやすくなるでしょう。
「客観的に判断してどのような対策をしたのか」や「どのような経験を積めたのか」などが伝わるようにしましょう。
エピソードは文字数の調節もしやすいので、複数の企業を受ける際、文字数指定が異なっていても対応しやすいのも魅力的なポイントです。
③学んだこと
エピソードを挿入した後は、そのエピソードを通してどのようなことを学んだのかについても詳しく述べることが大切です。
ただ「実績を残すことができた」「挫折した」と経験について話すだけでなく、それを通してどのようなことを学び今後に活かしていきたいのかについて述べることができれば、非常に魅力的な人材に映ることでしょう。
④入社後にどう活かすか
自分がどのようなスキルを持っているのか、そしてそのスキルをどのように入社後に活かすのかについては必ず述べるようにしましょう。
入社後の活かし方を伝えることで、企業にあなたが働いているイメージを持ってもらうことができます。
また、実際にどのようにスキルを活かして働くのかについて詳しく述べているということは企業に入社する意志が強いということにもなります。
「ひとまず滑り止めとして」受けているのか、本当に入社する意思があって受けているのか判別する材料にもなりえるので、ぜひ入社後に自分のスキルを活かして企業に貢献するという意志を伝えるようにしましょう。
【デザイナーの自己PR】例文
デザイナーの自己PRがまったく思い浮かばないという方は、例文を参考にしてみると良いでしょう。
ただし、インターネット等にある例文を丸写しするのはNGです。
デザイナー職に就こうとする人が、誰かが考えた例文をコピーしてしまうと、クリエイティブ力が低いのではと思われてしまう可能性があります。
自分のアピールポイントを盛り込んだうえで、オリジナリティを感じさせる内容を考えてみると良いでしょう。
例文①
デザインする際に心がけてきたことは、ひと目でわかりやすくて、使いやすいUIの設計です。
クライアント様の意見をただ取り入れるだけでなく、実際にサイトを利用するユーザーの視点に立ちち、ストレスのないデザインを考えてきました。
私が携わった○○株式会社のwebサイトリニューアルでは、操作性のほか、ページの読み込み速度やクリック率なども分析して、サイト設計を行いました。
その結果、リニューアル後、約2倍のアクセス数を獲得することができました。
また、私は、webデザインチームのマネジメントも担当していました。
新人デザイナーのフォローのほか、コーダー、プログラマーたちとも綿密な連携を取り、作業がスムーズに進むように配慮しながら仕事に取り組んできました。
マネジメント経験で培ったコミュニケーションスキルを活かして、御社で活躍できればと考えています。
自分の実績や経験をアピールしつつ、多くの企業が求めているコミュニケーションスキルについても盛り込んでいます。
コミュニケーションスキルが高い人は、採用時に有利になりやすいので、積極的にアピールしておきましょう。
例文②
前職で私が担当していたのは、音楽会、スポーツ大会、講演会などイベントのポスターのデザインです。
イベント主催者様と綿密な打ち合わせを行い、より多くの人に情報が伝わるようなデザインを心がけてきました。
また、ポスターを見た人がイベントへ参加したくなるようなデザインに仕上げるために、独学で色彩心理学やマーケティングの勉強にも取り組んできました。
その結果、私がポスターデザインを担当した○○イベントでは、来場者数が前年比の4割を超えることができたのです。
これまでの経験や勉強したことを活かして、御社でも、グラフィックデザイナーとして幅広い仕事に取り組んで行きたいと考えています。
中途採用でも、学校でデザインを学んでいたことやこれまでの実績を伝えることで、デザイナーとしての能力をアピールすることができます。
デザインのほかに、心理学やマーケティングのことを理解していることも大きなアピールポイントとなりますので、具体的な数字も交えて盛り込んでおくと良いでしょう。
まとめ
今回は、デザイナーの自己PRでアピールすべき長所、作成のコツ、注意点などについてご紹介いたしました。
企業はデザイナーを採用する際に、デザインセンスやこれまでの実績のほかに、自社との相性もチェックしています。
コミュニケーションスキルや伸びしろがあるかどうかも、問われる職種ですので、自己PRでしっかりアピールしておきましょう。
本記事でご紹介した例文も参考にしつつ、企業がぜひ採用したいと思うような自己PRを考えてみてください。