はじめに
営業職を募集している業界は幅広く、営業職志望の新卒も多い人気の職種です。
面接会場で多くの就活生と会って、自分が次のステップへと行けるのか不安なっている方、一次選考としてグループ面接を経験し、他の就活生に比べて自分の自己PRは弱いのではと心配になった方は、今一度、自己PRを見直してみてはいかがでしょうか。
これから自己PRを作る方も、高い競争に勝ちたい方にも役立つ、営業向けの自己PR作成のコツと構成を、例文3選とともに徹底解説していきます。
【営業志望の新卒に向けた自己PRの作り方】新卒の営業を採用する際に企業が見ているポイント
営業志望の新卒が自己PRで採用したいと思わせるには、新卒の営業を採用する際に企業が見ているポイントを理解しておく必要があります。
営業職というとイメージが先行し、体育会系のノリや元気なところをアピールすればいいとか、高い目標を掲げノルマを達成できるバイタリティをアピールすればよいと思われがちです。
ですが、営業職といっても法人向けか個人営業かや、販売する商品やサービスによって求められる雰囲気は異なりますし、企業や職場によっても違いがあります。
新卒の営業を採用する際に企業が見ているポイントは、学生の人柄・人間性と自社と雰囲気があっているかと、自社とのマッチ度とポテンシャルです。
お客様に圧をかけない柔らかな人柄の人材を求めている、お客様のニーズをしっかり把握し、筋道立てた提案ができる人がいいなど求める人物像は異なります。
元気がいい、勢いがあるだけでは営業職としては通用しないため、志望する企業が、どのような人材を求めているのか、よくリサーチしましょう。
【営業志望の新卒に向けた自己PRの作り方】営業職に求められる能力
営業志望の新卒に向けた自己PRの作り方としてポイントになるのが、営業職に求められる能力を具体的にアピールできるかです。
営業職に求められる能力としては、目標達成意欲の高さ、傾聴力、行動力、調整力、主体性、信頼関係構築能力、粘り強さ、課題発見力、向上心が挙げられます。
これらのいずれか一つに重点を置き、自分の強みとしてアピールしましょう。
営業職として欠かせないポテンシャルである目標達成意欲の高さはもとより、相手の立場に立って本音を引き出すことで最適な提案へとつなげる傾聴力も欠かせません。
行動力とは、見込み客をどんどん見つけて積極的にアプローチする、フットワークの軽さです。
顧客と自社との間に立って取引を円滑に進める調整力や、指示がなくても、自ら積極的に取り組める主体性も求められます。
信頼関係構築能力とは顧客に信頼してもらうこと、粘り強さは目標への執念、課題発見力は顧客の課題を見つけること、そして、向上心とは目標に向けて貪欲に数字を追い求めることです。
【営業志望の新卒に向けた自己PRの作り方】新卒で営業職希望者の自己PR作成のコツ
新卒で営業職希望者の自己PR作成のコツは、営業職に活かせる経験を探すこと、その経験をもとに営業職に求められる能力を持っていることをアピールすることです。
学生時代のアルバイトなどで営業や販売の仕事をしていた方は、それに基づく営業のエピソードと営業能力をアピールしてもよいでしょう。
ですが、営業職に活かせそうな経験は、必ずしも営業経験である必要はありません。
学生時代の経験で、営業能力と結び付きそうな経験を探してみましょう。
営業職に活かせる経験を探す
新卒で営業職希望者の方が自己PRを作成するコツの1つ目は、営業職に活かせる経験を探すことです。
アルバイトでの接客経験や、サークルの新歓で新入生を勧誘した経験など、営業に活かせそうな経験を探してみましょう。
営業というと、何かを提案して、交渉して、契約や購入に結び付けるといったプロセスを経験していないといけないと思われがちです。
ですが、あなたの気の利いた一言で売れ残っていたお弁当が売れて、食品ロスを回避でき、売上にも貢献できたなど、コンビニや弁当店でのアルバイト経験も、営業に値します。
塾に体験入学に訪れ、悩んでいる生徒に志望校合格ができるシステムを案内して、入塾に結び付いたといった塾講師のアルバイト経験であってもよいのです。
営業職に求められる能力を持っていることをアピール
新卒で営業職希望者の方が自己PRを作成するコツの2つ目は、営業職に求められる能力を持っていることをアピールすることです。
先に説明した営業に求められる能力の中から、いずれか一つ、自分の強みとなる能力を選んでアピールしましょう。
自己PR作成を成功させるうえでは、選んだエピソードの経験と、アピールしたい能力が合致することがコツです。
強みとして課題発見力を挙げながら、エピソードでは相手との信頼関係が構築できたので成功したといった経験談を話しても、強みが伝わりません。
営業経験に関連するエピソードを探しだして、自分の強みはどこにあったかを検討するか、自分の強みを明確にしたうえで、それが発揮できたエピソードを出しましょう。
【営業志望の新卒に向けた自己PRの作り方】好印象な自己PRの構成
営業志望の新卒に向けた自己PRの作り方として、話す順序も重要な意義を握っています。
わかりやすく、伝わりやすい好印象な自己PRの構成は以下の通りです。
→まず、結論として、あなたが一番の強みと考える、営業に求められる能力をアピールしてください。
②発揮したエピソード(~の経験で発揮されました)
→その能力が発揮できたエピソードを1つ紹介します。
③課題(~を行うにあたって~という課題がありました)
→エピソードの中で直面した課題について説明してください。
④解決策(解決のため~を行いました)
→l直面した課題を、あなたの強みである能力で、どのように解決したかを話します。
⑤結果(結果~を達成しました)
→その解決策を採った結果、どうなったかを伝えましょう。
説得力を増すために、具体的な数値などの客観的なデータで示せるとベストです。
⑥会社にどう貢献できるか(~に活かしていきたいです)
→最後に、その経験と能力を、入社後にどのように活かせるかを話して、自分が会社に必要な人材であることを売り込みましょう。
【営業志望の新卒に向けた自己PRの作り方】例文紹介
新卒の営業を採用する際に企業が見ているポイントをふまえ、営業職に求められる能力を見つけたうえで、新卒で営業職希望者の自己PR作成のコツと好印象な自己PRの構成を用いた例文をご紹介します。
「アパレル販売員×傾聴力」、「居酒屋バイト×向上心」、「学祭実行委員の協賛獲得×粘り強さ」の3つのパターンで例文を紹介しますので、参考にしてください。
例文①アパレル販売員×傾聴力
大学時代2年間、アパレルショップの販売員としてアルバイトをしてきました。
キッズ向けコーナーを担当していたので、お子様連れをはじめ、お孫さんや知人のお子様へのプレゼントを買いに来る方が多くいらっしゃいました。
お子様がいらっしゃれば、サイズや好みもわかりますが、プレゼントの場合は選ぶのに困る方が多いです。
そこで、お子様の年齢や体型、好きな色やキャラクターを伺い、どんなことをして遊ぶのが好きかなどを聞き、こんな服が似合うとご提案したのです。
その結果、ブラウスだけ買おうとしていた方が、スカートとセットで購入されたり、おすすめした洋服を3点まとめて購入されたりするなど、ギフト商品の客単価が従来の2倍、3倍へとアップしたのです。
お客様からは、話を聞いてもらえ、納得のいく提案が受けられたと感謝されました。
この経験を活かし、私の強みである傾聴力を活かし、お客様のニーズに合う提案を行い、営業成果を出していきたいです。
傾聴力という強みと、それを根拠づけるエピソードがリンクしており、説得力がある内容となっています。
成果として客単価がアップしたことを数値で示し、お客様から感謝されたこと、それを活かして提案をしていきたいこともアピールできています。
例文②居酒屋バイト×向上心
居酒屋で大学1年次からアルバイトをしてきましたが、ただ、お客様からのオーダーを受けるだけでなく、「あと1杯」、「あと一皿」を目標に客単価を上げるための声掛けを心がけてきました。
そのため、他のアルバイトに比べて1.5倍、客単価が高いことを評価され、バイトリーダーにも抜擢された経験があります。
リーダーとして張り合いを持って頑張っていた中、新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、営業時間短縮やお酒の提供禁止が言い渡されました。
もう稼げないと辞めてしまうアルバイトもいましたが、私は持ち前の向上心を発揮し、どんな状況でもめげずに頑張ろうと思いました。
夕方に街頭に立って夕食の割引券を配ったり、食事にプラスしてソフトドリンクや、デザートを勧めてプラスαのオーダーを取っていったりしたのです。
店長はコロナ禍で売り上げは7割減を見越していましたが、4割減にとどめることができ、頑張りを評価していただきました。
持ち前の向上心を活かし、どのような状況にもめげず、高い目標を諦めずに挑んでいきたいです。
直面した問題、解決策、数値を用いた結果でエピソードが話せており、向上心の強さがアピールできています。
コロナといった誰もが経験のない逆境にも負けない強さが感じられます。
例文③学祭実行委員の協賛獲得粘り強さ
私は学園祭の実行委員を務めていましたが、より充実した学園祭にするために、あと300万円の資金を獲得する必要がありました。
大手企業と学生が多く訪れる地元のお店を中心に1,000万円の協賛金が獲得できていましたが、いつもの常連メンバーばかりで、比較的楽に出資していただけました。
ですが、あと300万円は、なかなか得られなかったのです。
そこで、大学の最寄り駅からキャンパスまでの間にある企業の事務所やお店を1軒1軒回る作戦に出ました。
トータルで102軒を周り、大学と地域の結び付きや学園祭のコンセプトを伝えたところ、86軒から協賛を得られ、目標額を超える330万円が集まったのです。
期日も迫っており、1ヵ月ほどの短期間での、企業、店周りと交渉は大変でしたが、目標達成のため、諦めずに粘り強く通った熱意が通じたのだと感じています。
粘り強さを武器に、御社での営業でも、高い目標を掲げて達成できるまで粘りたいと思います。
アピールポイントである粘り強さが発揮できたエピソードが具体的に語られており、どのくらいの期間で何軒回って、何軒から協賛が得られ、いくら得られたのかが具体的な数値で伝えられているのもベターです。
まとめ
新卒の営業を採用する際に企業が見ているポイントとは、学生の人柄・人間性と自社と雰囲気があっているかと、自社とのマッチ度とポテンシャルです。
営業職に求められる能力には目標達成意欲の高さ、傾聴力、行動力、調整力、主体性、信頼関係構築能力、粘り強さ、課題発見力、向上心があります。
新卒で営業職希望者の自己PR作成のコツとして、営業職に活かせる経験を探し、営業職に求められる能力を持っていることをアピールしましょう。
好印象な自己PRの構成は①強み→②発揮したエピソード→③課題→④解決策→⑤結果→⑥会社にどう貢献できるかの順で組み立てることです。