はじめに
応募者が多い大手企業をはじめ、グループディスカッションを実施する企業は多く存在します。
個別面接と異なり、同じ企業を志望する、いわばライバルである就活生同士が集まっておこなうのがグループディスカッションです。
ライバル同士とはいえ、グループディスカッションでは相手に勝つ必要があるのでしょうか。
グループディスカッションとは何をするのか、就活生必見のグループディスカッションという選考の流れや受かるためのコツをご紹介します。
【就活におけるグループディスカッションとは】グループディスカッションって何?
グループディスカッションとは何か、しっかり理解できていますか。
「学級会みたいなもの」、「相手を論破するディベートみたいなもの」など、さまざまなイメージがあるかもしれません。
就活におけるグループディスカッションは、グループ学習や意見交換会に近いです。
応募者の規模によっても形式は異なります。
まず、企業からテーマを与えられます。
一般的には5名前後の学生が、20~1時間ほどの時間を与えられ、その制限時間内で与えられたテーマや課題について集団で議論するものです。
グループの人数は3~10名と幅があり、与えられる時間は、ケースは30分前後のこともあります。
議論の様子を企業の担当者が、グループごとに専属または巡回しながら審査していくのです。
場合によっては、意見をまとめた結果の発表をするところまでチェックされます。
【就活におけるグループディスカッションとは】なぜ企業はグループディスカッション選考をおこなうのか
書類選考や個別面接、集団面接とは別に、なぜ企業はグループディスカッション選考を実施するのでしょうか。
グループディスカッションは選考フローの序盤で実施されるケースが多いです。
なぜかといえば、短時間で大量の学生と接することができるからです。
言い換えれば、大量の学生を振るい落とすためにおこなわれるという側面もあります。
しかし、同じグループの学生を敵視してはいけません。
なぜなら、企業の選考指標は、積極的に意見を出しているか、目立っているかといった点ばかりではありません。
チームとして与えられた課題へ、的確に対応できるかや協調性もチェックされています。
学生同士でやり取りをするため、集団面接より学生の素が見えやすい点も、企業がグループディスカッションをおこなう理由の1つです。
企業で仕事をするうえではチームプレーを求められることも多いです。
そのため、ほかの学生と差をつけて選考に通ろうと、チーム全体のまとまりを考えずに突っ走ってはいけません。
【就活におけるグループディスカッションとは】企業はグループディスカッションで学生のどこを見ているのか
企業の採用担当者はグループディスカッションの場で学生のどこを見ているのかといえば、まずはは組織の一員として働いていける人間かどうかです。
そのため、グループディスカッションをライバルから抜きんでて、グループのなかから1人選ばれる場と誤解してはいけません。
企業が見ているのは、協調性や主体性、基本的なコミュニケーション能力があるかという点です。
積極的に意見を出したり、チームをまとめようとしたり、時間内に解決できるよう時間配分をしたりといった主体性を発揮することは大切です。
だからといって、自分ばかりを目立たせて協調性に欠けていると判断されてしまったり、ほかのメンバーのことを考えずに1人で突っ走ってしまったりして、コミュニケーション能力が足りないと思われてはいけません。
【就活におけるグループディスカッションとは】グループディスカッションの大まかな流れ
グループディスカッションがどのような流れでおこなわれるか理解していないと、その場で迷ってしまったり、時間をロスしてしまったり、答えを出せずに終わってしまいます。
そうならなってしまわないよう、グループディスカッションについて大まかな流れを以下で押さえておきましょう。
テーマによって細かな流れは異なります。
一般的には前提の確認・時間配分の決定、意見出し、意見のまとめ、発表の流れで進められることが多いでしょう。
前提の確認・時間配分の決定
グループディスカッションというと意見を活発に出し合って、結論を導くことが大切に思われますが、その目的を達成するために大切なのが、前提の確認と時間配分の決定です。
テーマの前提を確認し、全員の認識をそろえ、議論のゴールを設定しないと、話し合いの方向性がテーマとは異なる方向へ向いてしまい、意味のない議論になってしまいます。
時間制限があるため、議論の何にどのくらい時間を割くか配分を決めておかないと、結論が出ないまま時間切れになるので注意が必要です。
意見出し
議論のゴールにそった意見を出し合っていきます。
積極的に意見を出すことは必要ですが、自分ばかりが発言して、他人の意見を聞かないのでは、ディスカッションになりません。
一人ひとりが意見を出していくなかで、ゴールに向けた方向性が定まっていくようにしましょう。
意見のまとめ
意見のまとめに入る段階も非常に大切です。
議論がまとまらずに、制限時間内に結論が出なくては目的を達成できません。
出された意見を議論の目的・ゴールにそって削ったり、まとめたりしていくことが必要になってきます。
発表
グループで出した結論を発表して、ほかのグループとの違いを確認し合います。
発表までに意見をまとめる必要があるのはもとより、発表の時間制限が設けられている場合もあるかもしれません。
時間内に収めて発表できるよう、構成をまとめなくてはなりません。
【就活におけるグループディスカッションとは】グループディスカッションに受かるコツとは
グループディスカッションという選考ではグループのなかから1人ずつ選ばれる、またはグループ全体のなかから1グループのメンバー全員が選考に通るといった形ではありません。
グループメンバー同士で競い合うのでも、グループ間で競い合うのでもありません。
一人ひとりが見られていて、全体のなかから選考がなされます。
そのため、グループディスカッションに受かるコツとして、役職にとらわれないこと、発言回数を意識すること、発言するときは意見を話す前にワンクッション言葉を置くように意識しましょう。
役職にとらわれない
グループディスカッションに受かるコツの1つは、役職にとらわれないことです。
書記・司会・タイムキーパーなどの役割をかって出たからといって、選考に受かるわけではありません。
役割にとらわれず、議論を整理し、前に進める発言を意識することが大切です。
グループディスカッションの役職に関しては、さまざまな憶測がささやかれています。
司会としてまとめ役、進行役になったほうが評価は高いという話もあります。
その一方、司会をして時間内に意見がまとまらないと進行力がないと悪い評価になるという話もあるのです。
司会より、意見を出すほうが評価は高くなるという方も少なくありません。
すなわち役職の有無ではなく、それぞれが自分の置かれた立場にそって求められることをおこなうことが大切であり、役職をしたから選ばれるわけではないのです。
発言回数を意識する
グループディスカッションに受かるコツの2つ目は、発言回数を意識することです。
積極性をアピールするために、発言回数は大切な指標になります。
もっとも、ディスカッションなので1人で意見を述べていればいいわけではありません。
ほかのメンバーの意見にも耳を傾けつつ、小課題ごとに必ず1回は意見を述べ、ほかのメンバーが意見を出し合っているのに黙って見ているだけにならないようにしましょう。
回数が多くても、発言内容が的外れであったり、議論の方向を脱線させてしまったりしないよう気をつけてください。
発言するときは意見を話す前にワンクッション言葉を置く
グループディスカッションに受かるコツの3つ目は、発言するときは意見を述べる前に、ワンクッション言葉を置くことです。
「前の方の意見につけ加える形になりますが、」とか、「その意見はとても素晴らしいと思いますが、僕としては~と考えます。」など意見を述べる前にワンクッション言葉を置いて話をしましょう。
発言する際にやわらかい印象を与えられるため、協調性のアピールにつながるのがメリットです。
また、ほかのメンバーの話をしっかり聞いていなければ、ワンクッション言葉は出てきません。
そのため、他人の意見をきちんと聞いていることもアピールできます。
意見を述べる際に自分よがりになりがちな方や、自己主張が強く悪目立ちしてしまう方は、ワンクッション言葉を意識すると、他人の意見をしっかり聞けるようになります。
まとめ
なぜ企業は就職活動のフローでグループディスカッション選考を実施するのかといえば、短時間で大量の学生を見ることができ、学生同士でやり取りをするため、学生の素が見えやすいからです。
企業の採用担当者がグループディスカッションの場で、で学生のどこを見ているのかといえば、組織の一員として働いていくことができる人間か、特に協調性・主体性・基本的なコミュニケーション能力があるかです。
グループディスカッションの大まかな流れは、まず、与えられたテーマに関して前提の確認と時間配分をしてから、意見を出し合います。
時間内に意見をまとめて、時間内で発表するのが基本の流れです。
グループディスカッションに受かるコツとして、役職にとらわれないこと、発言内容に気をつけながら発言回数を意識すること、発言するときは意見を話す前にワンクッション言葉を置くように心がけましょう。