・ガクチカに教育実習の内容が使えるか
・面接官に刺さるガクチカの作成方法
・ガクチカの内容に迷っている人
・実習の内容をガクチカに使いたい人
はじめに
就活を進めるにあたって「ガクチカ」は必要不可欠です。
ガクチカとは「学生時代に頑張ったこと」の略で、企業の面接やESなどで必ずといっていいほど求められます。
教職を選択していたり、教育系の学部に所属したりしている学生のなかには、教育実習をガクチカとして使いたいと考えている人もいるかもしれません。
ここでは教育実習をガクチカにするのは適切なのか、また教育実習で魅力的なガクチカを作るための注意点などを紹介します。
教育実習でガクチカを作成しようと考えている学生はぜひ参考にしてみてください。
教育実習をガクチカにするのはあり?
そもそも、教育実習をガクチカにするのはありでしょうか。
答えは「あり」です。
教育実習は立派なガクチカのエピソードになるでしょう。
学生と関わっていくなかで得た学びや気づき、授業で工夫したことなど、ガクチカに結びつけやすい経験をたくさん得ているはずです。
それらの経験をしっかりと深掘りしていけば、効果的なガクチカを作成できます。
多くの学生は、アルバイト経験やゼミ活動、サークル活動などをガクチカの題材とする場合が多いです。
そのため、教育実習をエピソードにする学生は珍しく、人事の印象に残りやすいというメリットもあります。
これから説明するポイントや注意点をしっかり押さえて、受かるガクチカを作成していきましょう。
教育実習のガクチカで面接官が見ていること
教育実習をガクチカとしてアピールする就活生に対して、面接官はどのような点を知りたいと考えているのでしょうか。
相手側の目的を理解しておけば、それに応じた回答を用意できます。
意図に沿った回答を用意すれば、相手もすんなり内容を理解できるため、ぜひ確認してみてください。
人間性・適性を把握するため
企業は自社の文化や価値観に応募者がどれだけフィットするかを確認するために志望動機を重視しています。
企業にはそれぞれ独自の社風があり、その社風に合った人物像を採用することで、社内の一体感を保ち、生産性を向上させようとしているのです。
例えば、変化を追い、柔軟に進化を続ける企業では、柔軟で適応力のある人材が求められます。
一方で、伝統や安定を重視する企業では、慎重で計画的な行動ができる人材が好まれます。
このように、志望動機からは応募者がその企業の文化や価値観をどれだけ理解し、共感しているかが読み取れます。
企業はこの情報をもとに、応募者が入社後に自社の社風に適応し、長期的に活躍できるかどうかを判断しているのです。
その人のモチベーションの根源を見るため
教育実習をテーマにしたガクチカを通じて、面接官は応募者のモチベーションの根源を探ります。
面接官はどのような経験が応募者を最も奮い立たせ、その動機がどこから来るのかを確認しているのです。
どのような場面でモチベーションが高まり、どのような場面で下がるのかを理解しておけば、就職後、どの部署に配置するかも検討できます。
例えばIT企業を例にすると、皆をまとめて集団を導くことにモチベーションを感じる人はプロジェクトマネージャーへの成長が期待できますし、1つの業務に集中して取り組むのが好きな人はプログラマー向きであると判断されるでしょう。
このように「長く、やる気を持って働いてくれるか」「どの役割を与えれば、さらにやる気を持って取り組んでくれるのか」を判断されているのです。
入社後の活躍を判断するため
企業は当然ながら活躍してくれる人材を採用したいと考えています。
志望動機を通じて応募者が入社後にどのように貢献し、成果を上げていくのかを予想しようとしているのです。
志望動機には応募者の熱意や価値観、そして過去の経験から得た強みが現れるため、これらの要素をもとに応募者がどのような形で会社に貢献できるかを評価します。
例えばスキルをどのように活かして会社の成長に寄与できるかをガクチカで説明することで、どのような役割を果たせるか具体的にイメージしてもらうことができます。
また、自分の強みをどのように仕事に活かすかを具体的に述べることができれば、モチベーションが高いと判断されます。
特にベンチャー企業は早い段階で戦力になってくれる人材を求めているため、積極的に入社後の活躍について触れるようにしましょう。
教育実習で魅力的なガクチカを作る際のポイント
教育実習を題材にガクチカを作成するのは、ありだということがわかりました。
それでは、ガクチカの内容はどのように書いていけば良いのでしょうか。
教育実習で経験してきたことをただ伝えるだけでは魅力的なガクチカになりません。
意識して欲しいポイントは、以下の3つです。
目標や課題に対してどのように取り組み成果を出したかを述べる
教育実習から得た学びや能力を入社後どう活かすのかを述べる
以下ではこれら3点について、詳しく解説していきます。
PREP法を用いて作成する
教育実習をテーマにする場合に限ったことではありませんが、ガクチカを作成する際にはPREP法を用いることが効果的です。
PREP法とは、P(結論)・R(理由)・E(具体例)・P(結論)の順に話を展開する方法です。
まず最初に結論を述べ、その後にその結論に至った理由を説明します。
そして次に具体的なエピソードを挙げて説得力を持たせることがポイントです。
最後に、再度結論を強調することで、話全体が締まります。
PREP法を使えば、面接官に伝わりやすく、論理的で一貫性のあるガクチカを短時間で作成できます。
PREP法を使って、教育実習で生徒に対して行った指導方法や、それによって得た結果を具体例として示して、面接官に対して自分の能力や成果をわかりやすく伝えましょう。
PREP法は非常に汎用性が高いため、マスターしておくことをおすすめします。
目標や課題に対してどのように取り組み成果を出したかを述べる
まず意識すべきなのは「目標や課題に対してどのように取り組み成果を出したかを述べる」ことです。
企業側はガクチカのプロセスを通して、あなたの物事への向き合い方や価値観を知ろうとしています。
あなたの内面を知ることで、企業の理念や考え方とマッチしているかを検討し、今後企業で活躍する人材であるかを見極めるのです。
教育実習であなたは、目標を設定したり、さまざまな課題に直面したりしてきているはずです。
それらにどのように向き合い、どう考えてどう行動したかを書いていきましょう。
ガクチカを作成するなかで、犯してしまいがちなミスがあります。
それはガクチカが「活動内容の紹介」になってしまうことです。
教育実習の活動内容の紹介に重点を置き過ぎてしまうと、企業はあなたの内面を把握できません。
企業はガクチカの「実績」や「結果」が知りたいのではなく、「プロセス」が重視されていることを理解して、ガクチカを作成していきましょう。
教育実習から得た学びや能力を入社後どう活かすのかを述べる
教育実習を通じて得た学び、能力を入社後どのように活かすかを具体的に述べることは就活において非常に重要です。
教育実習はただ単に教える技術を学ぶだけでなく、実践的なスキルや洞察力を身につけられる素晴らしい機会です。
教育実習を経て身につけたスキルや経験をどう活用するか明確にできれば、相手に対して自分が即戦力として活躍する姿をイメージさせやすくなります。
教育実習ではコミュニケーション能力や忍耐力、柔軟性を身につけられます。
つまり、相手の立場に立って考えるスキルや、状況に応じて柔軟に対応できるスキル、難解な業務に対しても粘り強く取り組むスキルをアピールできるのです。
これらの3つの能力は多くの企業において求められているものであり、実際に職場でどのように活用するかを具体的に説明できれば、あなたが活躍しているイメージを与えやすくなります。
ぜひ、あなたが身につけた能力を分かりやすくアピールできるような説明を心がけましょう。
教育実習をガクチカにする際の注意点
教育実習の経験は、上記2つのポイントを押さえて作成できれば魅力的なガクチカになるはずです。
しかし、教育実習のガクチカを作成していくなかで、教育実習ならではの注意点も存在します。
押さえておきたい注意点は以下の2点です。
専門用語などを使わない
これらを押さえておくと、人事側のマイナスイメージや懸念点を解決できるでしょう。
以下ではこの2つについて詳しく解説していきます。
質問の回答を用意しておく
まず注意点1つ目は「なぜ民間?などの想定される質問への答えを準備しておく」ことです。
面接で教育実習のガクチカを伝えた際に、面接官から「教育実習を経験したうえでなぜ民間企業を志望したのですか?」といった質問をされる可能性があります。
公務員と民間企業では社会的役割や、業務内容に大きな違いがあります。
そのため、なぜ企業へ志望したのかと質問をされる可能性は高いです。
このような質問に対して面接官が納得のいく回答を用意しておきましょう。
ここでうまく回答できないと、「教育がつらくて逃げてきたのかな」「教員免許を取得したら辞めてしまうのではないか」などと、マイナスイメージをもたれてしまうかもしれません。
「在学中に自分のめざす将来像に変化が出た」や「教育現場ではなく、民間企業で自分の力を発揮したい」など人によって理由はさまざまなはずです。
なぜそのような考えに至ったのか、自分の動機や考えの変化を深掘りして、納得のいく回答を用意しておきましょう。
深掘り質問への対策をしておこう
「なぜ民間の企業を受けようと思ったか?」などの想定される質問に対して準備をする重要性を上記で説明しました。
ガクチカは面接の中で深掘りされやすい質問であり、受け答えをスムーズにできるかどうかで内容だけでなく、コミュニケーション能力を評価されることがあります。
深掘り質問への対策は様々な方法がありますが、より面接力を上げたい方は以下の記事を参考にしてみましょう。
専門用語などを使わない
注意点2つ目は「専門用語などを使わない」ことです。
教育実習をするくらいですから、あなたは教育関連の専門用語を良く知っているでしょう。
しかし、企業の人事担当はそのような専門知識を持ち合わせていないことがほとんどです。
教育系の企業でない限り、企業側は教育実習に関して知識が浅いことを頭に入れておきましょう。
教育に関する専門的用語を多用してしまうと、人事はガクチカの内容を理解できないかもしれません。
せっかく良いガクチカを作成しても、人事に理解されないと意味がありません。
知識量に差があることを念頭に置き、教育に詳しくない人でもわかるような表現や説明をしましょう。
ガクチカを作成済みの人も、難しい専門用語が使われていないか今一度見直してみるといいでしょう。
教育実習のガクチカの構成
ガクチカにはどのようなエピソードを話す際にも汎用的に活用できるテンプレートの構成が存在します。
この構成を活用すればどのような企業を受ける場合にも活用できるだけでなく、エピソードを教育実習以外のものに変更する場合でも利用できます。
ぜひ本記事でマスターしてしまい、あなたが受ける企業に応じてガクチカをスムーズに作成し、就活をうまく進めましょう。
1.結論
ガクチカについて話す際は、まずはなんといっても結論から話す必要があります。
「私が学生時代に力を入れたことは教育実習です」と一言で説明するようにしましょう。
教育実習にどのように力を入れたのか、何を得て何を学んだかなど、重要な部分は後ほど説明するものであるため、ここで詳しく書く必要はありません。
まずは一言、何に力を入れたのかについて説明するだけで問題ありません。
先に結論を述べないと、結局何が言いたいのかわからない文章になってしまうため、まずは結論を話して、結論を念頭に置いて続きを読んでもらいましょう。
2.エピソード
続いて、教育実習での具体的なエピソードを話すようにしましょう。
実際の経験に基づいたエピソードで、あなたがスキルを身につけた、もしくは問題を解決するために取り組んだ話などをすることが重要です。
企業が求めている能力が何であるかを踏まえた上で、求められている能力があることを伝えられるエピソードを選びましょう。
また、当然ながら、企業の採用担当者はそのエピソードが発生した場面に居合わせていた人ではありません。
したがって、誰が聞いても情景が浮かぶような、イメージしやすく、客観的な説明を心がけるようにしましょう。
専門用語を用いたり、抽象的な説明をしてしまったりするとエピソードについてイメージさせることができません。
数字などを用いて、可能な限りわかりやすく説明することが重要です。
3.学んだこと
教育実習のエピソードを通じてどのようなことを学んだのか、どのようなスキルを身につけたのかについて説明することも非常に重要です。
ここでアピールする学んだことや能力は可能な限り企業が求めているものに近いものにしましょう。
例えば、粘り強く業務に取り組む人材を求めている企業には、「一人ひとりの生徒が心を開いてくれるよう、様々な取り組みをし、粘り強く取り組むことの重要性を学んだ」などと話すようにしましょう。
これにより、あなたが身につけた能力や学んだ内容が将来的に企業で活用できるものであることが伝わりやすくなります。
4.入社後どう活かすか
最後に、先ほど説明した「教育実習を通じて学んだことや得たスキル」をどのように活用するのかについて具体的に説明しましょう。
先ほどの「学んだこと」の部分で相手はあなたの能力について想像できているでしょうが、さらに企業の業務内容に落とし込んで説明することで、より具体的なイメージを与えられます。
例えば、先ほど説明した例である忍耐力をアピールしたいならば「貴社の営業職として働くにあたっても粘り強く取り組み、失敗した際は常に何が問題であったのかを繰り返し分析することで毎月のノルマを達成でき、貢献できる人物を目指したい」などと話すことが重要です。
これにより、あなたが学んだことが企業に活かせるものであり、そして企業に貢献できる素質を備えた人物であるとアピールできるようになります。
【ガクチカ面接対策】面接で好印象を得るために対策をしよう!
選考の面接において、「ガクチカ」は頻出質問であり、
ここで好印象を得られるかどうかが通過率を動かすキーポイントと言えます。
ESのガクチカをただ読むのではなく、面接用にガクチカを作りましょう!
またこのツールでは深掘り質問への対策もできるため、
面接力を大きく向上させることができます。
私が学生時代に力を入れたのは飲食店でのアルバイトです。
働く店舗は売上の伸び悩みを問題としていたという理由で自分にできる売上向上施策をするという目標を掲げ、取り組みました。
飲食店でのアルバイトに取り組む中で、中々売上が向上せず、プレシャーのみが積み重なってしまうという困難にぶつかりました。
それに対して、先輩や上司に積極的に相談をするという行動を取ることでアドバイスをもとに施策を考え、売上を1.5倍に伸ばすという結果につながりました。
この経験を通して周囲とコミュニケーションを取ることと積極的に動くことの大切さということを学び、貴社に入社後は経験で得たことを活かして活躍していきたいと考えています。
教育実習のガクチカ例文4選
続いて、本記事で紹介した内容をもとに作成した、教育実習に関するガクチカの例文を4つ紹介します。
どのような文章展開をしており、どのような経験を強調しているかなど、本記事のおさらいのためにも、ぜひ参考にしてください。
ここでは教育実習を題材にしたガクチカの例文を紹介します。
例文①教育実習×英語の授業
「英語が好き」という気持ちから学ぶ意欲が生まれると考え、専門科目である英語を好きになったと思う生徒を1人でも多く増やすことを目標としました。中高生に人気の洋楽や洋画を取り入れた授業など、英語に興味をもってもらえるよう、工夫した授業を行いました。しかし授業に正解はなく、よりよい授業を追求し続けても終わりがないことや、生徒によって興味をもつ分野は異なることが課題として浮き上がりました。そのため実習生と授業を見せ合い、フィードバックをし合い、授業をビデオ撮影し、客観的に自分分析しました。授業で居眠りが多かったり、発言率が低かったりすれば、授業のアプローチを変えて繰り返し試しました。結果的に、実習前後のアンケートで英語が好きと答えた生徒は18人から34人に増加したのです。担任教師の所見からも「授業を重ねるたびに挙手や発言が増え、生徒の真剣さをはっきり感じた」と言っていただけました。この経験で、時間をかけて本気で向き合った分、相手も本気にさせられること、改善するために変化し続けることが成長につながると学びました。貴社においても、自分の英語力、そして継続的に努力し続ける姿勢を大切にして、知識とスキルを磨き続け、業界の最新情報を元に業務を行う人物として貢献する所存です。
例文②教育実習×コミュニケーション能力
例文③教育実習×授業
例文④教育実習×事務作業
まとめ
教育実習でガクチカを作る際は、「目標や課題に対してどのように取り組み成果を出したかを述べる」、「教育実習から得た学びや能力を入社後どう活かすのかを述べる」この2点を意識して書くと、プロセスに重点を置いた客観的なガクチカを作れます。
作成時の注意点は「なぜ民間?などの想定される質問への答えを準備しておく」、「専門用語などを使わない」の2点を押さえておけば、教育実習ならではの懸念点やマイナスイメージを払拭できます。
構成は「結論」→「エピソード」→「学んだこと」→「入社後どう活かすか」で作成すると、人事へ伝わりやすいガクチカを作りやすいです。
これらのポイントを押さえて、教育実習で「受かるガクチカ」を完成させましょう。
教員採用の自己PRについては以下の記事を参照して下さい。