はじめに
就職活動のために自己PRを作成する段階になって「そもそも私のこの性格をアピールして良いのだろうか」と悩んでいる方もいるかもしれません。
たとえ自分では魅力的と思えない性格だとしても、アピールの仕方次第で企業に良い印象をもってもらえるアピールポイントにすることができます。
今回は多趣味を自己PRでアピールしたいという方に向けて、多趣味は自己PRでアピールできるのか、効果的にアピールするにはどんなポイントに注意すれば良いのかを解説します。
最後に多趣味を使用した自己PRの例文も掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
【ベンチャーに刺さる多趣味の自己PRとは】自己PRで多趣味ってアピールできる?
自己PRで多趣味をアピールすること自体は可能です。
しかし、ただ趣味が多いというだけでは、企業にとって魅力的な人材とは感じてもらえません。
企業は仕事で業績があげられる人を求めています。
つまり、仕事に関係のない個性をアピールしても評価されないのです。
したがって、多趣味を自己PRでアピールするのであれば、多趣味であることがどのように仕事に活かせるかを合わせてアピールする必要があります。
そのためには、多趣味であることの背景に、どのような能力があるのかを掘り下げましょう。
また、多趣味であることによって身につけた能力があれば、そちらをアピールすることもできます。
どちらであっても「その能力は仕事に活かせるか」という視点が重要です。
【ベンチャーに刺さる多趣味の自己PRとは】多趣味でアピールできる能力
多趣味であるためには、実はさまざまな能力が必要です。
まずは、いろいろなことに興味をもつために、好奇心旺盛であることは必須でしょう。
また興味をもったとしても、実際に趣味を始めてみるためには、実際の行動に移せる行動力、フットワークの軽さも必要です。
新しい趣味を始めるためには、新しい世界や人間関係に飛び込んでいくチャレンジ精神も求められます。
趣味を通して、初対面の人とも打ち解けられる能力を培った、という場合もあるでしょう。
実は、ここで例にあげた好奇心や行動力、チャレンジ精神などは特にベンチャー企業で強く求められる能力です。
そのため、多趣味であることを通してこれらの能力をアピールできれば、ベンチャー企業に対して効果的な自己PRになります。
【ベンチャーに刺さる多趣味の自己PRとは】自己PRで多趣味をアピールする際の注意点
多趣味であることは自己PRでアピールできますが、その際に注意すべき点が3つあります。
それは「趣味重視と思われないようにする」「アピールしたい能力を明確にする」「多趣味そのものはアピールしない」ことです。
これらに注意しないと、自己PRで自分の魅力をアピールできないばかりか、かえって悪い印象を与えてしまう場合もあります。
どうすれば多趣味を効果的にアピールできるのか、それぞれの注意点について、くわしく見ていきましょう。
趣味重視と思われないようにする
多趣味であることをアピールすると、「仕事より趣味やプライベートを優先する人」というイメージも相手に与えてしまう可能性があります。
そう思われないために、あくまでも仕事が優先であり、趣味はその次であることを明らかにしましょう。
自己PRに「大学の期末試験前は趣味を封印し、試験後の自分へのご褒美として趣味を取っておくことで、より勉強に力が入った」「研究の合間に趣味を楽しむことでリラックスでき、研究にも良い影響があった」といったエピソードを挿入すると、自然に仕事優先の姿勢をアピールできます。
趣味やプライベートを重視することも決して悪いことではありませんが、企業は仕事で業績があげられる人を求めています。
「多趣味であることは仕事にとってマイナスの影響をおよぼさない」ということを伝えられるような自己PRになるよう心がけましょう。
アピールしたい能力を明確にする
先ほど、多趣味でアピールできる能力として好奇心旺盛なことや行動力などをあげました。
しかし、そうした能力すべてをアピールしても、相手には強い印象を残せません。
アピールする能力は1つに絞り、相手へ明確に伝えましょう。
そのためには、その企業で活かせる能力や求められる能力は何かを知るため、企業研究や業界研究が必要です。
企業研究の過程で「この企業は新しい分野にどんどん進出していっているから、チャレンジ精神が求められるだろう」「この業界では行動力がある人ほど評価されている」ことがわかれば、その能力について重点的にアピールします。
多趣味であることはさまざまな能力を含んでいるアピールポイントです。
各企業にマッチした能力は何かを明確にできれば、効果的な自己PRができます。
多趣味そのものはアピールしない
もっとも注意しなければならないのは、多趣味そのものはアピールせず、多趣味の背景にある能力をアピールする、ということです。
多趣味であっても、仕事で業績をあげることにはつながらず、企業にとっては魅力的な人材だと感じてもらえません。
さらに、多趣味であることだけが相手に伝わると、「飽きっぽい性格なのではないか」「何かを始めても途中で投げ出してしまうのではないか」と思われてしまう可能性もあります。
自己PRで悪印象を与えてしまっては逆効果です。
自己PRでは「自分の個性がその企業に対してどんなプラスの価値を提供できるか、どう仕事の業績に結びつけるか」を意識する必要があります。
多趣味そのものではなく、多趣味の背景にある能力や、趣味を通して培われた能力をアピールしましょう。
【ベンチャーに刺さる多趣味の自己PRとは】自己PRの構成
自己PRで多趣味であることをアピールするのなら、文章の構成も重要です。
相手に自分の主張したいことが伝わりやすくするためには、下記の構成でPR文を書くのがおすすめです。
①強み
②発揮したエピソードの概要
③課題
④解決策
⑤結果
⑥会社にどう貢献できるか
①の強みでは、「私の強みは多趣味で、行動力があることです」というように、言い切ってしまいましょう。
②の発揮したエピソードの概要では、複数の経験に触れても良いですが、主要なエピソードは1つに絞ってください。
③の課題で、困難に直面したときの経緯をくわしく説明します。
④の解決策では、「多趣味で、行動力があること」によって課題を解決した方法について書きましょう。
⑤の結果で、課題を解決した結果得られた成果や、自分が成長した部分を説明します。
ここで気をつけなければならないのは、成果を自慢するような書き方にしないことです。
この成果はあくまでも「多趣味で、行動力があること」をアピールするための材料であり、もっとも強調すべき部分ではありません。
最後に、⑥会社にどう貢献できるかを書いてまとめます。
【ベンチャーに刺さる多趣味の自己PRとは】自己PRの例文
ここで、自己PRの例文を2つご紹介します。
自己PRで多趣味をアピールする際の参考にしてください。
ただし、この例文はあくまでも構成などを参考にするだけに留め、エピソードを自分の自己PRに転用することはやめてください。
きちんと自分の実体験に基づいた自己PRでないと、面接などで質問されたときに矛盾が生じ、必ずボロが出ます。
インターネット上にはほかにも多くの自己PRの例文が掲載されています。
それらの丸写しはせず、必ず自分の言葉でアピールしましょう。
例文①
私は教育学部に所属していますが、長期休みに住み込みで農作業ボランティアをしたり、IT企業のインターンをしたりと、さまざまなことに挑戦してきました。
なかでも私が苦労をしたのは、京都のゲストハウスで住み込みアルバイトをしたときです。
京都という土地柄のため、外国からの宿泊者がほとんどでした。
英語は得意だと自負していたのに、北米の方とヨーロッパの方とオセアニアの方で違う言語のように聞こえ、コミュニケーションが難しかったのです。
さらに、中国語やスペイン語などはまったくわかりませんでした。
しかし、アルバイトの合間を縫ってオンライン講座で語学の勉強をし、積極的に宿泊者に話しかけることで、徐々にコミュニケーションを取れるようになりました。
アルバイト終盤には、英語はもちろん、中国語でもおおよそ会話ができるようになったのです。
仕事においても、未知の分野でもチャレンジし、積極的に知識を身につけることで、新規事業を成功させられると考えています。
例文②
大学では写真サークルと合気道サークルというタイプの違うサークルを掛け持ちし、それぞれコンクールや大会に向けてはげんでいました。
あるとき私は、合気道サークルに「大会の写真を写真サークルに撮影させてもらえないか」と提案し、双方のサークルメンバーと話し合って実行しました。
その件がほかの運動系サークルでも評判となり、写真撮影の依頼が多く舞い込むようになったのです。
しかし、依頼が多くなるにつれ、写真サークル内では費用清算などの事務作業の負担が大きくなり、メンバーからは不満も漏れ始めました。
そこで私は思い切って、事務作業に報酬が支払われる仕組みを作りました。
すると、サークルメンバーは仕事として意欲的に事務作業をするようになり、運動部からの謝礼で事務作業の報酬だけでなく、写真サークルの活動費も得られるようになったのです。
仕事においても、複数の視点から物事を見て新しい事業を見出し、そして自らそれを形にすることができると考えています。
まとめ
多趣味を自己PRでアピールしたいという方に向けて、多趣味は自己PRでアピールできるのか、効果的にアピールするにはどんなポイントに注意すれば良いのかを解説しました。
多趣味は自己PRのアピールポイントとして利用できますが、多趣味そのものではなく、その背景にある能力をアピールするよう注意しましょう。
自分の能力で企業に対してどんなプラスの価値を提供できるか、どう仕事の業績に結びつけるかを意識し、効果的な自己PRを作成してください。