はじめに
新学期や仕事が始まるこの季節には、学校や職場で自己紹介をする機会も増えるのではないでしょうか。
初めて会う人に自分を知ってもらう一歩として自己紹介は非常に重要です。
最初の印象が良ければその後の人間関係もうまくいきやすいですし、逆に最初の印象が悪いとその後イメージを回復させるのは難しいでしょう。
これは就活の場面でも同じです。
今回は、就活の自己紹介で何を言えば良いかわからない学生のために、自己紹介のポイントを解説していきたいと思います。
自己紹介の目的
そもそも面接で自己紹介をする目的とはなんなのでしょうか。
最初の目的はプロフィールの確認です。
履歴書に誤りがないか、面接官がチェックします。
次の目的は、志願者の緊張を和らげ、話しやすい雰囲気を作ることです。
リラックスすることで志願者本来の力を発揮し、その後の面接もスムーズに行うことができます。
さらに、自己紹介を通して面接官は礼儀やマナーのチェックもしています。
話し方や言葉遣いなど細かい部分まで見られていることを知っておきましょう。
自己紹介と自己PRを混合しない
まず意識しておいてほしいのは、「自己紹介と自己PRを混同しない」ということです。
これを聞いて驚いた人もいるのではないでしょうか。
実はこの2つは別物なのです。
面接の際、自己紹介を求められているのに自己PRばかりを重視する人は多いです。
ついつい自分が頑張って準備したことを話したくなってしまう気持ちはわかりますが、唐突に自己アピールや強み、スキル、知識などを話そうとするのは良くありません。
自己紹介のタイミングでそのようなことを話してしまうと、質問の意図を理解していないと面接官に捉えられてしまう可能性があります。
自己紹介と自己PRの違い
自己紹介と自己PRは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
自己紹介は、あくまで面接官と学生がコミュニケーションを取るきっかけにすぎません。
先ほど述べたように、自己紹介の目的は、1プロフィールの確認、2緊張を和らげる、3礼儀やマナーのチェックです。
つまり面接の本題というより、最初の雰囲気づくり、その後の面接をスムーズに行うための準備といった側面が強くなります。
自己紹介は、自分がどのような人間なのか、面接官にイメージを持ってもらううえで大切なのです。
それに対して、意欲的に自分自身の能力をアピールするために行うのが自己PRです。
ここでは、自分の強みやスキルについて詳しく話します。
この2つの違いを意識しておくことで、話す内容を見失うことなく、きちんとした流れで面接を進めることができるでしょう。
自己紹介で話すべき内容
自己紹介と自己PRの違いについて理解できたのではないでしょうか。
この2つの違いを意識して、話すことをそれぞれ考えておく必要があります。
しかし、「じゃあ自己紹介ではどんなことを話せばいいの?」と疑問に思った学生も多いのではないでしょうか。
そこで、ここからは自己紹介で話す内容について紹介していきます。
話すべき主な内容としては、1プロフィール、2学生時代に何をしてきたか、3意気込みや挨拶の3つが挙げられます。
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
プロフィール
自己紹介で一番大切なのがプロフィールです。
初めて会う人には自分の名前や所属を名乗るのが普通です。
面接の際、面接官は目の前にいる志願者がどんな人なのかについて履歴書以外何の情報も持っていません。
名前も聞かないうちに「私の長所は~」いきなり話し出されても、聞いている側は混乱してしまいます。
面接の場面に限らず、知らない人にいきなり話しかけられたら少し怖いと思います。
伝えたいという気持ちが先行してしまうのはわかりますが、まずは最初に自分が誰なのかをしっかりと説明することが必要です。
プロフィールは自分の基本情報を伝えるためのものなので、「〇〇大学△学部×学科の〇〇から参りました(氏名)です。」のように、名前・所属大学・学部・学科は必ず入れるようにしましょう。
学生時代に何をしてきたか
次に、学生時代に力を入れたことについて話します。
サークル活動や部活動、ゼミ、アルバイトなど、自分が学生時代に頑張っていたことについてどれか一つを簡潔に話しましょう。
学生時代に力を入れていたこと、いわゆる「ガクチカ」と呼ばれるものですが、これは自己PRで話すために準備している学生が多いのではないでしょうか。
自己PRのガクチカでは、自分がどんなことを頑張ったのか、その結果どのような成果が得られたのかについて詳細に話す必要があるかと思いますが、自己紹介の段階ではそこまで詳しく話す必要はありません。
履歴書やエントリーシートの内容と食い違いがないようにだけ気を付けて、さらりと話す程度で大丈夫です。
逆にここでダラダラと長く話してしまうと、印象が悪くなってしまいます。
意気込みや挨拶
プロフィール、学生時代に頑張ったことを話し終えたら、最後は意気込みや挨拶を述べて締めましょう。
学生生活を踏まえたうえで、これからこの企業でどのように頑張っていきたいかなど、前向きな意気込みを話すと好印象です。
「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます」など感謝の言葉も盛り込むとさらに良いでしょう。
先ほど述べたように、自己紹介では礼儀やマナーもチェックされています。
挨拶や感謝の言葉がしっかりと言えないと、社会人にとって非常に重要な礼儀が身についていないと評価されてしまうので、ここを疎かにしてはいけません。
「終わり良ければすべて良し」ということわざがあるように、最後の印象はとても大事です。
元気良く、爽やかに挨拶しましょう。
アピールすべき活動がない時
サークルやアルバイトなど、自己紹介に入れる活動がないと不安を抱く人もいるのではないでしょうか。
特に最近はコロナウイルスの影響で、部活動やサークル活動が制限されてしまったり、アルバイトも解雇されてしまったりと、学生時代に自分が思うような活動をできなかったという人も多いはずです。
そんな人は、何もやっていないとあえて伝える必要はありません。
その代わりに、自分の好きなこと、趣味や特技などを話すようにしましょう。
自己紹介の適切な長さ
自己紹介の適切な長さはどれくらいなのでしょうか。
一般的には、1分以内で話せる長さが良いとされています。
これは文字数にすると、250~300字程度です。
上で挙げた内容をすべて盛り込んで1分以内にまとめるというのは、実はなかなか難しい作業です。
しかし、1分を超えてダラダラと話し続けてしまうと、話をまとめる力がないと思われてしまいます。
最初に少し長めに作って、後からいらない部分を削りながら調整していくと良いでしょう。
具体例
ここからは、自己紹介の具体例を2つほど紹介していきたいと思います。
自己紹介で何を言えばいいかわからない学生はぜひ参考にしてみてください。
あくまで例ですので、丸パクリするのではなく、エピソードや意気込みの部分は自分なりのものを用意するようにしましょう。
アルバイトの経験を伝える
まずはアルバイトの経験を伝える自己紹介の例文です。
自分が学生時代にどのようなバイトをしていて何を学んだのか、それをどのように活かせると思うのかについて簡潔に説明します。
バイトで接客をしていた人はコミュニケーション能力、シフトリーダーなどの経験がある人は責任感など、自分のアピールできる部分を考えてみましょう。
「〇〇大学△学部×学科の〇〇から参りました(氏名)です。
学生時代は~のアルバイトに力を入れており、アルバイトの経験から接客の楽しさやお客様を喜ばせることの大変さを学びました。
社会人になってもこのような経験を活かし、他者を喜ばせる接客について日々向上心を持って学んでいきたいと思っております。
本日は貴重なお時間割いていただき誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします。」
趣味や特技を伝える
続いて、趣味や特技を伝える自己紹介の例文です。
アルバイト経験がないからといって不安に思う必要はありません。
趣味や特技を通して自分の人間性を伝えられるように工夫しましょう。
「〇〇大学△学部×学科の〇〇から参りました(氏名)です。
趣味は国内旅行で年に5回は友人や家族と旅行に行っています。
企画から地元の観光地やグルメのリサーチまで行い、スケジュールを作成することが得意です。
本日は貴重なお時間頂きましてありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。」
ベンチャー企業の面接においてウケのいい自己紹介
就活をしている人の中には、ベンチャー企業に就職したいと考えている学生も多いと思います。
では、ベンチャー企業の面接においてウケのいい自己紹介とはどのようなものなのでしょうか。
ベンチャー企業が求めている人材は、主体性、成長意欲、柔軟性のある人材です。
そのため、これらの要素を活かしたエピソードが入っていると良いでしょう。
たとえば、長期インターンでの経験や、留学した経験、起業した経験があればそれを話しましょう。
そのようなエピソードがない場合でも、日常の中から主体性、成長意欲、柔軟性に結びつくエピソードを考えることができれば、ベンチャー企業にウケの良い自己紹介を作ることができます。
自分の行きたい企業が何を求めているのかを見極め、それに沿った自己紹介を考えることが重要です。
意識すべきポイント
自己紹介で内容が大切なのはもちろんなのですが、そのほかにもいくつか注意しなければならないことがあります。
そこで、ここからは内容以外に自己紹介で意識するポイントについて紹介します。
面接の際には意識してみてください。
表情や視線
話している時の表情や視線はとても重要です。
明るい表情で、視線は相手をしっかり見て話すようにしましょう。
同じ内容を話していても、目を見て笑顔で話すのと、下を向いて暗い表情で話すのとでは、伝わり方が全然違います。
せっかく自己紹介の内容が良くても、目を見て話さないだけで面接官は悪印象を抱いてしまいます。
特に本番では緊張で表情が硬くなってしまいがちなので、視線を意識して明るい表情を作るように心がけましょう。
言葉遣い
言葉遣いも面接での印象を決める際に非常に重要です。
目上の人に対する敬語はきちんと正確に使えるようにしましょう。
また、砕けた言葉遣いや、「テニスサークル」を「テニサー」と言うような略語も使わないように気を付ける必要があります。
やはり社会人になると礼儀やマナーが大切になってくるので、そこができているかどうかを面接官は見ています。
普段から略語を多く使っている人は、日常生活の中で意識しておくと本番でも失敗しないでしょう。
声の大きさ
声の大きさも大切です。
せっかく良い自己紹介をしても、聞き取りづらくて伝わらなかった、なんてことになってしまっては意味がありません。
ハキハキと大きな声で話す人と、ボソボソと小さな声で話す人とでは、やはり大きな声で話す人の方が印象が良いはずです。
大きな声で喋るのが苦手という人も、面接の時は相手が聞き取りやすいように話すことを意識しましょう。
不安な人は、誰かに聞いてもらいながら練習するのも良いと思います。
まとめ
面接における好ましい自己紹介の内容、その他のポイントについて理解できたのではないでしょうか。
自己紹介は自分を知ってもらうための第一歩です。
面接という短い時間の中で、第一印象というのは非常に大切です。
その後の面接の内容をも左右するといっても過言ではありません。
最初の自己紹介で失敗してしまうとその面接はうまくいかないケースが多いです。
そうならないために、今自己紹介の書き方に悩んでいるという人は紹介した内容を踏まえて、自分なりの自己紹介を考えてみましょう。