はじめに
ベンチャー企業は、新しいことに挑戦したい人にはピッタリです。
就職したいと考えた時、大きな壁となるのが面接ではないでしょうか。
経営理念などユニークな企業が多いだけに、面接も他とは違う点があります。
今回は、ベンチャー企業の面接内容を詳しく紹介します。
面接の特徴
一般的な面接は、スーツを着て面接官や役員と向かい合って話すイメージがあります。
一方ベンチャー企業の面接は、形式張ったものではないことがほとんどです。
「意表を突かれて、準備していた質問の答えが飛んでしまった」という話も聞きます。
ベンチャー企業は新規事業に挑戦するビジネスモデルのため、即戦力となる人材が必要です。
教育に時間を割く大手企業などに比べて、面接の形式が異なるのはやむを得ないのかもしれません。
具体的に特徴を見ていきましょう。
人間性を見られることがある
ベンチャー企業は、社員の数があまり多くはありません。
人間性を重視しなければ、既存の社員と合わず歪みが生まれてしまう可能性が高いです。
そのため、社内の雰囲気に合うかどうか人柄を見られています。
20代~30代の若い世代が多く、社員同士のコミュニケーションも大切です。
また、即戦力として働けるスキルと、積極性があることは大きな魅力となるでしょう。
ベンチャー企業では、一から教育されることはほぼありません。
わからないことを何でも聞くのではなく、自ら調べて解決する姿勢が求められます。
業務内容や環境が変わることがあり、柔軟に対応できそうかといった点も重要です。
指示がないと動けない人や考え方が固い人は好まれず、採用は難しいでしょう。
カジュアルな面談形式が多い
ベンチャー企業の面接は、大手企業よりもラフな面談形式を取る場合が多いです。
一対一の個別形式がほとんどで、グループ面接はあまりありません。
私服勤務のベンチャー企業に面接に行く際は、特に指定がなければオフィスカジュアルで臨むようにしましょう。
面接が行われる場所も、大手企業のような応接室ではなく、カフェスペースなどフランクな雰囲気の場合が多いです。
中には、居酒屋で行われたという事例もあります。
社長と一対一でカウンターに横並びというから驚きです。
スーツで面接官と対峙するよりは肩肘張らず、緊張しなくて良いかもしれません。
ただ、あくまで就職の面接である事実を忘れず、くれぐれも失礼のないように言動には注意しましょう。
逆質問をされる
一般企業の面接では、面接官から質問をされてそれに答える形で進んでいきます。
ベンチャー企業の面接は、逆質問をされることが大きな特徴です。
しかも、やり取りが終わった最後に投げかけられるだけではありません。
「資料などを読んできているだろうから、そちらから質問をどうぞ」と言われ、いきなり逆質問から始まるパターンもあります。
構えすぎていると、うろたえてしまって対応に困ることでしょう。
面接官は、就活生の論理的思考やコミュニケーション能力などを図る意図があります。
事前に企業のWebサイトなどを隅々までチェックしておき、聞きたい内容をまとめてください。
それらの質問を通して、自分の長所をアピールできるように考えると良いでしょう。
面接官が見ているポイント
面接の特徴が一般企業と異なるからといって、面接官が見ているポイントが大きく変わるわけではありません。
どの企業でも、仕事に対する熱意や入社意欲は重視されます。
ベンチャー企業では、すでに必要なスキルを備えた人材が望まれることがほとんどです。
入社後に成長していきたい人よりは、スキルを伸ばして次のステップを考える人のほうが好まれます。
転職を推奨している企業もあるくらいなので、そういった点ではやや注意が必要です。
熱意・意欲
ベンチャー企業でも、仕事に対する意欲・熱意や積極性を見られるのは同じです。
一般企業と比べて、かなり重視されているのは間違いないでしょう。
ベンチャー企業は社員の数が比較的少ないため、1人の裁量が大きい場合があります。
教育時間はほぼないに等しく、新入社員だからといって甘やかしてはもらえません。
指示を待っているような受け身の人では、業務が滞ってしまうでしょう。
自発的に動けるかが重要なポイントです。
また、事業内容が多岐にわたり、自分が担当する業務も変更されることが少なくありません。
経験のないことでも果敢に挑戦する姿勢が必要です。
このポイントを押さえてしっかりと自己アピールをすれば、内定をもらえる確率が格段に上がります。
成長について・チャレンジ性
自身の成長に対する考え方やチャレンジ意欲も見られるポイントです。
ベンチャー企業自体が成長志向であり、当然自社の社員に対しても成長を求めます。
面接では、あなたにとっての成長の定義や将来像を見られていることが多いです。
今あるスキルだけに満足せず、積極的に成長していく気持ちを伝えると良いでしょう。
新規事業に取り組むことも多々あるため、チャレンジする気概があることも重要です。
ベンチャー企業が新たなビジネスの局面を迎える際には、業務内容や環境にも大きな変化が起きます。
その時に、あなたがどのように貢献できると考えているのか、考えをまとめておきましょう。
社員一人ひとりの意識の高さが、ベンチャー企業を支えています。
人間性がマッチするかどうか
ほかにも、社内の雰囲気に合うかどうか、人柄も重視されます。
前述したように、ベンチャー企業は社員の数が少ないことがほとんどです。
上下関係を問わず、社員同士の距離も近いことが多いため、人間性がマッチするかは大きなポイントになります。
合わない人がいると職場の環境に悪影響があると考えられるからです。
雰囲気に馴染めない人が居心地の悪さを感じ、早期離職をすることもあるでしょう。
少ない人数で業務を効率的に行うには、チームワークの良さが重要です。
それが乱れてしまうことで、他の社員のモチベーションまで下がり、企業全体の利益の損失にもつながってしまいます。
ただの良い人が必要なのではなく、企業の方向性に合う人が求められるのです。
よく聞かれる質問例とは
ベンチャー企業の面接で、よく聞かれている質問はどのような内容でしょうか。
実は、一般企業で聞かれることとほとんど変わりはありません。
志望動機やガクチカなど定番の質問に対して、しっかり回答を用意しておきましょう。
志望理由・どうしてベンチャーなのか
志望理由はどの企業の面接でも必ず聞かれることです。
エントリーシートなどにも書いた上にまた聞かれるのは、それだけ重要な質問であるからとわかります。
特に「なぜ大手ではなくベンチャーを選んだのか」という点は、面接官も気になることです。
ベンチャーだけでもかなりの数の企業が存在しています。
志望する企業についてきちんと研究しておかないと、納得してもらえる答えを伝えられないでしょう。
その企業にしかない特徴や事業内容などと、自分の得意なスキルや伸ばしたいことを関連づけるのがおすすめです。
面接官は何十人もの就活生と面接をして、ほぼ毎回同じ質問を投げかけています。
ありきたりな答えでは、興味を持ってもらえません。
志望するきっかけや理由など、ある程度独自性を持たせる必要があるのです。
過去にした経験と合わせて話すことで、説得力が増します。
面接官に「おっ」と思ってもらえるような印象に残る答えを考えて、内定獲得を目指しましょう。
学生時代に力を入れたこと何か
学生時代に力を入れたこと、いわゆるガクチカも頻出質問の一つです。
過去の頑張った経験から、学生のリアルな人間性を知りたいがために質問されます。
具体的なエピソードと、そこから得られた知見などをどのように企業に活かせるのか、セットにして答えましょう。
アルバイトやサークル活動での経験談が主になります。
人とは違ったエピソードが用意できれば、確かに面接官の印象には残りやすいでしょう。
しかし、そういった経験がある人ばかりではないのが事実です。
インパクトのあるエピソードがない場合でも悲観しないでください。
大切なのは経験したことそのものではありません。
自分の人柄が伝わるような内容で十分です。
面接官はガクチカの質問をすることで、入社後の活躍や伸び代などをイメージしています。
誰もが経験してきているようなことから、新しい気付きを生み出せることこそが、むしろ有効かもしれません。
大手企業と比べると、ベンチャー企業では斬新な発想が好まれる傾向です。
将来像・キャリアビジョンについてどう考えているか
ベンチャー企業は常に未来を見据えて成長している企業です。
そのような環境で働く可能性のある就活生に対して、将来のキャリアビジョンについて尋ねるのは、ごく自然な流れと言えます。
たとえば、3年後にはプロジェクトリーダーになり、後輩の教育にも携わっていきたいというような将来像です。
1年以内に業務に有効な資格を取得し、それを活かして他部署にステップアップするなど、具体的に伝えると良いでしょう。
ベンチャー企業は大手企業と比較すると、社員の入れ替わりが激しいです。
特にリーダークラスになると、また新たな挑戦を求めて他のベンチャー企業へ転職する人が後を絶ちません。
企業側も決してそれを嫌っているわけではなく、事業展開に応じた戦力をその都度入れたら良いと考えています。
ただ、面接時に将来的な転職の考えまで打ち明ける必要はまったくないです。
どのようなスキルを身につけて会社に役立とうと考えているのかを伝えていきましょう。
事前にできる対策
ベンチャー企業の面接に備えて、事前に対策をしておけば安心です。
やるべきこと自体は、よくある質問と同様に他の企業とそれほど違いはありません。
その中でも特に力を入れた方が良い点について、具体的に紹介します。
自己分析
最初に、自己分析は絶対に欠かせません。
ベンチャー企業は人間性や価値観などを重視している傾向にあります。
自分の強みや弱みを明確にしておけば、どのような質問がきても十分に答えることができるでしょう。
また、過去の経験では成功したことだけではなく、失敗から何を得たかという点もポイントになります。
頑張ってきたことも改めて深掘りすることで、自分を最大限にアピールできる武器となるはずです。
自己分析をせずに、面接を突破できることは考えにくいでしょう。
ブレのない確固たる自分の人間性を面接官に伝えるには、外せない準備の一つです。
何について話す時でも真実味が増し、入社後にイキイキと働いているイメージを持ってもらえます。
企業研究
企業研究も、他の就活生と差をつけるためにもやっておくべきです。
「多数あるベンチャー企業の中で、なぜ自社を選んだのか」については必ず聞かれます。
同じような事業展開をしている企業との比較は必須です。
志望する企業にしかない特徴や経営理念、経験できるスキルなどについて、詳しく調べる必要があります。
しっかりと企業研究を行っておけば、質問の死角をなくすことが可能です。
また、面接では逆質問をされます。
少し調べればすぐにわかることをわざわざ聞いてしまっては、企業への理解度・志望度が低いと思われるでしょう。
それでは良い評価がもらえるはずはありません。
逆に、IRなど読み込まなければ理解できない情報についての質問は高評価を得られやすいです。
面接に受かる人の特長
ベンチャー企業の面接の内容が、ここまでの解説でわかってきたことでしょう。
ただ、自分自身が向いているのか、企業に求められるような人材なのか、自信がない人もいるかもしれません。
そこでベンチャー企業の視点から、どのような人が面接に受かりやすいのか紹介します。
次に挙げる3つのポイントをしっかりアピールできれば、内定獲得がグッと近付くのは間違いありません。
入社して活躍する自分のイメージを明確に持っておきましょう。
働く意欲・熱意のある人
ベンチャー企業は、自社の事業内容を理解し、仕事に熱意のある人を求めています。
たとえ熱意があってもそれをしっかり伝えられない人は、論理的思考に欠けていると判断されるかもしれません。
ベンチャー企業は日本国内に何万社とあるので、自社で働いてくれる意欲にあふれた人を好みます。
いくら業務を遂行する能力が高くても、熱意・意欲に欠ける人はすぐに辞めてしまうでしょう。
転職を推奨している企業でも、早期離職は会社のイメージに良いものではないので、避けたいところです。
最低限、即戦力となれる程度の力がある人なら、他のマイナス部分を熱意・意欲で十分カバーできます。
何にも変え難い、大きな魅力を持っていると言っても過言ではないのです。
コミュニケーションスキルの高い人
人柄を重視する傾向にあるベンチャー企業においては、コミュニケーションスキルは重宝されます。
風通しが良い職場環境の維持には、欠かせない能力です。
そのため、面接の際にもハキハキと自分の考えを伝えられたり、笑顔で話せたりする人は好印象に映ります。
入社してからも、社員同士の交流に大いに役立つでしょう。
ベンチャー企業では上下関係がうるさくなく、役職を問わずフランクに接するところが多いです。
業務の伝達事項だけでなく、改善提案なども積極的に取り入れてくれます。
もちろん社外の人とのやり取りでも力を発揮できるのは言うまでもないでしょう。
ほかにない新しいビジネスモデルに取り組んでいるため、自社サービスを適切に表現できる能力は必須です。
企業のビジョンに理解・共感している人
ベンチャー企業は、大手企業に比べると一風変わった個性のある企業理念・ビジョンを掲げているところが多いです。
その事業展開からも、社会に新しい風を吹かせようとしているのがよくわかります。
自社の企業理念やビジョンをとても大切にしているので、ここを理解・共感してくれる人は高評価です。
面接で志望動機などを伝える際には、ぜひこの部分をアピールしてみてください。
うまく伝えられる人はかなりの強みになります。
自分の仕事への取り組み方や将来に向けた成長のビジョンと合わせられたら完璧です。
自社への理解・共感は、そのまま仕事に対する誇りや頑張りにもつながっていきます。
職場に愛着が持てれば、根を張って活躍できる人材となるでしょう。
まとめ
就活生に一定の人気があるベンチャー企業の面接対策について解説しました。
一般企業とそれほど大きな違いはないものの、即戦力になるスキルと成長意欲がとても重視されます。
職場環境の変化や社員同士のコミュニケーションなど、柔軟な対応が必要です。
自己分析や企業研究といった事前の対策を入念に行い、新しい事業でも活躍できる人材を目指してください。
将来はスキルアップのため転職するも良し、独立起業するも良しです。
自分の未来のために、今しっかりと準備をしておきましょう。