はじめに
就職や転職を考えた時、最初に志望動機に悩む人は多いでしょう。
志望動機は、伝え方や書き方が大切です。
希望する企業に採用されたいという熱意をまっすぐに伝えられなければ、いい印象よりもネガティブな印象の方が際立ってしまう可能性もあります。
ここでは、インフラエンジニアとしての志望動機の書き方や注意点など、例文も含めてご紹介しています。
ポイントを意識しながら、自分らしい志望動機が書けるように、ぜひ参考にしてください。
【インフラエンジニアの志望動機】インフラエンジニアとは
ネットワークやサーバーといったネットワークシステムの基盤を扱い、設計・構築・運用などを手がける技術者のことを指します。
インフラエンジニアの仕事は多岐にわたり、企業によっては「サーバーエンジニア」「セキュリティエンジニア」などと細分化し、それぞれに分担しているようなケースもあり、中には、複数の業務を1人で担うケースもあります。
普段の生活で利用するITサービスを滞りなく運用するための技術が求められるので、ネットワークに関する幅広い知識や、高度なプログラミングのスキルも必要となるでしょう。
生活の基盤がデジタル化してきている昨今では、インフラエンジニアの需要が高まりつつあります。
さまざまな場所での活躍が期待できる業種の一つと言えるでしょう。
インフラエンジニアを募集するベンチャー企業も多い!
インフラエンジニアは、一般のシステム系企業だけではなく、ベンチャー企業でも募集をかける場合があります。
そのため、「ベンチャー企業でインフラエンジニアの仕事を行いたい」と考えている方でも問題ないと言えるでしょう。
【インフラエンジニアの志望動機】インフラエンジニアに向いている人
現代の生活基盤を支える重要な存在とも言えるインフラエンジニアには、どのような人が向いているのでしょうか。
これは、何もスキルだけに限った話ではなく、その人の特性や性格面などが大きく関係してくる部分でもあります。
ネットワークに関する知識や高いプログラミングスキルを持ち合わせており、かつ以下の項目にあてはまる人は職場において大きな戦力になります。
インフラエンジニアに自身が向いているかどうかを、スキル以外の面で一度考えてみましょう。
コミュニケーションが好きの人
インフラエンジニアに限った話ではありませんが、エンジニアの仕事は1人で行うものではありません。
社内のプロジェクトメンバーから社外のクライアントまで、幅広い人たちとつながりを持ちながら進めていくのがエンジニアの仕事です。
特にインフラエンジニアの場合、クライアントがシステムに求めるネットワークの構成や速度などを正確に聞き出すヒアリング能力はほぼ必須で、このスキルが十分備わっているかどうかが仕事の成果に大きく関わります。
こうしたヒアリングの場面では、クライアントにシステムについてわかりやすく説明できる力も求められるため、相手の立場に立って話ができるとなお効果的です。
コミュニケーションを取ることが好きな人は、インフラエンジニアとしての仕事を十分に遂行できると言えるでしょう。
機械やパソコンが好きな人
エンジニアの仕事はパソコンをはじめ、さまざまな電子機器を触ることが多いです。
そのため、こうした電子機器を触ることが日常的に好きな人の方が、インフラエンジニアに向いていると言えます。
パソコンや機器を触るのが好きな人は、各種電子機器の勉強を継続的に続けるのも苦だとは感じない人とも言えます。
IT業界は、常に最新の技術が生まれていく環境です。
即戦力のエンジニアになるためには、日々の勉強を怠らない姿勢が重要です。
特にインフラエンジニアの場合は、ルーターやLANケーブルといったネットワーク機器など、パソコン以外にも多くの機器に触れる機会があります。
これらを抵抗なく扱える人は、インフラエンジニアに向いていると言えるでしょう。
論理的な思考ができる人
インフラエンジニアが主に担当するネットワークをはじめ、各種システムには障害や不具合が付き物です。
こうした不具合が出ないように入念に設計・構築をしても、実際にはイレギュラーが発生するケースが往々にしてあります。
プログラミングなどの開発段階で悩んだ場合は発想力も大切ですが、障害や不具合の対応を行う場合、単なるひらめきではなく、論理的な思考力があると解決につながることが多いです。
こうした論理的思考力を初めから持ち合わせている人は少なく、日頃から意識して論理的に物事を考えている人は現場で重宝されます。
論理的思考力を持つ人は、状況を冷静に分析し、原因を突き止めて効果的な対策を打つことができるため、インフラエンジニアに欠かせない要素と言われているのです。
【インフラエンジニアの志望動機】作る前にすべきこと
まずは、事前準備を怠らないようにすることが重要です。
深く考えず軽い気持ちで書いても、魅力的で説得力のある志望動機はまず書けません。
なぜインフラエンジニアになりたいのか、なぜこの業界に興味があるのかなど、原点に立ち返る気持ちで自分と向き合って考えてください。
業界研究や自己分析を行い、企業に対しての理解なども深めていけると、より志望動機が明確になっていきます。
業界に抱いている魅力や、自分の強みなどをまず明らかにするところから考えていきましょう。
業界・企業研究
ベンチャー企業は、新しい開拓を考えている企業がほとんどです。
チャレンジ精神や主体性を大切にしていることが多く、業界への豊富な知識や企業に深く携わることを求められることが多いでしょう。
そのため、採用する際には「なぜこの業界なのか」「なぜこの企業を選んだのか」という部分にこだわります。
この疑問に対し、企業側が納得できる答えを出すためには、その業界や企業のことを深掘りする必要があります。
業界研究では、業界の将来性や、どのような事業を行っているのかを調べると、業界のことだけでなく、周りの環境や関連性などについても知れるでしょう。
また、同じ業界の企業であっても、すべての企業で同じことは行いません。
ターゲットや目指しているものなども調べ、その企業の特色を理解することが大切です。
自己分析
志望動機を書くうえで、自分の強みを理解してアピールするためには、自己分析も非常に重要です。
現時点で自分はどのようなスキルを持っているのか、活かせることは何かなど、改めてじっくりと自分について考えてください。
その際、短所や弱みばかりを見つけて自己嫌悪に陥っては意味がありません。
必ず短所と長所を見つけ、自分の可能性や仕事への適性についても考えるようにしましょう。
また、なぜ転職しようと思ったのか、なぜインフラエンジニアを目指そうと思ったのかという部分を同時に見つめ直すと、徐々に理由が明確になり、志望動機を書きやすくなります。
業界・企業研究と合わせて自己分析もしっかりと行うと、志望動機でのアピールの方向性も固まってくるでしょう。
【インフラエンジニアの志望動機】アプローチする視点
インフラエンジニアとしての志望動機を書く際は、業種・職種・企業の3つのポイントを意識して、具体的に描写することが大切です。
多くの業界では、志望動機を企業に絞って書く場合が多いでしょう。
もちろん、どうしてほかの企業ではだめなのかを伝えるため、その企業を選んだ理由について熱意を込めて述べることも重要です。
しかし、インフラエンジニアの場合は、志望理由を企業という観点だけで書こうとすると、軽い印象になることがあります。
業種や職種といった方面からの志望理由をくわえれば、どうしてその仕事を志望したのか、その仕事で何をしたいのかに対して説得力が増し、入社への熱量が伝わる志望動機になるのです。
それぞれのポイントについて、より詳しく見ていきましょう。
行きたい「業種」
インフラエンジニアとしての志望動機を書く際は、まずどんな業界、業種に興味があるのかをアピールしましょう。
ここで挙げた3つの視点のうち、とくに重要な柱となる部分であり、志望動機の基礎の部分です。
インフラエンジニアとしての仕事は、IT業界に留まりません。
金融業界や工場、商社、物流業界など、コンピュータを利用している業界ならば、どこでも基盤に関する技術者が求められます。
ここがはっきりしていないと、インフラエンジニアとしてどんな仕事がしたいか、どのような人の役に立ちたいのか、どのように社会に貢献していきたいのかがボケてしまうのです。
そのため、まずは貢献したい業種をはっきりさせ、どのような仕事をしたいのかアピールする必要があります。
就きたい「職種」
業種から志望動機の方向性を定めたら、次はインフラエンジニアとして就きたい職種にアプローチしましょう。
やりたい仕事についてさらに深掘りし、その業種の中でもどんな働き方がしたいのか、将来的にどのようなキャリアを積みたいのかに発展させます。
インフラエンジニアが具体的にどのような仕事をしているのか把握し、その中でも自分が強く希望する仕事が何なのかをアピールしましょう。
これが分かっていないと、インフラエンジニアという職業に対する志望度が低いと見なされてしまう可能性があります。
インフラエンジニアの具体的な職種については、後ほど記事内で紹介しますので、志望動機作りの参考にしてみてください。
希望する業種にどのような職種として関わりたいか、仕事の内容から考えてみましょう。
志望する「企業」
上記2つの柱から志望動機を詰めたら、いよいよ最後にどうしてその企業を選んだのかに触れましょう。
関心のある業種や就きたい職種を踏まえたうえで、業界内に数ある企業の中から、どうして最終的にその企業を選んだのかを説明します。
企業を柱とした志望動機であるからには、ほかの企業との差別化が重要です。
その企業でなければならない理由、他の企業ではどうして自分のやりたいことを実現できないのかを盛り込んで、志望先の企業への熱量をアピールしましょう。
ここが他の企業でも通用するような内容になってしまうと、自社に対する志望度が低いのではと思われてしまいます。
どうしてこの業界のその企業でインフラエンジニアとして働きたいのか、具体的にアピールしましょう。
インフラエンジニアの職種
ITに関する基盤部分を担うインフラエンジニアは、主に4つの職種に分けられます。
クラウドエンジニア、サーバーエンジニア、データベースエンジニア、ネットワークエンジニアがその内訳です。
志望動機でどのような働き方をしたいのか、すなわちどのような職種に就きたいのかを書く際は、基本的にこの4つの職種の中から選ぶことになります。
そのため、これらの4つの職種がどのような仕事を担っているのか、把握しておく必要があるでしょう。
具体的な仕事内容が分からなければ、企業で働く自分の姿をイメージできません。
おぼろげなイメージで書かれた志望動機からは、企業の採用担当者も応募者が自社で活躍する姿を想像できないため、インパクトに欠けます。
インフラエンジニアの職業内容について、詳しく見ていきましょう。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、物理的なシステムの構築よりも、インターネット上でのシステム構築に携わる職種です。
インターネットを介してクラウドシステムに接続し、クラウド上にあるITインフラの設計や構築、ネットワークの整備を行います。
また、構築後の保守・運用やクラウド環境そのものの構築も行うため、クラウドデータに関しては包括的に取り扱えた方が採用に有利です。
どちらかといえば裏方に近い内容であり、華々しい活躍ができるわけではありません。
しかし、近年ではサービス全体がクラウド依存になっている場合も多く、さまざまな企業で必要とされている傾向にあります。
クラウドエンジニアとして、クラウドサービスを裏から全体的に支える意気込みがあることをアピールしてみましょう。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、さまざまな業界や企業で使用されているサーバーを、物理的な面と内面的な部分から支える仕事です。
物理的なサーバーの設計や構築、管理を行い、サーバーを適切に運用させる仕事を行います。
企業の求めに応じてサーバールームとなるハコを見聞し、システムに必要な機材などを選別して設計や構築などを行う職種です。
サーバーを構成するハードウェア、ミドルウェア、OSを中心に、設計から管理までを行うため、その企業のIT技術にとってなくてはならない基盤を作る存在となります。
機材を用いた物理的な作業が多く、体力が求められる仕事です。
サーバーに使用される機材は繊細なものが多いため、これらを壊さないよう集中力や注意力が求められます。
データベースエンジニア
データベースエンジニアは、企業がさまざまなサービスや業務に活用しているデータを蓄えている、データベースに関与する仕事です。
データベースそのものを構築し、そのデータベースにデータを保存したり、必要になったときに瞬時にデータを取り出せるようにシステムを構築したりして、データベースに関わるシステムを稼働させる仕事になります。
システムの構築や保守・管理だけでなく、その企業が収集・保有している顧客や製品についての情報など、膨大なデータを取り扱う職種です。
それを溜めておく器を作るだけでなく、タグ付けや分類を手動で行ったり、自動で行えるシステムを作ったり、検索しやすいようにシステムを作ったり、正しく稼働するように保守する必要があります。
そのうえで、データベースが外部から攻撃を受けてデータが流出しないよう、セキュリティにもアンテナを張っておかねばなりません。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、企業が保持するネットワークを管理する仕事です。
サーバー同士をつなぐネットワークの構築や運用、管理をする仕事であり、物理的な機器に触る機会も多くあります。
企業内のネットワークにおいて快適な通信環境を構築し、守っていく職種です。
ネットワークそのものへの知識、ネットワーク機器への知識、システムや機器のトラブルと解決策に関する知識など、さまざまな知識が求められます。
また、そのネットワークに攻撃されないため、攻撃の被害を最小限に抑えるためのセキュリティの知識も必要です。
トラブルがあれば迅速に解決する必要があり、再発防止の方策を考えて決定しなければなりません。
昼夜や曜日を問わず仕事があり、忍耐力や体力が求められる側面もあります。
【インフラエンジニアの志望動機】強調すべきポイント
ただ、「ITに興味がある」という漠然としたものだけではアピールが足りません。
具体的な表現を心がけるようにすると、熱意に加えて知識があることも伝わりやすくなります。
そのためには、インフラエンジニアになりたい理由や、その企業を選んだ理由などを強調するとともに、自らの能力もアピールすることが重要です。
以下の4つのポイントに注意し、自分本位な志望動機にならないよう、企業が求めていることに寄り添いながら熱意を伝えられるようにしましょう。
なぜインフラエンジニアなのか
インフラエンジニアを志望している理由をしっかりと説明しましょう。
ITに携わるさまざまな仕事がある中で、インフラエンジニアではなければできないことを詳しく具体的な内容で説明することができると、より高評価につながります。
インフラエンジニアは、ITの基盤となる仕事であり、社会や生活を支えている重要なポジションを担っています。
「社会を支える」という部分を理由にする人も多いですが、インフラエンジニア以外にも、社会を支えている仕事や業種はたくさんあるため、それだけでは説得力が足りません。
インフラエンジニアでなければならない根拠や、明確な理由まで突き詰めることができれば、第三者も納得のいく素晴らしい志望動機となるでしょう。
なぜその企業なのか
インフラエンジニアの仕事は、細分化されていることも多く、入る企業によって業務内容もさまざまです。
そのため、数ある企業の中からなぜその企業を選んだのかということを明確にしなければなりません。
企業研究で得た企業の知識をもとに、仕事内容や社風なども踏まえて志望動機を考えると良いでしょう。
また、ベンチャー企業は早期退職率が高く、企業側もすぐに辞めてしまうかもしれないという心配をしています。
選んだ理由を明確にしないと「より良い条件の会社が見つかれば転職を考えるのではないか」と思われてしまうかもしれません。
その企業を選んだ理由を具体的に説明することができれば、企業側に安心感を与えられ、内定に近付く可能性も高くなるでしょう。
自分の能力
自己分析で見えてきた自分の強みや、過去の経験・実績などをまとめ、自分にどのようなスキルがあるのかをアピールしましょう。
インフラエンジニアは技術職であるため、即戦力になるようなスキルや経験などがあると有利に働きます。
また、そのスキルを活かし、どのように会社に貢献できるのかということも盛り込めると、よりその企業に入社したいという熱意が伝わりやすくなります。
前職がITとは関係のない仕事であっても、今までに培って得たものの中で、活かすことができるスキルがないか考えてください。
インフラエンジニアは、チームやクライアントなどと連携を取りながら行う仕事も多いので、コミュニケーション能力も評価されるスキルと言えます。
貢献できることを探し、強調するようにしましょう。
求められている人物像
求人を出す際に、どのような人物を求めているか公表している会社は多いです。
企業研究でさまざまな角度からその企業を調べ、社風や、会社が目指しているものを考えるとともに、求められている人物像への理解も深めましょう。
企業のホームページには、社内で活躍している人が紹介されていることがあります。
実際にその企業で働く人は、どのような仕事をしているのか、どのような考えを持っているのかなどが書かれているので、企業が求めていることがよりわかりやすくなります。
求められている人物像をはっきりと描けるようにもなるので、そういった採用ページがある場合には目を通すと良いでしょう。
スキルや経験を伝え、さらに企業が求める人物像に当てはまっているということをアピールしてください。
入社後にどのように貢献できるか
入社後に自分がどのように企業に貢献することができるのかを志望動機でしっかりと伝えましょう。
企業は即戦力として働ける人材を求めています。
そのため、常に採用候補者が自社に入社したらどのような活躍をしてくれそうかを重視して見ています。
そこで、自分から入社後のビジョンを述べることで企業からの評価が上がり、採用確率がアップします。
具体的に自分にできることを述べた上で、それがどう企業に貢献できるのかを述べることが大切になります。
これまでの経験
これまでに自分のしてきた経験は重視して伝えるべきポイントの一つです。
具体的な経験である方が企業からの評価は高くなります。
自分が壁にぶつかった時にどのように考え、どのような対応策をして乗り越えていったかを伝えるのが高評価につながります。
このようなことを企業に伝えることで予測できない緊急事態でも落ち着いて問題を解決に向かわせることができることがアピールできるので、信頼して仕事を任せてもらえるでしょう。
仕事への熱意や意欲
仕事への熱意や意欲を伝えることは志望動機の基本です。
熱意や意欲がない人を企業は採用しません。
以上で述べたようなことも重要ですが、まずは仕事に対する熱意や意欲を全面に出していきましょう。
企業は、仕事への熱意や意欲を感じられない人を採用しづらいです。
なぜなら、そのような人はすぐに仕事をやめてしまったり、企業に貢献する能力に乏しい場合がほとんどだからです。
ポイントを押さえつつもここは絶対に忘れないように気をつけましょう。
【インフラエンジニアの志望動機】注意点
ここまでお伝えしてきたポイントだけを押さえていれば、必ずしも魅力的な志望動機が書けるということではありません。
伝え方次第では、ネガティブな印象を与えてしまうことやマイナスの評価につながってしまう可能性があるからです。
また、志望する理由として、避けるべきこともあります。
ここからは、志望動機には盛り込まない方がいいことなどを3つ解説します。
注意すべき点に気を付けながら、より自分らしく、熱意あるアピールができるような志望動機が書けるよう目指しましょう。
待遇を理由にしない
「給料がいいから」「福利厚生面が充実している」というような、待遇面を志望理由にしてはいけません。
その企業でしかできないことや、仕事に対しての熱意があり、長く定着しながら企業の成長に貢献してくれる人材を企業は求めているからです。
特にベンチャー企業には、入社してもすぐに退職してしまうのではないかという心配がつきものです。
待遇面を志望理由にすると「給料が低くなったら退職するのではないか」「福利厚生がより整っている企業があれば転職するのではないか」といった不安を企業側に与えてしまう可能性があるので注意してください。
もちろん待遇面も大切なことですが、あくまで志望動機は、仕事内容や企業の求めることに合っているものであることが望ましいでしょう。
抽象的な表現を使わない
「かっこいいから」「エンジニアに憧れていたから」という表現は、誰にでも言えてしまうことであり、非常に説得力が弱いです。
漠然とした動機だけでは、エンジニアの中でもインフラエンジニアでなければならない理由や、その企業で働きたい理由が伝わりません。
企業研究や業界研究が甘いと、具体的なビジョンが描けない場合や仕事内容を把握できずに抽象的な表現になってしまいます。
たとえば「やりがいのある仕事がしたい」といっても、その人にとっては何がやりがいなのか、どのような仕事にやりがいを感じているのかという部分が曖昧で、これではどこの企業でもいいのではと思われてしまいます。
「なぜ?」という第三者の疑問に対して明確な説明ができるように、言葉に具体性をしっかり出すことが重要でしょう。
マイナス表現を使わない
前職の退職理由をそのまま話してしまうと、与える印象を悪くするおそれがあります。
不満があったとしても、「給与が低い」「残業が多い」など、前職の労働環境をマイナスの表現を使って伝えるのはやめましょう。
同じ理由でまた会社を辞めるのではないかといった不安が企業側に生まれます。
また、マイナス思考の人間と思われてしまい、会社への貢献は期待できないという評価をされてしまうかもしれません。
謙遜しすぎると後ろ向きな印象がついてしまう可能性があるので、こちらも注意が必要です。
謙虚な姿勢は評価されますが、不要な表現はなるべく使用しないようにするとより安全です。
ネガティブな理由は、ポジティブな表現に変えて伝えるように考えてください。
教育体制の充実を理由にしない
教育体制の充実を志望動機にしないように気をつけましょう。
教育体制は、入社後に社員が仕事のやり方を教えてくれる制度のことです。
企業に入社前に事前にある程度のことを知っておくべきです。
教育体制の充実を理由にしてしまうと、企業側に受け身の姿勢だと受け取られてしまいます。
受け身だと判断されてしまうと、指示をされないと何もできない人間だと理解され、イコール仕事ができないと思われてしまいます。
採用のチャンスを失わないように教育体制の充実には触れないでおきましょう。
例文のコピペはNG
ネット上に掲載されている志望動機の例文をそのままコピーして自分の志望動機として利用することは絶対にNGです。
企業はそのようなサイトをチェックしているので、コピペをしたらすぐにバレてしまう恐れがあります。
また、例文のコピペだと自分の思っていることではないため、質問をされた時に対応することができません。
しっかりと自分で志望動機を作成して、採用を勝ち取りましょう。
自分の気持ちを明確にしておく
前述したように、インフラエンジニアには論理的思考力のある人が向いていますが、これは面接時にも求められます。
志望動機とは、文字通り「なぜこの企業を志望したのか」という理由です。
この理由が自身の中で明確になっており、相手にわかってもらえるよう、いかに論理的に伝えられるのかが重要なポイントとなるわけです。
実際に志望するに至った自分の気持ちを明確にできていなければ、ふわっとした回答になってしまったり毎回違う話をしてしまったりと、少々説得力に欠けるものとなってしまいます。
しかし、ありがちなテンプレートの志望動機を話すことも好ましくありませんので、自分の気持ちを正直かつ論理的に伝えられる準備を事前に整えておきましょう。
【インフラエンジニアの志望動機】大切なのは差別化
志望動機を考えるうえで、最も大切なのが他人との差別化です。
志望動機は似たようなものになってしまいがちなので、ありきたりな言葉では個性を出すことはできません。
自分らしさをアピールできるような表現を考えましょう。
それにはまず、自分の経験やスキルなど、自分にしか持っていないものをアピールすることが大切です。
また、社風や経営理念は、その企業ならではのものです。
社風に共感しながら自分のビジョンや仕事へのやりがいなどを伝えると、その企業でなければならない理由となり、企業に対する知識や仕事に対する熱意もあるというアピールにもつながります。
今までの自分の経験などを用いて、周りに埋もれない志望動機が作れるよう心がけましょう。
【インフラエンジニアの志望動機】おすすめの構成
志望動機は、伝える順番も非常に重要です。
1結論→2具体的理由(経験)→3企業にどのように貢献するか、の順で書くのが最も簡潔に、そしてきれいに伝えられるでしょう。
最初に結論を述べると、なぜ志望しているのかという大事な部分を読み手に明確に伝えることができます。
なるべく短い言葉で簡潔な言葉を用いると、インパクトを与えやすくなるのでおすすめです。
次に、なぜその企業なのか、なぜインフラエンジニアを選んだのかという具体的な理由を述べてください。
ボリュームの調整をする場合には、理由の部分で文字数に変化をつけると良いでしょう。
そして最後に、入社後のビジョンや会社にどのように貢献したいかを述べます。
自分が活かせることや目標などをアピールすることができれば、熱意もさらに伝わります。
【インフラエンジニアの志望動機】例文
ここまでポイントや注意点を解説してきましたが、いざ自分で書くとなると、どう書けば良いのか戸惑うこともあるのではないでしょうか。
ここからは、具体的な例文を2つご紹介します。
1つは、前職はITとは異なる営業職からの転職で、インフラエンジニアになりたいという気持ちをアピールする場合の例文です。
もう1つは、前職でもIT関連の仕事をしており、自分の持っているスキルをアピールする場合の例文となっています。
構成や雰囲気を掴むための参考にしてください。
気持ちをアピールする場合
私は、今後さらに発展し、社会を支えていくために必要不可欠な役職であるインフラエンジニアになりたいと思いました。
もともと営業の仕事を行っており、オンライン上での取引も数多くありました。
技術トラブルが起こった際、インフラエンジニアの方が即座に問題を解決してくださり、社会の何事をも支えている仕事であるインフラエンジニアに憧れを抱きました。
その中で、日々技術を追求し、進化させようと努力しながら成長を遂げている貴社に関心を抱き、就職を志望いたしました。
インフラエンジニアとして入社できた際は、スキルをすぐに身につけ、営業職で得たコミュニケーション能力も活かしながら、企業の成長を後押しできるように貢献できればと考えております。
スキルをアピールする場合
私は、もともとIT関連の業務に就いており、システムの開発を行っていました。
Webアプリのシステム開発をしている中で、徐々にアプリだけではなくシステム全体を運用し、社会の基礎となるインフラエンジニアになりたいと思うようになったため、志望いたしました。
今後のスキルアップのためにも、アプリだけではなく、システムの全体図を把握し、しっかりとした提案ができるようになることが重要だと考えました。
幅広い業種の設計や構築を行っているインフラエンジニアに、大きな魅力を感じております。
今までシステム開発で培ってきたスキルに加え、さらにインフラエンジニアとしてのスキルを身につけ、2つのスキルを活かして貴社に貢献したいと考えております。
【インフラエンジニアの志望動機】志望動機で失敗したくないならエージェントに相談してみよう
志望動機で失敗したくない人におすすめなのが、エージェントを利用することです。
エージェントを利用することで、志望動機や自己PRなどのエントリーシートの添削指導だけでなく、就職先の紹介や面接対策まで幅広くサポートしてくれます。
エージェントを利用すれば、採用確率は上がるでしょう。
エージェントでおすすめなのがジョブコミットです。
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まとめ
インフラエンジニアの志望動機について解説しました。
c志望動機に明確な正解はありません。
転職を成功させるためには、自分らしさや経験などをアピールし、ほかに埋もれないような志望動機を考えることが重要です。
企業のことをよく理解し、知識を深めたうえで、自分の強みや熱意を伝えられるように考えましょう。
また、未経験であっても、適性や意欲があればインフラエンジニアを目指すことも十分に可能です。
ポイントや注意点をしっかりと押さえ、明確な言葉を用いることで、評価も高まっていくでしょう。