初めに
就職活動で必ず問われる「志望動機」、なぜ企業がここまで重視するのか気になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、志望動機の重要性や作成方法、NG例、困ったときの対処法までを幅広く解説し、納得のいく志望理由をつくるサポートをします。
志望動機が難しいと感じる人はAI志望動機作成ツールがおすすめ
志望動機を1から作り上げるのは、なかなか難しいですよね。
そこでおすすめするのが、ベンチャー就活ナビのAI志望動機作成ツールです。
質問に答えていくだけで、簡単に志望動機の文章を作成することができます。
少しでも楽に志望動機を作成したいという方は、こちらのボタンから利用してみてください。
なぜ企業は志望動機を聞くのか
就活の面接やエントリーシートで必ずと言っていいほど問われる「志望動機」。
なぜ企業はそこまでして学生の志望理由を知りたがるのでしょうか。
この質問の背景には、採用活動における重要な判断基準がいくつも含まれています。
ここではその主な理由を3つに分けて詳しく解説していきます。
学生の本気度を見極めるため
企業が志望動機を通してまず確認したいのは、学生の本気度です。
「なぜこの会社なのか」「なぜこの業界なのか」という問いに対して明確な答えを持っている学生は、事前にしっかり調べ、考えを深めていると判断されます。
一方で、「なんとなく」「有名だから」といった曖昧な理由では、働く意欲や長期的な定着への不安を与えてしまいます。
企業側としても、せっかく内定を出しても辞退される可能性が高いと感じた学生には、積極的に内定を出しにくくなります。
志望動機がしっかりしている学生ほど、入社後も前向きに働いてくれるという期待が持てるため、本気度を見抜く材料として志望理由は非常に重視されているのです。
会社との相性を見るため
志望動機は、企業と学生との相性を見極めるための手段でもあります。
企業にはそれぞれ異なる社風や価値観が存在し、それに合う人材とそうでない人材とでは、仕事に対する満足度や成果に大きな差が出てきます。
たとえば「チームで協力する社風」の企業に対して、「自分は個人で成果を追求するのが得意」と答える学生では、働き方にミスマッチが起こる可能性があります。
企業は学生の性格や考え方、志向が自社にフィットしているかどうかを、志望動機の中で見極めています。
これは学生にとっても、自分に合った会社で長く働くための大切な確認作業です。
相性を見誤ると、早期離職の原因にもつながるため、企業も慎重に見ています。
入社後の姿をイメージするため
志望動機からは、学生が入社後にどのように活躍してくれそうかという「将来像」も読み取られています。
企業は即戦力だけでなく、将来にわたって成長し、組織に貢献してくれる人材を求めています。
そのため、学生がどのような思いや目標を持っているのかを志望動機から知ることで、入社後にどんな働き方をしてくれるかをイメージしやすくなります。
たとえば、「営業職でクライアントの課題解決に取り組みたい」と具体的な展望を語る学生に対しては、その姿勢や行動力を評価しやすくなります。
逆に目標が曖昧な場合は、働くイメージが湧きづらく、選考において不利になる可能性もあります。
企業は志望動機を通して、未来の仲間としての可能性を見ているのです。
志望動機を作る方法
就活を成功させるためには、自己分析・業界分析・企業分析の3つをバランスよく進めることが大切です。
それぞれの分析には異なる目的があり、就活の軸や志望動機を明確にするために欠かせないステップとなります。
自己分析
自己分析は、自分の強みや価値観を明確にし、就活の軸や志望動機につなげるための重要なステップです。
ここでは、特に多くの就活生が実践している3つの方法として「マインドマップ」「モチベーショングラフ」「自分史」について解説します。
マインドマップ
マインドマップは、自分の頭の中にある考えや感情を視覚的に整理する手法です。
まず中心に「好きなこと」「価値観」「経験」などのキーワードを置き、そこから枝を伸ばして自由に関連する言葉をつなげていきます。
これを繰り返すことで、自分が普段意識していなかった思考の傾向や、行動の動機が明らかになります。
たとえば「部活動が楽しかった」というキーワードから、「協力」「達成感」「仲間意識」などが浮かび上がれば、自分が重視している価値観や強みを再確認できます。
自分で自分の考えを言語化するのが苦手な方にもおすすめの方法で、見える化することで客観的に自分を見つめ直すことができます。
継続的に取り組むことで、自分の変化にも気づきやすくなる点が特徴です。
モチベーショングラフ
モチベーショングラフは、自分の人生における出来事を振り返り、モチベーションの上がり下がりを可視化する方法です。
横軸に年齢や学年、縦軸に気持ちの高まりを取り、印象に残っている出来事をプロットしていきます。
その後、なぜその出来事が印象に残っているのか、どんな感情を抱いたのかを深掘りしていきましょう。
たとえば、文化祭でリーダーを務めた場面でグラフが大きく上昇していれば、挑戦や達成が自分にとってのモチベーションの源だと気づけます。
また、落ち込んだ時期にはどんな要因が影響していたのかを把握することで、自分の弱みやストレス要因も明確になります。
このようにして、自分の価値観や行動特性、成長のきっかけを客観的に理解できるのがモチベーショングラフの大きな魅力です。
自分史
自分史は、これまでの人生を年表のように振り返りながら、自分の行動や感情を言語化していく方法です。
小学校から現在までを時系列で整理し、その時に何を感じ、何を学んだのかをできる限り具体的に記載していきます。
この際、就活に役立つかどうかは一切気にせず、自分と真剣に向き合うことが大切です。
たとえば「小学生のときに新聞係で褒められた経験」など、一見小さな出来事でも、自分の原点が見えてくることがあります。
また、日々の選択や行動の理由を掘り下げることで、無意識のうちに大切にしていた価値観や信念を言葉にすることができます。
自分史で深掘りした内容は、エントリーシートや面接でもエピソードとして活用できるため、就活準備において非常に効果的です。
業界研究
業界研究は、就活において志望業界を絞り込むための大切なプロセスです。
その業界がどのようなビジネスをしているのか、自分の志向と合っているのかを見極めるためには、効率的なやり方で分析を進める必要があります。
全体像を把握する
業界研究の出発点は、まず業界全体の構造や基本情報をつかむことから始まります。
どのような企業が業界をリードしているのか、全体の市場規模や成長性はどの程度かといった情報を調べることで、その業界のポジションや将来性が見えてきます。
また、どのようなビジネスモデルで利益を上げているのか、BtoBかBtoCかといった分類も重要です。
さらに、近年のニュースや業界動向にも目を向けましょう。
たとえば「人手不足への対応」「AIの活用」「グローバル展開」など、業界が抱える課題や成長の方向性を知ることで、自分の興味や能力と照らし合わせる材料になります。
初めて触れる業界であっても、全体像をつかむことで企業ごとの違いが見えてくるため、面接や志望動機の作成にも役立ちます。
ノートにまとめる
業界についてある程度情報を集めたら、次は自分の言葉でノートにまとめる作業に取り組みましょう。
スマホやパソコンよりもノートの活用が勧められる理由は、自由に図や矢印、メモなどを書き込めるため、情報が整理しやすく記憶にも残りやすいからです。
業界ごとの特徴や主要企業、課題、自分が気になった点などをページごとに書き出していくと、情報の関連性や共通点が見えてきます。
また、ノートに手書きすることで自然と「自分はなぜこの業界に関心を持ったのか」を言語化するトレーニングにもなります。
業界研究は情報のインプットが中心になりがちですが、就活ではアウトプット力が求められる場面が多くあります。
そのため、ノートを使って知識を整理し、自分の言葉で話せる状態にしておくことが非常に有効です。
企業研究
業界研究を深めるには、実際の企業の情報に触れることが欠かせません。
特に、企業の公式ホームページを活用することや、インターンシップに参加することは、企業理解を深めるうえで非常に有効な手段です。
ここでは、その具体例を2つ紹介します。
企業のホームページを見る
企業研究を行う際、最も基本かつ確実な情報源が企業の公式ホームページです。
企業理念や代表からのメッセージ、事業内容、サービス紹介、採用情報、CSR活動などが網羅されており、その企業がどのような考えで経営され、どんな人材を求めているかを知ることができます。
たとえば、代表メッセージにはその企業が大切にしている価値観や今後のビジョンが語られていることが多く、志望動機や面接対策に直結するヒントが詰まっています。
また、「求める人物像」や「活躍している社員の声」などをチェックすることで、自分との相性も考えやすくなります。
ホームページを見ながらノートに要点をまとめると、情報整理にもなり、後のエントリーシートや面接でも活用しやすくなるためおすすめです。
インターンシップに参加
インターンシップは、業界研究と企業研究を同時に進められる最も実践的な方法です。
実際に企業の現場を体験することで、業務内容だけでなく社風や職場の雰囲気、人間関係の特徴など、説明会やネット情報だけでは得られない「リアルな企業像」がつかめます。
多くのインターンでは最初に会社説明会が実施され、事業内容や業界の立ち位置などを詳しく知ることができます。
また、社員との座談会やグループワークを通じて、求められるスキルや思考の傾向も肌で感じることができ、志望動機や自己PRに深みを持たせることができます。
時間に余裕がある時期には、複数のインターンに参加して比較してみるのもおすすめです。
インターン経験は、選考の場でも説得力のある話題として活用できます。
志望理由NG例5選
志望理由は、選考を通じて企業が最も注目するポイントの一つです。
自分なりに考えたつもりでも、伝え方によっては逆効果になることがあります。
ここでは就活生がやってしまいがちな志望理由のNG例を5つ紹介し、それぞれの改善ポイントも解説していきます。
NG例①
志望理由が「業界に興味がある」「安定しているから」といった内容にとどまると、どの会社でも言えるような漠然とした印象を与えてしまいます。
企業としては、自社に強い関心や熱意を持っている学生にこそ入社してほしいと考えており、個別性のない志望理由は「企業研究が足りない」「他社でもよいのでは」と捉えられかねません。
また、企業理解が浅いまま選考を受けている印象を与えると、「入社後のミスマッチにつながるのでは」と懸念される場合もあります。
そのため、企業の特徴や取り組みに言及しながら「なぜその企業なのか」をしっかり伝えることが重要です。
NG例②
「○○の商品を使って感動しました」「サービスの質が高くて印象的でした」など、自社製品やサービスへの感想を伝える学生は多くいます。
しかし、それだけでは他の応募者と差別化できず、内容としても浅く見られてしまうリスクがあります。
大切なのは、その商品やサービスを通じて「自分が何を感じ」「どう考えたか」という点を明確にすることです。
たとえば「どんな体験だったのか」「その後、自分の価値観や行動にどう影響したか」といった具体的なエピソードを添えると説得力が増します。
製品に対する関心を出発点として、その先にある志望理由まで掘り下げて伝える姿勢が求められます。
NG例③
「福利厚生が充実しているから志望した」「給与が高いので魅力に感じた」という理由は、学生側の本音としては理解できます。
しかし、それを面接やエントリーシートで表に出すと、「条件だけを重視している学生」として見られる可能性が高くなります。
企業としては、やりがいや理念への共感を持っている人材を採用したいため、待遇面のみを強調する志望理由は歓迎されません。
また、「条件が合わなければすぐ辞めるのでは」と不安視される可能性もあります。
企業文化や業務内容、価値観への共感といった本質的な部分にフォーカスした理由を優先することが望ましいでしょう。
NG例④
「人の役に立ちたい」「社会貢献がしたい」といった表現は、悪いものではありません。
ただし、これだけでは志望理由としての説得力が弱く、「この会社でなければならない理由」が伝わりません。
どの業界・どの企業でも実現できることなので、企業からは「なぜうちなのか」が見えづらくなってしまいます。
また、自己分析が不十分な印象を与え、「入社後にギャップを感じて辞めてしまうのでは」と懸念される原因にもなります。
抽象的な言葉を使う際は、「どういう形で役に立ちたいのか」「なぜそれを実現する場所としてこの企業を選んだのか」を明確に説明する必要があります。
NG例⑤
志望理由の中で、自分が企業にどう貢献したいかを一切示していないのはNGです。
たとえば「とりあえず社会人経験を積みたくて応募した」「一度働いてみたいと思った」などの発言は、企業に対する誠意や責任感が感じられず、選考通過が難しくなります。
企業側は長期的に働き、ともに成長してくれる人材を求めているため、「すぐ辞めそう」「キャリアの通過点として見ている」と思われてしまうような言動は避けるべきです。
志望理由には「自分が何を学び、どう活かしていきたいか」という視点を加え、企業の将来と自分の成長が結びつくように構成することが重要です。
志望動機がない人の良くある質問
就活において「志望動機が思いつかない」という悩みは、多くの学生が抱えるものです。
そんな中、「話を盛ってもいいのか」「給与を理由にしてもいいのか」といった疑問もよく聞かれます。
ここでは、志望動機に関する代表的な質問に対して、就活生が納得して準備できるように解説します。
話を盛っても大丈夫？
結論から言うと、話を盛るのは避けるべきです。
確かに志望動機が弱いと感じたとき、「もっと魅力的に見せたい」「少し脚色すれば印象が良くなるのでは」と考える人は多いでしょう。
しかし企業の人事担当者は、これまで何百人、何千人もの就活生と面接してきています。
話の内容だけでなく、言葉の選び方や話し方、表情や仕草から「本心かどうか」は見抜かれてしまうことがほとんどです。
無理に良く見せようとして盛った内容は、深掘りされたときに矛盾が生まれやすく、信頼を損ねる結果にもなりかねません。
それよりも、正直な思いや経験をもとに話を構成し、「なぜそう考えるようになったのか」を丁寧に伝える方が、信頼を得やすくなります。
自分に嘘をつかず、誠実に向き合うことが、結果的に好印象につながります。
給与が高いからはだめ？
「給与が高いから」という理由だけを志望動機にするのはおすすめできません。
企業は給与や待遇面だけで選ばれることを良しとしない傾向があり、「給与がもっと良い会社があればすぐに転職するのでは」と懸念されてしまう可能性があります。
また、「この会社で何をしたいのか」「どう成長したいのか」といった将来のビジョンが伝わりづらくなるため、評価されにくくなります。
ただし、給与を重視する理由が「家族を支えたい」「将来の安定のため」など、自分の価値観に根ざしたものである場合は、説明の仕方次第で納得感のある志望動機になります。
その際は、給与に対する考え方とともに「それを実現するためにこの企業でどのように努力したいのか」まで話せると、前向きな印象を与えることができます。
表面的な動機ではなく、自分の中での優先順位を正直に言語化することが大切です。
志望動機の完成度を上げる
志望動機を仕上げるには、自分の中で完結させず、客観的な視点を取り入れることが大切です。
読み手の印象を確認したり、就活のプロからアドバイスをもらうことで、より説得力のある志望動機に仕上げることができます。
ここでは完成度を高めるための2つの方法を紹介します。
他の人に読んでもらう
エントリーシートに書いた志望動機は、必ず一度は第三者に読んでもらいましょう。
特に、最近就活を終えた先輩や、社会人として採用に近い年齢層の人に見てもらうのがおすすめです。
なぜなら、自分では「伝わっているはず」と思っていた内容も、他人から見れば意味が曖昧だったり、企業に刺さる表現になっていない場合があるからです。
読んでもらう際には、「伝わりやすいか」「志望動機としての説得力があるか」「その企業に合っているか」といった観点でフィードバックをもらいましょう。
また、一人だけではなく複数の視点から意見を得ることで、より客観的に文章の強みと弱みを把握することができます。
他人の目を通すことで、独りよがりな志望動機から、企業に届く志望動機へとブラッシュアップできます。
大学のキャリアセンターに見てもらう
大学のキャリアセンターは、就活支援の専門機関として多くの学生をサポートしてきた実績があります。
そのため、どのような志望動機が通過しやすいか、どのような表現が企業に評価されやすいかという実践的なノウハウを持っている可能性が高いです。
キャリアアドバイザーにESを見てもらえば、構成や表現の改善点だけでなく、企業の特徴に合った内容になっているかまでチェックしてもらえます。
また、模擬面接などと併せて相談することで、志望動機を口頭で伝える練習もできます。
無料で利用できる場合が多く、就活中は何度でも相談に乗ってくれるため、積極的に活用すべきサービスです。
自分ひとりでは気づけなかった改善点を指摘してもらい、より完成度の高い志望動機を目指しましょう。
就活エージェントに相談してみよう
就活に行き詰まったときは、就活エージェントに相談してみるのも一つの手です。
自己分析や企業選び、面接対策まで、プロが一人ひとりに合ったアドバイスをしてくれます。
効率的に内定を目指したい人におすすめのサービスです。
終わりに
志望動機は、就活におけるあなた自身の「目的地」を伝える重要な手段です。
企業はそこから本気度や価値観、将来のビジョンを読み取り、採用判断の大きな材料としています。
自己分析・業界分析・企業研究を丁寧に重ね、自分自身の言葉で志望理由を語れるようになることが、内定への大きな一歩になります。
時には悩むこともあるかもしれませんが、他者からのフィードバックや、キャリアセンター・エージェントなどの活用で前に進むことができます。
焦らず、丁寧に、そして自分としっかり向き合いながら、納得のいく志望動機を作り上げていきましょう。
