はじめに
就職活動が本格的に解禁される3月以降、複数の企業にエントリーをしている学生がほとんどでしょう。
中には、練習として受ける、滑り止めとして受ける企業もあるケースが多く見受けられます。
しかし、複数企業のエントリーシートを書いている際「志望動機が思い浮かばない」「ネタ切れで書くことがない」と筆が止まってしまう学生が多い様です。
自己PRやガクチカとは異なり使いまわしができない志望動機は企業ごとに考えなくてはならないため、負担に感じるのも無理はありません。
書類選考を突破する志望動機の書き方について説明していきましょう。
【志望動機がない!どうやって履歴書を書く?】志望動機の見つける際の基本
志望動機が書けないからといって、自分の能力が足りないと落ち込む必要はありません。
6割を超える学生が、志望動機を書けず困った経験があると言われています。
志望動機を書くためには、まず2つの柱をしっかりと立てなければなりません。
まずは自己分析で自分を知ること、2つ目は企業研究をして企業理解を深めることです。
これら2つがきちんとできて初めて、志望動機を各スタート地点に立てると言えるのです。
1つずつ解説していきましょう。
企業分析
まずは、受ける企業のことを研究しましょう。
ただインターネットで企業の概要を調べるだけでは不十分です。
自分なりの言葉で企業の魅力を語れるように多方面から見つめてください。
たとえば、企業のニュースや経営者のインタビューに目を通す、競合他社と比較し企業ならではの強みや業界内の立ち位置を理解することは推奨されています。
また、経営トップの書籍やSNSアカウントに目を通せば、企業の今後の方向性や企業理念を理解できるでしょう。
また、OB・OG訪問をすると企業内部の実際の業務の流れや社風についての理解が深まります。
一つひとつをノートにまとめて、自分が企業に惹かれる理由はどこあるのかを改めて客観的な視点で見つめ直せるようにしましょう。
自己分析
次に、自己分析を徹底しましょう。
1回やったからもう十分だと思うかもしれませんが、自己分析はやればやるほど精度が上がりますし、就活を進める中で結果が変わることもあります。
自分のバックグラウンドを「なぜそう思ったのか?」「なぜ行動したのか?」と、自問自答を繰り返しながら分析することで、価値観や強み、弱みが浮き彫りになっていきます。
また、その中で就職活動をするうえで自分の中で譲れない条件の「就活の軸」がわかってくるのです。
就活の軸と先ほどの企業研究の中で感じた魅力的に感じる部分が重なったところが、志望動機になるのです。
基本的な方法である自分史だけではなく、ライフラインチャートやジョハリの窓というツールもありますし、自己分析用のアプリやシートもあります。
2回目の自己分析にトライしてみるのも良いでしょう。
【志望動機がない!どうやって履歴書を書く?】タイプ別志望動機の見つけ方
このように、採用担当者の目に留まる志望動機を書くためには、企業について調べるだけではなく、自己分析をして自らの就活に向けたモチベーションや、価値観と向き合う必要があります。
そして、「志望動機が書けない」と頭を抱える方は、5つのパターンに当てはまるとされているのです。
書けないという問題を解決するためには、まずは自分の現状を理解することが大切です。
志望動機が思いつかないという人によくあるパターンを一つひとつ紹介していきますので、ドキリとするものがあればメモしておきましょう。
とりあえず知っている企業に応募する
自分が何をやりたいのかに向き合わず、名前を知っている企業に業界を絞らずに手当たり次第応募していませんか?
皆受けている、自分の大学では受かりやすいと聞いた、名前を知っているから安心感がある…そのような薄っぺらい理由で受けたとしても、遅かれ早かれ面接で見破られてしまいます。
このパターンの場合は、なぜその企業に興味を持ったのかが曖昧なのが敗因です。
企業に興味を持ったきっかけは何か、なぜ興味を持ったのか、深く掘り下げて考えてみましょう。
待遇や知名度が良い企業に応募する
いわゆる「大手病」と言われるタイプです。
とにかく有名企業で給与が良く、福利厚生が充実していればどこでもいいと、ネームバリューだけで応募している学生はとても多く見受けられます。
企業の目線で考えれば、事業や社風についても、自らのキャリアプランも曖昧なままの、ただブランド力につられただけの学生など採用に値しないと考えられて当然です。
自分なりに感じた企業の魅力と、企業で自分が活かせる強みや特性は何かを探してください。
第一志望の企業以外に興味がなく滑り止めとして応募する
第一志望の企業への熱意があまりに強く、同業他社は滑り止めとしか考えられないために志望動機が思い浮かばないというパターンです。
滑り止めとはいえ、受かるための最低限の情報を知らずに受けては受ける意味すらありません。
まず、
まずは自己分析で就活の軸をはっきりさせましょう。
第一志望の業界を選んだ理由があるはずです。
それは、同業の滑り止めの企業の志望動機として言えることでしょう。
就活の軸と企業の魅力の交差点を探って、そこを志望動機に落とし込みましょう。
その企業自体やサービスが好きだから応募する
企業とサービスが好きというファン目線の就活も失敗に終わるリスクがあります。
それだけでは、消費者やユーザーとしては良いですが、企業の戦力なるかどうかという点では疑問が残ります。
まずは、具体的にその企業やサービスのどこが好きなのかを分析してください。
そして、どのような自分の価値観に合うから好きと言えるのかも深く掘り下げて考えてください。
消費者目線だけではなく、IR情報やメディアの記事などから企業の戦略や方向性を学び、ただのファンではないことをアピールしましょう。
就職しなくてはならないからなんとなく応募する
自分のキャリアプランどころか、やりたいことが見つからず、ただ周りの就活の流れに乗って面接を受けているというパターンです。
そのような無気力な状態でうわべだけ繕って就活しても、企業には見破られてしまいます。
働きたいという意欲がないのであれば、どんなことだったら自分は興味があるのかをまず考えましょう。
そして、なぜ興味を持ったのか、その興味を形にできる業界や企業を探してください。
いつまでも学生ではいられません。
腹をくくって就活に臨みましょう。
ベンチャー企業が求める人材とは
大手企業の人気は一貫してありますが、ベンチャー企業を希望する学生も増えています。
時代の一歩先を行き、新しいサービスや物を提供するベンチャー企業には大企業にはない魅力とやりがいにあふれています。
また、実力主義で年次を問わず評価する傾向があるので、会社によっては年次が若くとも優秀であれば好待遇で働けるのも人気を集める理由の一つです。
このようなベンチャー企業が求めるのはどのような人材か、4つに分けて説明します。
主体性がある人
まず、主体性が求められます。
ベンチャー企業では大手企業のように、人材育成のカリキュラムが整っていません。
そして、少数精鋭のため新人教育に十分な時間を割けません。
ベンチャーに勤めるのであれば「仕事は先輩の仕事を見て学ぶ」「まずは調べながらやってみる」など自主的に学んでいく姿勢が求められます。
日々の体験や実務から、仕事を覚えていくのです。
受け身の姿勢で仕事が与えられるのを待っていと、いつまでも仕事をこなせず一人前になれません。
成果を出せる人
先ほども述べたように、多くのベンチャー企業では成果主義を導入しています。
年功序列のように、ただ年次を重ねればポストが与えられることや給与が上がるというわけではありません。
そして、優秀な結果を残せば在籍年数が2~3年でも役職が与えられるケースも珍しくはないのです。
また、給与体系が成果報酬制であるケースも多く見受けられます。
営業力などスキルには自信がある、そしてその分報酬が貰えればどんなにハードでも頑張れるという人にとって、ベンチャーはやりがいを感じるでしょう。
柔軟性がある人
就活における柔軟性とは、周囲の環境の変化に応じて、物事に対して臨機応変に取り組めるスキルを指します。
ベンチャーは、今までにないサービスや商品を社会に送り出そうと、日々新しい取り組みを考えています。
固定観念にとらわれずに考えられる柔らかい頭の人は歓迎されるでしょう。
さらに、ベンチャーでは1人あたりに課せられる仕事の範囲が広いために、未経験の分野を担当することも珍しくはありません。
そのような事態にも、フリーズせずに対応する柔軟性はベンチャーに勤めるうえで必須と言えるでしょう。
実務経験がある人
実務経験も評価の対象になります。
先ほど述べたように少数精鋭のベンチャーでは、人材教育に割くコストがないために即戦力が求められます。
入社したその日から一人前として仕事をしていかなければなりません。
そのため、インターンやアルバイトでの似たような経験や、商品に対する知識があればスムーズに実務に携われる可能性が高くなります。
新卒募集は未経験が前提であるために実務経験は必須ではありませんが、あれば武器になることは間違いありません。
【志望動機がない!どうやって履歴書を書く?】ベンチャー企業で好印象な志望動機
ベンチャー企業を希望では向上心や自主性が歓迎されます。
学歴や経歴にこだわらず採用活動をする傾向があるのも、ベンチャー企業の魅力の一つです。
大手企業では足きりの意味も含めて、学歴でフィルタリングして一定レベルの大学以下の学生は説明会の予約ができない、ESを読まれずに落ちるなどのハンディが課されるケースがあります。
ベンチャー企業であれば採用の規模も小さいために、学生の能力や人柄をしっかりと見て採用活動をしてくれます。
ベンチャー企業を受ける際に、好印象を与えられる志望動機の書き方についてお伝えしましょう。
モチベーションの源泉が明確
ベンチャー企業で働きたいというモチベーションの源泉を明確にしましょう。
なぜベンチャーなのか、なぜその企業なのかをしっかりと述べれば、企業も業務内容や社風を理解している、入社後のミスマッチがないと評価します。
ベンチャー企業は激務であるために、早期離職する若手が非常に多いのです。
モチベーショングラフを作成すれば、上下する要因を客観的に理解できるのでおすすめです。
縦軸をモチベーションの上下、横軸を時間の経過にして記録していきましょう。
経験にもとづいている
志望動機を書く際に、実際のエピソードを混ぜると格段に説得力が上がります。
「感銘を受けた」「魅力を感じた」などの常套句では表現できない、自分だけの経験と価値観にもとづく志望動機は、面接官にも強く印象付けられるでしょう。
プライベートで企業に関する経験がないのであれば、OB訪問や面接などのエピソードを交えても良いでしょう。
「面接の時の逆質問の返答がとても心に響いた」というだけでも、他の学生と差別化を図れます。
人生における選択に一貫性がある
志望動機を書く際に、自己PRやガクチカなどのエピソードとの一貫性も意識してください。
たとえば、自己PRでは「几帳面だ」と言っているのに志望動機では「新しいことに挑戦したい」と述べていれば、違和感を抱かせます。
まずは、自己分析をして自分の人生の軸となる考えを見つけましょう。
進学、部活の選択、キャリアプランなどの過去の一つひとつの選択には、あなたの価値観があるはずです。
履歴書全体にある程度の統一性を持たせてください。
【志望動機がない!どうやって履歴書を書く?】ベンチャー企業でNGな志望動機
ベンチャー企業を受けるのであれば、実体験にもとづいたエピソードを交え、なぜその業界を受けたのかのモチベーションを意識し、他の履歴書の項目との一貫性も意識して志望動機を書いてください。
自分なりの言葉と価値観で起業への思いを語れば、面接官の心を掴める志望動機となるでしょう。
そして好印象を与えられるポイントがあるのですから、当然避けてほしい志望動機のNGポイントも当然存在します。
就活生が陥りやすい落とし穴を2つ紹介しましょう。
自分のためという要素が強いもの
企業に貢献したいという目線ではなく、自分のためというニュアンスは避けましょう。
よくあるのが「成長したい」「スキルを身につけたい」というワードのです。
会社は利益のために労働をし、報酬として給与を貰う場所です。
企業が人を雇うのは、企業の成長をさせてくれるパートナーが欲しいからであり、ステップアップの場所を提供しているわけではないのです。
自分の学びの場所だと勘違いせず、企業のために自分の強みを活かしたい、どのような業務で働きたいと社会人としての自覚を持って志望動機を書きましょう。
プライベートの充実を求めるもの
絶対にやってはいけないのが、ワークライフバランスやプライベートの充実への言及や、給与は待遇を理由にした志望動機です。
これらは働くうえでとても大切なことであるのは間違いありません。
しかし、「お金が欲しいから」「休めるから」といった理由で面接に来る学生を雇う人がいると思いますか。
仕事を自ら掴んで生み出していくベンチャー企業では、熱量を持って業務に臨まなければついていけません。
志望動機は労働への意欲を感じさせるものにしましょう。
【志望動機がない!どうやって履歴書を書く?】履歴書を添削してもらおう!
志望動機を書いたら、添削してもらうことをおすすめします。
自分では満足な出来だと思っていても、他人に指摘されなければわからない文章のねじれや癖、文章の詰めの甘さなどは多くの学生に見受けられます。
キャリアセンターや先輩に添削してもらうこともできますが、なるべくプライベートで関わらない人に頼みたいという方は、就活エージェントを利用してはどうでしょうか。
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まとめ
志望動機が書けないという悩みは、まず企業と自分を知ることが解決の一歩となります。
そして、自分の就活の行動パターンを分析して、何がいけないのかを理解し、悪習慣を断ち切ってください。
若手のうちから裁量権を持ってバリバリ働きたいという思いがあるのならば、その思いを志望動機に込めましょう。
たとえ滑り止め企業であっても、企業研究に手を抜かず、自分の就活の軸と重なるところからエピソードを広げて魅力的な志望動機を作成してください。