はじめに
インターンは、学生が興味を持っている企業や職場に出向いて、実際に働いたり訪問をしたりすることです。
よりリアルに社会人としての未来を想像し、自分の適性を知るだけでなく、本格的に就職活動を行っていく前段階の準備にもなります。
インターンには、長期と短期の2種類があります。
今回は、それぞれのメリット・デメリットについてお伝えしましょう。
長期インターンとは
長期インターンは、期限を設けずに働くことができ、数年間インターンとして働く学生もいます。
お給料をもらいながら、実際に勤めている社員と同じように実務的な仕事を任せてもらえます。
たとえば、営業職では営業先のアポイントや新規顧客獲得、企画職であれば実際に社員と一緒に商品の企画や商品PRなどを経験できるでしょう。
そこで働かれている社員と同じ仕事を任せてもらえることからも、しっかりと責任感をもって働くことが大切です。
長期インターンを主催している企業は、新しいサービスや事業を展開し、急速な成長を目指しているベンチャー企業が多い傾向にあります。
ベンチャー企業は少数で成り立っている場合が多いため、1人で複数の仕事を請け負うこともあり、長期インターンでさまざまなスキルを磨けるでしょう。
短期インターンとは
短期インターンを主催しているほとんどの企業では、1日から2週間の期間で実施されています。
そのため、長期インターンのように、社員と同様の実務的な仕事を経験することは難しいでしょう。
短期インターンの種類としては、セミナー形式やグループワーク形式といったようなものがあります。
セミナー形式は、1日で行う場合が多く、人事担当者が事業内容の紹介や、質疑応答が行われます。
職場体験の機会はほとんどなく、会社説明会のようなものだととらえたほうが良いでしょう。
グループワーク形式では、商品をどうやって売り込むか、新商品の企画などの課題を、同じく短期インターンとして参加した学生と意見を出し合って考えていきます。
また、就活生向け説明会や選考会と併設された短期インターンも多々あります。
長期インターンと短期インターンの違いは?
長期と短期のインターンでどのように違うのかをまとめてみましょう。
長期インターンでは、数ヶ月~数年単位で働く経験が可能で、社員と同じように実務的な仕事を任せてもらえます。
また、お給料をもらうことも可能です。
短期インターンは、1日から2週間の期間で実施されます。
ここでは、実際に働くのではなく、事業内容の紹介や質疑応答などが行われ、会社説明会に似ている形式が多いです。
また、インターンに参加しているほかの学生と、与えられた課題を解決するためのディスカッションを行うこともあります。
参加する学年
長期と短期のインターンで参加している学年は違います。
まず、長期インターンは全学年の学生を対象にしているところが多いです。
早くから就職活動の準備をしたり、社会人としてのスキルを磨いたりしていきたい方には長期インターンがおすすめです。
参加期間が長いため、2年生や3年生の間で時間に余裕をもって始めると良いでしょう。
続いて、短期インターンでは、大学3年生や4年生を対象にしているところが多いです。
インターン期間が1日から2週間と短いので、就活準備で忙しい中でも、複数の企業について知ることができます。
また、短期インターンの特徴として、企業説明会やワークショップ、社内見学などが多いところからも就活生に向けたものであると言えるでしょう。
勤務する期間
長期インターンの場合は、3ヶ月以上の期間が一般的です。
企業によって、3ヶ月から卒業するまでの期間を設けることもあり、参加学年によっては、数年間その企業で働く学生もいるようです。
社員と同じ仕事を一部任せてもらえるので、明確な期限を設けずに、長期でインターンに参加できます。
そのため、より深く企業の雰囲気や業種の特徴や仕事内容などを知ることができます。
短期インターンは、1日・3日・1週間・2週間など、基本的に限られた期間で実施されるのです。
期間がとても短いので、仕事を任せてもらって実際に働いてみることはできません。
しかし、短期間で企業の情報を得られるので、大学の授業や部活動、アルバイトなどで時間があまり取れない学生に人気があるようです。
給与について
長期インターンの場合は、実際に企業での勤務を経験できることもあり、時給や日給などの給与が支払われます。
最初は、先輩から仕事を教えてもらい、少しずつ社員と同様の仕事をいただけるようになります。
そのため、営業職のインターンでは、自分が出した成果に応じて報酬が発生するケースもあるようです。
短期インターンは、基本的に給料が出ない、無給の場合が多いです。
期間が1日から2週間で実施と、勤務をするには短すぎて、仕事を任せてもらうことはほぼありません。
給料は、労働をした対価として支払われます。
事業内容の紹介やグループワークなど、業界研究ができるような機会になっているのが短期インターンなので、無給の場合が多いのです。
インターンで行う内容
長期インターンでは、社員の仕事を一部任せてもらえますが、企業によってどの程度任せてもらえるのかは差があります。
ベンチャー企業であると、実際に勤めている社員とあまり変わらない業務や裁量権を与えられる場合が多いです。
たとえば営業職であると、営業担当社員のサポートを任されることが多く、営業を行う前に準備する資料作成などを任されます。
企画職では、リサーチ・資料作成・プレゼンの準備などを行います。
短期インターンでは、会社説明会などと併設されていたり、職場体験のような簡易的なプログラムであったりすることが多いです。
業務内容の説明や、同じインターンに参加している学生と課題についてのディスカッションなどを行っています。
また、企業によっては、社内見学や工場見学などを開催しているところもあります。
長期インターンのメリット
数ヶ月から数年単位で実施されているので、社会人になったあとのイメージをより具体的に描きやすくなるのが長期インターンのメリットです。
また、実務を任せてもらえるので、お金を稼ぎながら社会人としてのスキルを磨くこともできます。
希望の業種での経験を積んでいることで、就職活動も有利になると言えるでしょう。
ビジネスマナーが身につく
長期インターンでは、実際に社会人と同じ環境で働くため、しっかりとビジネスマナーを身につけられます。
ビジネスの場ではさまざまなマナーがあります。
たとえば「ホウレンソウ」といわれる「報告・連絡・相談」です。
経験を積むことで、わかりやすく要点を押さえた「ホウレンソウ」を身につけられます。
端的でわかりやすい表現は、面接の際も好印象に見えるでしょう。
また、これまでの学生時代において、敬語や言葉づかいについても、気にして使ってきた人は少ないかもしれません。
これらのビジネスマナーは、一朝一夕で身につくものではありません。
学生の頃から、企業に身を置いて働くことで、余裕をもって社会人としてデビューできるでしょう。
有給で働ける
お給料をいただきながら、実務を体験できるということもメリットの1つです。
最初は社員をサポートする業務のような仕事を行いながら、少しずつ同じような仕事を与えられます。
さらに、職種によっては時給などに加えて成果報酬が発生することもあり、アルバイトよりも稼げる可能性もあります。
勤務時間も決められているので、アルバイトのように勝手にシフトを変更されるということもありません。
お金を稼げる一方で、その分与えられた仕事をしっかりとこなしていかなければなりません。
責任感をもってインターンに参加すると、お金を稼ぎながら、社会人としてのマナーや経験を積むことができます。
お給料をいただくことの意味を忘れないようにしましょう。
就活への意識が高まる
長期インターンに参加することで、興味のある企業や業界について、仕事内容を細かく知ることができます。
思い描いていたイメージよりも、多くの仕事をこなしていることがわかることもあるでしょう。
そこで勤める社員と長期間にわたり、同じ時間を過ごす中で、先輩の姿から社会人として必要なものを知ることができ、憧れの先輩が見つかるかもしれません。
業界で活躍する先輩と身近に関われるので、自分の適性や、もっと努力する必要のあるものが見えてきます。
就職活動において、自己分析をする際に、自分の強みを知るきっかけになったり、経験をアピールしたりすることもできます。
また、長く業界にいることによって、その業界で活躍したい気持ちがより強くなり、熱い想いを面接官へ届けられるようになるかもしれません。
長期インターンのデメリット
ここまで、長期インターンに参加するメリットをお伝えしてきました。
自分のインターンに対しての向き合い方次第で、より多くのメリットを受け取れるので、参加するからには精一杯頑張りましょう。
いくつかのメリットがある一方で、デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
普通のアルバイトよりもきびしい点がある
まず、アルバイトよりもきびしい点があげられます。
長期インターンは、基本的にその企業で働く社会人同様の勤務方法となります。
そのため、勤務時間等もはじめにきちんと定められていることが多く、アルバイトに比べてシフトの融通が利きにくくなっているでしょう。
また、規定があれば、そこで勤める社員と同じように、きちんと守らなければなりません。
髪型や髪色、服装やネイルなどについても規定があれば、従う必要があることを念頭に置いておきましょう。
社員と同じような仕事を任せてもらえるということは、その会社の一員になることと同じです。
学生ではありますが、インターンに参加する以上は、このような点も理解しておかなければなりません。
責任が生まれる
社員と同じ業務内容を行うことから、途中で投げ出したり、ミスを連発したりすると、それが会社の業績悪化につながってしまうことがあります。
そのため、アルバイトとして働くよりも、より自分の行動一つひとつに対して責任が生じてきます。
学生として過ごしていると感じられなかった責任感を強く感じたり、プレッシャーに感じてしまったりする人も、なかにはいるでしょう。
長期インターンでは先輩社員から、業務についてさまざまなことを教えていただけます。
しかし、会社見学ではないこと、給料をもらいながら実際に勤務することを考えると、責任感をもつことはとても大切です。
長期インターンへの参加を決めた時点で、業界について学ばせてもらいながら、自分自身もしっかりと貢献していくように意識をしてください。
短期インターンのメリット
長期インターンのメリット・デメリットをお伝えしましたが、インターンには短期インターンもあります。
短期インターンは、大学3年生と4年生を対象に、1日から2週間で実施されています。
そんな短期インターンのメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
期間が短いことを有効活用できる
短期インターンの期間は短くて1日、長くても2週間ほどです。
そのため、1つの業界や企業に絞らず、多くの業界や企業のインターンへ参加できます。
複数の業界のインターンに参加することで、視野が広まり、新しく魅力的に思える業界が見つかるかもしれません。
また、あらためて自分が希望する業界で働きたいと再確認することもあるでしょう。
就職活動をするうえでも、ただ企業のホームページを閲覧するより、気になるところを直接質問できるので、より深い業界研究・企業研究ができます。
大学3年生や4年生は大学の授業や部活動、アルバイトに加えて、就職活動の準備もしなくてはなりません。
忙しい毎日を過ごしながらも、短期間で企業と交流できるのはうれしいポイントです。
気軽に参加しやすい
短期インターンは、短期間での実施になるので、長期インターンのように仕事を任せてもらうことはできません。
会社説明会としての意味を兼ね備えているものや、会社見学やグループワークなど、カジュアルな形式で実施される場合も多いです。
そのため、長期インターンよりもプレッシャーや緊張感を抱くことなく、気軽に参加できるでしょう。
気軽に参加できますが、インターン時の取り組み方や発言を、採用担当者がチェックしている企業もあるようです。
たとえカジュアルな形式で実施されていたとしても、就職活動の1つであることには変わりません。
緊張しすぎる必要はありませんが「採用担当者に見られている」という意識をしっかりともって参加しましょう。
選考に直結している場合もある
インターンシップの開始から、就職活動が本格化するまで期間が空いていることも多いです。
そのため、空いた期間で欲しい学生がほかの企業へ流れないように、企業側は優秀な学生をあらかじめチェックし、就職活動がほかの学生よりも有利になるような権利を与えることがあります。
また、インターンシップの参加者のみに、通常よりも早い時期に選考案内を送り、選考を行う場合もあるようです。
特にベンチャー企業は、インターンが採用選考に直結している場合も多いです。
インターン終了後に電話やメールなどで企業から選考案内の連絡があり、早期に内定を獲得できる可能性もあります。
企業側から良い評価をしてもらえるように、グループワークでは、自ら発言をしてグループ内で活発な交流ができるようにするなどの積極性も大切になってくるでしょう。
短期インターンのデメリット
短期インターンは短期間で気軽に参加でき、企業から良い評価を得られると、早期に内定を獲得できるメリットがありました。
その一方で、デメリットとしてどのようなものがあげられるのでしょうか。
次からは、短期インターンのデメリットについて紹介します。
期間が短いために得るものが少ない場合もある
短期インターンは、会社説明会のようなものや、学生同士でグループワークをするなどのイベントを取り入れていることが多いです。
そのため「思ったよりもインターンで得られる情報が少ない」と感じる人もいるかもしれません。
あらかじめ自分で企業についての情報を収集したうえで、気になることをまとめて質問できるようにしておく必要があるでしょう。
短期インターンは、就活などで忙しくなる時期も、参加しやすいというメリットがあります。
しかし、せっかく参加したのに結局得られるものが少なかったとなると、時間を無駄にしてしまうことになりかねません。
ただ参加するだけでなく、会社の雰囲気や情報等を積極的に吸収するよう意識しましょう。
無給であるうえに交通費などの出費が発生する場合もある
短期インターンは無給である場合が多いこともデメリットの1つです。
さらに、交通費も自己負担の可能性が高いでしょう。
実費での参加ということが、長期インターンとの違いです。
インターンへ参加するには、腕時計や靴・シャツやブラウス・メモ帳や筆記用具など、自分で準備しなければならないものが意外とたくさんあります。
そのうえ、複数の短期インターンに参加するとなると、その分交通費がかさむことも考えなければなりません。
短期間で複数の業界や企業の情報を得られますが、参加すればするほど費用が発生するので、あらかじめ候補を絞っておくことも大切です。
どれくらいの範囲までなら参加できるのか、どうしても参加したいインターンであるか、参加にあたる優先順位を決めておきましょう。
まとめ
ここまで、長期インターンと短期インターンの違いについて紹介しました。
長期インターンは働きながら会社の雰囲気を知ることができ、短期インターンは複数の業界や企業の情報を短期間に得られます。
メリットがある一方で、それぞれのデメリットもありました。
自分で考えて自由に使える時間が多い学生は、とても貴重な時間です。
充実した学生時代を過ごすために、自分なりにそれぞれのメリットデメリットをしっかりと意識し、行動してください。
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