はじめに
就職したあとでも必要なビジネススキルを学べる、就活で有利になる、などの理由で長期インターンに参加する学生が増えています。
近頃では、さまざまな企業や職種で長期インターンを募集しており、営業職のインターンもたくさん見つかるはずです。
営業職に興味がある方にとっては、貴重な体験ができる良い機会でしょう。
そこで、営業職のインターンはどのような業務を行うのか、参加するメリットやデメリットも含めてくわしく解説します。
営業の長期インターンの業務内容
長期インターンは、先輩社員と同じような業務を行って、企業や業界について理解を深めるという目的のもとで開催されています。
したがって、一般的なアルバイトとは違い、携わる業務は社員とほとんど同じです。
参加者が負う責任は重いですが、社員と同じ業務は長期インターンでないと体験できません。
つまり、営業職のリアルに触れられる良いチャンスとなるはずです。
以下で、営業の長期インターンではどのような業務に携わるのか、解説します。
企業調査
営業の仕事は、企業調査から始まります。
どの企業に営業をかけるのか、戦略を考え、アプローチ先企業の調査を行います。
営業をかけたい企業のリストを作成し、それぞれが抱える課題やニーズを調べるのです。
売り込む商材は同じでも、顧客企業によって、置かれた状況はさまざまであり、それぞれに合わせた営業戦略を立てなければなりません。
インターン生は、営業先リストの作成や調査した結果を資料へまとめる業務に携わります。
資料作成については、すでにテンプレートを用意されていることもありますが、1から作成を任されることもあるでしょう。
この業務を経験することで、営業活動を行うためには、必要な準備がたくさんあることを実感できるはずです。
アポ取り
企業調査で営業をかける企業が決まったら、営業に訪問して良いか、アポ取りをしなければなりません。
特に新規の顧客だと、この時点で断られてしまうこともありますが、断られてもあまり気にせず、すぐに次の顧客へ頭を切り替えたほうが良いでしょう。
アポ取りの方法としては、主に電話を使用します。
コロナ禍で、オンラインでの営業も増えてきているようです。
アポ取りに関しては、マニュアルがあることも多く、最初のはそれを読み上げるだけになってしまうかもしれません。
それでも慣れてくれば、自分なりの工夫もできるようになるでしょう。
最初のうちは、横に先輩社員がいてフォローしてくれるので、電話で話すことに慣れていない方でも安心です。
実際の営業
無事にアポ取りができたら、実際にその企業を訪問して営業活動を行います。
最初は、先輩社員に同行して、実際の業務の流れについて学びます。
商談を進めていく先輩社員のことをよく観察して、言葉づかいや話の進め方・基本的なビジネスマナーを覚えましょう。
ただし、営業活動にもいろいろなスタイルがあるので、自分のインターン先はどれなのか知っておいたほうが良いでしょう。
スタイルごとに営業手法も異なるため、ここで解説します。
新規営業
新規営業とは、今まで自社と取り引きがなかった相手のところを回って、新しい顧客を見つける飛び込み営業のことです。
電話などでアポイントを取ってから、相手先へ向かうことも多いですが、電話をした時点で断られることも多々あり、アポ取りの成否が営業のカギとなります。
また、相手先を直接訪問して、契約を取る場合もあります。
こちらも、話を聞いてもらわないうちに門前払いされることも日常茶飯事です。
このように、営業スタイルの中でも、特にきびしいといわれる新規営業ですが、経験を積むことで少しずつ慣れてくるでしょう。
きびしい分、アポを取ったり商談を進めたりするビジネススキルは、新規営業を行ううちに、大幅にレベルアップしていくはずです。
法人営業
法人営業とは「BtoBビジネス」ともいわれ、会社など法人向けの営業であり、契約まで何度も訪問するなど、時間を必要とするのが特徴です。
取引相手が企業であるため、一度に動く金額が高額で、最初は驚くこともあるかもしれません。
加えて取り扱う商材の規模も、個人用と比較して規模がまったく違います。
取引相手が法人に限られているため、相手が抱えている課題のスケールも大きく、個人的な感情が入り込む余地は少ないです。
したがって、感情に訴えかけるよりは、理路整然としたアプローチが重要になるはずです。
企業調査もより入念に行わなければ、合理的な解決策を提案できません。
法人営業の場合も、基本的にインターン生は先輩社員と同行して、現地でプレゼンなどの手伝いをすることになるでしょう。
個人営業
個人営業とは「BtoCビジネス」のことで、お宅訪問など個人的な営業をかけることです。
自社の商材を購入してくれるお客様と直接やり取りをするため、お客様との距離は近いという特徴があります。
もし、お客様に気に入ってもらえれば、営業をかけたその場で契約を取れることも珍しくありません。
商談の進め方は、売りたい商材によっても異なりますが、アポを取ってから、もしくは飛び込みでお客様の家を訪問することもあります。
また店舗がある場合は、不動産会社や自動車のディーラーなどで、来店したお客様に対して営業をかけるのも、個人営業です。
個人営業の際も、インターン生は、先輩社員の販売活動に立ち会いますが、慣れてくれば自分からお客様に声をかけることもできるでしょう。
ルート営業
ルート営業とは、既存顧客へ行う営業のことで、定期的に取引先を訪問し、新商品が出た場合にそれを紹介するなどします。
取り扱う商材は、なくなったら発注される消耗品や、一定の期間が過ぎたら交換の必要なものであることが多いです。
すでに契約を結んでいるお客様のところを訪問することから、ルート営業は営業の中では比較的楽だと考えられています。
しかし、今度はその関係性を維持するための苦労もあり、決して楽ではないことを覚えておきましょう。
お客様からの要望があれば、すぐにうかがって話を聞くフットワークの軽さも必要です。
この場合もインターン生は、基本的には先輩社員に同行して、どのようにお客様と関わっていくのかを学びます。
営業の長期インターンの給料
ところで、営業の長期インターンの気になる給料はどれぐらいなのでしょうか。
支払われる金額は企業ごとに違いますが、時給制であれば、1,050円から1,500円ほどの企業が多いです。
成果報酬制であれば、アポイントを1件ごとや、月間契約件数ごとのボーナスと同様に、さまざまな給与の支払い形態があります。
しかし、トータルの額としては、一般的なアルバイトとほとんど変わらないでしょう。
稼ぐというよりは、営業職について学ぶスタンスで参加することをおすすめします。
営業の長期インターンにおけるメリット
営業職の長期インターンに参加することで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
給料の面だけ見るならば、得られる金額はアルバイトとあまり変わりません。
しかし、現役社会人の仕事の仕方を見て、学ぶことで多くのものを得られ、実際に業務を行うことではじめてわかることもたくさんあります。
以下で、具体的にどのようなものを吸収できて、それがどのような場面で役立つのかをご紹介します。
インターンへの参加を検討するときの参考にしてください。
コミュニケーション能力がつく
営業の長期インターンに参加することで、コミュニケーション能力が身につきます。
コミュニケーション能力は、就活でも、そして就職したあとも一生必要なスキルです。
先輩社員の商談に同行したり、アポ取りの電話をしたりすることで、お客様との対話はどのように進めれば良いのかわかるようになるでしょう。
また、会話を始める際に大切なアイスブレイクの技術も学べます。
営業活動では、自社の商材を売り込むためのセールストークのスキルも必要ですが、お客様のニーズを聞き出すヒアリング力も同じくらい重要です。
トーク力とヒアリング力の両方を習得でき、誰とでも適切なコミュニケーションが取れるようになることが、営業職の長期インターンに参加するメリットです。
営業スキルが身につく
営業職の長期インターンでは、先輩社員に同行できるため、実際に商談を進めていくところの観察ができ、慣れてくれば自分が主体になって商談を進める場合もあります。
このようにして、営業の実践的なスキルを社会へ出る前に身につけられるのが、営業職の長期インターンに参加するメリットの1つです。
接客のアルバイトでもお客様と接しますが、対人能力は身についても、営業スキルは到底身につきません。
入社前から一通りの営業スキルを持っているということは、企業にとっては貴重な即戦力であることを意味します。
すでに営業スキルを習得している学生は、一から教育しなければならない人材よりも魅力的に映るはずです。
ライバルよりも就活を有利に進められるのは、大きなメリットでしょう。
ガクチカに使える
どの企業でも、面接やESで質問される項目があり、それが「学生時代に力を入れたこと」いわゆるガクチカです。
営業職の長期インターンに参加したことは、ガクチカでも使える経験です。
長期インターンが注目されるようになってからまだ日が浅いため、すべての学生が長期インターンに参加しているわけではありません。
ほとんどの学生は、アルバイトやサークル活動の経験について答えるでしょう。
そういったなかで、長期インターンへの参加経験者は、人一倍採用担当者の目を引くはずです。
長期インターンに参加していれば、ガクチカで話すネタに迷うことはありません。
アルバイトやサークル活動では、誰もが似かよった内容になりがちですが、長期インターンであれば独創性をもたせられます。
営業の長期インターンのデメリット
営業職の長期インターンに参加するメリットを紹介しましたが、残念ながらデメリットも存在します。
デメリットを考慮しても、なおかつ参加したいと思うのであれば、参加しましょう。
もし、デメリットが自分にとって大きすぎると思うのであれば、長期インターンは向いていないのかもしれません。
価値観は人それぞれなので、自分にとってためになるほうを選択してください。
以下では、長期インターンのデメリットを2点ご紹介します。
大学生活が忙しい
長期インターンに参加してしまうと、大学生活が忙しくなるのはデメリットと言えるでしょう。
長期インターンは、少なくとも半年は予定が拘束されてしまうため、ほかの予定を入れにくくなります。
留学などを予定している方は特に注意してください。
そうでなくても、インターンに時間を取られすぎて、勉強する時間が減ってしまったり、友達と遊ぶ時間がなくなったりしてしまうのはデメリットと言えるでしょう。
大学生にとって大切なのは、長期インターンで社会経験を積むことだけではありません。
学業や友達との時間以外にも、学生時代にしか経験できないことがあり、そこから学べることもたくさんあります。
そちらのほうが重要であると感じるなら、長期インターンへの参加は考え直すべきかもしれません。
ほかの経験ができない
一度、営業の長期インターンを始めてしまうと、ほかの経験ができなくなることも、デメリットの1つとしてあげられます。
将来は営業職1本で決めている方でもなければ、営業職しか経験していないことは、かえって不利になってしまうかもしれません。
たとえば、ほかのアルバイトができれば、ほかの職種を経験できる機会もあります。
しかし、長期インターンに参加してしまうと、営業職だけしか経験できないかもしれないのです。
これは、社会について知るチャンスを失うということであり、長い目で見れば大きな損失になるかもしれません。
長期インターンは、勉強しなければならない分、同じ拘束時間のアルバイトよりも忙しくなりがちであることを覚えておきましょう。
営業は長期インターンがおすすめ!
インターンは長期のほかに、1日や数日で終わる短期のものもあります。
しかし、本気で営業職を目指しているのであれば、長期インターンをおすすめします。
なぜなら、営業スキルは短期間で身につくものではないからです。
本気で営業スキルを身につけて、成長したいのであれば、営業の業務を長期間にわたって経験しなければなりません。
先輩社員も同じように長い年月をかけて、今の営業スキルを習得してきたはずです。
就活で有利になるくらいの立派な営業スキルを身につけるには、短期インターンでは時間も経験も足りません。
先輩社員の一連の営業活動を見て、自分もそれを真似てみて、はじめて営業職とはどういった職種なのかがわかるのではないでしょうか。
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営業の長期インターンについて解説してきましたが、インターン先をのどのようにして見つけるかが問題です。
企業の公式サイトやSNSで、インターンの募集をしていることもありますが、すべての企業をチェックすることは到底不可能でしょう。
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まとめ
営業職の長期インターンに参加すると、社会人と同じような営業スキルが身につき、さまざまな商談を経験することで、コミュニケーション能力も強化されます。
そのため、ほかの学生との差がつき、就活でも優遇されるでしょう。
将来、営業職を目指すと決めているのであれば、ぜひ挑戦してみてください。
忙しい毎日になってしまいますが、参加することで得られるメリットはたくさんあります。
インターン先探しには、ぜひ「就活市場インターン」をご利用ください。