はじめに
スタートアップ企業で働くことに魅力を感じている方は多くいらっしゃると思います。
その一方で、一般的にスタートアップで働くことはきつい、大変だと言われているため、不安に感じている方もいるのではないでしょうか。
しかし、働くうえでのメリットも多数存在します。
本記事では、スタートアップ企業で働くことがきついと言われる理由やメリット・デメリットについてお伝えします。
スタートアップとは
スタートアップとは、まだ世の中にない新しい製品やサービス・新規事業を取り扱い、急成長を遂げる可能性を秘めている、まだ設立が間もない会社のことを言います。
有名企業での例を挙げると、facebookはスタートアップ企業から成長した会社です。
創業当初は小さな規模でしたが、今では全世界にユーザーを抱えており、非常に速いスピードで目覚ましい発展を遂げてきました。
日本企業の例だと、メルカリやBASEなどが有名です。
この2社もこれまでに前例のないECビジネスを展開し、今では一般にも広く知られているサービスを提供しています。
また、スタートアップ企業はベンチャー企業とは違い、スピード感を持ってビジネスを進歩させてことが特徴です。
スタートアップで働くのがきついと言われる理由は?
スタートアップで働くのがきついと聞く方も多くいると思いますが、その理由はいくつかあります。
しかし、それらをネガティブに捉えるか、前向きに捉えるかは人それぞれなので、自分自身はどのように考えるのか整理してみてください。
ハードワークである
スタートアップ企業は業務も幅広く、1人に与えられる仕事量も多い傾向であるため、基本的にハードワークになる可能性が高いです。
常に残業が多く、時には休日を返上して勤務することもあるかもしれません。
また、一人ひとりの仕事の範囲がきっちり決まっていることは少ないため、本来自分の仕事ではないものを担当することもあります。
仕事が好きで、ビジネスを成功させたい、会社を大きくしたいという強い気持ちがある方は、スタートアップ企業で働くことでやりがいを感じられると思います。
しかし、ワークライフバランスの良い会社で働きたいと思う方やプライベートの時間を大切にしたい方はスタートアップ企業にはあまり向いていないでしょう。
成果を求められる
スタートアップ企業では、コスト削減の観点から社員数もはじめは少ない傾向にあります。
会社として目指すゴールは明確に定まっているため、社員1人あたりの裁量が大きくなるのです。
その結果、成果や責任を求められます。
時にはその責任の大きさからプレッシャーを感じたり、仕事にマイナスな感情を抱いたりすることもあるかもしれません。
決められた業務をただこなすだけではなく、事業全体を進捗するために周囲の人と積極的にコミュニケーションを取りながら試行錯誤を繰り返す必要があります。
がむしゃらな努力が必要となるので、粘り強く事業に取り組める方がスタートアップ企業に向いているでしょう。
福利厚生や研修制度など仕組みが整っていない
スタートアップは設立したばかりの会社であるため、最初は資金が多くありません。
少ない資金は事業に優先的に投資をするため、福利厚生面や研修制度などの労働環境が整っていないことがよくあります。
そのため、会社の規定も明確に定められておらず、この場合はどうするのか、といった過去の事例がないことが多くあります。
この点は、大企業と比較すると劣って見えてしまう部分かもしれません。
また、会社として設立間もないため、システムも導入されていないことがあります。
出勤簿や交通費などのほかの企業ではシステム化されているものについても、スタートアップ企業では自分の手で計算するなどしてアナログな形で提出することもあるかもしれません。
業務以外に会社の仕組みを作り上げることも求められる
スタートアップ企業は、会社自体のシステムや仕組みができあがってないことから、会社作りにも携わるなどして自分自身のメインの業務以外にも任される役割が多くなります。
大企業の場合は人事担当や経理担当、事務など業務範囲が細かく分かれていますが、スタートアップ企業ではそのような役割にあたるポジションの社員がいないことが多いです。
そのため、1人の社員が採用の面接を行ったり、請求書の発行などの事務処理を行ったり、一人で多くのポジションを担当することもあります。
また、会社のルールも決まっていないことが多いため、「この場合はどのように解決すれば良いか?」といったイレギュラーな事案が起きた際は、それに対してどのように対処するのか、再び同じことが起きた時はどうすれば良いか、などの規定を決めておくことも求められます。
スタートアップで働くメリットはあるのか?
ここまでお伝えした内容を確認すると、スタートアップで働くことは辛いことしかないと感じる方もいるかもしれません。
しかし、スタートアップで働くメリットも多くあります。
成長機会が多い
スタートアップ企業で働くことは、自分自身が成長する機会が多いです。
明確な業務範囲が定まっていないため、自身が担当する業務内容も幅広くなります。
そのため、スタートアップ企業で働くことで、たとえば営業などといったある一つのスキルだけではなく、マーケティングや経理、経営企画など、さまざまな仕事のスキルを身につけることができます。
また、それと同時に会社自体を成長させていくという大きなゴールに向かって行動しなければいけません。
日々試行錯誤を繰り返しながら努力を重ねていくことは、結果として人間力を高めることになります。
このように、仕事のスキル的にも人間的にも成長する機会が多く設けられていると言えます。
裁量権が大きい
スタートアップ企業は、良くも悪くも体制が不整備であることが特徴です。
社員数も少なく、一人ひとりが担当する業務も明確に割り振られていることはあまり多くありません。
とあるゴールを達成するためには、自分には何ができるのかということをよく考え、そしてすぐに実行に移すことが重要です。
そのため、一つのことに固執することなく、幅広く取り組める場合が多くなっています。
そして、裁量権が大きいのもスタートアップ企業の特徴です。
自分の力で事業を引っ張っていきたい方、また何か責任の大きい仕事をこなすことで成長実感を得たい方にとっては、スタートアップ企業で働くメリットが大いにあると言えます。
将来的には起業ができるようなスキルやノウハウも身につけることができます。
新しい価値を届けられる
スタートアップ企業で働くことによって、新しい価値を届けることができます。
スタートアップの事業の始まりは、もっと世の中を良くしたいという気持ちや世の中のお困りごとを解決したいといった視点がきっかけになることが多いです。
そのようなきっかけから生まれるビジネスは、きっと多くの人の役に立ち、社会貢献度の高いものになるでしょう。
自分が携わった商品やサービスが新しく世の中に誕生し、それが人々の心を動かして笑顔を届けられることは、スタートアップ企業で働くことのメリットの一つだと言えます。
開発までの過程は大変なことも多くありますが、新しい価値が世の中に届いた時はやりがいに感じる瞬間でもあるでしょう。
こんな人にスタートアップは向いている!
スタートアップ企業は、大企業やベンチャー企業とは違い、求める人物像もはっきりしています。
ここからはスタートアップ企業に向いている人の特徴をお伝えします。
自分自身が当てはまっているか、また今後伸ばしていくべき部分はどのあたりなのかをしっかり認識しておきましょう。
成長意欲が高い
スタートアップは企業全体の成長が目的であるため、そこで働いている社員にも成長機会が多いと言えます。
そのため、成長意欲が高く、どんなことにも貪欲にチャレンジできる姿勢を持っている人はスタートアップ企業で活躍できるでしょう。
責任の大きい仕事を任されることもあり、また事業全体のスピード感も非常に速いものを目指すため、日々試行錯誤を繰り返しながら努力することが求められます。
決まったルーティーンの仕事を淡々とこなすだけでは、スタートアップ企業で成果を出すことは難しいでしょう。
企業全体のことを第一優先に置き、自分に何ができるかを常に考え、即行動に移せる人は、スタートアップ企業で成長できる適性があると言えます。
リスクよりも新しいことに挑戦することに魅力を感じる
スタートアップは不安定ですが、新しい事業を世の中に発信することに携わることができるという点がやりがいであると言えます。
新しいビジネスに取り組むということはリスクもある程度存在するため、失敗してしまう可能性もあり、最悪の場合は会社が倒産してしまうことも考えられます。
自分自身も職を失くし、生活が苦しくなることもあるかもしれません。
それでもスタートアップ企業で働くということは、果敢な挑戦を重ね、ビジネスを進歩させなければなりません。
成功手法を使って開発を進めていくというよりは、まだ誰も手をつけたことがないやり方に勇気を持ってチャレンジする気持ちが必要です。
そのため、安定的に働きたいというリスクを取ってでも新しいことに挑戦したいという人には向いていると言えます。
スタートアップで働く前に確認しておくこと
スタートアップで働く前に確認しておくことは以下の2点です。
働く前と実際に入社した後にできる限りギャップが生まれないように、事前に情報収集をしておきましょう。
スタートアップについて理解しておく
スタートアップとはどんな会社なのか、メリット・デメリットなどを考えしっかりと理解を深めておきましょう。
スタートアップ企業では、事業には非常にスピード感を持って取り組むことが求められます。
また、ハードワークであること、福利厚生が整備されていないことなどを踏まえ、一般的には仕事をするには大変な環境だと言われています。
しかし、その一方で努力すれば成長できる機会が多くある場合や責任の大きい仕事がやりたいというチャレンジ精神がある方にとっては非常にやりがいのある環境です。
自分自身が仕事に対して何を重視しているのかを認識し、また自分が今後どの部分を伸ばしていけばスタートアップ企業で活躍できるのかを整理しておきましょう。
企業について分析しておく
企業についての情報やどんなことを行っているのかなど情報を事前に分析しておきましょう。
その企業が行っているビジネスはもちろんのこと、経営理念や社内で大切にしている考え方も確認しておくと良いです。
スタートアップ企業で働くことはきつい、大変であると言われる中で、自分自身がどれだけ頑張れるかどうかがポイントになってきます。
そのため、入社前に会社のことをしっかりと調べて、入社後のミスマッチなどできる限り避ける必要があります。
万が一早期に離職となった場合、次の転職先を見つける手間もかかってしまい、転職活動の間の生活も苦労してしまうかもしれません。
また、早期離職自体が日本ではあまりよく思われていないため、会社選びは慎重に行っていくようにしましょう。
まとめ
スタートアップ企業で働くことは、きつい、大変だというイメージを持っている方も多いと思います。
ハードワークであったり、社内の仕組みが未整備であったり、福利厚生面が整っていなかったりなど、デメリットは実際にいくつかあるのです。
しかし、努力すれば成長できるようなチャンスもあり、1人あたりの裁量権が大きいため責任の大きい仕事を任せてもらえるような環境でもあります。
そのため、会社や個人の成長のために粘り強く仕事に取り組める人はスタートアップ企業で活躍できるでしょう。