はじめに
今回は、スタートアップ企業に興味を持つ就活生に向けての記事です。
先進的な技術の発展が目覚ましい昨今、自分の仕事においても、新奇性を追求したい方や、大きな成長を求める方が増加しています。
しかし、スタートアップ企業は従来の企業と毛色が大きく異なるため、就職先として選んで良いのかという迷いが少なからずあるのではないでしょうか。
そこで、国内のスタートアップ企業は今どのような状況なのか、諸外国との差はどのようなものなのか、成功しているスタートアップ企業はどのような特徴があるのか、など就活に役立つ情報を詳しく解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
スタートアップ企業の現状
スタートアップ企業は、今や世界経済を動かすほどの影響力を持っています。
今までにない価値観を生み出し、その価値をビジネスとして押し上げるため、短期的な成長が求められますが、広まるスピードも速いため、これからの経済社会においては普遍的なものとして浸透していくでしょう。
また、日本においては、国内経済を盛り上げる役割も果たしています。
人々はより便利なサービスを求めるため、社会的にもスタートアップ企業の重要性は大きくなっているのが現状です。
すでに経済を牽引する海外
スタートアップ企業は、実績も前例もないため、企業としては信頼度が低い状態から始まります。
一般企業は、設備投資などの資金を銀行から借り入れるのが通常です。
対して、スタートアップ企業は信用がないため、ベンチャーキャピタル（以下VC）やエンジェル投資などの支援を受けて資金を調達します。
日本では、すでに安定している企業に出資をする傾向がありますが、海外は出資の多様化が進んでいるため、自ずとスタートアップ企業が盛り上がっていく仕組みができあがるのです。
このVCによる支援を受けたスタートアップ企業は、生産性が平均よりも1.6倍高いという研究結果が出ています。
今や、世界の企業価値ランキングトップ10の内、8つの企業がスタートアップ企業です。
時代のニーズを先読みしたサービスの例として、現在私たちが当たり前に使っている配車サービスやデリバリーサービス、そしてAIを駆使したビジネスを展開した企業が挙げられます。
スタートアップ企業は投資が資本のため、自然と時価総額も上昇するのです。
投資が盛んなアメリカでは、時価総額1,000億円を超えるスタートアップ企業が約120社もあります。
より詳しい解説は下記のサイトにありますので、こちらをご参照ください。
国内でも盛り上がりが高まる
現在、熱心な誘致活動のおかげもあり、アジアの起業家や欧米のVC、機関投資家が徐々に東京へ集まっている状況です。
しかし、アメリカや中国、インド、英国、イスラエル、韓国などの投資先進国と比べて、まだまだ日本は劣っているのも現状です。
これまで保守的とされていたEU諸国も、近年はスタートアップにかなり協力的であることから、グローバル競争はより激しいものになると予想されます。
ただし、競争が激しくなるということは、スタートアップ界隈が盛り上がるということにもつながります。
スタートアップ企業にとって、現状が追い風になっていることも事実です。
実は、日本国内でのここ10年間の起業数と総投資額は大きく増加しています。
評価額1,000億円以上の企業は、この1年間で7社から11社に増加しました。
海外の影響を受け、投資を含めたスタートアップに関する制度が見直されつつあるため、今後もますますの拡大を見せるでしょう。
国内スタートアップの将来性
スタートアップ企業を選んで良いのかという迷いの背景には、「将来性はあるのか」ということがあるかと思います。
そもそも、スタートアップ企業とは、リスクを背負いながらも急成長を目指すため、安定志向というよりも野心的な姿勢やトライの精神が求められます。
そのため、既存企業と比較すると、企業の倒産率は高い傾向にあるのです。
それでも、スタートアップ企業が増加している背景には、やはり国内経済の停滞と企業のグローバル化が挙げられるでしょう。
国内の既存の企業だけでは、海外の勢いある企業に太刀打ちできず、社会全体が弱体化してしまいます。
そこで必要なのが、スタートアップ企業です。
スタートアップはスピード感が重要なため、スタートアップ企業が増え続ければ、海外と同様に、国内の企業価値ランキングの上位に入り、国内経済が盛り上がりを見せます。
昨今の傾向を見ても、グローバル化が進んでいることは明らかですが、今後はそれが当たり前になるような社会になると考えられます。
徐々にではありますが、スタートアップ企業が成功しやすい環境が整えられ始めているため、将来性はあるといって良いでしょう。
成功するスタートアップ企業の特徴
世の中に新たな風を吹き込むスタートアップ企業ですが、新しいからこそ、就職先として見込みがあるかどうかは事前に知っておきたいですよね。
ですが、スタートアップ企業にはこれといった前例がないため、自力で調べるのは難しいかと思います。
そこで、成功しているスタートアップ企業には共通している特徴をまとめました。
これからご紹介する特徴を持った企業は、将来性があるといって良いでしょう。
スタートアップ企業が増加している中、成果を出している企業の特徴はいったいなんなのでしょうか。
資金調達力がある
前述したように、スタートアップ企業は資金作りが成功への第一歩となります。
初期段階の投資はもちろんですが、その後の経営状況や信頼度によっても調達できる金額は大幅に変わります。
設立から数年経っても赤字というとかなり不安に聞こえるかもしれませんが、スタートアップ企業においては少なくない事例です。
スタートアップ企業の利益は、0からマイナスに、そして急激にプラスになることが特徴です。
そのため、マイナスの中でも資金調達ができている企業は、信頼されているか見込みがあるとされています。
また、プラスになった後、市場を拡大し続けている企業も成功例でしょう。
投資する価値がある企業だと判断されれば投資家は増えますし、その流れで利益も増え続けます。
このように、資金をうまく調達できている企業は成功の軌道に乗りやすいのです。
海外での成功例がある
デリバリーサービスのUber Eatsは2014年にアメリカで起ち上げられたスタートアップ企業の代表例です。
もともとは、配車サービスのUberが前身となっており、フードの分野でも利用価値があるのではという発想から、Uber Eatsが誕生しました。
サービスが始まった瞬間から、アメリカで爆発的なヒットとなったため、日本では2年後の2016年にスタートしました。
現在も、幅広い世代に利用されていることはご存知かと思います。
ここまで世界的にサービスが拡大した理由の一つとして、シェアリングエコノミーをいち早く取り入れたといことが挙げられます。
配車からフードの分野へ、「移動」というサービスはそのままに事業を拡大したことも革新的でした。
海外は、新しいサービスやテクノロジーに敏感であり、また自身のニーズにマッチしていれば、初期から積極的に利用する人が多いのが特徴です。
結果的に、海外での成功例は、企業としての見込みがある要因になり得ると言えるでしょう。
優秀な人材の確保をしている
短期間で急激な成長を目指すスタートアップ企業には、はじめから優秀な人材が必要です。
しかし、優秀な人材は引く手数多の存在です。
優秀な人材が必ずしも皆、スタートアップ企業への就職を望んでいるわけではありません。
それに加えて、今は転職が通常になっているため、引き抜きや直接のスカウトの事例も多くなっています。
優秀な人材を会社に留めておくことは、企業の能力によるものがかなり大きいと言えるでしょう。
また近年は、IT関連のスタートアップ企業が増加しているため、エンジニアの募集が目立ちます。
優秀な人材を確保したい企業の特徴としては、採用条件が細かいことが挙げられます。
自分にマッチしているかだけではなく、どのような意図で採用条件を出しているかも考えてみましょう。
国内スタートアップ企業の成功例
世界的に活躍しているスタートアップ企業は、主にアメリカや中国に多いのが現状です。
経済を盛り上げることからも、スタートアップ企業はさらに増やしたほうが良いという意見もあるほどです。
日本国内でも、すでに有名なスタートアップ企業がいくつかあります。
また、近年は起業ブームということもあり、国内でのスタートアップ企業も増加していくことが予想されます。
次の章では、国内で成功しているスタートアップ企業の概要をまとめました。
実際に就職を希望される方もいると思いますので、ぜひ参考にしてください。
スマートニュース
ニュースメディアと連携してスマートフォンのアプリ上でニュースを提供するスマートニュース株式会社も、スタートアップ企業に分類されます。
設立は2012年ですが、翌年の2013年には、人気を集めたGoogle Playのコンテンツを紹介する「Google Play Best of 2013」でアプリオブザイヤーを受賞しているのです。
現在、アプリは世界各国で配信されています。
資金調達額は約441億円で、国内でも最大級のスタートアップ企業と言えるでしょう。
ここまでスマートニュースが普及した背景には、情報化社会と速さを求める現代の姿があります。
また、広告の手法も新しく、若者に人気の芸能人を起用したり、アプリでは当時珍しいテレビCMを打ち出したりとさまざまです。
しかし、根底には、「スマートフォンを通して正しく役立つニュースを発信する」というミッションがあります。
軸がブレないからこそ、ここまでの成長を遂げたのではないでしょうか。
下記のURLは、スマートニュース公式サイトのものです。
アプリについてわかりやすく、詳しい説明が載っているのでご覧ください。
https://www.smartnews.com/ja/
Preferred Networks
株式会社Preferred Networksはディープラーニングの研究やそのような最先端の技術を用いて、さまざまな分野のイノベーションに貢献するスタートアップ企業です。
国内でも優れたAI技術を駆使して事業を展開していることから、現在かなり注目を集めている企業の一つとされています。
また、国内でも有数のユニコーン企業だということも話題になりました。
会社の設立は2014年ですが、2021年には子会社を設立するほどその事業は拡大されています。
資本調達金は約168億円で、資金は主に財務基盤の強化や、人材の確保に充てていることが特徴的です。
プログラミング技術は将来性が高いため、気になっている就活生も多いのではないでしょうか。
Preferred Networksの強みは、なんといっても優秀な人材力です。
最新の技術に触れられる環境と、個々の能力を正しく評価される社風もあり、大企業からの転職も相次いでいます。
採用基準は厳しいものになりますが、その基準をクリアした人材が集結したからこそ、ここまでの影響力を持つことができたと言えます。
下記のURLはPreferred Networks公式サイトのものです。
創業者の理念なども細かく書かれているのでぜひご覧ください。
https://www.preferred.jp/ja/
TBM
株式会社TBMは、プラスチックや紙の代わりとなる素材である「LIMEX（ライメックス）」を製造販売するスタートアップ企業です。
設立は2011年で、3年後の2014年には、自社で開発した新たな素材「LIMEX」に関する特許を取得しました。
資金調達金は約327億円で、こちらも国内有数のユニコーン企業とされています。
しかし、設立当初は資金がなく、工場ができてからも製品を作れるようになるまで1年かかるなど、困難な道を歩んできました。
それでもここまでの躍進を遂げたのは、エコやサスティナブルが日本国内で流行り始めた頃に、地球に配慮した素材を作ろうとした先見の明と、このままの環境にしてはいけないという情熱があったからこそでしょう。
現在も、積極的に海外との企業と契約を結び、そして海外の企業に投資してもらうなど、グローバルな動きを続けています。
下記のURLはTBM公式のサイトのものです。
「LIMEX」についての詳しい解説やほかの新たな素材についても記載されているのでぜひご覧ください。
https://tb-m.com/limex/
まとめ
いかがだったでしょうか。
このように、スタートアップ企業は国内経済を活性化し、グローバルに競争できる有益な企業として認められています。
界隈は、これからもますますの盛り上がりを見せるでしょう。
今年設立された企業も、数年後には世界的な企業になっているかもしれません。
事業が革新的であることはもちろんですが、どの企業にも共通していることは、新しい環境に飛び込む勇気があることです。
興味を持ったその瞬間から道は拓かれます。
この記事が、皆さんのスタートアップ企業への就職の後押しになれば幸いです。
