はじめに
「現職に満足していない」「将来のために手に職をつけて働きたい」などの理由から、セカンドキャリアを考える人は多いでしょう。
実際にコロナ渦でリモートワークが普及したことを受け、転職活動に割く時間が増えたことから、近年では転職する若者が飛躍的に増えました。
そして、より大きな企業でキャリアを目指したいと考える方に人気の職種がエンジニアです。
エンジニアになるためのスキルや適性などについて多方面から解説していきましょう。
ITエンジニアとは
ITエンジニアとはInformation Technology(情報技術)におけるエンジニアリング(工学)のスキルや知見を持った人を指します。
ざっくりと言うと、アプリやWebサービスなどのシステムを動かすための仕組みを作るのがエンジニアの仕事です。
ひと言でITエンジニアといっても、作業工程が上流か下流か、関わるサービスが何かによって業務内容や呼称は異なります。
後程詳しく説明しましょう。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、IT業界も成長を続けています。
しかし、その需要にエンジニアの供給が追い付いていないため、ITエンジニアの不足は深刻な社会問題として捉えられているのです。
エンジニアは、多くの企業が求めている売り手市場の職種と言えるでしょう。
エンジニアについて詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
ITエンジニアが身につけておくべきスキル
ITエンジニアは技術職であるために、理系のイメージかありますが文系の学生でもスキルを身につければチャンスはあります。
実際に文系出身でありながらも一線で活躍しているエンジニアは多く見受けられるのです。
しかし、エンジニアにはなるためには履歴書を書くだけではなく、それ相応のスキルを身につけなければなりません。
エンジニアを名乗るために必要なスキルとは、いったいどのようなものでしょうか。
まずは大きく3つに分けて説明しましょう。
パソコン操作
PC操作のスキルはエンジニアになるために欠かせない要素です。
エンジニアはクライアントの要望を反映させたり、エラーの修正をしたりと迅速な対応が求められる場面が多く見受けられます。
そのため、プログラミング言語など専門的な知識を勉強する前に、最低限必要な社会人としてのPC操作ができるようスムーズにできるようにしておきましょう。
たとえば、ブラインドタッチはもちろんのこと、各種ショートカットキーも覚えておくようにしてください。
さらに、Wordでは文字入力や表の挿入や印刷の余白設定など、Excelでは表作成、四則演算、セルの書式設定(セルの結合)、簡単な関数入力(SUM・AVERAGE)、PowerPointでは画像挿入、図の調整(サイズ・色の変更)、文字入力などを「基本的なPCスキル」と認識する企業が多いようです。
現職で使用していないのならば、使用できるようにしておいたほうが無難でしょう。
コミュニケーション能力
エンジニアといえば技術職であり、1人で黙々とデスクで作業するイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし、エンジニアとして業務を円滑に進めるためにはコミュニケーション能力が必須なのです。
なぜなら、システムを開発するためには、クライアントや営業やマーケティングとのコミュニケーションは不可欠と言えます。
さらに詳しく言えば、自分と相手の意見の合致点を見つけ合意を得る交渉力や相手のニーズの汲み取るヒアリング力、双方にとって利益のあるプレゼンをする提案力など、総合的なコミュニケーションが求められるのです。
コミュニケーション力に自信がないという方は、まずは聞き手に徹し、相手を肯定したうえで自分の意見を伝えるように心がけると円滑に話を進められるようになります。
プログラミング知識
エンジニアにとって必須なのがプログラミングの知識です。
プログラミングとは、PCにシステムを動かすための指示書のようなものを与えることを指します。
現在私たちが使用しているWebサービスやアプリはプログラミングによって動いているのです。
指示を与える際にはプログラミング言語というものが必要になり、言語を使用してPCに指示を与える作業をコーディングと呼びます。
プログラミング言語は一つだけではなく、200種類以上存在すると言われているのです。
エンジニアとして一人前になりたいのであれば、すべて取得する必要はありませんが、将来的に複数の言語を使いこなすことが求められます。
プログラミングは現在小学生の中でも必修になっており、今後ますます求められる技術となることが予想されます。
【職種別】ITエンジニアに必要なスキル
このように、エンジニアになるためには、PC操作やプログラミング言語の取得などの技術的な面だけではなく、チームやクライアントと連携して作業していくコミュニケーションスキルも求められます。
そして、先ほど述べたようにひと言でエンジニアといってもさまざまな職種に分類されているために、職種ごとに当然求められるスキルは異なります。
より踏み込んで各エンジニアの職種ごとに、基本的な業務内容とともに必要なスキルを説明していきましょう。
システムエンジニア
SEの略称で馴染みのあるシステムエンジニアは、顧客の要望を聞いてシステムの基本設計をするエンジニアです。
SEの仕事は以下の5つの過程に分類できます。
・クライアントのニーズを満たすシステムの大枠を作る「基本設計」
・基本設計したシステムの細部を詰める「詳細設計」
・システムが通常通り稼働するか確かめる「テスト」
・運用開始したシステムの障害対応やメンテナンスの「保守・運用」
つまり、開発して終わりではなく、運用するかの確認やその後のメンテナンスも求められるのです。
また、客先常駐か社内SEと言われる自社開発かでも働き方は異なります。
プログラミング言語などの技術力やコミュニケーション力加えて、設計書や仕様書に合わせてチームを動かすマネジメント力も求められます。
Webエンジニア
Webエンジニアとは、WebサイトやECサイトなどで使われるシステムの設計・開発・運用・保守を行うエンジニアのことを指します。
主な仕事内容は、Web上で提供されるシステムに特化したプログラミングを行うことです。
具体的には以下の3つに業務内容は分けられます。
・Webサイトを制作する
・サイトを保守、点検する
Webエンジニアはユーザーから見える部分のコーディングを担当するフロントエンジニアとシステムの期間などの裏側を担当するバックエンドエンジニアに二分化されています。
ベンチャー企業などでは、企画やSEO施策までも任せられることが多く、プログラミング言語だけではなく実務経験やマーケティングスキルなどのマルチな能力が求められます。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、システムの基盤となるネットワークやサーバーの設計や構築、運用保守などを担当するエンジニアを指します。
インフラエンジニアは、以下の3つに分類されます。
・安定したネットワークを構築、運用するネットワークエンジニア
・情報セキュリティに特化したセキュリティエンジニア
先述したシステムエンジニアやWebエンジニアよりもさらに基盤の工程を担うため、専門的な知識が求められるのです。
具体的には、ネットワークやセキュリティの知識に加えてサーバーに関する知識やインフラ設計スキルが必要と言われています。
下流工程からスタートしてキャリアを積んでから、インフラエンジニアとしてキャリアをスタートするパターンが多いように見受けられます。
上流工程エンジニア
システム開発において上流工程とは、顧客の要求を分析し、システムへと落とし込むための初期段階のことを指します。
対して、プログラム開発以降の実際の製造を行う過程を下流工程と、川の流れにシステム開発の一連を例えて表現しています。
上流工程エンジニアは顧客の要望を聞き、経営課題や業務上の問題を解決するためのシステムを開発し、要件定義をし、仕事のスケジュールや企画、完了までの業務工程調整を担当するエンジニアです。
技術職の一面だけでなく、コンサルタント的な業務の面も強く見られるために、ITコンサルタントや上級のSEに任せられることが多く見受けられます。
そのため、上流工程エンジニアになるためには下流工程の経験に加え、ヒアリングスキルやマネジメント能力が必要と言われています。
エンジニアの転職に向いている人の特徴
エンジニアといっても、さまざまな種類のエンジニアがいます。
また、自社SE、客先常駐、フリーランスなどさまざまな働き方があります。
スキルを身につければライフステージの変化に伴い働き方の選択ができるのも大きな魅力と言えるのです。
しかし、現職と異なる技術職になることに対し、適性があるのか、自分に務まるのか不安に思う方も多いでしょう。
エンジニアに向いている人の特徴について、3つに分けて紹介します。
該当する方はぜひチャレンジしてください。
IT業界に興味がある人
まず大前提として、IT業界への関心や興味があるというのが条件に挙げられます。
IT業界のイノベーションは非常にスピーディーで、目を見張る勢いで成長を続けています。
エンジニアは一度スキルを身につければ将来安泰というわけではありません。
最新の技術トレンドに触れ続ける努力をしてこそ、顧客の要望に応える技術を提供できるようになるのです。
そのためは、まずは興味、関心があることが大切です。
渋々と「エンジニアになれば高給がもらえて職に困らない」という理由だけでエンジニアを目指しても、成長することは難しいでしょう。
「PCをいじるのが好き」「IT関連の情報をインプットするのが好き」といったIT業界に深い関心があるタイプの方はエンジニアが向いていると言えます。
好奇心が旺盛な人
好奇心が旺盛な人もエンジニアに適性があると言えるでしょう。
しかし、IT業界ではただやってみたいという関心だけは好奇心として評価されません。
興味を持ったらそのシステムを構築する、アプリケーションを作成してみるなどの、成果物もあわせて作る行動力もセットで好奇心として捉えられます。
未経験であるのならば、一度コーディングをしてWebシステムなどを作成してポートフォリオとして提出することがおすすめです。
ポートフォリオがあるかないかでは面接の際の評価に大きな開きがあると言われています。
エンジニアの世界では好奇心を持って最新の技術をキャッチすることは不可欠です。
新しいものに物怖じせず飛び込める方は適性があると言えるでしょう。
向上心がある人
向上心もエンジニアを目指すうえで欠かせない要素の一つです。
エンジニアは実力主義の社会です。
どんなに経験値があっても、最新のスキルやセンスがあるエンジニアがいれば席を奪われることも考えられます。
また、先ほど述べたようにIT業界は変化のスピードが非常に速い業界であるために、常に自分のスキルを向上させて、次のプロジェクトでも最善の提案をするために学ぶ姿勢が求められるのです。
そのため、もともと持っているスキルよりも、成長したいというマインドが重要とすら言えます。
安定した1つの地点で落ち着くよりも、さらに高みを目指したい、常にスキルアップしていきたいという前向きな姿勢の方は、エンジニアとしても活躍していけるでしょう。
エンジニア転職を成功させるために
今まで述べたことのほかにもエンジニアは、コーディングを丁寧にする几帳面さ、必要な仕様や設計を考える論理的な思考力、急なエラー対応にも対応できる柔軟な思考力、納期近くに発生する時間外労働もやり切る忍耐能力や体力も求められます。
ハードルが高いように思われますが、未経験から多くの人がチャレンジする、将来性もあるセカンドキャリアとして非常に人気のある職種です。
エンジニア転職をさせるために必要な3つのステップについて説明しましょう。
エンジニアの転職について詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。
キャリアプランを明確にする
エンジニアとしてどのようなキャリアを歩みたいのかを明確にしましょう。
先ほども述べたように、プログラミング言語には多くの種類が存在しますが、すべての言語を習得するのは不可能に近いでしょう。
キャリアプランがあれば、自分のキャリアに必要な言語を選択し、効率良く取得できるために一人前になるために遠回りすることを避けられます。
まずは、携わりたい業界を定めることをおすすめします。
そして、将来的にどのポジションを目指したいか、どのような働き方を理想とするのかを決めていき、その通過点で必要な技術を学んでいけば良いのです。
目的もなくただコーディングしていくだけでは永遠に下請けの作業しかできない可能性があります。
目標を定めてからキャリアを歩む準備を進めてください。
職種の理解を深める
エンジニアという職種に対する理解を深めましょう。
先ほど紹介した4種類のほかにも、エンジニアにはさまざまな種類が存在し、それぞれ異なる働き方をしています。
分野ごとに職種、役割が細分化されているため、どの職種を選ぶかで、携わる業務は大きく変わってきます。
それぞれのエンジニアへの適性も当然異なるために、自分に向いている職種を選択することも大切です。
「向いていなかった」と感じてキャリアチェンジすることも可能ですが、その際にまた新たな職種で必要な言語や技術を取得するとなると莫大な労力が求められます。
自分に適した職種を選ぶためには、自己分析で就活の軸やモチベーションの源泉や能力を理解することと、職種への理解が不可欠です。
言語習得などにどうしても時間を割いてしまいがちですが、技術面を磨くだけではなく、エンジニアの業務内容に対して研究を怠らないようにしましょう。
企業の研究を入念に行う
エンジニアに限らず、転職活動を成功させるためには企業研究が必須です。
HPに記載されている経営理念や沿革、事業内容に目を通しておくのはもちろんのこと、業績に対する数字もIR情報や公開されている決算書などに目を通して理解しておくと良いでしょう。
また、企業が力を入れているサービスや事業に対しても、ニュースを見るだけではなく、実際に流通しているサービスを利用して体感することも忘れてはいけません。
さらに、経営層が書籍などを発売してれば目を通し、企業の考え方を学んでおけば言うことはありません。
その過程を繰り返せば、業界の中における個々の企業のカラーや強みがおのずとわかってくるでしょう。
IT企業は企業数が増え、競合も増えているため、その企業にしかない強みや取り組みを知る必要があるのです。
企業研究はキャリアを選択する際の非常に重要な材料の一つになりますので、しっかりと行いましょう。
エンジニアに転職するならアゲルキャリア
基本的なスキルを身につけて、職種や業界の研究をしてエンジニアに転職する準備ができたら、早速企業を探してみましょう。
エンジニアは売り手市場が続いているために、優良企業に転職できるチャンスも十分にあります。
とはいえ、技術職への転職というと、面接で何を聞かれるか、スキルをどのように証明すれば良いかなど悩む方も多いでしょう。
そんな方には転職エージェントを利用することをおすすめします。
アゲルキャリアはスピード感が早い転職サポートが特徴で、キャリア相談、面接、ES対策から内定までをスムーズにサポートしてくれます。
そして、ただ早いだけではなく専属のエージェントがきめ細やかなサポートをしてくれるのも魅力の一つです。
まずは登録して新しいキャリアの第一歩を踏み出してください。
まとめ
ITの現場では技術の刷新スピードにスキルの習熟が間に合わないという問題も出ているほど、エンジニアの需要は高まっています。
未経験からSEへの転職を考えている人にとっては、自分にはできないかもしれないと不安に思うかもしれません。
しかし、しばらくユーザーの視点でサービスを利用していた未経験者だからこそできる提案はあるはずです。
実際に未経験者からも採用する企業は増えているので、キャリアプランにマッチングする企業があればチャレンジしてみましょう。