はじめに
これから就職活動に挑もうとする大学生の中には、自らの学歴にコンプレックスや劣等感を抱いている人も少なくないでしょう。
「自分より偏差値の高い大学よりも不利になってしまうのではないか」「門前払いになるなどして選択肢が限られてしまうのではないか」など、そんなネガティブな気持ちになることもあるでしょうか。
そんな不安や負い目を解消して就活を成功させるためにも、実際のところ学歴が就職活動に与える影響について見ていくことにしましょう。
学歴コンプレックスとは
そもそも学歴コンプレックスとは、自分の学歴にあまり自信がもてなかったり、あるいは自分よりも高い学歴を妬んでしまったりすることをあらわします。
引け目や後ろめたさのようなものを感じてしまうのは、性別などにかかわらず、主に偏差値が50以下の大学へ通う学生に多く見られるようです。
あるいは高学歴の家庭に育ったがゆえに、親戚などと学歴を比較されてしまい、受験の失敗などがトラウマになってしまうこともあるでしょう。
そんな感情を抱いたまま、就職活動をはじめてしまうと、もしも思うように内定が獲得できなかった際に、原因を学歴のせいにしがちです。
本格的な活動がスタートする前にコンプレックスを解消しておくことが、就活を成功させる1つのコツと言えるでしょう。
学歴は就活に関係するの?
就活が近づくにつれ、劣等感が強くなってしまう原因は「もしかしたら学歴によって結果が左右されてしまうのではないか」と不安になるからかもしれません。
「エントリーシートを提出した時点でふるいにかけられて、基準に合わないからと選考から除外されてしまうのではないか」という懸念もあるでしょう。
そのような気にかかっていることを払拭するためにも、就活において学歴はどれほど重要になるのか、それよりも重視される物差しはないのか見ていきましょう。
一部企業では学歴フィルターが存在する
就職は学歴や大学名によって決まるものではないものの、まだ一部の大手企業などでは、学歴フィルターを設置しているところもあるようです。
特に名の知られた人気企業においては応募者が多く集まってしまうため、採用活動を効率化するために、高学歴の学生だけに絞り込むなどしています。
募集人数の数十倍もの人数からの応募があれば、すべての書類に目を通すことは不可能に近く、学歴による基準を設けることは致し方ないとも言えるでしょう。
あるいは企業によっては学閥のようなものが存在し、特定の有名大学が有利になることもあり、学歴はまったく関係ないと断言できないのです。
しかしながら学歴フィルターによる採用は、ごく一部の企業に限られていて、学歴が低いからといって大企業に就職できないわけでもありません。
ポテンシャルを重視する傾向になりつつある
就活生からの人気が高く歴史ある企業の中には、まだまだ学歴によるフィルターが存在していることは事実です。
しかしその一方で、近年では書類選考の段階において学歴だけで判断することなく、幅広く優秀な人材を採用することが目的とされている企業は明らかに増加しています。
たしかに、学歴といった一定の基準があれば採用そのものは効率的になるものの、学校名や学部だけでは働く意欲や積極性まで読み取れないからです。
また、学歴フィルターがあることによって、応募する学生はもちろん世間にも良くないイメージを与えかねません。
実際に「偏差値の高い大学は参加できた説明会に、自分は申し込みすらできなかった」などとSNSに投稿され、炎上する騒ぎになることも珍しくないのです。
就活における学歴コンプレックスの対処法
かつてのような学歴一辺倒の採用は影を潜めつつあり、人物重視で採用する大企業も増えてきているものの、一部とはいえ大企業には学歴フィルターなるものが存在しています。
つまり、就活において学歴がまったく関係しないとはいえない状況がある中でも、後ろめたさやコンプレックスを克服する方法はないものでしょうか。
怯えながら活動を始めて、ますますネガティブな感情にならないためにも、今からすぐに行動に移せる対処法を確認することにしましょう。
自分に自信をつける
学歴にコンプレックスを抱く理由としてあげられるのは、他人よりも劣っているのではないかと不安に思うからでしょう。
偏差値という数字で優劣がつけられて、実力が不足しているのではないかという感情に苛まれてしまっているのです。
それによって自己肯定感をもてずに、自分は他人より劣っていると思い込んでしまっていては、モチベーションも上がりません。
そんな感情をなくして、これから始まる競争で良い結果を出すためには、学歴以外の何かで自分に自信をつけなければならないでしょう。
いきなり何か秀でた力を身につけることは難しくても、これまでの経験を振り返るなどしてみましょう。
困難を乗り越えてきたことや、勉強のほかに頑張ってきたことなどを思い出してみれば、感情がポジティブな方向へ変換されていくに違いありません。
今の自分を受け入れる
就活のシーズンが近づいて学歴にコンプレックスを抱えているのは、偏差値50以下などの大学に通う学生ばかりではないでしょう。
学歴によって差がついてしまうのではないかと思っている中には、第一志望の大学に落ちたことをいまだに後悔している人もいるかもしれません。
しかし、大学を再度受験するなど以外、今から学歴を変えることなどできるはずもありません。
「自分はもっと偏差値の高い大学に合格できたはず」などといった無駄なプライドは捨ててしまって、むしろ学歴コンプレックスを受け入れようとすることも大切でしょう。
そうすることで、低学歴なのだから今からでも人の何倍も努力しようと思えたり、前向きに取り組んでいこうとする原動力に変えたりしていけるでしょう。
学歴コンプレックスを乗り越えて就活を成功させるコツ
実際に就職活動がスタートすれば、集団面接などの場面で、自分より偏差値の高い大学に通う学生と顔を合わせることもあるでしょう。
そんなときにも劣等感を抱くことなく、自分を堂々とアピールできなければ、就活の成功などあり得ません。
まずは自分に自信をもつためにも強みを探したり、今の自分を正直に受け入れたりしなければなりません。
そのうえでさらに、就活を成功するために意識しておきたいこと、今からでも始められる対策などを確認していきましょう。
資格を取得する
学歴以外に何か1つでもアピールできるものがあれば、成功に少し近づくだけではなく、自分に自信をつけることにもつながります。
それはわざわざ不得意な分野でスキルを身につけなくても、自分の得意なことを活かして伸ばしてみれば良いのです。
もっともわかりやすいのは資格を取得することで、合格という目標があれば、前向きに励めるのではないでしょうか。
志望する業界が定まっていて、それに合わせた資格を持っていれば、学歴よりも就職で有利に働くこともあるでしょう。
まだ目標が決まっていなかったとしても、TOEICなどどの業界でも通用するテストで高得点を取っておくのも良いでしょう。
そうすれば履歴書に記載できて自信につながるだけではなく、将来にわたりずっと役立つスキルとなるからです。
早めに選考対策をする
学歴によって差がつかないものの1つとして、情報収集力をあげることができるでしょう。
就活サイトを通じて情報が得られる今では、学歴に関係なく誰でも同じ情報に触れられるからです。
企業ごとにどのような採用が行われているのかを知り、どのような対策をすべきなのか、先輩の口コミを読んで参考にすることもできるでしょう。
同じ大学の先輩の成功体験などを読めば、それだけで自信が湧いて前向きになれるかもしれません。
説明会やイベントの開催情報などをいち早くキャッチしておけば、先回りした対策や行動がとれます。
そうして早めに就活情報を手に入れておけば、筆記試験のための勉強などもライバルより一歩先に進められ、学歴の差を埋められるでしょう。
学歴を重視しない企業へ就職する
ここまでは、就活が始まる前に資格を取得する、または早めの情報収集により、先手を打つといった対策を見てきました。
しかし、そもそも学歴を気にしているのなら、採用にあたり学歴をまったく重視していない企業に就職するというのも、1つの手かもしれません。
もし仮に、学歴重視の大企業という難関を突破できたとしても、入社してから高学歴の同期に囲まれてしまえば、コンプレックスが再発しかねないのです。
「学歴偏重の社風が自分に合わない」と思ってしまう可能性もなきにしもあらずで、せっかく入社できたのに辞めたくなってしまうかもしれません。
それよりも学歴など関係なく活躍できる企業を選んで、自分らしさを活かせそうなキャリアプランや将来像を思い描いてみてはいかがでしょうか。
IT企業
近年ますます人手不足が深刻化しているIT企業は、学歴よりもスキルやポテンシャルを重視した採用で知られています。
高齢化や人口の減少により需要が高まるばかりで、それを補うために外国人の労働者を積極的に採用しているところもあるほどです。
そんな状況もあって、学歴だけで判断されるようなケースはあまり見られず、志望動機などをしっかり固めておけば、低学歴であっても不利になることはありません。
もちろん学歴が重視されないからといって、それだけでIT企業に就職できるというほど甘くなく、ほかの業界と同じような対策をすべきでしょう。
さらに、エンジニアを目指すなら論理的思考がなければならないなど、自分にあった業界なのかどうか見極めるべきことは言うまでもありません。
ベンチャー企業
採用において学歴をそれほど重視しないのは、IT企業のほかにあげるとすれば、ベンチャー企業かもしれません。
そもそもベンチャー企業とは、新しいサービスやビジネスモデルを提供することと、それらを短期間のうちに成長させることを目的としています。
その中では従来の発想にとらわれない斬新なアイデアが求められるため、決められた物事をミスなく正確にこなすことよりも、創造性が求められます。
つまり、学歴では判断できない人柄や、入社してから即戦力として活躍できそうなポテンシャルが重視されるケースは少なくありません。
アピールできるような経験や資格などがあれば伸びしろを評価されやすく、熱意や将来へのビジョンを明確にするなどしっかり準備しておけば、即戦力として内定を勝ち取ることも難しくないでしょう。
就活エージェントを利用するのも1つの手
ずっと抱いていた学歴コンプレックスを克服できたとしても、いざ本番が近づいてくれば不安な気持ちがぶり返すこともあるかもしれません。
そんなときは同じ大学の先輩にアドバイスをもらえれば心強いはずですが、具体的にどのような対策をしたのか聞けたとしても、役立たないことはあるでしょう。
なぜならそれは最新の情報ではないからで、試験から面接までの流れが変化しているかもしれません。
そこで活用したいのが就活エージェントの存在で、企業別の最新の選考対策についてサポートしてもらえます。
特に、専属のアドバイザーが優良企業の紹介から入社準備まで手助けしてくれるジョブコミットなら、学歴だけではなくあらゆる不安を抱える学生にとって心強い存在となるでしょう。
まとめ
ここまでで、企業によっては応募者を絞り込むための学歴フィルターが存在するものの、必ずしも高学歴だからといって就職に有利ではないことがわかったと思います。
コンプレックスを抱えたままではなかなか前向きに活動できないはずで、自分に自信がもてるように資格にチャレンジするなどしてみましょう。
さらに、いざ活動をスタートするにあたっては、最新の情報をいち早くキャッチしようとする姿勢も大切で、就活エージェントを利用するなどして就活を成功させましょう。