はじめに
就活の軸については、面接官からとっさに聞かれて戸惑った経験がある人もいると思います。
面接に行ってこれを聞かれると、なかなかうまく答えられず困っている方もいるかもしれません。
しかし、答える際のポイントをつかむことで、実は誰でもすらすらと答えられるようになるものです。
また、そもそも軸など決まっていないという人もいるでしょう。
この記事では、就活における軸について答え方のヒントや、そもそもの作り方を解説していきます。
今回は、実際に書き始める人のための例文も後に用意しているので、参考にしてみましょう。
なかなか自分の中の軸が定まらず困ったときはご活用ください。
就活の軸って何?
就職活動を進めていくうえで、企業や業界、職種を選ぶための指針いわば軸となるものです。
また、面接で優れた回答や的確な受け答えができれば、人事からの印象もとても良くなるでしょう。
軸をきちんと定めておくのは、実際に就活生として必要なことでもあります。
目標がぶれることなく就活を進められるため、就活について考えるうえでおすすめのテーマです。
面接で話すということは、待遇や勤務地についての本音は話せないため、建前の軸も作る必要もあるでしょう。
まだ、就活の軸という言葉自体、聞いたことがない人もいるかもしれません。
今回は、具体的にどのように答えたら良いか、軸の立て方や探し方などの大切なポイントをご紹介していきます。
就職活動における軸について深く理解し、軸を設定しておけば、大きな武器を手にすることと言えるでしょう。
面接官が就活の軸を聞く理由
就活生自身には敬遠されがちな質問でも、面接官がその質問をするにはきちんと理由があります。
まず、面接官は就活生がどのような姿勢で企業に挑んでいるか、とても気にしているでしょう。
面接官が何を知りたくてあなたの軸を聞いているのか、きちんと理解しておく必要があります。
そして、面接官が何を考えているかを知っておいたほうが、自分の就活の軸を魅力的に伝えられるでしょう。
面接官がなぜ、軸について聞いてくるのか、いくつかの主な理由を以下で3つご紹介します。
そもそも、面接官がなぜそのような質問を学生に問うか、しっかり理解してください。
志望度
就活の軸を話す中で説得力や内容、選考状況を通して就活生を知り、自社への志望度合いの確認をしています。
そのためどの企業にも当てはまるようなことや、自社の社風に当てはまらないような軸では、志望度の高さが伝わりません。
志望動機と同じくらい、あなたの軸と、それにともなう選考状況を企業は重視しています。
選考状況については、軸を話す中で少しでも言及しておくのが1つのコツです。
また、別の企業の面接でも同じ内容や、文章を使いまわすのもおすすめできません。
就活における自分の軸はぶれないに越したことはありませんが、企業ごとの特徴に適したアピールの仕方があるでしょう。
また、その企業への志望度がどのくらいあるか、もっともあらわれやすいのが就活の軸とも言えます。
あなたの軸が自社で良いほうに働くのか、自社の指針と内容が適合しているかを見ることで、志望度を見られているのです。
したがって面接で回答するときは、その企業への志望度を評価されていると考え、回答をしましょう。
自社とのマッチ度
あなたが面接で話す内容や、企業に求めることや就活の目標としての軸が、企業の指針とマッチしているかが大切です。
まずは、自分の語る軸とその企業の指針や特徴が合っているのか、面接へ臨む前にきちんと確認しておきましょう。
もし、その企業の特徴があなたの軸と合っていない場合、採用して入社しても本来持っているパフォーマンスを発揮できず、互いに不幸になることもあり得ます。
そのような事態を避けるために、企業側は就活の軸を通して「この学生の個性や軸は、自社と合っているか」を重要としているのかもしれません。
言い換えると、回答を通して、企業で活躍してくれるかをはかっているとも言えるでしょう。
また、面接で聞かれた際は面倒に思えても、実は重要なアピールポイントとなるのです。 もちろん無理に嘘で軸を作り上げる必要はありません。
しかし、その企業で自分の定めた軸や個性を、しっかりと発揮できるかという点については考えてみてください。
就活の軸はベンチャー企業で特に重要
ベンチャー企業が就活の軸を重要視するには理由があります。
また、しっかりした就活における自分の軸を定めていれば、志望動機にも説得力が出るでしょう。
なぜならベンチャー企業の場合は、すぐ大手に志望者が流れてしまうからです。
すぐ辞めてしまうことを恐れているため、このような部分は重要視して聞いているのでしょう。
どうして大手ではなくてベンチャーなのか、面接官を納得させられる就活の軸を定めておくことは大切です。
ベンチャー企業では、特に重要視される項目のため、しっかり考えておいてください。
このようにベンチャー企業を重要視するのは、大手に獲られてしまうこと、すぐに辞めてしまうことを防ぐためと言えます。
ベンチャーを受けるときは、特に面接で「すぐ辞めてしまいそう」と思われないよう対策と準備をしましょう。
就活の軸の見つけ方
なぜ、面接で聞かれるかなどの理由については、ここまでの内容で理解できたと思います。
しっかりとした軸を設定しアピールできれば、面接官からも良い評価がもらえるでしょう。
しかし、そもそも自分の就活における軸がなく答え方を悩んでいる人もいると思います。
答え方に悩んでいたとしても、きちんと見つけられる方法があるため、ここからはあなた自身の軸の見つけ方をご紹介していましょう。
自分だけの軸が見つかれば、何をアピールするよう語れば良いかが明確にもなり、あらためて軸がしっかり確立されていきます。
本音の場合
まずは、待遇や交通の便などといった、現実的な面に関する本音の軸の見つけ方を紹介しましょう。
「年収や福利厚生などを面接で話すのはいかがなものか」と考えるかもしれませんが、あなたの軸として自分で定めておくことは必要です。
また、そのような待遇面だけでない本音の軸があるならば、面接で素直に話したほうが良いこともあります。
以下で、そのような本音の軸についての見つけ方をご紹介していきましょう。
紹介する以下の2点を参考にし、自分の本音の軸をしっかり決めておいてください。
直感的に良いなと感じた企業・業界の共通点を洗い出す
自分が好きだと感じたり志望したりする企業・業界の共通点を洗い出すことで、あなたがもっている好みや能力、希望を可視化できます。
また、そうすることにより就活の軸も見つけられるでしょう。
あなたが「入社したいな」と感じた業界の共通点を洗い出せれば、話すべき軸はおのずと見えてくるのです。
まず、自分が興味のある企業と志望する企業名を、どんどん紙などに書き出してみましょう。
そうして列挙した企業には、何かしらの共通点があるのです。
あげた企業に共通する特徴や業務内容などが、そのままあなたの軸になることもあり得ます。
直観的に良いと感じた企業や業界の共通点を洗い出すために、紙に書いたり表を作ったりして、可視化するのがおすすめです。
自分の過去の経験から掘り起こす
自分が活き活きと取り組めたり大きな結果が出せたりした、活動の特徴や共通点などを過去の学生生活などから洗い出しましょう。
共通点を見つける例は、サークル活動や文化活動、携わった行事やチームで何かに取り組んだことなど、なんでも良いでしょう。
過去に取り組んできたことの中で、楽しかったことや経験値が高いもの・成果が出たことはヒントにつながるものです。
これまで経験してきたことから、経験しておいて良かったと思うことを紙などに列挙してみましょう。
そのようにして、それらの共通点を探して軸に仕立てていくのです。
そうすることによって、自分の向いていることや才能の方向性、ジャンルなどが見えてくるでしょう。
その方向性やジャンルが答えにもなってくるため、発掘した過去の経験は材料として優れています。
建前の場合
本音軸が、面接では使えないと判断したり、見つからなかったりする場合は建前の軸でも良いでしょう。
受ける企業に共通する部分を洗い出し、それと自身の経験を紐づけることも良い手法です。
そうすることで、あなたの就活における軸がスムーズに見つかるでしょう。
共通点が見つからなかった業界や企業は、軸が見つからなかったことを選考状況の際に言わないでください。
そのような場合は、建前を話すことで、選考状況と就活の軸において一貫性を出せるのです。
話が矛盾していたり、選考状況とかみ合っていなかったりすると、説得力もなく嘘をついているような印象になってしまいます。
建前の方の軸を作る際にも、説得力に長けているか、一貫性はどうなのかも注意して作りましょう。
就活の軸を答える際のポイント
ここまでで、自分の中で就活の軸が定まってきた人も多いでしょう。
「これが、自分の就活をする際の軸になる」とわかれば、面接で話すとなっても気持ちに余裕が出ると思います。
また、あなたが思う軸を面接でうまく答えるためには、いくつかのポイントがあるのです。
ここからは、あなたが面接でほかの学生と差がつく回答をするためにも、重要なポイントを3つご紹介します。
実際に、面接で就活の軸を聞かれるとなると緊張も相まって、きちんと答えられないこともあり得るでしょう。
自身の経験や価値観と紐づける
面接で、実際に軸を話すときには、自分自身の具体的な経験・価値観と紐づけて話しましょう。
自分の経験や価値観とその軸を紐づけておくと、面接でアピールをするときに伝えやすいです。
経験や価値観と紐づくことで、より説得力が高いものとなり、面接官にも納得してもらえるようになります。
あなたが過去に経験したことや価値観があるなら、積極的に話しましょう。
面接官に納得してもらえる内容とは、具体性があり、その人の価値観にしっかりともとづいています。
きちんと理由のあるほうが現実味もあるため、建前のように思われず、納得されやすいものです。
就活における軸は、自分自身の就活の方向性でもあるため、しっかりと確立し、面接でも自信をもって話せるようにしておきましょう。
なるべく複数提示する
就活の軸を、複数用意する(業界の軸・企業の軸それぞれで2~3あればベスト)ことも大切です。
面接官が「自社でなくても良い」と思う可能性が低くなり、反対に「その軸だと自社がベストだ」とも思われやすいでしょう。
「就活の軸を複数作る」と言っても、それぞれが矛盾した内容を同面接で述べてはいけません。
業界についての軸としては、ファッションが好きならアパレル業界や美容業界を目指すという複数の軸にすると良いでしょう。
しかし、アパレル企業の面接に行って美容の話まですると「美容業界でも良いのでは」と思われてしまいます。
少し話す程度ならば「本当にファッションや美を追求するのが好きなのだな」と思ってもらえるでしょう。
前もっていくつか軸を複数用意し、受けるそれぞれの企業の特徴に合わせて装備する武器のようなイメージが良いかもしれません。
簡潔に話す
簡潔に話さないと、面接官が最後まで興味をもって聞いてくれなくなる可能性があります。
そのため、複数の軸があるとして、それぞれに経験や価値観を紐づけて話そうとすると、どうしても長くなってしまうでしょう。
見極めは難しいですが、グループ面接などで簡潔に答えるよう指示をされる場合もあります。
グループ面接などの場合は、一般的な個人面接と違うところが多々あるため、また異なるコツが必要です。
たとえば、結論を「私の1つ目の軸は、また仕事にチームで取り組むこと」にするとしましょう。
そして「この軸は、部活の経験から形成されチーム一丸となって、取り組むことはやりがいのある仕事だと考えているから」が補足や理由です。
また、2つ目の軸を「裁量を持って働けること」こととし「長期インターンで培われた」軸とします。
「インターン生とはいえ、自分で考えて行動する機会も多かったが、むしろ楽しく感じた」ということを理由とすると良いでしょう。
人事に納得してもらえるよう話すには、軸を裏付けるための根拠をしっかりと構成立て、簡潔にまとめておく必要があります。
就活の軸の例文
ここまでで、就活における軸を設定する方法や伝え方がわかったと思います。
自分の就活の軸が明確になり、また面接でどのように伝えたら良いか方向性が明確になった人もいるでしょう。
しかし、自分の軸が何かわからなかったり、まだしっかりと構成が立てられなかったりする人もいるかもしれません。
もしも例文があれば、そのような人でも自分自身の軸を構成立てる際の参考になるでしょう。
以下に、就活の軸についての例文を2つあげたので、参考に考えてみてください。
スポーツの経験と紐づける例
就活における私の軸は、チームで1つの目標として取り組みその中で中心メンバーとして動けることです。
この軸に決めたのは、中学から大学までサッカー部のキャプテンを続けてきたことにあります。
サッカー部のキャプテンを長く務めた経験は、大変なこともありつつ有意義な期間で就活の軸を固めるための指標となりました。
仲間たちと1つの目標に向けて取り組み、なおかつその仲間を先導する立場となることはやりがいも大きいです。
実際に、チームを動かすときには先頭となって行動でき、グランプリや副賞などの結果もきちんと出せました。
それは決して1人で成し遂げられたのではなく、チームの皆で協力し結果を出せたと思っています。
キャプテンやリーダーという立場に固執することではなく、やはり貴社のメンバーの中心となって積極的に働きたいです。
サッカーで得られたリーダーシップややりがいを貴社でもしっかりと発揮し、大きく貢献していきたい気持ちが強くあります。
自身に与えた影響の大きい出来事と紐づける例
私の就活の軸は人々の生活の礎を支え、当たり前にできている生活をより良くしていくことです。
過去に、災害で実家と故郷の友人被災した経験から、日常生活のありがたみについて身をもって経験できました。
次は、自分がそれを支える側に回りたいと考え、そのことを就活の軸にしようと思った次第です。
災害で地元が被災した日は、ショックも大きかったですが、生活の基盤について考える機会として前向きに考えました。
今は人々の日常生活を支える側に回りたいと思うきっかけとして、私の記憶に残っています。
しかし、本格的に「仕事にしたい」と思ったのは、復興に関わるボランティアやイベントに参加した日のことでした。
友達と誘い合って、参加し大変な業務もたくさんあり、辞めたいと思った日もあります。
しかし、続けていくにつれ活動の成果が目に見えたときに、自分たちの行っている業務に大きな意義を感じました。
被災したのは悲しかったですが、被災した日や復興支援の経験の日々を胸に、貴社へ貢献していきたいです。
長期インターンの経験と紐づける際の例
私の就活の軸は、能力次第で若手や先輩、後輩など関係なく多くの仕事を任せてもらえることです。
学生時代の長期インターンでは、意欲や実力次第で仕事を任せてもらえる環境で働いていました。
はじめての業務ばかりで最初は戸惑ったのですが、そのような環境だからこそ頑張れたと思います。
実際、意欲も高く取り組むことができ、インターン生の中で成績一位という成果を出せたのもうれしかったです。
インターン生の中で一位を取る結果は、最初はまったく想像もしていませんでした。
優勝することを目標にしていたわけではありませんが、意欲の高い人々に囲まれ私自身、モチベーション高く頑張れました。
インターン生として、日々業務をこなしていく中で、社員の方々や同じインターン生と切磋琢磨できたのは良い思い出です。
そのため、社会人になってもそういった環境で働きたいという気持ちがあります。
貴社の年齢や経験を気にせず、実力や意欲次第で昇進できる社風に憧れました。
長期インターンの経験を活かし、貴社でも高い意欲をもって成果をあげて貢献していきたいです。
まとめ
今回は、就活の軸についてポイントや、見つけ方をくわしくご紹介してきました。
そうは言っても、どのように答えたら良いかわからない人も多かったと思います。
今回の記事でお話してきたコツやポイントを参考に、あなたなりの軸をしっかりと構成し直すのも良いかもしれません。
面接で人事に聞かれて、志望動機などとの違いがわからず、困惑したことがある人もいるでしょう。
しかし、コツさえつかんだあとは、あなた自身の軸が明確に立ち何を話せば良いのか、方向性も見えてくると思います。