はじめに
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
エントリーシートや面接など、自己PRは就職活動では避けて通れません。
夏や秋のインターンシップへ応募して、自己PRの書き方がこれで良いのか、思いやりでは自己PRにはありきたりではないのか不安になった方も多いのではないでしょうか。
思いやりも伝え方次第で、企業に魅力的だと思ってもらうことができれば、選考を突破する自己PRになります。
この記事では、「思いやり」をキーワードに、あなたの働く姿勢や人間性を効果的に伝え、採用担当者の心に深く残る自己PRを作成するための対策を解説します。
是非参考にして選考突破できる思いやりでの自己PRを作成してみてください。
・思いやり課題解決エピソード例
・企業は思いやりをどのように評価するのか
・思いやりを自己prにする際の注意点
・思いやりを発揮する課題解決エピソードがわからない人
・自分の強みを生かせる企業を知りたい人
・自己PRの書き方がわからない人
【自己PR 思いやり】「思いやり」は自己PRで十分使える?
結論として、思いやりを自己PRでアピールすることは十分に可能です。
ただし、思いやりは誰でも持っている要素であり、就活においては大前提とされることも多いため、アピールとしては弱くなってしまうことも少なくありません。
また、目指す企業によっては他の能力をアピールした方がよほど魅力的であり、外れのアピールとなってしまい簡単にアピールすることができません。
したがって、あなたが目指している企業がどのような能力を求めているのかを確認した上で、思いやりが当てはまるかどうかを考えてみましょう。
コミュニケーション能力や、社員同士でスムーズにやり取りできることを重視している場合は、思いやりをアピールしても構いません。
【自己PR 思いやり】実際に企業は思いやりをどのように評価するのか
では企業は「思いやり」をどのように評価しているのでしょうか。
企業が採用活動で望んでいるのは、単にスキルや経験を持つ人材だけではありません。
仲間と協力し、周囲を気遣うことのできる人材は、組織全体の働きやすさや生産性向上に大きく貢献します。
採用担当者は、あなたの「思いやり」のエピソードを通して、入社後にどのように集団行動を取り、周りの人柄にどのような影響を与えるのかを想像しようとしています。
ポイントは以下の2つです。
・チームワークを大切にできると評価される
思いやりは個人に対してだけでなく、集団の中でも発揮できます。
人間関係が良好であれば作業も順調に進むため、企業にとっては大きなメリットです。
また細かい気配りが企業の質を上げることにもつながります。
思いやりをアピールすることで具体的にどのような評価をされるのか見ていきましょう。
細部まで気を使えると評価される
思いやりがある人は、細かいことにも注意して行動できる人が多いです。
周りをよく見ることで、ちょっとした変化や違和感に気づき、すぐに対処することができます。
そのため、細かなミスや矛盾をなくし企業としての信頼を獲得することにもつながります。
また、困っている人を探す能力にたけているのも、思いやりがある人の特徴です。
広い視野を持ち、その人が何に困っているのか、何を求めているのか理解し、寄り添うことができます。
これは社内のみならず社外の人間関係にもいえることです。
細かい気配りができることで取引先との関係も良好になりますし、相手の困りごとにいち早く気づいて何か力になることもできるでしょう。
より良いサービスや製品を作るためにも重要な能力なのです。
チームワークを大切にできると評価される
思いやりがあれば、周りと良好な関係が築けます。
チームで取り組む場合、誰か一人が率先して仕事をすればいいというわけではありません。みんなで意見交換したり協力したりすることが大切です。
思いやりがある人は気配りができるため、ひとりひとりがどういう人なのか、何が得意で苦手なのか考えながら行動します。
自分のしたいことを優先してするのではなく、周りに寄り添い理解することで円滑に作業を進めることができるのです。
また、作業が滞ったときにはどうすれば解決できるか一緒に考えたり、困っている人のために手を貸したり、サポートにも適しています。
思いやりがある人は、広い視野を持ち個人への気配りもできるため、チームワークを大切にできると評価されることが多いのです。
【自己PR 思いやり】そもそも思いやりがある人とは
思いやりがあることをアピールする前に、自分が本当に思いやりがある人なのか、定義から確認する必要があります。
以下の2点が自分に当てはまっているかどうか考えてみた上で、思いやりを自己PRに含めるかどうか検討しましょう。
周囲の人とうまく協力して業務を進められる
思いやりがある人は、周囲の人とうまく協力して業務を進められることが多いです。
少なくとも、自己中心的な行動を取ることはあまりありません。
しかし、周りの人にただ「遠慮」するだけでなく「協力」して、業務や、やるべきことをスムーズに進める必要があります。
仕事において協調性やチームワークが必要不可欠なものであり、1人思いやりがある人がいるだけでチームがスムーズに動くようになります。
自分が部活やアルバイトなどで周囲のメンバーと協力して1つの目標に向かった経験があるか考えてみましょう。
適切な気遣いで利益を生み出してくれる
思いやりがあるだけでなく、適切な気遣いで利益を生み出してくれる人材を企業は求めています。
確かに、優しくないよりは優しい人の方が重宝されますし、お互いに気遣いができないよりは気遣いができる方が良いです。
とはいえ、就活においては「仕事に活かせるレベルの気遣いができること」が重要視されます。
特に、顧客と関わる営業職などの仕事の場合は、高いレベルでの気遣い力が求められます。
営業職を目指す場合は、顧客のニーズを適切に汲み取り、顧客満足度を上げられるような人物であるかどうか自分で考えてみましょう。
他人に優しく自分に厳しい
真に思いやりがある人は、他者の失敗や未熟さに対して寛容である一方、自分自身の行動や成果には高い基準を設けています。
他人のせいにするのではなく、自らの責任として捉え、常に改善しようと努力する姿勢を持ちます。
この「自分への厳しさ」は、他者への優しさや共感と両立することで、周囲からの深い信頼を得る基盤となります。
課題や困難に直面した際にも、他者を気遣いながら、自らは率先して努力し、状況を打開しようとします。
単に甘いだけでなく、自己成長への意識と他者への配慮が組み合わさった、成熟した思いやりの形と言えるでしょう。
相手の話を傾聴する能力が高い
思いやりがある人は、相手の話を注意深く、共感的に聴く「傾聴力」に長けています。
単に言葉を聞くだけでなく、相手の表情や声のトーンから感情を読み取り、その背景にある考えや状況まで理解しようと努めます。
思いやりができる人というのは、話し方一つ、かけるひとことにも心を配ることから生まれます。
自分の意見をすぐに挟んだり、話を遮ったりせず、相手が安心して心を開けるような受容的な態度を示します。
これにより、相手は「自分のことを理解してくれている」と感じ、本音や深いニーズを話しやすくなります。
この傾聴する姿勢こそが、相手への敬意と思いやりの表れであり、円滑なコミュニケーションと深い信頼関係を築く上で不可欠な要素です。
部下に対する思いやりがあり慕われる
職場における思いやりは、特に指導する立場や先輩として、部下や後輩に対して顕著に表れます。
思いやりがある人は、相手の気持ちや状況を汲み取り、親身になって接することができます。
また周囲への思いつかぬほどの細やかな配慮を行うこともできます。
部下や後輩の成長を願い、適切な指導やサポートを惜しまない一方、彼らが抱える悩みやプレッシャーにも寄り添います。
高圧的にならず、一人ひとりの個性や能力を尊重する姿勢が、チーム内に心理的安全性をもたらし、メンバーの自発的な貢献意欲を引き出します。
結果として、自然と周囲から慕われ、強い信頼関係で結ばれた生産性の高いチームを築くことができます。
【自己PR 思いやり】自己PRの目的
必ずと言っていいほど就職活動で問われる自己PR、なぜ企業は自己PRを求めるのでしょうか?
企業には何千という学生からのエントリーシートが届きます。
そのすべての学生の中から、企業は自社で活躍する人材を見極めなければいけません。
その中で、自社が求める人材を見極めるために使われるのが自己PRです。
自己PRの目的とは、自身の強みを企業に伝えることです。
自分の強みを企業に伝えるため
自己PRでは、その強みが入社後にどのように発揮されるのかを伝えることで、企業があなたを雇うメリットを伝えることを求められているのです。
そのため、あらかじめ志望企業の採用情報サイトや説明会などで自身の強みが企業の求める人物像とマッチしているのかを確認しておきましょう。
自己PRに使う強みは、たった一度だけ発揮された強みではなく、再現性のあることを伝える内容にしましょう。
再現性とは何か
就職活動で求められる再現性とは、あなたがPRした強みが、入社後に企業でも発揮されるかということです。
例えば、アルバイトで大きな売り上げを達成したとしても、それが偶然であれば再現性があるとは言えません。
企業にとって、あなたの強みが入社後も発揮されなければ雇うメリットはなくなってしまいます。
入社後でも発揮される強みであることをアピールできる思いやりの自己PRを考えていきましょう。
実際に文章にするときには「貴社の〜というポリシーに共感し、私の持つ思いやりの精神は、チームワークを重視する貴社において必ず活かせると考えております」のように、つなげる意識が重要です。
【自己PR 思いやり】自己PRの書き方
ところで自己PRは、どういう構成で書けば良いのでしょうか?
自己PRはただただ自身の強みを羅列すればよいのではありません。
自己PRにはテンプレートのような書き方があります。
ここでは自己PRの定番の書き方を紹介します。
それは、自身の強みを最初に伝え、次にそれが発揮されたエピソード、最後にその強みがどう企業で役立つかという三つのステップです。
自身の強み
就職活動では、結論ファーストを求められます。
聞かれていることに最初に答えることが重要です。
途中や最後に強みを伝えても、話がわかりにくくなり、強みの印象がぼやけてしまいます。
特に面接では、質問に答えることが重要なので、簡潔に強みを答えましょう。
私の強みは思いやりです。というように最初に言い切ってしまいましょう。
エピソード
エピソードはあなたの強みに信憑性を与えます。
自分で「思いやりが強みです」と主張しても、企業はあなたが自分で言っているだけでなく、他者から見ても思いやりがある人なのかわかりません。
エピソードでは、「例えば〜」「〜というケースで」のように状況が想像しやすいように描写し、具体的な数値を盛り込み、具体的なエピソードにする方が良いでしょう。
また「思いやり」と一言で言っても、その表れ方はさまざまです。
もしエピソードが思い浮かばない人は、過去の経験からあなたがどのように人を思いやる行動を取ってきたのかを具体的に思い出してみましょう。
以下のような身近な内容でも思いやりをアピールできるエピソードがあるかもしれません。
・店長として、お客様一人ひとりのニーズに寄り添った対応をした経験
・組織の中で、意見の違うメンバー間の調整役を買って出た経験
・ボランティア活動などで、相手の気持ちを考えた行動をした経験
・普段の生活の中で、周りの人を気遣ったエピソード
企業でどう役立つか
最後に、志望する企業の職種でどう役立つのかを述べましょう。
「私は貴社の営業職でこの強みを生かし」というように、その企業のその職種であなたの強みがどう役立つのかを伝えることで、企業があなたを雇うメリットを明確にし、志望度の高さを表すことができます。
言いかえを探す
思いやりは普遍的なテーマで、多くの人がアピールポイントとして取り上げるため、そのままでは他の応募者との差別化が難しくなります。
そこで、思いやりという言葉をただ使うのではなく、あなた自身の経験や価値観に基づいて、オリジナルな表現や言いかえを考えることが大切です。
例えば「相手の立場に立って考える力」や「細かいところまで気を配る能力」といった形で、あなたならではの言葉に置き換えると、より具体的で個性的なアピールとなります。
また「なぜ自分はそうした行動ができるのか」を掘り下げ、あなた独自の視点から説明することで、さらに説得力が増します。
思いやりという言葉を一歩進めて、自分自身の体験や価値観を反映させた独自の表現を見つけることが、自己PRをより魅力的にする重要なポイントです。
【自己PR 思いやり】企業が何を見ているか
企業は自己PRの何をポイントとして見ているのでしょうか。
企業がみているポイントは、再現性と自社とのマッチです。
例えば、ベンチャー企業では、積極的に新しいことに挑戦するのは評価されますが、保守的な企業であれば合わないと判断される可能性が高いです。
また、友人が困っていたから助けたというエピソードでは、友人だから思いやりが発揮されたのではないかと疑われる可能性もあります。
見知らぬ人や対立する人でも助けたというような、入社後も発揮されることが期待されるエピソードを選びましょう。
企業分析をすることで志望企業にマッチした長所をアピールし、入社後もあなたの強みが業務で生かされると判断されるような自己PRをしましょう。
【自己PR 思いやり】思いやりを最大限に活かせる業種
続いて、思いやりを最大限に活かせる業種を紹介します。
以下の4つの業種であれば、あなたの思いやりが大いに活かせるでしょう。
企業の理念や求める人物像を事前に調べ求める人物像と結びつけることで、あなたの「思いやり」がどのように貢献できるのかを明確に伝えることが可能になります。
まずは、それぞれの業種がなぜ思いやりを活かせるかについて紹介します。
後ほど、各職種で思いやりを主題にした自己PRの例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
営業職
営業職は企業の顔として顧客と接し、信頼関係を築くために欠かせない役割を担っています。
人と人とがつながる仕事であるため、思いやりの精神が常に求められると言えるでしょう。
営業活動では短期的な成果を求めるだけでなく、顧客との長期的な関係構築が重要です。
そのため、相手の立場や状況を理解し、共感する姿勢を持つことが、ビジネスを成功させるための基盤となります。
顧客が製品やサービスに不満を抱えている際にはクレームをただ受け入れるだけでなく、共感しながら解決策を共に考える姿勢が大切です。
「話をしっかり聞いてくれた」と感じてもらうことで、顧客に安心感を与え、信頼関係を深めることができます。
受付
受付職は会社の窓口として外部からの訪問者や電話対応を行うため、第一印象を左右する重要な役割を担っています。
初対面の人から社内の社員まで、多様な人々と接するため、思いやりを持った対応が重要です。
思いやりを持って接することで「この会社は親切で信頼できる」と感じてもらえるでしょう。
例えば、訪問者が迷っている様子を見かけた際には先回りして声をかけて案内することで、来訪者の緊張を和らげられます。
また、待ち時間が長引いた場合にも、一言気遣いの声をかけるだけで、不満を解消できます。
こうした配慮があることで、相手の心に心地よさが生まれ、会社全体の印象が良くなるのです。
事務職
事務職はデスクワークが中心で、淡々と作業をこなすイメージを持たれがちですが、社内外の多くの人と関わる重要なポジションです。
日々の業務の中で、各部署や異なる職種の社員と連携を取り、資料作成やデータ管理を行うため、思いやりを持って業務を進めることが求められます。
特にサポート業務では相手がどのような支援を求めているのかを理解し、迅速かつ的確に対応する力が重要です。
会議資料を作成する際には依頼者の意図を汲み取りながら、レイアウトやデザインを工夫し、見やすい資料を提供すれば、大いに感謝されるでしょう。
事務職の役割は業務効率化やサポートが中心ですが、その過程で発揮される気配りこそが、周囲の仕事をスムーズに進めるための鍵となります。
介護職
介護職は人のケアを中心とした職種であり、思いやりの精神が無ければ成り立たない仕事です。
利用者一人ひとりの状況や気持ちを理解し、心に寄り添ったケアを提供することで、信頼関係を築けます。
介護職では身体的なサポートだけでなく、精神的な支えも求められるため、思いやりを持って接することが不可欠です。
食事介助を行う際にはただ食事を提供するのではなく、利用者の体調や好みを考慮し、工夫しながら食事を楽しんでもらう姿勢が大切です。
また、日常生活の中で、利用者の話をしっかり聞き「自分の話を聞いてもらえている」と感じてもらうことで、安心感を提供できます。
こうした小さな気遣いの積み重ねこそが、利用者の信頼と笑顔につながり、ケアの質を高める要素となります。
看護師
看護師は、病気や怪我を抱える人々の心身のケアを行う専門職です。
患者さんの不安や痛みに寄り添い、その人らしい生活を送れるよう支援するには、深い思いやりが不可欠です。
日々の業務では、患者さん一人ひとりの状態を注意深く観察し、声に耳を傾け、個別性に応じた看護を提供します。
時には、患者さんの言葉にならない思いを汲み取り、精神的な支えとなることも求められます。
また、患者さんの家族とのコミュニケーションも重要です。
家族の不安な気持ちに寄り添い、分かりやすい説明を心がけることで、信頼関係を築き、チーム医療を円滑に進めることができます。
このように、看護師の仕事は、相手の立場に立って考え、行動する「思いやり」が全ての基本となる、まさにそれを最大限に活かせる業種と言えるでしょう。
【自己PR 思いやり】思いやりの言い換え
この強みは本当に思いやりとして自己PRしていいのかな、志望企業に合わせてこのエピソードをもう少し押し広げた意味の強みとして使いたい。
また「思いやり」を別の言葉で言い換えることで、同じ言葉の繰り返しを防ぐことができます。
「気遣う」「寄り添う」「配慮する」「共感する」など、似た意味を持つ言葉を併せて使うことで、より豊かな表現になります。
以下は自己PRに適した言い換え表現を紹介します。
・気配り上手
・主体性がある
・他者に寄り添って行動できる
・ホスピタリティがある
・状況把握力が高い
ベンチャー企業では、主体性がある人。
ホテル業界ではホスピタリティがある人。
チームで取り組むことが多い業界では状況把握力が高い。
このように志望業界やあなたに合う言い回しを選んで、あなたの魅力を企業にアピールしましょう。
【自己PR 思いやり】思いやりを自己PRにする際の注意点
自己PRではできるだけ自分の特徴をアピールしておきたいですよね。
しかし方法を間違えるといい印象が与えられなくなります。
思いやりを自己PRする際の注意点は以下の3つです。
・当たり前のことと思われる場合がある
・思いやりがあると思われる態度を心掛ける
・熱意をもって伝える
自己PRは自慢する場ではありません。
自分の人となりを伝えたうえで、企業でどのように生かせるかアピールすることが重要です。
企業により良い印象を与えられるよう、どのような点に注意すべきか、詳しく見ていきます。
お節介と思われる内容ではないことを確認する
自分では思いやりをもって行動をしていても、ときにはその行動を周りがお節介と感じることがあります。
思いやりは、相手のことを思って行動することはもちろんのこと、相手にとってもいいことであって初めて成り立ちます。
一方お節介は、自分では相手のためにしたことでも、相手にとって迷惑だったり、もうしてほしくないことだったりします。
話すエピソードによっては、ただの自己満足で終わってしまい、そのように面接官にとらえられてしまうと、自分勝手、空気を読めないなどと思われてしまいます。
思いやりのエピソードを話す際は、相手の立場になって十分考え、迷惑なことではなかったか、その後いい変化があったかなどを確認したうえでアピールするようにしましょう。
当たり前のことと思われる場合がある
自分では思いやりを持った行動だったとしても、社会人として当たり前のマナーであることがあります。
例えば、「道を尋ねられて教えてあげた」といった場合、自己PRのエピソードとしては物足りないですし、当たり前のことだととらえられることもあるでしょう。
また、相手のことを考えて先回りして行動した場合も、面接官の印象に残らないことがあります。
例えば、「飲食店でアルバイトをしていて予約時間が近づいたため、お客様に電話でお知らせした」といった場合、これは業務の一環として考えることもできます。
ただ何かをしてあげただけではなく、その思いやりがどのような結果を生んだのか、もう一歩踏み込んだエピソードが必要です。
自分のエピソードが常識なのか、それとも思いやりとしてアピールできるのかしっかり精査しましょう。
思いやりがあると思われる態度を心掛ける
面接官は自己PRから思いやりがあるかを判断するのではなく、選考全体から思いやりがあるかを判断することがあります。
自分の思いやりのエピソードが企業にマッチしていたり、入社後も発揮できると印象づけるものであっても、それだけではうまくいきません。
例えば、エントリーシートを書く際には、指定文字数分を埋めるだけでなく、読み手のことを考え見やすくなっているか。
または、話す際に自慢げな口調になっていないか、などが気を付けるポイントとして挙げられます。
面接で話す際は、特に本来の人間性が出てしまいますので、誇らしく話さないことがポイントです。
相手を不快にさせないということも思いやりとして欠かせない要素なので、自己PRする際は相手にどう思われるか考えるようにしましょう。
熱意と自信を持って伝える
自信のない話し方では、どんなに素晴らしいエピソードも魅力が半減してしまいます。
あなたの「思いやり」に対する強い気持ちと、それが企業でどのように活かせるのかを、熱意を持って伝えましょう。
【自己PR 思いやり】経験別例文8選
実際に自己PRでは思いやりをどう表現すればいいんだろう。
実際に例文を見てみましょう。
これまでのポイントを踏まえて、人事担当者に評価される思いやりの自己PRを3つ紹介します。
アルバイト、ボランティア、サークルという身近な例なので参考にしてくださいね。
例①マネージャー
私は学生時代、サッカー部のマネージャーをしていました。
はじめは慣れない仕事ばかりで、選手自身になかなか目を向けることができませんでした。
そんなとき、ひとりの選手が過度な練習で足を故障してしまい、しばらく試合に出られなくなったことがありました。
私は、もっと選手に目を向けていたら、故障を防げたかもしれないと後悔しました。
それからは練習中の選手の特徴や、ちょっとした変化を注意深く観察し、ノートにメモしたものをチームで共有するようにしました。
その結果、選手たちも自身のことをよく理解できるようになり、体で違和感のある箇所をチェックするようになったのです。
貴社でも少しでもリスクを軽減し、円滑に作業を進められるよう、どんな些細なことにも目を向けるという強みを 生かしていきたいと考えています。
一つ目は部活動でマネージャーとしての経験です。
自身の心配から学んだことを、どのようにして部に還元したか書くことで、再現性をアピールできます。
例②アルバイト
二つ目はアルバイトについての例文です。
このようにアルバイトの接客という身近な例ですが、思いやりをアピールできます。
どのように課題に取り組み、その経験を通して何が得られたのかを具体的に書いています。
例③ボランティア
三つ目はこども食堂でのボランティア経験です。
こども食堂での経験で、どのように強みが発揮されたのかを書くことで再現性をアピールし、企業で役立つことを強調しています。
例④サークル
四つ目はサークルで他の人の仕事を手伝った話です。
継続的に行ったことをアピールすることであなたの強みに信憑性を持たせることができます。
また、課題→取り組み→成果の順に記載することで面接官がイメージしやすくなります。
例⑤部活動
学生時代、私は吹奏楽部の部長を務めました。
各楽器ごとにリーダーもいましたが、意見がぶつかりうまくいかないと相談を受けることも多々ありました。
そんなとき、私は各リーダーと集まって何度か話をすることにしました。
お互いに困っていることやうまくいっている点などを共有することで、解決策を見つけ、いい演奏へとつなげることができました。
各リーダーからは、ひとりで悩みを抱え込まず、同じ立場の者同士励ましあって乗り越えることができたと感謝の言葉が聞けました。
このように、一歩引いた立場から周りの様子に目を配り、困りごとや問題点に対して情報を共有しながらみんなが協力できるチームにしたいと考えています。
五つ目は部活動についての例文です。
部長という立場で、悩みを抱える部員にどのように寄り添ったのか具体的に書いています。
この経験で生かされた周りへの気配りは、チームで仕事をする際の強みとしてアピールできます。
例⑥ゼミ
私が所属していたゼミはその年度に開講されたものであり、学生の理解度もそれぞれ非常に差がある状態でした。
そこで、それぞれのメンバーが理解度を深め、積極的に参加できるように、ゼミの発表準備の際、学んできた学問が多少異なるメンバー同士でペアを組むように提案しました。
これにより、自分の専門分野を分かりやすく説明できる能力を身につけるだけでなく、お互いの理解度を深めることができ、発表もスムーズに行うことができました。
また、ゼミの発表の際もランダムに他のメンバーに意見を求める制度を提案することで、発表の内容やプレゼンテーションの方法のブラッシュアップを行うこともできました。
これにより、卒業研究では全員が同じ研究に力を入れることができ、学部内でも高い評価を受けることができました。
この経験を通じて身につけた思いやりや配慮できる能力を活用して、貴社のプロジェクト運営にも貢献していきたいと考えています。
例⑦留学
カナダの大学に留学した際、グループでプロジェクトに取り組むことが非常に多く、多国籍な環境の中で様々な意見が生まれました。
また、全員が英語をスムーズに話せるというわけではなかったため、コミュニケーション自体がうまくいかず、意見を集めることが難しいこともありました。
そこで、私はジェスチャーなどのボディランゲージやスマートフォンの翻訳アプリなどを活用し、全員がスムーズにコミュニケーション取れるように取り計らい、相手の意見をまずは尊重することを皆に呼びかけました。
これにより、頭ごなしに否定し合うのではなく、お互いに意見を尊重する空気が生まれ、より質の高い議論が行われるようになりました。
この経験から感じたことは、議論を深めるにあたってはお互いの意見を尊重することが大切であると学びました。
貴社に入社した際にも、この経験を活かし、新入社員の方からベテランの方まで誰もが意見を出しやすい雰囲気を作れるミーティングの進行役として貢献したいと考えています。
例⑧インターン
様々な大学からインターン生が13人参加していたということもあり、中にはアルバイト経験もなく、インターンに不安を感じているメンバーもいました。
そこで、私は不安がっているメンバーが落ち着いて取り組めるよう、全力でサポートを行うことを決めました。
例えば、タスクが溜まってしまっているメンバーには優先順位を一緒に考え、一つひとつ解決することを提案し、なかなかプレゼンテーションが作れず悩んでいるメンバーにはおすすめのプレゼン作成ツールなどを紹介しました。
これにより、全員がストレスフリーに取り組めるようになるだけでなく、お互いにサポートできる環境が整い、商品提案本番でもクライアントから高い評価を受けることができました。
この経験を活かして、貴社においては悩みを抱えているメンバーや、業務が行き詰まっているメンバーに気を配り、適切にサポートすることで、全員が100%パフォーマンスを発揮できるマネージャーとして貢献したいと考えています。
【自己PR 思いやり】職種別例文4選
それでは思いやりを活かせる可能性が高い職種の自己PR例文を紹介します。
いずれもここまで紹介してきた内容を踏まえて作成しているため、本記事のおさらいとしても活用できるものです。
ぜひ、あなたが目指している職種以外の自己PR例文も参考にしてください。
例① 営業職
大学時代、飲食店のアルバイトをしていた際、一人ひとりに合ったサービスを心がけていました。
ある日、いつも笑顔で来店されるお客様が少し元気がない様子だったため「困りごとがあればお話ください」と声をかけたところ「嫌なことがあったけれど、あなたのおかげで元気が出た」と感謝の言葉をいただきました。
お客様に寄り添う姿勢が思いやりとして行動に表れたことで、相手の心を少しでも和らげられたと感じました。
この経験を通じて、思いやりを持って接することが相手を喜ばせる大きな力になると学びました。
貴社の営業職でも、ただ商品やサービスを売るのではなく、顧客の悩みや要望をしっかり受け止め、思いやりを持って解決策を提案する所存です。
例② 受付
大学では学生サークルの受付担当として新入生歓迎イベントに対応しました。
参加者が緊張している様子だったため、できるだけ笑顔で接し「今日は楽しんでくださいね」と声をかけました。
その結果、イベント終了時に「最初に優しく声をかけてもらって安心できました」と感謝されたことがありました。
この経験を通じて、初対面の相手に安心感を与えるためには思いやりのある対応が欠かせないと実感しました。
貴社の受付職としても、この思いやりを活かし、来訪者が気持ちよく過ごせる環境を提供する所存です。
企業の窓口として、迅速かつ丁寧な対応を心がけ、貴社の印象をさらに向上させたいと考えています。
例③ 事務職
大学で事務補助のアルバイトをしていた際、部門ごとの資料整理を担当していました。
他部署からの問い合わせが多かったため、資料を見やすく整理し、利用者の手間を減らす工夫をしました。
ある日、急ぎで資料が必要な社員の方が困っている様子を見て、すぐに検索方法をレクチャーし、効率的に探せるフォルダを作成しました。
その結果、業務がスムーズになり、感謝されただけでなく、問い合わせ件数も減りました。
この経験を通じて、思いやりを持って対応することで、職場全体の業務効率を高められると感じました。
貴社の事務職においても、思いやりを持って職務に取り組み、業務の効率化を意識し、社員の皆様が快適に働ける環境づくりをサポートする所存です。
例④ 介護職
大学時代、介護施設でボランティアをしていた際、利用者の方々が安心して過ごせるよう、日常会話や体調確認を欠かさず行っていました。
ある日、口数が少ない利用者の方に「何かあればすぐにお知らせくださいね」と優しく声をかけた結果「体調が悪い」と教えてくれたため、早期対応ができました。
「利用者の変化に気づける点が素晴らしい」と評価され、施設のスタッフからも信頼していただけるようになりました。
この経験を通じて、介護職における思いやりとは相手の小さな変化に気づき、先回りしてサポートすることだと実感しました。
貴社に入社した際は利用者一人ひとりの状況に配慮し、思いやりを持って接することで、小さな変化を見逃さず対応し、より安心していただける環境づくりに貢献してまいります。
例⑤看護師
看護師の仕事は、患者様の不安や痛みに寄り添い、心身両面からサポートすることが求められます。
患者様が何を必要とし、どうすれば安心して療養生活を送れるかを常に考え、行動に移す姿に、真の思いやりとは何かを学びました。
些細な変化も見逃さず、言葉にならない思いを汲み取る観察力や傾聴力は、信頼関係を築き、質の高いケアを提供する上で不可欠です。
この経験で培った「相手のニーズを的確に捉え、先回りして行動する力」を活かし、貴社でもお客様やチームに貢献したいと考えております。
【自己PR 思いやり】さらに差をつける!「思いやり」を伝える際のプラスアルファの工夫
①書類選考を通過したら、次は面接です。面接では、「相手の立場に立って考え行動した」具体的なエピソードを語りましょう。
例えば、困っている人を助けた経験や、チームで協力して目標を達成した経験などが有効です。
話す際は、目を見て、穏やかな表情で、熱意のこもった声で伝えるなど、非言語コミュニケーションも意識しましょう。
あなたの「思いやり」をさらに効果的にアピールするために、以下の点を意識しましょう。
質問に対して、一方的に話すのではなく、対話を意識する。
過去の経験だけでなく、入社後にどのように「思いやり」を活かしたいかを具体的に語る。
逆質問の機会があれば、「チームメンバーと働く上で、特に大切にされていることは何ですか?」など、「思いやり」に関連する質問をするのも効果的です。
②履歴書や職務経歴書では、自己PR以外でも「思いやり」をさりげなくアピールできます。
例えば、介護やコミュニケーション 관련資格、顧客対応やチームワークを重視したプロジェクト経験、ボランティア活動経験などを具体的に記述することで、配慮や協調性を示すことができます。
③ポートフォリオでは、作品を通してユーザー視点に立ったデザインや、アクセシビリティへの配慮を示すことが「思いやり」の表現に繋がります。
制作意図を説明する際に、誰かの役に立ちたいという気持ちや、より良い体験を提供したいという考えを伝えることも効果的です。
【自己PR 思いやり】就活エージェントに相談する
就活エージェントでは、プロのアドバイザーが専属でサポートしてくれます。
自己PRだけでなく、ES添削、面接対策、優良企業の紹介など内定を獲得するまで手厚いサービスを受けることができます。
そのため、就活を進めるのが不安な方や、何から始めていいかわからない方にとっては心強い味方です。
また、就活を進めているけれど、自分がどんな企業に向いているのか分からなくなったということもあるでしょう。
その場合でも、アドバイザーが話を聞く中で詳しく分析しあなたに合った企業を紹介してくれます。
さらに、内定獲得後も入社までの研修を実施しフォロー体制も万全です。
就活に関して不安な方は、就活エージェントにぜひご相談ください。
【自己PR 思いやり】「思いやり」をあなたの最強の武器に
この記事では、思いやりで自己PRをする際の書き方、マッチする企業などを紹介してきました。
思いやりという言葉ではしっくりこないという人のために、思いやりの言い換えも紹介していますので、自分に合った強みは何かもう一度よく考えて自己PRを書いてみましょう。
思いやりは社会人として重要なスキルであり、あなたの働く姿勢や人間性を表す、非常に魅力的なキーワードです。自己PRの仕方次第で大きな強みとなります。
しかし、企業によって評価しない企業もあるので企業分析をして自己PRしていきましょう。
この記事で紹介したポイントや例文を参考に、あなたの「思いやり」のエピソードを深く掘り下げ、自信を持って伝えてください。
あなたの思いがしっかりと伝わり、希望する企業からの内定を受け取られることを心から応援しています。
頑張ってください!