はじめに
もっと自分の能力を仕事で発揮していきたい、自分にしかできないような仕事をしてみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
自分の悩みが解消されるような要素が、ベンチャー企業にはいくつもあります。
今回は、具体的にベンチャー企業にはどういった特徴があるのか、そしてベンチャー企業に転職するうえで重要なことは何か、詳しく紹介していきたいと思います。
【ベンチャー転職の見分け方】ベンチャー企業とは
そもそもベンチャー企業とは、大企業では行っていないような独自の開発や技術、サービス提供などを行う企業のことを指します。
具体的には、既存のビジネスをベースとした独自のやり方で収益を生み出したり、新しい価値観を作り出したりするなど、新しい成長分野を切り開く存在と言われています。
また、既存企業の改革や、次世代の新しい力で経済再生を実現していくことが主な目的とされており、事業規模・資本金・従業員数などは比較的少ないのが特徴です。
メガベンチャーとは
メガベンチャーとは、ベンチャー企業が成長して大企業となった企業のことを指します。
先ほども軽く触れましたが、もともとベンチャー企業というのは、成長過程にある企業のことを指しており、その多くは小〜中規模です。
しかし、なかには大きく成長していくベンチャー企業もあり、それらは大企業と大差のないほどの規模感になることもあります。
メガベンチャーの定義は決まっていませんが、一つの基準として、従業員が1000人以上の上場企業であることと言えるでしょう。
ベンチャー企業と大企業のどちらの要素も兼ね備えているのが、メガベンチャー企業であると言えます。
なお、採用水準は比較的高く、優秀な方が集う場でもあるので、事前の対策が欠かせません。
スタートアップ企業との違い
ベンチャー企業と似ているもので、スタートアップ企業というものがあります。
この2つの企業の違いは、ビジネスモデルの特徴にあります。
ベンチャー企業は、既存のビジネスモデルをベースに収益を得ていく手法を採用していることが多いです。
一方で、スタートアップ企業は新しい切り口を探りながら、自社のビジネスモデルを構築していくという特徴があります。
また、スタートアップ企業では新しい技術やサービスが完成するまで赤字が続くことも珍しくありません。
着実な利益と成長を重要視して経営していくベンチャー企業とは違い、急成長を図るスタートアップ企業には大きなリスクが伴います。
特に明確な定義はありませんが、一般的には急成長を遂げる創業2～3年の企業がスタートアップ企業と呼ばれています。
中小企業の一部
ベンチャー企業は、その特徴から中小企業に属している場合がほとんどです。
フットワークを軽くし、新しいことにチャレンジしやすい環境である傾向がベンチャー企業にはあります。
利益を高める機会を失ってしまわないよう、世の中の変化を素早く察知していく必要があるからです。
いかに収益に変えていけるか、その判断や意思決定も大企業に比べて断然素早いのがベンチャー企業の特徴です。
大企業のように社員数が多いと、今後の方針を決めるために何度も会議を開く必要があるなど、一つの物事を進めていくのがスムーズに行えないケースが多々あります。
ベンチャー企業のほとんどが、そういった細かな部分にも素早く対応できるというメリットを持ち、中小企業の一つとして日本の経済を回しています。
【ベンチャー転職の見分け方】ベンチャー転職のメリット
ここまで、ベンチャー企業やメガベンチャー、スタートアップ企業の特徴について紹介してきました。
ベンチャー企業の主な特徴として、「既存のビジネスモデルをベースとしている」「フットワークが軽く新しいことにチャレンジしやすい環境」といったものが挙げられます。
では、そんなベンチャー企業のメリットと言えるのはいったいどういったものか、ここから詳しく解説していきます。
裁量権が大きい
ベンチャー企業は中小企業として分類されることが多く、少人数で回している企業がほとんどです。
そのため、社員一人ひとりに与えられる裁量権が大きいということがメリットとして挙げられます。
自ら考え創造し、さまざまなことにチャレンジしていくことができるため、十分にやりがいを感じることができるでしょう。
大企業となると、大人数の中で何度も話し合いを重ね、場合によってはこちらが譲歩しなければならないことも多いです。
しかしベンチャー企業では、少人数ということもあり、フラットに意見交換することができ、意思決定までスムーズに進めていくことができるでしょう。
自分の能力を存分に発揮し、新しいことを生み出していきたいと思っている方には、裁量権の大きいベンチャー企業が向いていると言えます。
仕事の幅が広い
ベンチャー企業では、仕事の幅が広いということもメリットとして挙げられます。
決められた仕事の枠を超え、さまざまな分野の仕事に挑戦していけるという特徴があります。
これも、ベンチャー企業が少人数で行っているからこそできることであり、大企業ではなかなかうまくいきません。
大企業では、若手社員ほど責任の小さい仕事を任されることが多く、大きな仕事は先輩が任されるという傾向にあります。
しかしベンチャー企業では、能力次第で若手社員でも大きな仕事を任されることが多くあるのです。
年功序列の概念がほとんどない、ベンチャー企業ならではのやり方だと言えるでしょう。
そのため、ベンチャー企業では自分の専門外の仕事を任される機会が多く、経験できることの幅が広がりやすいのがメリットです。
意見が通りやすい
ベンチャー企業では、大企業に比べて自分の意見が通りやすいというメリットもあります。
小規模で行っているということもあり、経営陣と距離が近く意見交換をしやすい環境のため、直接自分の意見を発信していくことができるのです。
若いうちから、自らの意見を積極的に発信していけるという環境は、大企業ではなかなか見られません。
そのためベンチャー企業は、新たな事業を生み出す可能性が高いとされています。
あなたのアイディアが、会社の利益に直結するものとなる可能性が大いにあるということです。
さらに、自分の意見を積極的に発信するという経験そのものが、今後の働きに大きく影響を与えていくでしょう。
自分の意思や意見をはっきりと持っている方には、ベンチャー企業が向いていると言えます。
【ベンチャー転職の見分け方】ベンチャー転職のデメリット
ここまで、ベンチャー企業のメリットを紹介してきました。
大企業では得ることのできないメリットや、ベンチャー企業ならではのメリットも多々ありますが、もちろんデメリットも存在しています。
ここからは、ベンチャー企業に転職する際に押さえておくべきデメリットについて解説していきます。
仕事量が増える
ベンチャー企業のデメリットとして、仕事量が増えてしまうということが挙げられます。
ベンチャー企業では、自分の専門外の仕事を任されることも多いため、仕事は増える一方となるでしょう。
比較的少人数で回しているということもあり、社員一人ひとりの負担は大企業に比べて断然大きいのです。
このように仕事量がどうしても増えてしまうのはデメリットとして挙げられますが、自分が任された仕事に対してやりがいを持って取り組める方には相応しい環境であると言えるでしょう。
そもそもベンチャー企業というのは、社員一人ひとりの意見や働きが非常に重要で、自分がやった仕事の分だけ利益が上がることも珍しくありません。
大企業に比べると大変な仕事量にはなりますが、その分自身の能力は格段と磨かれていきます。
倒産のリスクが高い
ベンチャー企業は、成長段階の企業であり経営状態が安定していない場合が多く、倒産のリスクが高いというデメリットがあります。
経営状態が安定していないということは、一度の失敗で経営が傾く可能性があり、大企業に比べると倒産の危険性が高いのです。
また、少数精鋭のチームであることも多く、人間関係がうまく築けなかったりすると働きにくくなってしまい、場合によっては退職する場合もあるでしょう。
一人ひとりの働きが非常に重要となるベンチャー企業では、社員数の減少による生産性のダウンも倒産リスクを高める一つの要因です。
少人数であるということがメリットとして働くこともあれば、デメリットとして働いてしまうこともあるのです。
給与が低くなる可能性がある
転職するベンチャー企業によっては、今の給与より低くなってしまう可能性があるということも、デメリットとして挙げられます。
成長段階にあるベンチャー企業がほとんどのため、基本給が低い傾向にあります。
事業を軌道に乗せていくために、社員の給与を低く設定しているベンチャー企業が多いのです。
また、福利厚生が充実していないケースも多々あります。
ベンチャー企業は、大企業と比べて資金に余裕がないため、福利厚生にまで資金を回せないケースが多いのです。
結果を出せば給与を上げるという場合も多いですが、最初の設定給与は低い場合がほとんどです。
事業が成功していけば給与は上がるかもしれませんが、それまでは一般的な企業に比べて低い給与になるということも考えておく必要があります。
【ベンチャー転職の見分け方】ベンチャー向きの人の特徴
ベンチャー企業は、大企業に比べて良い部分がある一方、そうでない部分も持っています。
それでは、どういった方がベンチャー企業には向いているのでしょうか。
ここからは、ベンチャー企業に適性がある人の特徴について、詳しく解説していきます。
タフな人
ベンチャー企業では、大企業など一般的な企業と比べて仕事量が多いため、体力的・精神的にタフな方に向いていると言えます。
自分の仕事がそのまま経営状況に反映されてしまうので、肝が据わった方でなければ難しいでしょう。
入社早々ハードワークが始まることも十分に考えられるため、仕事に対し、前向きな姿勢で取り組んでいける人材が求められます。
また、自分の専門分野以外の仕事を任されることも多いため、未経験の仕事に対しても興味を持って取り組んでいける方も向いていると言えるでしょう。
スキルの幅を自ら広げていくことのできる方なら、比較的厳しい環境のベンチャー企業でも活躍できます。
少々大変な仕事を任せられても、簡単にギブアップすることなく挑戦していくことができる方は、ベンチャー企業に応募してみると良いでしょう。
柔軟に対応できる人
ベンチャー企業は、仕事量が多いほか、自分の意見を積極的に発信していかなければならないことも数多くあります。
また、経営状況が急激に悪化することもあり、従業員の入れ替わりが激しくなることも考えられます。
そのため、どのような環境にも対応できる方が向いていると言えるでしょう。
さらに、給与も安定しない場合も考えられるため、強い気持ちを持って仕事に取り組まなければなりません。
新しい事業をスタートさせることもあるので、仕事内容の変化にも柔軟に対応していく必要があります。
ずっと同じ仕事を任され続けるというわけではなく、状況によっては苦手な仕事を任されることもあるので、何事も柔軟な姿勢で取り組んでいくことが大切です。
成長意欲のある人
ベンチャー企業は、企業そのものに成長志向が強いという特徴があるため、成長意欲のある方が向いていると言えます。
「やるべきことだけをこなす」という環境ではないので、自ら仕事を探し、新たな事業などを作っていくという強い気持ちが必要になります。
大企業に比べ仕事量も多く、仕事内容そのものが変化していく場合も多いため、自分自身が成長し続けなければ、ベンチャー企業の社風に対応することは難しいでしょう。
また、困難にぶつかったときも、自分を成長させる絶好のチャンスと捉え、何事にも挑戦していく姿勢を持つことが大切です。
一見厳しいように思えますが、自ら考え自ら行動していくという点では、自身の成長に欠かせない環境と言えるでしょう。
【ベンチャー転職の見分け方】ベンチャー企業の見分け方のポイント
ベンチャー企業にもさまざまな種類があります。
自分に合った企業を見つけるためにも、企業の重要な部分は一度調べておく必要があると言えるでしょう。
ここからは、ベンチャー企業に転職する際にチェックしてほしいポイントを紹介していきます。
ビジネスモデル
ベンチャー企業に転職するうえで、企業のビジネスモデルを確認しておくことは必須です。
ベンチャー企業では、特に経営者の個性が強く反映されているので、経営方針や企業理念に共感できなければ、居心地の悪い環境で働くこととなってしまいます。
また、小規模で経営している場合がほとんどなので、あなた自身の意見も積極的に発信していく必要があるでしょう。
そうなったときに、あなたの意見と企業のビジネスモデルがずれていると、非常に苦しい状況になってしまいます。
自分の能力を十分に発揮していける環境を選んでいくためにも、転職前には必ずその企業のビジネスモデルを把握しておく必要があります。
特にベンチャー企業では、大企業に比べてビジネスモデルがはっきりとしているので一度確認しておくようにしましょう。
企業規模
企業規模は、入社後に任される仕事量・仕事内容に直結するポイントとなります。
企業の社員数が多いのと少ないのとでは、入社後の仕事量に大きく影響してくるからです。
企業規模が小さいと、一人ひとりの意見が通りやすいため、自分の意見を積極的に発信していくことも必要になります。
また、裁量権が大きく責任のある仕事を任されることも多くあります。
反対に企業規模が大きいと、自分のやりたい仕事を任せてもらえないということも多々あるでしょう。
企業規模が小さければ良い、大きければ良いということではありません。
入社後どういった働きをしたいと考えているのか、企業規模はそういった点で重要なポイントとなるので、転職前に必ずチェックしておきましょう。
独自の武器があるか
その企業独自の武器となる部分があるかということも、転職時にチェックしておくべき重要なポイントです。
ベンチャー企業は、倒産のリスクが大企業に比べて大きいため、生き残っていくための武器が欠かせません。
ほかの企業にはない独自のサービスはあるのか、そしてそれをしっかりと発揮していけるような環境が整っているのかといった部分に着目しましょう。
また、ベンチャー企業では、新しい価値観を生み出し、新たな事業をスタートさせていくため、個性や独自の視点をしっかりと持っている必要があります。
そのため、企業の個性や独自の商品があやふやな企業は、あまりおすすめできません。
利益を出せるビジネスモデルになっているかどうか、この点も見ながら転職先の候補を検討してみてください。
ベンチャーキャピタルからの出資を受けているか
ベンチャーキャピタルとは、主に金融機関や投資機関が成長の見込めるベンチャー企業に対して行う出資のことを指します。
ベンチャーキャピタルを受けているということは、それだけ期待されている企業であるという証拠であるほか、社会における信頼の証でもあります。
そのため、ベンチャー企業に転職する際には、ベンチャーキャピタルを受けている企業であるかどうかという部分も非常に重要なポイントとなるのです。
将来的に倒産のリスクの低い企業を選ぶためにも、ベンチャーキャピタルは重要な基準となるでしょう。
反対に、ベンチャーキャピタルを受けていない企業というのは、将来的な成長を見込めていないと解釈することもできます。
あくまでも目安の一つとなりますが、転職先を選ぶ際はチェックしてみてください。
社員の声を聞く
実際に、応募先の企業で働いている社員の声を聞くのも重要なポイントです。
表には出していない経営者の顔を知ることができる場合もあるので、良いベンチャー企業かどうか見極めることができます。
ホームページに載っている情報が企業のすべてではないので、実際に働いている社員の話を聞き、自分に合っている企業かどうか判断してください。
残業時間はどれくらいなのか、休日出勤はあるのかなど、企業の内情を知っておくと入社後のミスマッチを防げます。
実際に、企業のホームページや求人広告だけで判断するのは非常に難しいです。
公開されている情報が良いものばかりで、何か違和感を覚える場合には、実際に働く社員の声を聞くようにしてください。
転職エージェントを利用する
自分の判断だけで不安な方は、転職エージェントを利用してみましょう。
初めての方もそうでない方も、転職というのは大きな不安を抱くものです。
転職エージェントでは、企業の紹介だけではなく、さまざまな方面からあなたの転職をサポートしてくれます。
優良なベンチャー企業を探している方や、自分の力だけでは自信がないという方にもおすすめです。
会員登録は無料なので、あなたに相応しい企業を探すためにもぜひ一度活用してみてください。
まとめ
コロナ禍でも業績好調なベンチャー企業が多く存在している近年、ベンチャー企業への転職に興味を持っている方は多くいらっしゃると思います。
ベンチャー企業は、メリットはもちろんデメリットもあり、さらに向いている人とそうでない人もはっきり分かれるのが特徴です。
これらをしっかりと把握したうえで、あなたに相応しいベンチャー企業を見つけてみてください。
いざベンチャー企業に転職しようとする際、もし困るようなことがあれば、転職エージェントを活用すると良いでしょう。
