はじめに
就職活動を始めると、エントリーシートや面接の場において「ガクチカ」について頻繁に聞かれることになるでしょう。
ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」を略した言葉を指しています。
就活では重視されている項目なので、自分の努力を裏付けるようなガクチカは事前に用意しておかなければいけません。
この記事では、ガクチカの作り方について解説します。
ガクチカの構成や、作る際に注意すべきポイントなども紹介するので、これから対策を練る人はぜひ参考にしてください。
【ガクチカの成果】ガクチカに成果は重要ではない
ガクチカを考えても、成果が伴わない内容しか浮かばないこともあるでしょう。
努力したことに成果が出ていない場合、ガクチカとして述べて良いのか迷ってしまうかもしれません。
ところが、ガクチカでは成果の有無にほとんど差が生まれないため、成果の心配はしなくても良いのです。
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」
ガクチカの項目では、成果を上げた経験ではなく努力した事柄について述べます。
就活において定番の質問であり、多くの学生はゼミやサークルでの経験を踏まえて作るでしょう。
また、ガクチカには学校生活だけではなく、アルバイトやボランティアなどもテーマにできます。
成し遂げたことについて問われる項目ではないので、無理に実績に重点を置いて作ろうとはしないでください。
企業は応募者が何に力を入れ、それにどのように向かったのかを知ることで、物事に対する姿勢や思考力を判断します。
求められているのはプロセス
ガクチカで求められているのは、成果よりもプロセスです。
成果が生まれなかった場合でも、その過程にいたるまでの取り組み方を述べられると良いでしょう。
困難に直面したときの乗り越え方や、さまざまな問題への立ち向かい方から、企業はどのように対応しようとする人物なのかをつかもうとします。
成果の有無ではなく、その道中で自分が目標に対して工夫したところや苦労したところに、その人の人柄や価値観は表れます。
人事がガクチカで知りたいのは、そういったところにあるのです。
成果があるのなら書く
成果を入れるときは、結果の後に書くようにしてください。
ガクチカに成果は必ずしも書かなければいけないものとは言えませんが、あるのならば書いた方がもちろん良いです。
しかし、どんなにすばらしい成果を伴っていても、そこにいたるまでのプロセスの内容が薄いとインパクトに欠けたものになってしまいます。
成果の大小によって、アピールするガクチカを決める必要はありません。
輝かしいものでも些細なものでも、成果は努力を伝える材料のうちのひとつに過ぎないと捉えることで十分でしょう。
結果と成果の違い
どのようなガクチカにも結果は存在しますが、成果が生じない可能性は否定できません。
そのため、結果と成果という言葉は区別しておきましょう。
結果にはプラスとマイナス、どちらの可能性も含まれています。
一方、成果とはプラスの事柄のみを指しています。
【ガクチカの成果】企業がガクチカを聞く意図
企業がガクチカについて聞く理由には、さまざまなものが挙げられます。
会社の視点からガクチカについて考えてみると、好印象となるガクチカを作るのが容易になるはずです。
次に、企業がガクチカから何を見ようとしているのかを確認していきましょう。
人柄を知りたい
ガクチカは、学生時代のことを述べるという点から、その人の人柄が良く表れます。
企業に人となりが伝わるということは、自分らしさを表現するチャンスだと言えるので、ここでライバルとの差別化を図りましょう。
応募者の性質は、入社後に会社に合うのかを判断する基準のひとつになります。
これからともに働いていくのなら、スキルだけではなく人間関係の部分も大切です。
企業は、ガクチカから社風や社員との相性を見ることによって、応募者をどう評価するのかが決定しやすくなります。
また、ガクチカは人間関係をテーマとして作ることもできます。
人間関係について書くことは、協調性やコミュニケーション能力などをアピールしやすく、規模が小さい会社では特に重視されるでしょう。
努力の過程を知りたい
ガクチカでは、どういったプロセスを経たのかを述べることが欠かせません。
努力の過程から、応募者がどういう価値観や考え方を持っているのかを判断できるからです。
企業は、壁にぶつかった際に投げ出さなかったのか、どんな工夫をして乗り越えられたのかなどといったことを知り、就職後でも努力してくれる人材を見極めたいのです。
成果よりもプロセスに重きを置いて伝える方が効果的なので、成果が伴わなくても再現性のある過程を述べてください。
ガクチカのエピソードを聞いて、応募者が入社後に活躍するイメージが湧くのかどうかは、企業にとって無視できない要素でしょう。
目標を実現するために励むことができる人物には、仕事に対しても同じくらいの熱量を持ってくれると期待されます。
結果的に何を学ぶことができたのか知りたい
成果があってもなくても、どのような結果になったのかは述べなければいけません。
伝える結果は、自分の言動によって変わったものにしましょう。
その変化は、自分自身のことでも周囲のことでも構いません。
力を入れたのに何も学ぶことができなかったのなら、その経験はガクチカとして述べるにはふさわしくないかもしれません。
ガクチカを作る際には、努力したことで何を得ることができたのかを考えるようにしてください。
もちろん、結果は大切です。
しかし、仮に良い結果にならなくても、振り返ったときにどんな学びがあったのかを気づける人は。次の機会には同じ失敗をせずより良い結果を生み出せる可能性が高いと言えます。
企業は過去に努力したことを入社後に活用できる人材を重宝します。
モチベーションの源泉を知りたい
モチベーションの源泉とは、やる気・やりがいなどを感じる部分です。
ガクチカは、応募者がどんなところにモチベーションを得られるのかを知ることができる判断材料です。
学生時代になぜそれに力を入れることにしたのか、その動機を探ることで、人が行動を起こすときのきっかけに値するものが表れます。
また、モチベーションの源泉は人によって異なります。
やりがいが応募する会社には関係のないところにあるものだと、働き続けるのは難しくなってしまうでしょう。
モチベーションの有無は仕事のパフォーマンスにも影響するため、企業にとって見極めておきたい点です。
また自分にとっても、どこでやりがいを感じるのかを把握することにより、仕事の向き不向きを見つける手助けになるでしょう。
論理的な思考を持っているか知りたい
論理的思考力とは、物事を整理し、筋道立てて考えられる力のことを言います。
社会人にとって、この思考は仕事をするうえで大切なものです。
問題が起こったときに、論理的に思考することができれば解決策への道が開かれます。
問題を解決する思考力には、原因を分析する力や改善するための手段を講じる力など、さまざまなものが挙げられるでしょう。
これらの力を表す論理的な思考は、会社が就活において学生に求めている資質に当てはまるスキルです。
企業はガクチカの構成やエピソードの内容から、論理的な思考を持っているかどうかを見極めようとしています。
論理的思考力がアピールできているかどうか、一度自分のガクチカを見直してみると良いでしょう。
【ガクチカの成果】ガクチカを書く際のポイント
ガクチカを書く際には、基本的に結論、動機、目標と困難と続けていきます。
その後、取り組みと結果、人柄、学びといった構成にすると良いでしょう。
ここからは、上記の構成に沿いながら、より良いガクチカにするために意識すべきポイントについて解説していきます。
結論から書き始める
ここでいう結論とは、「私が学生時代力を入れたことは〜〜〜です」と述べることです。
ガクチカの書き出しは第一印象を左右するため、しっかり伝えましょう。
結論から書き始めることにより、文章が簡潔になります。
結論の後には、なぜ選んだのかという動機を明らかにしてから、掲げた目標とそれを達成するうえでの困難について触れます。
そして、アプローチの仕方と結果について言及しましょう。
次に、自分のどういった性格が活かされたのかを述べ、学んだことは最後に伝えます。
求める人物像を意識する
ガクチカを書く際には、各企業が掲げている求める人物像を確認してください。
自分には企業が必要としている能力があり、さらに求めている人材であるということを、効率良くアピールするためには重要です。
採用担当者は、応募者が人物像と一致しているかどうかをガクチカで表れる人柄や強みから判断します。
会社の社風に合わないガクチカでは、入社後の働く姿はイメージされにくいと言えるでしょう。
自分の強みや価値観を整理し、企業が求める人物像と関連させてガクチカを述べることが理想です。
ベンチャー企業では自律的な人が好まれる
ベンチャー企業では大企業と比べると、環境が整っていない場合が珍しくありません。
そのような環境の中で、自分がどう動けば会社と仲間のため、もしくは自分のためになるのかを考えながら行動できる人材は好まれます。
指示を受けてから行動するのではなく、企業に貢献できるように自分から動くのです。
ベンチャー企業は、制度やルールが確立されていないことが多く、成長途中にある企業では一人ひとりの負担が大きくなってしまうでしょう。
そのため必然と、自律的な人が重宝されます。
具体性を意識する
具体性を高めるためには、数字を用いることが大切です。
単に「順位が上がった」と伝えるよりも、「○○位から○位に順位が上がった」と述べた方が具体的で印象にも残ります。
ほかにも、「さまざまな」「いろいろな」といった表現は避けましょう。
表現は相手が想像しやすい言葉を選び、難しいものよりもわかりやすさを優先すると良いでしょう。
一方、具体性を意識するあまり、不要な情報を詰め込んでしまうおそれがあるので、エピソードの本筋に沿わない情報は控えてください。
【ガクチカの成果】ガクチカを書く際の注意点
ここまで、ガクチカの構成や、意識しておきたい点についてまとめました。
ここからは、実際に書く際に注意すべきことを説明していきます。
特に成果がないガクチカは、インパクトを残すために誇張しすぎてしまう学生がいるので気をつけましょう。
時間を使ったことと力を入れたことを混同しない
いくら時間やお金を使ったからといって、中身がなかったらガクチカには有効ではありません。
しかし、長く取り組んでいたことの中からガクチカを探すことは可能です。
何かを継続して頑張ったという経験は、この先自分を支える糧になります。
途中でやめたいと思ったときに、その道を選ばなかったことには何かしらの理由があるはずです。
そのため、なぜ続けていきたのかを掘り下げてみても良いでしょう。
ガクチカで大切なのは、力を入れた点について書くことです。
一生懸命打ち込んでいなかったのなら、成果を出すためにどんなに時間がかかったとしても、力を入れたことにはなりません。
そのため、努力したことと混同しないように注意してください。
嘘や誇張のしすぎは禁物
インパクトを残したいがために、誇張しすぎてしまう学生は存在します。
しかし、人事は多くの学生を見てきているため、そういった嘘はすぐに見抜かれてしまうでしょう。
また事実を脚色して書くことも、内容によっては嘘になります。
誇張のしすぎで、あたかも事実だと捉えられてしまう危険性が高いからです。
結果を良く見せようとするのではなく、過程で困難だったことや身に付いたことなどを伝えるようにしてください。
また、大げさな表現は、入社後のミスマッチの可能性にもつながります。
実際に詳しく話を聞いてみたら、想像していたほどの人物ではなかったと思われるかもしれません。
入社後に自分自身も働きづらくなってしまうので、話は盛りすぎないように書いてください。
【ガクチカの成果】ガクチカで使ってはいけない題材
ここまで、ガクチカを書く際のポイントや注意点について確認しました。
ほかにガクチカで気をつけたいことには、題材の選び方が挙げられます。
ここからは、ガクチカにはおすすめできない題材を紹介していきますのでなるべく使わないようにしましょう。
世間的に良いイメージがないもの
ギャンブルやナンパなど、世間的に良いイメージがないエピソードは控えましょう。
ギャンブルは、内容によっては違法性の高いものになるため、エピソードのテーマとして選ぶのは危険です。
またナンパに関しても、良い印象を持たない人は少なくありません。
ナンパから恋愛に発展したとしても、恋愛というテーマもおすすめできません。
なぜなら、それらの経験からは仕事につながるイメージが浮かばないからです。
自分らしく話せるテーマであっても、人事の中には偏見を抱いている人もいるので、再度リスクについて考えなければならないでしょう。
志望企業によっては評価される可能性も否定できませんが、まずは採用担当者の立場に立って、どんなエピソードなら良い印象を持ってもらえるか考えてください。
高校時代のエピソード
ガクチカは主に、大学での経験を問います。
高校時代のエピソードのみでガクチカを伝えると、「大学時代に何もやってこなかったのではないか」と思われます。
質問の意図から離れてしまうので、可能な限り高校時代のエピソードは避けてください。
企業によっては、大学時代のみで書くように指示される可能性もあります。
そのため、最初から大学時代に絞ってガクチカを作る方が就活をスムーズに行えるでしょう。
しかし、大学よりも高校の方がインパクトのあるエピソードを持っている場合、高校時代の経験は無視できないものかもしれません。
高校時代のエピソードを入れるのなら、大学時代と結び付けられるように工夫してください。
大学まで続けていることや、大学でも活かされた学びなどを書きましょう。
困ったときは、以下の記事を参考にしてください。
https://shukatsu-venture.com/article/306257
【ガクチカの成果】ガクチカを書くなら就活エージェントを頼ろう!
就活エージェントを利用することで、効率的に就職先を探すことができます。
ガクチカを書く際には、就活エージェントをうまく使っていきましょう。
「ジョブコミット」では、多くの学生を見てきた就活のプロがあなたのガクチカをブラッシュアップします。
選考ごとに、また内定後もフォローを実施し、入社するまでサポートします。
一人ひとりに寄り添って対応してくれるので、就職の些細な悩みも相談しやすいです。
興味をお持ちの方は、以下のサイトにアクセスしてみてください。
https://shukatsu-venture.com/lp/3
まとめ
本記事では、ガクチカを作るときに把握しておきたい点についてご紹介しました。
ガクチカにおいて、成果はあまり重要ではありません。
目立った成果がないためにガクチカがなかなか思い浮かばなかった人でも、コツをつかめば良い印象を与えられるガクチカは作れます。
他者との差別化を図り、独自性のあるエピソードを探してみましょう。
具体的に述べられれば、よりアピールにつながります。
今回ご紹介した内容参考にしたり、就活エージェントを活用したりして魅力的なガクチカを作ってみてください。