はじめに
志望動機は、企業が採用を決める際の重要な判断材料になるため、業界や企業についてよく調べ、丁寧に作成する必要があります。
この記事では、半導体業界を志望する方向けに、体業界についてや志望動機の書き方について解説しているので、志望動機づくりにお困りの方は参考にしてみてください。
【半導体業界の志望動機】半導体業界とは
半導体は、電気を通す導体と、電気を通さない絶縁体の中間の性質を持ち、電子機器を制御する重要な役割を担っています。
半導体業界とは、この半導体をメインに取り扱う業界のことです。
スマホやパソコンはもちろん、冷蔵庫やテレビなど多くの電子機器において必須の部品です。
ここ十年で、小型軽量化やコンピューターの高性能化、多機能化が求められ、各種電気製品は大きな進化を遂げました。
これからは、lotや自動車の分野でも大きな需要が見込まれています。
半導体業界の現状
最初はアメリカで始まり発展していった半導体産業ですが、1980~1990年代においては、日本のNECや東芝、日立などが売上を大きく伸ばしていくようになります。
その結果、日本の半導体メーカーは、世界の半導体の売上の多くを占めるようになったのです。
しかし、近年は日本製品のシェア率が減少傾向にあり、他国に抜かれつつあります。
特に、サムスン電子がある韓国、インテルやSKハイニックスがあるアメリカは、シェア率はもちろん売上も大きく伸ばしています。
ですが、日本の半導体産業が落ち込んでいるわけではありません。
世界の半導体業界の市場規模は大きくなり続けているので、伸びしろは十分にあると言えるでしょう。
実際、日本はもちろん、ヨーロッパやほかのアジアの国々でも多くのメーカーが売上を伸ばしています。
半導体業界の将来性
半導体は、多くの電子機器にとって欠かすことのできない部品です。
電子機器がなくならない限り、半導体のニーズが失われることはないでしょう。
むしろ、この先半導体のニーズはますます高まっていくと予想されています。
たとえば、あらゆる製品にインターネット接続を行うlot産業は拡大しています。
また、自動運転を可能にする自動車や電気自動車などは、従来の自動車に搭載していた10倍の量の半導体が必要になると言われており、需要が減るような心配はほぼありません。
一方で、技術者の人手不足が問題になっており、専門的な知識と技術を持っている人材は重宝されることになるでしょう。
ただし、ここ数十年の半導体の変化を見ると、この先もさらに進化していくことが予測されるので、対応するために勉強するなど努力する姿勢が求められます。
【半導体業界の志望動機】半導体業界が抱える課題
アメリカや韓国がシェア率を大きく伸ばしている中、現在は日本のシェア率は下がっています。
ここからは、世界の半導体業界全体が抱えている課題について解説します。
主に半導体不足と人手不足の2つを取り上げて説明していきますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
半導体不足
市場はますます拡大しており需要は高まっていますが、供給がそれに追い付いていません。
そのため、半導体は常に不足している状態です。
特にコロナ禍では、工場からの発注減少と、リモートワークや隔離生活によるデジタル機器のニーズの増加が重なって、一時期は深刻な半導体不足となりました。
製造に時間がかかるため、急なニーズの増加に対応するのは非常に難しいことです。
また、材料や製造過程に莫大なコストがかかること、国際情勢の都合により調達先が限られることなどさまざまな要因が絡み合っているのも半導体が不足している原因と言われています。
人手不足
慢性的な人手不足も、半導体業界の大きな課題のひとつです。
特に足りないのが、専門的な知識と技術を持つエンジニアです。
半導体の工場や開発部門の多くは地方に存在しており、それぞれの地方の周辺にサプライチェーンが形成されています。
地方での人材発掘は難しく、長距離の移動を伴うとなると都心部からの派遣も簡単にはいきません。
隣接分野からの未経験採用や、リモートワークを可能にするための環境づくり、製造過程の効率化、自動化などが解決策として求められています。
【半導体業界の志望動機】志望動機作成のポイント
志望動機は、以下の3つのポイントを押さえて作成しましょう。
企業は自社で活躍してくれる人材を採用したいと考えています。
その企業で活躍できそうだと思ってもらうためには、やる気が十分にあることと、自分の強みがその企業で活かせることをアピールするのが効果的です。
そのためには、半導体業界を選んだ理由や、企業を選んだ理由、企業で活かせる自身の能力を伝えることが大切です。
これらのポイントを押さえれば、比較的簡単に中身のある志望動機を作成することができます。
なぜ半導体業界なのか
ほかの業界ではなく、半導体業界を志望した理由を伝えることは非常に重要です。
半導体不足や人手不足、成長産業であることなど、業界の状況と合わせて、自身のモチベーションを述べると良いでしょう。
あらゆる電子機器の制御の要となる半導体の製造や販売は、自動車や家電などありとあらゆる製品をより良いものへと変える可能性があり、人々の生活をより豊かする大きな可能性を秘めています。
そのため、人々の生活を支えたいというモチベーションを持って働いている人も多いです。
大学で電子工学や情報通信工学などを学び、専門の知識や技術を持っているのなら、それらを活かして活躍できる旨を伝えましょう。
このように明確な理由を述べることで、業界への志望度の高さをアピールできます。
半導体業界の中でなぜこの企業なのか
企業は、内定辞退や早期退職を避けるために、その企業に入社して働きたいと強く思っている人材を採用しようとします。
ですから、企業への志望度の高さをアピールすることが大切です。
その企業に入って働きたいという熱意をアピールするためには、半導体業界の中で他の企業ではなく、その企業を選んだ理由を伝えることがポイントです。
ほかの企業にはない、独自の取り組みや目指している方向性などについて言及すると良いでしょう。
志望する企業だけでなく、似ている企業や、業界の代表的な企業について調べると違いが見えてきます。
またインターネットの情報だけでなく、説明会などで企業を訪問できる機会があれば利用し、社内の雰囲気など、具体的なことにも言及できるとさらに高評価です。
入社後自分に何ができるのか
入社したら、企業でどのように仕事をしていくつもりなのかを伝えましょう。
入社後に活躍しているイメージを持ってもらえれば、採用確率が上がります。
自分の強みを仕事にどう活かすかをアピールするためには、自己分析と企業分析の両方が重要です。
入社後に、自分がどのような仕事をすることになるのかしっかりと調べましょう。
仕事内容や必要なスキルは、職種によっておおよそ予測できます。
たとえばエンジニアの場合、半導体の設計や製造に関わるため、専門的な知識と技術が必要です。
また、営業なら取引先に赴いて自社製品の説明をするために、高いコミュニケーション能力や自社製品についての深い知識が求められます。
アピールする強みとやりたい仕事内容を考慮し、自分には何ができるのかを述べましょう。
【半導体業界の志望動機】志望動機のおすすめ構成
志望動機は、相手の立場に立ってわかりやすく書くことが大切です。
わかりにくい文章だと、説明能力が低いなど低評価につながったり、印象に残りづらかったりします。
わかりやすい志望動機にするためのおすすめの構成を紹介するので、お困りの方はぜひ参考にしてみてください。
結論ファーストで書く
志望動機の作成で特に重要なのは、結論ファーストで書くことです。
結論ファーストとは、その言葉通り、結論を先に伝えることです。
どうして半導体業界のその企業を志望したのか、もっとも伝えたいことを最初に述べましょう。
採用担当者は、多くの応募者の選考をしつつほかの仕事をこなす必要があり、余計な情報を挟まないスマートな回答を求めています。
入社後の報告などでも結論ファーストは活用できるため、今のうちに覚えておきましょう。
余計な情報が多いと、理解力や説明能力がないと判断されるリスクがあります。
逆に結論ファーストができていると、採用担当者にとってわかりやすいだけでなく、全体のテーマがはっきりするので今後の文章が書きやすくなります。
具体的な経験を書く
結論を述べた後は、具体的な経験を書きます。
具体的な経験は、志望動機に個性と説得力を持たせるために重要なポイントになります。
企業理念への共感や、社風や商品に魅力を感じたなど、その企業に入りたいと思った理由だけでは志望動機として弱いです。
ほかの応募者と被ることも多々ありますし、採用担当者の印象にも残りづらいです。
なぜ企業理念に共感したのかや、なぜその社風や商品が魅力的に見えるのかなど、自分の体験を織り交ぜて伝えましょう。
個人の体験は、周りの就活生と被ることが少ないため、採用担当者の印象にも残りやすくなります。
また、志望理由をより具体的に詳しく説明することになるため、説得力を持たせる効果があります。
企業で再現性を伝える
結論と具体的な経験を述べた後に、企業で自分の強みをどのように発揮できるのかを伝えます。
入社してみなければ、実際にどのような仕事をするのか具体的なことはわからないものです。
ですが、自分の強みはどの職種で活かすことができるのか、自分なりに考えて企業に貢献できることをアピールすることが大切です。
何ができて、どんなことをやりたいのかを伝えると、積極的に仕事に取り組むイメージを持ってもらえるため高評価につながります。
このとき、希望する職種に合わない強みをアピールすると逆効果なので気をつけましょう。
自分が希望する職種の大まかな仕事内容や求められるスキルなどをよく調べ、相性の良い強みを選んでアピールしてください。
【半導体業界の志望動機】半導体業界の志望動機の例文
これまで紹介した内容を踏まえて、志望動機の例文を3つ紹介します。
読み手にとってわかりやすい構成になっているだけでなく、営業職や技術職など、それぞれの職種と相性の良い強みをアピールしている例文になっています。
半導体業界の企業に応募する際は、以下の志望動機を参考にしてください。
例文①
就職活動を進めるにあたって、半導体は日常生活に必要なあらゆるものに組み込まれており、社会を支える基盤としてなくてはならない存在だと知りました。同時に、半導体の複雑さや、半導体を用いることで従来の製品が大きく進化できることに感動し、大きな魅力を感じました。
豊富な種類の半導体を扱っており、国内で多くのシェアを獲得している貴社で働くことができれば、半導体を用いることによるさまざまな製品の進化に関わることができるのと同時に、多くの人々を支えることにつながると思います。
半導体についてこれからも積極的に学び、私の長所のひとつであるコミュニケーション力を活かしてお客様のニーズに合った商品を提案していきたいと考えています。
例文②
かつて、日本のものづくりのレベルの高さは世界の多くが認めるもので、特に半導体は1990年代初頭まで世界の多くのシェアを獲得していました。
それが、近年では海外メーカーには勝てないと言われてしまうことに、憤りを感じています。
ですが、日本メーカーの多くがアメリカや韓国にシェアを奪われる中、貴社の製品は現在でも世界で高いシェアを獲得していることに魅力を感じ、今回志望するにいたりました。
他社が真似できない製品はいずれも高機能であり、海外でも十分に通用している点に魅力を感じています。
貴社に入社後は、「良い商品を広めたい」という強い気持ちを忘れずに多くの方に提案していき、貴社の売上に貢献していきたいと考えています。
例文③
新しい技術が生まれることで、現在社会が抱えている問題を解決できたり、新しいエンタメが生まれてよりおもしろい体験ができたりするからです。
私は大学の授業で半導体について学んでおり、技術革新になくてはならない存在だと考えるようになりました。
研究開発に多くの予算を充て、若い社員でも主体的に研究開発に打ち込める環境がある貴社に入社したいと強く思っています。
大学では、興味を持ったことについて納得いくまで調べ、忍耐強く研究に打ち込み、同じゼミ生や教授から高い評価を得ることができました。
貴社に入社後は、世界をより便利に、より楽しくしていくための研究開発を続けていき、シェアの拡大に貢献していきたいと考えています。
【半導体業界の志望動機】半導体業界の志望動機をより良くするためにエージェントに相談しよう!
半導体業界の志望動機を書く際に大切にすべきポイントを紹介しましたが、これらを押さえた志望動機が作れたからといって必ず内定がもらえるわけではありません。
ESではほかの項目も見られますし、面接に進めば直接質問をされてさらに細かくチェックされます。
自分一人で対策しようとしても限度があるため、不安な方はエージェントに相談してみましょう。
エージェントは、志望する業界や企業に合わせたアドバイスを行います。
内定の確率を高めることができるので、気になる方は以下のサイトをご覧ください。
まとめ
半導体は、電子機器を制御する重要な役割を担っている部品です。
現代社会のインフラを支えるうえでなくてはならない存在であり、市場も大きく拡大しています。
志望動機を作成する際には、こうした業界の動向や志望企業についてよく調べるほか、構成にも気を配るようにしてください。