はじめに
今、コンサル業界が注目を集めています。
しかし、コンサル業界とはどのような業界であるか知らないため、「自分に合っているのかがわからない」と悩む方も多いと思います。
また、今後どのように発展していくのか、現在どのような業務を行っているのか知りたい人は多いのではないでしょうか。
今回は、コンサル業界とは何なのかを紹介しつつ、就活に向けてできる対策を説明していきます。
コンサル業界を視野に入れて就活を行っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
【コンサル業界とは?】コンサル業界とは
そもそもコンサルティングとは何なのか、よくわからないという人も多いでしょう。
コンサルティングとは、企業が抱えるさまざまな問題を解決するために支援する仕事のことです。
企業を経営する中ではさまざまな問題が生じますが、それらは社内では解決できないことも多々あります。
社内では解決できない問題をコンサルタントが仲介に入って、人事・物・金・情報・制度・仕組み・システムなどを考慮しながら話し合いをしていくのがコンサルティングです。
経営戦略を練り直して業績を立て直し、サポートをしていくのがコンサルタントの役目と言えるでしょう。
社会が大きく変化してグローバル化していく中で、企業経営に関わるコンサルタント業界は今後大きく成長していく分野と言われています。
収益の仕組み
コンサルティングは、クライアントとなる企業に対してさまざまな改善方法や提案を行うことによって利益を得ます。
コンサルティング業界の収益は、コンサルタントにかけた日数・時間によって変動することが一般的です。
取り組むテーマの時間単価にコンサルとして担当した時間をかけ合わせるのが、現在では主流の方法です。
基本的には担当した人数と、関わった時間によって大きく変わってくるでしょう。
ただし、担当する人の実績や現場への近さによって収益の量は異なる場合もあります。
場合によっては「成果物」を報酬の基準にすることも多く、企業ごとに収益の方法は異なります。
そのため、具体的な収益のスタイルについては企業ごとに確認が必要です。
【コンサル業界とは?】コンサル業界のベンチャー企業
就活生の中でコンサル業界に注目が集まっていますが、専門性が高いため、新卒での入社は難しいと言われることも多いです。
大手コンサルティング会社には外資系もあり、非常に魅力的な業務内容をそろえています。
一方で、最近新たに注目を集めているのがベンチャーのコンサルティング企業です。
ここからは、ベンチャーならではの特徴と大手との違いについて、具体的な社名を挙げながら説明していきます。
なお、コンサルティング業界のベンチャー企業については以下の記事でも紹介していますので、気になる方はこちらの記事も参考にしてみてください。
→https://shukatsu-venture.com/article/306024
株式会社シグマクシス
株式会社シグマクシスは、東京都港区にあるコンサルティングのベンチャー企業です。
設立は2008年で、2021年10月に持株会社体制への移行に伴った会社分割により、コンサルティング事業を承継して新設された資本金30億円の企業です。
「企業のトランスフォーメーションを支援するコンサルティングサービスの提供」を掲げており、高い評価を受けています。
顧客に必要なサービスをすべてワンストップで提供するビジネスコンサルティング会社として、事業を開始しました。
また、企業の「3つの変革」実現を目指し、多様な能力を組み合わせたコンサルティングサービスを提供しています。
日系企業に多い稼働時間による報酬体系ではなく、成果報酬型の給与体系であることが特徴のコンサル会社です。
スカイライトコンサルティング株式会社
スカイライトコンサルティングが設立されたのは2000年で、港区赤坂に本社があり、東北地方にも支社を置いています。
企業改革と組織風土改革を掲げてのビジネスコンサルティングを行っており、徹底した顧客主義を理念に持っています。
また、それに賛同したコンサルタントが在籍している会社です。
個々の社員がやりたいことを会社が後押しする文化や制度が整えられており、個人と組織が相互に磨き合って高め合うことで双方が成長していくことを謳っています。
「協働」という考えが、この企業とはマッチしていると言えるでしょう。
スカイライトは英語で「天窓」を意味し、室内に光と風を取り入れることによって「建物全体の環境を大きく変える存在でありたい」という願いが込められています。
株式会社ベイカレント・コンサルティング
ベイカレント・コンサルティングは、2014年に設立された港区虎ノ門に本社を置くコンサルティング企業です。
資本金は2億8,200万円、従業員数は2,884名と、ベンチャー企業の中では比較的規模が大きいです。
所属のコンサルタントは、さまざまな業界の仕事を担当することができます。
経験を蓄積したり、コンサルタント自身の得意を発見したりするのに最適な企業と言えるでしょう。
経営戦略からIT戦略、システム構築、アウトソーシングまで一括して提供できる点や、大手上場企業からの案件が多い点が強みです。
パッケージや特定の方法論にこだわることなく、顧客のニーズに根ざしたサービスを提供していることも特徴です。
また、外資系企業に比べると比較的安価であることも強みと言えます。
株式会社パワーソリューションズ
株式会社パワーソリューションズは、東京都千代田区に位置しています。
「多様な汎用サービスの統合」と「オーダーメイドの開発」を追求した企業向けITのパイオニアとして、2002年に設立されました。
業務改善・効率化・最適化を実現するための、ITを駆使した顧客支援を行っており、コンサルタントの才能を十分に発揮できるような環境が整っている会社です。
「俯瞰的な視点で世の中の非効率を解消していくことで、より満足度の高い未来を創造する」ことを掲げており、今後期待されるコンサルタント企業のひとつと言えるでしょう。
また、投資信託の業界標準とされる資産運用系の各種システムへの付加開発に実績を持ち、価格競争力に優れているため顧客の投資効果を最大限に発揮できると謳っています。
株式会社リブ・コンサルティング
株式会社リブ・コンサルティングは2012年に設立されたコンサルティング企業で、2023年時点で社員数は270名、千代田区の大手町に本社を置いています。
職場の士気も高く、コンサルタントとして働くことで自己成長できると評価されています。
コンサルティングの仕事だけでなく、エンジニア職や管理スタッフなども募集しているのが特徴です。
また、プロフェッショナルを育てるコンサルティングファームとして、スキル面だけでなく、他者貢献性の有無も重視されています。
業績・顧客感動満足・社員感動満足・人材育成・より良い仕組みという5つの成果を追求することを掲げており、これらが魅力的に思える方なら入社できる可能性が高いです。
【コンサル業界とは?】コンサル業界の業種
なお、ロゴマークは火種を表現しており、燃え盛る炎ではなく「着々と大きくしていくのだ」という意味が込められています。
華やかなイメージとバリバリ仕事をこなす印象で、就活生から注目を集めるコンサル業界ですが、実際にはどのような業種があるのでしょうか。
ただ何となく雰囲気だけに惹かれて目指すと、理想と現実のギャップに打ちのめされたり、自己PRにおいてちぐはぐなことを書いてしまったりします。
漠然としたイメージだけではなく実際の業種について知ることが大切です。
分野ごとに特色が異なり、向き不向きも変わってくるため、情報を整理して把握しておきましょう。
IT関係
代表的なのは、ITを活用してクライアントの課題や悩みを解決する「IT系コンサルティング」です。
ITシステムを使って企業をサポートする業種であり、業務の効率化をするためにIT技術の導入やシステムの改善といった業務を行います。
企業が事業を拡大する際に、VRやAIといった新しい技術の導入を提言することでシステムは大幅に改善され、効率化を図ることができます。
また、プロジェクトの進捗管理や運用テストなどにも関わり、システムの導入や最適化といったさまざまな分野でコンサルティングを行うのが主な特徴です。
IT化の流れに乗り遅れてしまった老舗企業や、IT化が進んでいない業界をターゲットにし、幅広いサービスを提供しています。
システムエンジニアと混同されがちですが、エンジニアはシステムそのものを作る業種、ITコンサルタントはクライアントの問題解決のためにどのようなシステムが必要なのかを提案する業種です。
基本的に、クライアントが何に困っていて何を必要としているのかを見極める洞察力や、問題解決のための論理的思考力が求められます。
シンクタンク系
シンクタンクと聞くと経済調査を思い浮かべる人もいるかもしれません。
ここでいうシンクタンク系とは、日本の証券会社やメガバンクなどを母体としており、公的機関などの依頼を受けて情報収集やデータの分析、提案を行う企業を指します。
それらのデータ分析や研究を行うことで、クライアントのサポートをするのが主な仕事です。
また、サービスの研究や戦略などのコンサルティングを行っています。
たとえば、自治体が公教育へ投資する場合に必要な情報を収集し、それらを分析したうえで必要となる費用と効果の試算を提案するなどの業務です。
母体が証券会社や銀行であるため高度な知識を持っており、それらをベースにコンサルティングを提供することができるのが特徴と言えるでしょう。
さらに、大手グループ企業のコネクションを使ってアプローチして案件を受注するなど、そこからバックアップしてもらうことも多々あるため、経営体制が安定しています。
グループ全体の高度なノウハウがあることが何よりの強みです。
人事系
コンサル業界の人事系は、人材領域全般に特化してコンサルティングを行う業種のことを指します。
クライアントの採用や人事に関する取り決めを作るほか、人材育成カリキュラムの構築などを行って組織内の人事に関するルールを改定し、人事面に関する課題を解決します。
どんなに質の高い経営戦略を立てても、人材がミスマッチでは意味がありません。
人と組織の間で生じた問題など、企業内で起きた問題について対処するのが人事系コンサルティングの仕事です。
たとえば、「今いる社員に問題があるから何とかしてほしい」といった問題を提起されたとき、人材のどこに問題があるか考えます。
適材適所でより良い部署があるならそれを提案し、人事評価制度の刷新などを通じて組織の風通しを良くします。
ほかのコンサルティングファームと違うのは、社外ではなくあくまで企業内での働きかけだという部分です。
人事戦略に多様な課題を抱える企業は増えており、人事コンサルタントの需要は今後さらに高まっていくと言えるでしょう。
戦略系
主に、企業全体の経営上の課題に関するアドバイスや新規プロジェクトの指導など、企業の利益や業績の拡大に貢献するための提案をするのが「戦略系コンサルタント」です。
経営層に対して事業計画や新規事業立案に関する相談などを受け、新たな提案を持ちかけることが主な仕事です。
企業全体の経営方針に関することから、マーケティング戦略、新規事業に関する戦略、人事戦略などそれ以外の分野に至るまで活躍の幅は多岐にわたります。
クライアントは民間企業や官公庁など多岐にわたりますが、ある程度規模が大きい企業であることが多いです。
戦略系コンサルティングの報酬は高く、必然的に資金力の高い大企業からの依頼が多くなるためです。
また、戦略を考えるだけでなく、実際に企業に入ってサポートをすることも多々あります。
近年はただ提案を行うだけでなく、「その戦略をどう実行するか」という踏み込んだ部分まで支援を行うケースが増えてきていますが、こういった流れは今後も多くなっていくと予想されています。
【コンサル業界とは?】コンサル業界の職種
ここまでの内容で、コンサルタント業界の大まかな概要はわかったと思います。
しかし、コンサルタント業界の中にはどのような職種があるのかはまだまだわからないことでしょう。
ここでは、コンサル業界の中の細かい職種について紹介します。
自分がどのような分野に挑戦したいのか、どのような分野なら向いていそうなのかをこの記事と照らし合わせて探してみてください。
また、コンサルタントそのものへの理解を深めて就活に役立てるよう学んでいきましょう。
経営コンサルタント
経営コンサルタントとは、一言で述べると企業の経営状態を診断して業績アップにつなげる仕事をする方のことです。
企業の経営状態を把握・理解し、経営方法の変更や今後の方針について指導などを行うのが主な業務です。
ほかにも、クライアントの要望に合わせて効率化や合理化の提案、人事や賃金の見直し、設備投資計画の作成などを行います。
そのため、経営コンサルタントには効率的で合理的な判断が求められます。
賃金や設備投資の見直しには、迅速な意思決定が必要です。
企業経営全般についての幅広い経験と知識が必要とされるため、勉強熱心で向上心のある人が向いているとされます。
プロジェクトの核となる部分を主導的に行うため、企業の中でも比較的中心的な役割を担うのが経営コンサルティングの魅力と言えるでしょう。
システムコンサルタント
クライアントの事業活動や業務内容を分析したうえで、クライアントが抱える経営課題をIT関連の技術やノウハウを駆使してその課題を解決するのがシステムコンサルタントの仕事です。
現状把握・ヒアリング・提案といったプロセスを踏み、クライアントに新たな道筋を示すのがシステムコンサルタントの役目と言えるでしょう。
また、経営課題の抽出や課題を顕在化させるアナリスト的な役割も担っています。
システムコンサルタントには高い実務能力が求められるため、非常に難しい仕事ではありますが、その分成長につながる魅力的な仕事とも言えるでしょう。
なお、実際にシステムを運営するのはシステムエンジニアの仕事なので、システムコンサルタントはあくまで開発の方向性を定める上流工程ということになります。
広報
広告会社などに所属し、その企業のために目標設定や戦略を考えるのがコンサル業界における広報の仕事です。
目的や課題を分析し戦略を立て、実施について助言するのが主な役割です。
企業イメージの変革や向上にまつわるさまざまな業務を担っており、広報コンサルタントが行う仕事の範囲は多岐にわたっています。
「自社の活動を広めたいが、そのための人材が確保できない」などの悩みを抱える広報担当者や経営者に向けて、広報活動をサポートしていきます。
また、最近ではSNS関連など新たな業務も加わっており、ネット関連企業などIT分野や公的機関からの依頼を受けることも少なくありません。
多様な顧客のニーズに応えるため、広報コンサルタントの仕事の幅はさらに広がっていくと言えるでしょう。
ホテルコンサルタント
ホテルコンサルタントとは、ホテル業を営んでいる企業に対して集客や売上向上のためのアドバイスを行う方を指します。
ホテル会社は、売上や集客などさまざまな部分に課題を抱えています。
どこに課題があるかという部分から徹底的に検討し、課題の特定から一緒に検討を行っていくのがホテルコンサルタントの仕事と言えるでしょう。
現在のホテル経営はWebの活用が大前提ですが、それがうまくいっていないホテルもまだまだあります。
そういったWebの活用方法や、ホームページなどのリニューアル、宣伝方法の改善などさまざまな提案を行っていくのも業務の一環です。
小規模なホテルでは、戦略を立てるという機能そのものがない場合も多いので、具体的な改善方法を細かく提案していきます。
ライフコンサルタント
ライフコンサルタントとは、家族には相談しにくいようなお金や保険に関する課題をサポートし、具体的な改善方法を顧客に提案していく方を指します。
専門知識とコンサルティングにより、さまざまな環境で暮らす人々の幸せと安心を経済的側面でサポートします。
怪我や病気、入院など、万が一のことがあった場合に備えてライフプランを提案していくため、一人ひとりのライフスタイルを把握する力が求められるでしょう。
また、ライフコンサルタントはお金にまつわる提案をするため、生命保険のプロフェッショナルな知識が必要とされます。
顧客のライフプランを立てるだけでなく、実際に保険金が届けられるまでをサポートするのが業務です。
お金と人生に関わる職種のため、特に責任感の強い人が向いていると言えます。
【コンサル業界とは?】コンサル業界の現状
ここまでの説明でコンサル業界への理解が深まったと思います。
では、コンサル業界の現状はどのようなものなのでしょうか。
コロナ禍やSDGsといった世の中の大きな変革の中で、私たちの生活スタイルは様変わりしました。
もちろんコンサルティング業界を取り巻く現状も大きく変わっています。
コンサル業界を目指すならば、競争が激化する業界について最新の知識を知っておくことは必須条件です。
ここでは、コンサル業界の最新の情勢について解説していきます。
海外展開の増加
世界的なグローバル化の流れは、当然日本のコンサル業界にも影響を与えており、現在は海外を視野に入れて展開していることが増えてきています。
主なターゲットはアジア圏の国々や中国などです。
特に、中国はアジアで展開していくための拠点としてこれからも重要になる国であり、展開を目指す企業は多いです。
しかし、国内での従来のやり方では通じないことも多く、販路の開拓や現地のローカライズ化などの課題を抱えている企業も少なくありません。
そのため、各地域に応じた対策はこれからも必要となってくるでしょう。
また、マーケットを拡大することによって、利益の増大が見込まれており、新たな国・地域への販路の拡大は急務と言えます。
ほかにも、現地での活動をサポートするために海外拠点を充実させるコンサル企業も増えてきています。
新しい分野の確立
コンサルティング業界では、新たな分野の確立を目指しています。
DXやビックデータやクラウド、AI、ITセキュリティなどのデジタル分野などが近年急速に拡大しています。
DXの浸透によって社会や組織・ビジネスの仕組みそのものが大きく変化し、クラウドなどの導入によってセキュリティ面などで新たな課題が持ち上がりました。
そういった分野でのコンサル業務を取り入れることによって販路は拡大しましたが、そのことによって人手不足に陥っている企業もあります。
新たな分野を確立することが急務である一方で、そこにまだまだ追いつけていないというのがコンサル業界の現状でしょう。
DXやIT化の流れは今後留まることはありませんので、新しい分野でのサービスの拡大は必須の流れとなります。
コンサルティングの利用率が低い
現状コンサル業界が抱える問題として挙げられるのが、「コンサルティングの利用率の低さ」という部分です。
コンサルティングを受けるためには、当然ながら費用がかかります。
費用面や、その他多くの理由でコンサルティングの利用率が低いというのが現状と言えるでしょう。
現在中小企業では、コンサルタントを受けたことがある企業は2割程度とされており、浸透しているとは言いにくいのが現状です。
利用率を上げるためには、システムのわかりやすい説明や、費用面でのハードルを下げることなどが必要となってきます。
また、コンサルティングというサービスそのものを浸透させていくことも課題となってくるでしょう。
どれだけ良いサービスであっても知られていなければ意味がないので、効果的な広告・宣伝が今後は必要となります。
不景気時の利用者の減少
コンサルティングの課題のひとつとして、「不景気時の利用者の減少」というものが挙げられます。
経営者は、「不景気時には少しでも出費を減らしたい」と考えるのが心情です。
そのような場面では、費用削減の名目で「コンサルティングの利用」が減少してしまいます。
現在の景気は良いとは言えないため、それが要因で伸び悩んでしまっているコンサル企業が多数あるのが現状です。
不景気時であっても利用者をキープできるようなサービスの向上と、コンサルティングの必要性の周知などが課題となってくるでしょう。
また、不景気だからこそコンサルティングを利用するという発想をクライアントに浸透させることで、景気の動向に左右されず利益を出すことができます。
そのため、各種サービスの周知と宣伝も急務と言えるでしょう。
【コンサル業界とは?】コンサル業界の展望
ここまでの説明で、コンサル業界の現状についての理解は深まったと思います。
一方、今後コンサルティング業界にはどのような展望が見られるのかが気になる人も多いのではないでしょうか。
世の中は大きく変動しており、その変化の波はコンサル業界も決して無縁ではいられません。
「業界の将来性や業界の拡大していく状況について知りたい」という方も多いと思います。
コンサルティング業界について今後挙げられる課題や成長していく部分について、必要な情報を以下にまとめました。
今後のコンサル業界の展望について興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
AIに取って代わられる仕事がある
クライアントに関するデータを収集して、そこから解決策を考えていくのがコンサルの主な仕事です。
そのため、情報処理能力が高いAIの技術をコンサル業界に取り込んで作業の効率化を図るということも考えられます。
AIは、不透明な部分が多い一方、確実に成果を出しているというのも事実です。
人的サービスがAIに取って代わられる一方で、効率化を得られるのは間違いないでしょう。
業務の効率化、自動化というのはAIが最も得意とする分野ですので、コンサルティングの一部はAIによって大きく進化すると言われています。
しかし、人と人とのつながりやコミュニケーションという面で不足する部分もあるので、完全にAIに取って代わられるということはないでしょう。
これからさらに成長する
コンサルティング業界は、さらなる成長が見込まれる業界と言えるでしょう。
「国内コンサルティングサービス市場予測」によると、2020年の8,623億円から大きく伸長し、2025年には1兆2,551億円になると言われています。
そのため、「今後著しく成長する業界」と言われることも少なくありません。
テクノロジーの進化やグローバル化の波によって、顧客がコンサルタントに求める業務は拡大していくとされています。
海外進出を目指す企業にとって、外部のアドバイスは必要不可欠であり、ビジネスが複雑化していく中でコンサルティングの仕事は重要性を増していくでしょう。
また、IT化やDXによって情報戦略が必要になり、社内では解決できない問題も多くあります。
そうした中でコンサルティングという業務にはニーズがあり、「今後も拡大していくだろう」というのが多くの見方です。
コモディティ化
コンサルティングのコモディティ化を指摘する声もあります。
コモディティ化とは、価値の高かった商品が市場が活性化した結果、価値が低下して一般的な商品になることを指します。
新しい戦略が生み出されているが、その戦略がコモディティ化しているという場合があるのです。
簡単に述べると、コンサルタントが珍しい業務ではなくなっているということです。
そのため、「コンサルの価値が下がって単価も安くなってしまうのでは?」という危惧がなされています。
しかし世の中は大きく変わっていくため、「単純にコモディティ化しないだろう」という見方もあります。
現状としては、コンサルティングの必要性はあるとされており、学生のニーズも高いと言えますが、今後の世の中の流れ次第で変わっていくと考えるのが賢明でしょう。
【コンサル業界とは?】コンサル業界に向いている人
ここまでの説明で、コンサル業界の現状や今後については理解したと思います。
では、実際にコンサル業界に向いている人とはどんな人なのでしょうか。
華やかでパワフルなイメージのあるコンサルティングの分野で活躍できる強み・特性とは、いったいどんなものなのか気になる人も多いと思います。
ここでは、実際にどのような人がコンサルティング業務に向いているのかを説明していきます。
自身の個性と照らし合わせながら、コンサル業界について最新の情報を知っていきましょう。
体力がある人
体力に自信のある人はコンサル業界に向いていると言えます。
コンサルタントの仕事と聞くと、涼しいオフィスで頭を使い黙々と作業をするイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際には体力勝負な部分があります。
コンサルタントはサービス業に近く、実際に現地に赴いて調査などを行うことも珍しくありません。
さらに出張も多いので、移動に時間を取られることの多い職種です。
そのため必然的に作業時間が少なくなってしまい、睡眠時間を削って仕事をすることも多々あり、帰宅が深夜になることも少なくありません。
決して肉体労働のような面があるわけではありませんが、日々パワフルに仕事をこなせるだけの体力に自信がある人の方が向いていると言えます。
コミュニケーション能力がある人
コンサルタントは、企業などのクライアントと直接関わる仕事であるため、伝えたいことを的確に伝えることができるような高いコミュニケーション能力が必要になってきます。
クライアントがどのような悩みを抱えていて、どう解決していくかという対応を考えて伝えるのがコンサルタントの業務です。
相手の意思を汲み取って言語化する能力や、上手に伝えるコミュニケーション能力が高いに越したことはありません。
また、プロジェクト内での上下関係や横のつながりなどにも気を配らなければならないので、クライアントだけに関わらず幅広いコミュニケーション能力が必要とされます。
コミュニケーション能力に自信のない人は、コミュニケーションに関する本などを読んでみると良いでしょう。
傾聴力がある人
「傾聴力」とは、相手の心情や状況を理解する際に必要になるスキルのことです。
コンサルタントとは、クライアントの抱える課題を熱心に聞き、課題解決に導くことが求められる業種です。
コミュニケーションの基本は「聞くこと」であるため、傾聴力はコンサルタントの必須スキルと言えるでしょう。
自分の言いたいことだけを一方的にまくし立てるのではなく、じっくりと耳を傾けて相手がどんな困難を抱えているか、何を不安に思っているのかを聞き取るスキルはさまざまなビジネスシーンに応用できます。
クライアントはコンサルタントに話を聞いて受け入れてもらえることによって相手を信頼し、「もっと深く話をしてみよう」と思えるものです。
そのような傾聴力を持っている人は、コンサル業界に向いていると言えるでしょう。
忍耐力がある人
コンサル業界の仕事は、クライアントからクレームを受けるほか、なかなか成果を出せず自分のやっていることが成績に反映されないなど、苦しい場面が多くあります。
そのため、仕事に対してどんなときでもポジティブに考えられるような忍耐力が必要となってきます。
たとえ困難な仕事であったとしても、じっくりと継続的に取り組むことができるような忍耐力のある人ならコンサルタントに向いているでしょう。
クライアントに対して貢献的に振る舞い、結果を出すまで黒子であることに徹する忍耐強さは、コンサル業界で何よりの武器となり得ます。
反対に、気が短くて飽きっぽいような忍耐力のない人では務まりません。
コンサル業界を目指すならば、自分に忍耐力があるかどうか振り返ってみると良いでしょう。
論理的思考ができる人
コンサル業務では、クライアントに難しい説明をしなければならないシーンが多々あります。
クライアントの抱える悩みを解決するために、少々思い切ったプランを自分から具体的に説明することも珍しくありません。
そういった場面では、紋切り型の説得ではなく、理由と筋道の通った論地的な説明をする必要があります。
クライアントがプランを受け入れられるよう、丁寧に説明するためには、論理的思考が不可欠です。
自分では当たり前だと思っていることも、相手に伝わるよう簡潔に説明をすることが求められるのがコンサルタントです。
日頃から考える癖をつけて物事の本質を捉えたうえで実行するなど、論理的思考が身についている人であればコンサル業界でも活躍できるでしょう。
【コンサル業界とは?】コンサル業界に向いていない人
ここまでの説明で、どんな人がコンサル業界に向いているかについては理解できたと思います。
人気のある業種なので、自分に向いていると思えるなら「挑戦してみたい」と思うでしょう。
では、逆にコンサルタント業務に向いていない人というのはどんな人なのでしょうか。
コンサル業界は非常に厳しく、憧れだけでは決してやっていけません。
向き不向きをより詳しく知りたい人のために、ここではコンサル業界に向いていない人の特徴を詳しく説明していきます。
人のために動けない人
基本的に、コンサルの業務は企業などのお客様(クライアント)のために動きます。
そのため、人のことを考えて行動することが常に求められます。
つまり、人のために動けない人は、コンサルティングには向いていないと言えるでしょう。
クライアントに対する貢献意識や献身的態度がなければ務まらないのがコンサルタントです。
クライアントの悩みや不安に寄り添って、親身になって働く姿勢がコンサルタントには求められます。
「人のために」動くというのは案外難しいものであり、簡単に身につくようなスキルではありません。
そのため、利己的な振る舞いを抑えてクライアントに献身できる真面目な人がコンサル業界では求められます。
自分が成果を出すことばかり考えて、効率重視で相手の心情をおろそかにするような人は、この業界には向いていないでしょう。
向上心がない人
コンサルタント業界においては、さまざまな企業をコンサルティングする中で、常に現存の課題や新しい課題に対して向き合わなければいけません。
そのため常にアップデートを怠らず、新しい知識を身につけていく必要があります。
このとき、「向上心」がなければ新しい知識や経験を実際に身につけることができません。
決して現状に満足せず、より良い知識を得て自分自身をアップデートしていこうと思える向上心こそが、コンサル業務において何より大切です。
この向上心を持たず現状維持に徹する人は、クライアントの要望に応えることができないばかりか、業務の改善という基本的な部分でつまずいてしまうでしょう。
従って、向上心を持たない人はコンサル業界には向いていないと言えます。
論理的思考ができない人
論理的思考は「ロジカルシンキング」とも呼ばれることがあります。
論理的思考をすることによって、誰にとってもわかりやすい解決法を提案したり、何が問題なのかを整理したりすることができます。
クライアントが現状抱える課題を把握したり、問題を分析して解決法を考えたりするためには、論理的思考が何よりも大切です。
感情論ばかりで論理に基づかず提案をするような人は、大事なクライアントから信頼を得ることができず、問題も的確に解決することができないでしょう。
また、論理的であることは段取りが良くできているということなので、日々のタスクの消化も効率的にこなすことができます。
論理的思考は意識次第で身につけることができるため、日頃から意識することが大切です。
ネガティブな人
コンサル業界では、ネガティブな人は求められていません。
ネガティブ思考な人が良い打開策を提案できると周りは考えないからです。
何事も悪い方に考える弱気で後ろ向きな人に対し、不安や課題を相談したいとは思わないでしょう。
コンサル業務は解決することこそが仕事なので、弱気で悪い方にばかり考える人には向いていません。
そのためネガティブな思考を抑え、ポジティブに物事を考える必要があります。
ネガティブであると、クライアントから受けるプレッシャーにも打ち勝つことができません。
多忙なコンサル業界で業務に追われる中で、ネガティブさは足を引っ張る要因になります。
何事も前向きに良い方に捉え、困難に対して向かっていけるポジティブな人こそ求められていると考えた方が良いでしょう。
黙々と作業をしたい人
1人で黙々と作業をしたいと考える人は、コンサル業界に向いていません。
コンサルの仕事はお客様(クライアント)あっての仕事であるため、必ず人と接することになるからです。
クライアントから不安や問題を聞き出し、そこに新たな提案をしていくのがコンサル業界の仕事ですので、絶対的にコミュニケーションが必要になります。
黙々と作業をしたい職人肌の人は、お客様とのやり取りを苦痛に感じるばかりか、コミュニケーションをおろそかにする傾向があります。
また、お客様だけでなく企業内での連携も必要不可欠です。
周りとコミュニケーションを取って業務を進めていかなければならないので、1人で黙々とデスクに向かって作業をしたい人には務まらないでしょう。
そういう人にはコンサル業界ではなく別の分野が向いています。
【コンサル業界とは?】コンサル業界に就職するためにすべきこととは?
以上の内容を踏まえて、「コンサル業界に興味が湧いてきた」という人も多いかと思います。
しかし、一口にコンサル業界といっても内容は多岐にわたり、また外資系やベンチャー系など系統はさまざまです。
多種多様な企業の中で自分に合っている企業を探すためには、どういったアプローチをすれば良いのでしょうか。
そういった場合は、まず業界について研究をすることが必要となってきます。
また、それに伴って、「自分が本当にその業界に向いているか」を具体的に考えることも必要になるでしょう。
ここでは、コンサル業界に就職するために役立つ方法を紹介していきます。
ただし、ここで挙げるのはあくまで一例なので、大学の先輩や企業のOBなどから情報収集をして、自分に合ったやり方を探していくと良いでしょう。
業界研究をする
どのような分野であっても、まずは業界について詳しい知識を得る必要があります。
業界について詳しく知っていくと、自分の考えや個性とマッチしている業界であるか、良質で将来性のある企業が存在するかどうかなどが見えてきます。
業界研究の方法は数多くあり、現代ではまずWebで調べるという方法が一般的で、Webで調べれば最新の情報が多く出てきますが、あまりにも情報が多すぎるため自ら取捨選択することが必須になるでしょう。
次に、書籍や新聞を読んで情報を得るという方法があります。
新聞は社会情勢について詳しく知ることができるため、面接での時事問題に関する質問対策にも有効活用できます。
また書籍については、「四季報」と呼ばれるものが企業について詳しく載っているため、良い参考になるでしょう。
ほかにも、大学の構内で開かれる就活セミナーに参加するというのもひとつの手です。
セミナーではOBやOG、企業の採用担当者から直接話を聞くことができ、ほかにはない情報を得ることができます。
自己分析をする
自分は何をやりたいか、何が好きかを明確にして業界や職種を選ぶようにすると良いでしょう。
そのためには、自己分析が非常に大切になってきます。
自己分析の方法として、マインドマップや自分史、モチベーショングラフなどがあります。
マインドマップとは、自分の思考をクモの巣状に描いていき、思考の「地図」を作る方法です。
連想ゲームのようにいつでも簡単にできて自分を深掘りすることができ、頭の中を図解できるため自己分析に最適でしょう。
また、自分史は小学生・中学生・高校生・大学時代というふうにこれまでの人生を振り返り、「自分がどういう場面で何をしてきたか」を記録して客観的に見る方法です。
年代ごとに振り返るため、自分という人間をわかりやすく分析することができます。
そしてモチベーショングラフとは、自分史を折れ線グラフに置き換えたものと考えて良いでしょう。
時間経過に合わせて自分自身のモチベーションがどう変遷したかを見ることができるので、それぞれ目的に合わせて実施しましょう。
他己分析をする
自分をより詳しく知るために、他己分析は欠かせません。
いくら自分で自分自身を振り返ってみても、主観が優先されるためどうしても見えてこない部分があるからです。
第三者からの視点で自分を分析してもらうことにより、「自分が何をしたいのか」「何に向いているのか」が自然と見えてきて自己理解が深まることでしょう。
他己分析は、あらかじめ考えておいた質問を他の人に投げかけてみて、自分のことを話してもらうという方法を用いて行うのが一般的です。
家族や友達など、自分のことをよく知る多くの人とやってみると良いでしょう。
自己分析と他己分析を比較することによって、自分では気づけなかった強みや個性が見えてきます。
また、他己分析をすることによって、自己分析に説得力を持たすことができるのもポイントです。
できることを増やしておく
自己分析や他己分析以外にも、就職活動で必要なことはいろいろあります。
就職活動をするにあたって大切なことのひとつに、「できることを増やしておく」というものがあります。
就活で役立つ要素として代表的なのは外国語のスキルです。
英語や中国語など幅広く役立つ言語の習得は大きなプラスになるでしょう。
また、パソコンのスキルを向上させるほか、簿記といった事務作業で役立つ資格の取得もおすすめです。
なお、コンサル業界はコミュニケーション能力が重要なので、接客業のアルバイトなどで幅広い年齢層とのやり取りの経験を積むのも有効です。
自分にできることや、貴重な経験をなるべく増やしておき、志望する企業の面接に臨むようにすると良いでしょう。
エージェントに相談する
ここまで、就活をするうえで役に立つポイントや方法を紹介してきました。
「今何をすればいいかわからない」という方には参考になったと思います。
しかしこれらはあくまで一例に過ぎず、人によってはこれ以外の局面でさまざまな壁にぶつかってしまうかもしれません。
もし就活に関して何か悩んでいることがあれば、エージェントに相談してみましょう。
熟練のアドバイザーが一人ひとりの悩みに耳を傾けて熱心に対応をしてくれるので、就活に関する悩みを解消することができます。
1人であれこれ悩んでいても前には進めないので、思い切って他人のアドバイスを受けるのもひとつの手です。
模擬面接はもちろん、あなたに合った企業の紹介や内定後の研修など手厚いサポートを受けることができます。
経験豊富なエージェントに興味がある方は、こちらからどうぞ。
まとめ
就活にはさまざまな課題・悩みが出てくるため、どれだけ準備しても不安が消えることはありません。
インターネットだけでなく、書籍や新聞、OB・OGのアドバイスなども交えて多角的に情報収集に努めると良いでしょう。
また、不安な方は大学の先輩などに経験談を聞いてみるのも良いかもしれません。
人からアドバイスを受けたうえで自分を振り返り、自分がどういった分野に向いているか、どんな業種が不向きなのかをきちんと理解して就職活動ができれば心強いことでしょう。
また、どんな業界であっても情報は常に更新され、最新の情勢は大きく様変わりしていることがあります。
常にアップデートを怠らず情報収集に励むようにしましょう。