はじめに
Webテストは、就職活動においてエントリーシートや面接と並んで重要な選考です。
学校で受けるような一般的なテストとは異なる点が多いため、事前知識が不足していると十分に力を発揮できない場合もあるでしょう。
また、面接などと比べても個人での対策が重要になるため、不安を感じている方も多いかもしれません。
そこで、今回はWebテストの目的や種類、注意点について解説します。
おすすめの対策についても触れるので、Webテストを受ける予定のある方はぜひ参考にしてください。
【就活でWebテスト対策は必須?】Webテストとは
Webテストとは、選考の際にPCを用いて受検する適性検査のことです。
学生の能力・価値観・性格が、企業の求めている人材像にどれだけ合致しているかを測る選考の一段階と考えればわかりやすいでしょう。
Webテストの内容は多くの場合、「能力検査」と「性格検査」の2つの試験で構成されています。
能力検査とは、一般的なテストのイメージと近く、主に学力を測るための試験です。
性格検査とは、企業と学生の相性を測るためのテストであり、明確な正解はありません。
【就活でWebテスト対策は必須?】Webテストを実施する目的
企業がWebテストを実施する主な目的は、早い段階で候補者を選抜するためです。
就活シーズンになると、企業には多くの学生から応募があります。
書類選考や面接には大きな手間とコストがかかるため、ある程度の大きな企業になってくるとすべての学生をそれらの方法で選考することはできません。
そのため、足切りの合格ラインを定めたWebテストを実施し、選考の効率化を図っているのです。
足切り目的という性質上、Webテストは選考の序盤に実施されるケースが多く見られます。
【就活でWebテスト対策は必須?】Webテストの種類について
選考で実施されるWebテストには複数の種類があり、それぞれ難易度や形式が異なります。
Webテストへの対策を考える際には、まず自身が受けるWebテストがどの種類なのかをしっかりと把握しておく必要があるでしょう。
Webテストの種類は、企業の採用ページ・口コミ・OB訪問などである程度は確認することができます。
主なWebテストの種類は、以下で紹介する5つです。
SPI
「SPI」は、日本国内でもっとも普及しているWebテストの一種です。
そのため、Webテストといえばこの形式を思い浮かべる方も多いでしょう。
SPIで出題されるのは中学校〜高校の履修範囲がメインになるため、問題自体はそこまで難しくありません。
ただし、解答には制限時間が設けられているので、きちんと解答するためにはある程度形式に慣れておく必要があります。
多くの企業で実施されているだけあり、合格ラインは業界や企業によってさまざまです。
大手企業の場合は7割、中小企業の場合は6割から7割程度を合格ラインに設定しているケースが多いです。
SPIの受検は自宅のパソコンを用いたWebテストのほかに、専用のテストセンターで受検する方法があり、その場合は使用可能な道具や一部問題が異なります。
玉手箱
「玉手箱」は、SPIに次いで多くの企業で導入されているWebテストです。
こちらも主な出題内容は中学校から高校生の履修範囲に収まっていますが、制限時間はSPIよりもさらに短くなっています。
そのため、しっかり対策をしていなければ最後まで解き切るのは難しいでしょう。
玉手箱は、正確かつ迅速な作業が重視される金融業界やコンサル業界などで多く採用されています。
合格ラインは6割から7割程度で、こちらも受検形式はテストセンター形式とWebテスト形式の2種類です。
なお玉手箱は、「日本エス・エイチ・エル」という企業が提供しています。
同社は後述するGABやCABも提供しているため、それらのWebテストを受ける場合は玉手箱の勉強をある程度活かすことも可能です。
CAB
「CAB」はSEやプログラマーなど、コンピューター職の採用に用いられるWebテストであり、基本的にはIT企業などで多く導入されています。
SPIや玉手箱と比較して問題の専門性が高いため、合格するためには十分に対策しておく必要があるでしょう。
CABの合格ラインは、6割から7割程度といわれています。
出題の形式は暗算(四則逆算)・法則性・命令表・暗号となっており、SPIや玉手箱とは少し異なります。
玉手箱とは一部共通の問題が出題される場合もありますが、確実に合格するためには専用のテキストなどを使った個別学習をしなければなりません。
近年では「C-CAB」という名称で、テストセンターでも実施されるようになりました。
また企業によっては、筆記形式のペーパーテストを実施している場合があります。
GAB
「GAB」は主に新卒総合職の採用で実施されているテストです。
合格ラインはこれまでのWebテストと同様に6割から7割程度ですが、ほかのものと比べて非常に難しくなっています。
出題内容は「言語理解」と「係数理解」から構成されており、設問やグラフから正しい情報を読み取る技術が要求される、応用的な問題がメインです。
GABは総合商社・専門商社・証券・投資会社・総研などで実施されているケースが多く見られます。
これらの企業を目指す方は、SPIや玉手箱との違いをしっかり把握したうえで、十分な対策を行うことが求められるでしょう。
GABは筆記テスト、Webテスト、テストセンターの3つの形式で実施されているほか、より高難易度の「GAB Compact」という種類があり、こちらは採用試験だけでなく昇進試験などでも実施されています。
TG-Web
「TG-Web」は近年有名企業などで実施されるケースが増えてきたWebテストです。
SPIや玉手箱と並ぶWebテストとして知られていますが、難易度はその2つより高めになっています。
TG-Webが特徴的なのは、「従来型」と「新型」の2種類がある点です。
企業によってどちらを採用しているのかは異なるため、対策を行う前にどちらのタイプを受けることになるのか、事前に把握しなければいけません。
従来型は問題数が少なく制限時間も長めになっていますが、一つひとつの問題が複雑で難易度が高めです。
新型は個々の問題はそれほど難しくはありませんが、従来型に比べ問題数は多く制限時間は短くなっているため、素早く正確に解答する能力が求められるでしょう。
TG-Webの合格ラインははっきり定められていませんが、6割から7割程度といわれています。
【就活でWebテスト対策は必須?】Webテストを受検する際の注意点
Webテストでは、主に道具の使用について一般的なテストとは異なる点がいくつか存在します。
その違いをしっかりと理解しておかないと、本番でトラブルが発生する場合もあるでしょう。
今回は電卓とメモ用紙に関して、テストにおける注意点を解説します。
電卓
テストセンターではなく、自宅のPCを用いてWebテストを受検する場合は、電卓の使用が可能です。
自宅で受けるWebテストでは、そもそも電卓の使用を前提とした問題が出題されるため、正確には必須アイテムといえます。
試験までに忘れず電卓を用意し、電池切れなどの問題がないかしっかり確認しておきましょう。
また、試験によっては制限時間が短く、短時間で大量の数字を入力・計算しなくてはいけません。
とくに問題自体の難易度が高くないタイプのWebテストでは、電卓操作の正確性を問われる場面も多いでしょう。
そのため、どんな問題に対しても正確に素早く入力ができるように、操作に慣れておくことが大切です。
試験のために新しい電卓を購入した場合は、思わぬ誤操作が起きやすいので、とくに念入りに確認すると良いでしょう。
メモ用紙
ペーパーテストとWebテストの大きな違いのひとつが、問題用紙への書き込みができない点です。
比較的簡単な計算問題や資料読解が出題された場合でも、自身の手で書き出して整理できないと、思わぬ混乱を招くケースも少なくありません。
とくにペーパーテストに慣れているほど、書き込みができないことへの違和感は大きくなりやすいでしょう。
そのためWebテストを受ける際は、メモ用紙を準備しておくことが非常に重要です。
テストセンターで受検する場合は、メモ用紙や筆記用具は渡されたものを使うことができますが、自宅でWebテストを受ける場合は自分で用意しなければいけません。
使い慣れた道具で自由に受検できる一方、なんらかのトラブルが発生しても自己責任です。
受検環境を考慮し、使い慣れたメモ用紙と筆記用具を準備しましょう。
【就活でWebテスト対策は必須?】具体的な対策方法について
次は、具体的なWebテストの対策について解説します。
基本的には、受検するWebテストの種類に応じた対策本や参考書を用いた対策がおすすめです。
移動中のスキマ時間でも勉強できるように、各種対策アプリなども使用するのも良いでしょう。
また、一部の就活サイトでは、Webテストの模擬テストが受けられる場合があります。
テストの種類によって利用できる方法は異なるので、まずはテストの種類を把握したうえでどういった対策が可能なのかを調べてみてください。
【就活でWebテスト対策は必須?】種類別おすすめ対策本
対策本を用いたテスト勉強は、どのWebテストを受ける場合でも必須であり、就活が本格化する前に済ませておくのが好ましいでしょう。
しかし対策本にもさまざまな種類があり、どれを選べばいいか迷ってしまう場合があるかもしれません。
そこでここからは、テスト種類別のおすすめ対策本をご紹介します。
SPI
SPIは実施企業と受検者が多いため、対策本も数多く出版されています。
今回おすすめする1つ目の対策本は「【主要3方式<テストセンター・ペーパーテスト・Webテスティング>対応】これが本当のSPI3だ!2024年度版」です。
この対策本は、SPIをはじめさまざまな採用テストの研究、対策を行っている「SPIノートの会」が制作しています。
問題量が豊富であり、難易度にも幅を持たせているため、これ1冊でSPIの広い出題範囲をカバーできるでしょう。
もう1つおすすめなのが「【史上最強】<SPI&テストセンター超実践問題集>2024年度版"」です。
この本には問題と解説だけでなく、スピーディに解くためのコツや模擬テストも収録されています。
やや厚みのある問題集なので、早い段階からじっくり取り組むと良いでしょう。
玉手箱
玉手箱は自宅で受けるWebテストとしては大きなシェアを持ち、対策本もSPI同様豊富に展開されています。
その中でも、「これが本当のWebテストだ!(1)2024年度版【玉手箱・C-GAB編】」がおすすめです。
これは、SPIの対策本の際にもご紹介した「SPIノートの会」が制作した対策本です。
先述のとおり、玉手箱とGABの試験内容には共通点があるため、本書はテストセンターで受けるタイプのC-GABの対策本としても活用できます。
また、Webテストの種類がわからない場合に特定する方法や、実施企業のリストが掲載されているのも特徴です。
志望企業の中に1つでも玉手箱を実施する企業がある場合は、Webテスト全体の勉強を始める足がかりとして本書から手をつけてみるのも良いでしょう。
CAB・GAB
CABおよびGABの対策本としておすすめなのは、「これが本当のCAB・GABだ!2024年度版【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】」です。
この本ではWebテスト版のWeb-CABと同様構成を持つテストセンター版のC-CAB、GABの高難易度版であるGAB-Compactについて厳選された問題と解答が掲載されています。
また、玉手箱やCAB・GABと同様に「日本エス・エイチ・エル」が提供し、幅広い業界で実施されている短時間の適性検査「IMAGES(イメジス)」への対策本としても活用可能です。
CABやGABはしっかり対策しないと合格は難しいため、IT系企業・商社・証券・総研を目指す方は、ぜひこの対策本を用いて対策してみてください。
TG-Web
TG-Webの対策本としておすすめなのは、「これが本当のWebテストだ!(2)2024年度版【TG-Web・ヒューマネジー社のテストセンター編】」です。
こちらの対策本も、「SPIノートの会」で制作されています。
難解なWebテストとして知られているTG-Webについて配点比重の多い問題をピンポイントで取り扱い、効率の良い解答方法を解説しているため、短期間でも成果が出しやすいのが特徴です。
本書では実施企業が多い「従来型」、制限時間が短い「新型」のどちらにも対応しているため、TG-Webを受検するさまざまな場面で役に立つでしょう。
また、内容に関しては頻繁に改定が行われ、常に最新の状況にキャッチアップし、より適切な問題を扱うように変化し続けているのも嬉しいポイントです。
【就活でWebテスト対策は必須?】ベンチャー企業もWebテストを実施しているのか
序盤に述べたようにWebテストは基本的に足切り目的で実際されるため、採用試験に多くの応募がある大企業などで多く実施されています。
しかし、比較的若いベンチャー企業でも、Webテストを実施していることもあります。
とくにDMM・サイバーエージェント・LINEなどいわゆるメガベンチャーと呼ばれる企業であれば、Webテストを実施している可能性も高いでしょう。
それ以外の企業についてもWebテストを実施している可能性はあるため、Webテストの実施を前提として対策しておくことをおすすします。
【就活でWebテスト対策は必須?】就活エージェントを活用しよう
就職活動は長い道のりであり、Webテストを通過した後も書類選考や面接などが控えています。
就職活動のペース配分や具体的な対策に迷っている場合や、就活に関して不安がある場合は、就活エージェントを活用することもおすすめです。
就活のプロであるエージェントに相談すれば、カウンセリングを重ねたうえで希望にあった優良企業を紹介してくれます。
ES対策や面接対策などで内定獲得までを徹底的にサポートしてくれるので、興味のある方はぜひこちらの就活エージェントの活用を検討してみてください。
まとめ
Webテストは自宅のPCを用いて受検する適性検査のことであり、多くの企業で足切り目的として実施されています。
その種類はSPI・玉手箱・CAB・GAB・TG-Webなどさまざまであり、それぞれ独自の対策が必要です。
なかには同名のテストでも自宅のパソコンではなく、テストセンターに出向いて受検するものもあるため、事前に情報をしっかり集めておかなくてはいけません。
就職活動では書類選考や面接の対策も必要なので、Webテストに関しては早い段階から対策本などを使ってしっかり対策を進めておきましょう。