応募者が多い選考の場合、集団での適性を見るためにグループディスカッションが行われることがあります。
与えられたさまざまなテーマについて、自身の意見を出しつつも周りと協調して結論を出すという選考方式です。
このグループディスカッションを円滑に進めるために必要なのが「役割」で、その中でも「ファシリテーター」が特に重要と言われています。
今回は、グループディスカッションにおけるファシリテーターについて、求められることや注意点を詳しく解説します。
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【グループディスカッションのファシリテーターとは】グループディスカッションとは?概要と基本の流れ
まずグループディスカッションについて、そもそもどういうものなのかを理解できていない人も少なくないかもしれません。
そんな人に向けて、ここではグループディスカッションに関するもっとも基本的な概要や流れから、詳しく説明します。
これから就活を控えている人は、グループディスカッションのことをきちんと知っておきましょう。
グループディスカッションを行う理由
企業によっては単なる面接だけではなく、グループディスカッションを要求してくることもあります。
特に大企業を志望する人ほど、グループディスカッションを経験する機会は増えてくるでしょう。
なぜグループディスカッションをしなければいけないのかというと、そこから1人1人のさまざまな個性が垣間見えるからです。
例えば、どんな企業で働くことになったとしても、周りの人と協力しながら1つの仕事をする機会が多々あります。
そんなシーンがたくさんあるからこそ、実際に現場でもやっていけそうなのかどうかを、グループディスカッションを通して確認するのです。
グループディスカッションの流れ
グループディスカッションは、1つのテーマについてさまざまな意見の出し合いをし、最終的に1つの結論を出すのが基本的な形になります。
そのため、さまざまな細かい流れがあることを、あらかじめ覚えておかなければいけません。
例えば、最初はグループ分けから始まります。
そのあとに企業から特定のテーマを伝えられ、さらにルールも詳しく説明されることになるでしょう。
そして、いきなりグループディスカッションを開始するのではなく、先に1人ずつ簡単な自己紹介をしていく形になります。
この時に多少のコミュニケーションができれば、そのあとのグループディスカッションを緊張せずに進めやすくなるので覚えておいてください。
あとは誰がどんな役割でグループディスカッションに参加するのかを決め、そこから本格的な議論がスタートします。
最後は議論の内容をまとめて、結果どのような結論に至ったのかを報告することになるのが基本の流れです。
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【グループディスカッションのファシリテーターとは】グループディスカッションとは?概要と基本の流れ
まずグループディスカッションについて、そもそもどういうものなのかを理解できていない人も少なくないかもしれません。
そんな人に向けて、ここではグループディスカッションに関するもっとも基本的な概要や流れから、詳しく説明します。
これから就活を控えている人は、グループディスカッションのことをきちんと知っておきましょう。
グループディスカッションを行う理由
企業によっては単なる面接だけではなく、グループディスカッションを要求してくることもあります。
特に大企業を志望する人ほど、グループディスカッションを経験する機会は増えてくるでしょう。
なぜグループディスカッションをしなければいけないのかというと、そこから1人1人のさまざまな個性が垣間見えるからです。
例えば、どんな企業で働くことになったとしても、周りの人と協力しながら1つの仕事をする機会が多々あります。
そんなシーンがたくさんあるからこそ、実際に現場でもやっていけそうなのかどうかを、グループディスカッションを通して確認するのです。
グループディスカッションの流れ
グループディスカッションは、1つのテーマについてさまざまな意見の出し合いをし、最終的に1つの結論を出すのが基本的な形になります。
そのため、さまざまな細かい流れがあることを、あらかじめ覚えておかなければいけません。
例えば、最初はグループ分けから始まります。
そのあとに企業から特定のテーマを伝えられ、さらにルールも詳しく説明されることになるでしょう。
そして、いきなりグループディスカッションを開始するのではなく、先に1人ずつ簡単な自己紹介をしていく形になります。
この時に多少のコミュニケーションができれば、そのあとのグループディスカッションを緊張せずに進めやすくなるので覚えておいてください。
あとは誰がどんな役割でグループディスカッションに参加するのかを決め、そこから本格的な議論がスタートします。
最後は議論の内容をまとめて、結果どのような結論に至ったのかを報告することになるのが基本の流れです。
【グループディスカッションのファシリテーターとは】ファシリテーターの役割とは
ファシリテーターとは、会議などの場所で中立的な立場に立って意見を取りまとめ、より良い結論を導き出せるよう、場を回す役割を担う人のことを指します。
自分自身も積極的に議論に参加するため、司会というよりも、プレイングマネージャーのような存在です。
このファシリテーターは、グループディスカッションにおいて非常に重要です。
では、ファシリテーターが具体的にどのような行動をすることになるのか、以下の項目で詳しく解説していきますので、気になる方はぜひ参考にしてください。
議論の方向性を提案・策定
ファシリテーターは、与えられたテーマに沿って、どのように議論を進めていくべきかの方向性を考えて、メンバー全員へ提案します。
これはあくまで提案で、それに対して賛成や反対、新たな提案などの意見があればすべて受け入れ、そのうえで最終的な方向性の策定まで進めます。
議論の方向性を定めることは、その後の意見の出しやすさを決定付ける大切な場面なので、決して手を抜いて良いものではありません。
また、ファシリテーターは、より良い結論を出せるよう場を回す役割を担うため、メンバー全員が参加しやすい状況を作り出す必要があります。
良い結論を導くためには、その過程に行う話し合いの質を高めることが重要です。
議論の方向性次第で円滑な話し合いができるかどうかも変わるため、ファシリテーターの責任は非常に大きいといえます。
メンバーの意見を聞き出す
ファシリテーターは、ただ進行役の役割を果たせば良いというものではありません。
状況を見つつ、自分の意見も出す必要があります。
また、グループディスカッションの参加者の1人として、ほかの参加者の意見や感情を上手に聞き出すスキルも必要です。
参加者の中には、話すことが苦手、もしくはテーマについての見識や興味が浅く発言しづらいと感じている方もいます。
そのような方に対して上手に話を振り、意見や感情部分を引き出してあげるのが、上手なファシリテーターの立ち回りです。
多くのメンバーから意見が集まるほど、その後のまとめ部分に向けての議論も白熱しやすいため、誰もが意見を出しやすいような雰囲気づくりに努めることが重要になります。
議論をまとめる
メンバーの意見が一通り出そろった後は、議論をまとめるフェーズに移ります。
メンバーからどんな意見が出たのか、たとえば賛成・反対を問うテーマであればどちら側の意見が多かったのかなど、今まで出たすべての意見を振り返ってあらためて状況を整理します。
また、メンバーの意見をまとめたうえで、注目すべきポイントを要約することも重要です。
難しい意見が出ていた場合はそれをわかりやすくまとめ、すべてのメンバーが理解できるよう、説明し直しましょう。
メンバー全員が理解できるかどうか、ファシリテーターの腕にかかっています。
また、意見の中から何かしらの共通点を見つけ出せると、そこから次に行う「結論決め」に入りやすくなります。
グループとして結論を出す
意見をまとめ終えたら、最終的な結論をメンバーとともに導き出します。
議論をまとめるフェーズまでがスムーズに進んでいたら、結論を出すこの場面はさほど難しくはないかもしれません。
あらためて各メンバーに対してほかに意見がないことを確認したら、グループ全体の結論を出して、企業側にそれを伝えられるように準備をします。
この結論を出す場面で特に大切なのは、その結論がテーマに対しての明確な答えになっているかどうかです。
グループディスカッションにおいて議論が白熱するのは良いことですが、テーマから逸脱した内容で議論が進んでしまい、最終的に答えになっていない結論が導き出されるケースも少なくありません。
正しい結論が導き出せているか確認することも、ファシリテーターの重要な役割です。
【グループディスカッションのファシリテーターとは】ファシリテーター以外のグループディスカッションの役割
ファシリテーターのことは良くわかったかもしれませんが、他の役割についてもきちんと理解しておいた方が良いでしょう。
なぜなら、必ずしも自分がファシリテーターをやることになるとは限らないからです。
状況によっては、自分の役割を指示されることもあるため、どの役割になったとしてもスムーズに対応できるように、今から意識しておかなければいけません。
ここでは、他の役割について詳しく解説します。
書記
書記は、要するにグループディスカッションの中で話し合った内容を詳しくメモしたり、綺麗にわかりやすくまとめる役割になります。
そのため、他の役割と比べると積極的に発言する機会は少な目になるといえるでしょう。
そう考えると一見ラクそうだと思う人もいるかもしれませんが、発言をあまりしなくても良い分、傾聴力が非常に求められるのがポイントです。
途中から話の内容が理解できなくなって、ついていけなくなってしまうと、その時点で書記として機能しなくなってしまうため、最初から最後まで置いてけぼりにならないように気をつける必要があります。
タイムキーパー
タイムキーパーとは、常に時間を管理する役割になります。
グループディスカッションはあらかじめ決められた時間を使って取り組むことになるため、計画的に行動できる力が求められるでしょう。
人によってはただ時間を計るだけの役割だと思い込んでしまうかもしれませんが、実際には議論に対する観察力も重要になるのがポイントです。
残り時間に対してどれくらい議論が進んでいるのかを、常に確認しながら時間を伝えなければいけないため、うまく最後までコントロールできるように、その場面を促していく必要があります。
アイデア出し
グループディスカッションでは、最終的に必ず結論を出さなければいけません。
そのためには、さまざまな意見を出し合って話し合うことが必要です。
しかし、他の役割の人は自分の役割を遂行することに集中しているため、次々と自分の意見や考えを口にすることは多くないといえるでしょう。
だからこそ、ここで登場するのがアイデア出しと呼ばれる役割です。
アイデア出しは文字通り、積極的にアイデアを出していくことになるのが最大のポイントです。
そのため、どんな議論の内容においても率先して意見を言えることが、重要な要素になるでしょう。
【グループディスカッションのファシリテーターとは】ファシリテーターが圧倒的に難易度が高い理由
ファシリテーターは、グループディスカッションにおいて非常に重要な役割を担います。
しかし、務めるにあたって圧倒的に難易度が高いのがネックです。
以下の項目で、なぜファシリテーターを務めるのが圧倒的に難しいのか、具体的な理由を紹介します。
意見の内容を記録する書記や、制限時間を正しく管理するタイムキーパーなどさまざまな役割がほかにもある中で、ファシリテーターを希望するなら、相応の覚悟が必要といえるでしょう。
やることが多い
グループディスカッションにおけるファシリテーターは、やるべきことが非常に多いです。
メンバーから意見を引き出したり、引き出した意見を理解して周りにわかりやすく伝えたりと、積極的に行動しなければなりません。
それに加えて、ほかのメンバーと同様に自分自身のテーマに対する考えも発信しなければならないため、グループディスカッション中は落ち着ける余裕がほとんどない場合もあります。
どちらかがおそろかになってしまうだけでも、企業側からすればそれが減点対象にもなりかねません。
もちろん、最終的には意見をまとめて結論を導き出す必要があり、一息つけるような時間はほとんどありません。
やることが多く、かつそれらをしっかりとやり遂げられるスキルがファシリテーターには求められるため難易度が高いとされています。
自分の考えを深める時間がない
ファシリテーターは常に周囲に気を配る必要があるため、自分の考えを深める時間が取りづらい傾向にあります。
ファシリテーターの役割は、意見を取りまとめメンバーの発言を促すことですが、参加するからには自分自身も発言しなければなりません。
もし発言できなければ、「意見がない」「参加意欲が薄い」と判断されてしまい、良い評価が得られない可能性もあります。
そうなると、うまく結論を導き出せても次の選考に臨むことはできません。
そのため、ファシリテーターとしての役割もこなしつつ、テーマに沿った自分の意見を十分に発言するスキルが求められます。
どちらも行うためには、高いコミュニケーションスキルや冷静な判断能力が求められるため、ほかの役割に比べても圧倒的に難易度が高いとされています。
【グループディスカッションのファシリテーターとは】ファシリテーターに求められること
グループディスカッションでファシリテーターを務める場合は、多くのやるべきことが待っています。
自分に与えられた仕事をきちんとこなすことができれば、、テーマに沿った的確な結論を導き出せるようになるでしょう。
以下に挙げるポイントは、最低限ファシリテーターに求められているものとされているので、ぜひ押さえておくようにしてください。
意識して行動すれば、「進行力がある」「まとめる力がある」など、企業側から良い評価を得ることができるでしょう。
発言しやすい雰囲気づくり
参加しているメンバー全員が発言しやすい雰囲気を作ることは、ファシリテーターの重要な役割です。
グループディスカッションは、限られた時間で特定のテーマについて話し合う場です。
メンバー全員が話しやすい空気感であればあるほど議論が活発になるのは当然と言えるでしょう。
出てくる意見が有意義なものであれば、その後のまとめや結論を出すフェーズにも進みやすいです。
そのためには、発言を尻込みしているメンバーに話を振るといったアクションが必要です。
議論の場全体を盛り上げることが、参加者全員の高評価につながります。
発言しやすい雰囲気を作り、議論の活性化に努めましょう。
なお、発言に対して肯定する意見を重ね、場の雰囲気を良くするのもひとつの手です。
要約や言い換え
グループディスカッションは、時間が限られています。
意見が活発に出て議論の場が活性化するのは良いことですが、時間内に意見をまとめて結論を出さなければなりません。
そのため、議論においてわかりづらい言葉や表現などが出てきた場合は、メンバー全員が理解できるように言い換えてあげる必要があります。
ファシリテーターは意見をまとめる役割も担うため、当然このような要約や言い換えのスキルも求められます。
相手の意見をしっかりと聞いて理解できてこそ要約や言い換えはできるため、話を理解する力や人に教える力などの高いコミュニケーション力がファシリテーターには必要です。
なお、このスキルは、入社後の仕事においても非常に役立ちます。
議論を客観的に見ること
議論を客観的に見ることができるかどうかも、ファシリテーターには必要なスキルです。
メンバー同士が活発に意見を出し合って盛り上がっていたとしても、論点がずれてしまっていては、いざ結論を出すフェーズで再度思い悩んでしまう場合があります。
議論の場で出た意見に対して、それがテーマに沿ったものであるかを客観的に確認できる人は、ファシリテーターに適任といえるでしょう。
なお、客観的な視点で物事を冷静に判断できる人材は、業種・職種を問わず多くの企業で重宝されます。
ファシリテーターを担当する場合は、議論を取りまとめるにあたって論点がずれていないか、常にテーマを頭に入れたうえで議論が円滑に進むように行動していきましょう。
時間管理
グループディスカッションにおける時間管理は基本的にタイムキーパーが行いますが、ファシリテーターも意識しなければなりません。
意見をまとめて結論を出すのはファシリテーターが中心となって行うため、議論に使う時間やまとめる時間、結論を出す時間などはすべて把握しておかなければなりません。
グループディスカッションは20~30分など、短い時間が設定されていることがほとんどです。
限られた時間でいかに有意義な議論を展開して結論を導き出せるか、これはファシリテーターの時間管理能力にもかかってきます。
タイムキーパーと同様に、時間に気を配りながら議論を進行できるスキルが必要です。
議論に集中しすぎないよう、腕時計などをチェックする癖をつけておくと良いでしょう。
【グループディスカッションのファシリテーターとは】ファシリテーターとしての進め方のコツ
実際に自分がファシリテーターになった場合、どのように議論を進めていけば良いか不安に感じる方もいるでしょう。
まとめ役ともなると、焦ってしまい何から手をつけて良いのかわからない場合もあります。
以下に挙げるポイントを意識して進めていけば、議論が活発化し、良い結論を導き出せる可能性が高まります。
最初は戸惑うかもしれませんが、そこまで難しいものではありません。
万が一トラブルが発生してしまったときも、冷静に対処すれば大きな減点をされることはないはずなので、自信を持って臨むようにしてください。
周りを観察する
まずは、グループディスカッションにどのようなメンバーが参加しているのかを観察してみましょう。
議論の進め方に正解はなく、メンバーそれぞれが活発に意見を出せるような進め方ができれば十分です。
メンバーを観察してその人の特性を把握することで、どのように話を振れば良いか、どのようなリアクションを取れば相手はより積極的に動いてくれるのかなど、具体的な立ち回り方も見えてきます。
併せて場の雰囲気も掴んでおくことで、議論の良い回し方も見えてくることになるでしょう。
メンバーの経験値
周りを観察する際、参加メンバーの経験値を把握することに努めましょう。
発言の頻度や相手に対するリアクションなどを観察して、各個人のコミュニケーションスキルを見てみます。
「この人は積極的に発言する人だ」「この人は発言が控えめだけど、的確で納得のいく意見を発信してくれる」など、メンバーそれぞれのコミュニケーションスキルが見えてくるでしょう。
また、グループディスカッション自体の経験があるかどうかも確認してみましょう。
未経験の方は、グループディスカッションの進め方自体を理解していない場合が多いです。
そのようなときは、まずは進め方を理解してもらうところから始めなければなりません。
経験値を知ることで、次にどのような行動を取るべきかも判断しやすくなります。
メンバーの性格
メンバーそれぞれの性格を理解して、それに応じて臨機応変な接し方をすることも、円滑に議論を進めるうえでは大切です。
基本的に、選考で同じグループになる人の多くは初対面です。
そのため、内気な人は口数が少なくなります。
逆に外向的な人は、相手のことを知るために、もしくは場を盛り上げようと口数が多くなる傾向にあります。
こうした状況で、内気な人からなるべく発言の機会を作り出して、かつ外向的な人が喋りすぎることを防止するのは、全体をまとめるファシリテーターの仕事です。
特に喋りすぎる人がいる場合、チームメンバーの迷惑になるような発言をしてしまう可能性が高いため注意が必要です。
皆が円滑に話し合いができるよう努めることが、結果的に良い結論を導き出すことにつながります。
初めに大まかな流れを説明する
グループディスカッションが始まったら、まずはファシリテーターが大まかな手順を説明しましょう。
まずは、テーマに沿って話していく中でのゴールとなる部分をメンバー間で共有します。
次に制限時間を確認し、議論・発表にそれぞれ何分使っていくかなどを提案し、全体の同意を得ましょう。
方向性を固めなければ、議論が始まっても着地点が見えてこず、結論をうまく導き出せない場合があります。
円滑に議論を進めるためにはメンバー同士の協力が必要不可欠であるため、流れを説明して同意を得ることは非常に重要です。
なお、グループディスカッションが初めての方もいる可能性も大いにあるので、手順についてもわかりやすく説明することを心がけましょう。
基本的には中立な立場に
議論を進めるうえで、自分の意見や考えを伝えることはもちろん大切ですが、ファシリテーターは基本的に中立な立場を心がけましょう。
最終的にはメンバーの意見をまとめて結論を導き出さなければならないため、中立的な立場に立っておかなければ客観的な結論が出せなくなってしまうおそれがあります。
また、議論中に話が大きく逸れてしまったときや、終わりの時間が迫っている場合には、適度に話を切って次に進めるようにしなければなりません。
賛成や反対といった意見が飛び交う活発な場を作り上げながらも、あくまで中立な立場を意識して立ち回ることは、決して簡単なことではありません。
【グループディスカッションのファシリテーターとは】ファシリテーターはクラッシャーの対応に注意!
グループディスカッションは、必ずしも最初から最後まで順調に議論が進むとは限りません。
なぜなら、時と場合によってはグループディスカッションクラッシャーに妨害されてしまうこともあるからです。
ここでは、具体的にどのようなグループディスカッションクラッシャーがいるのかを、3つのタイプに分けて解説しましょう。
また、それぞれの対応策についても、ここで紹介しておきます。
相手の意見を否定するタイプ
グループディスカッションクラッシャーといえば、相手の意見を何でも否定してしまうタイプがいます。
もちろんグループディスカッションは議論の場なので、必ずしも周りの人が話すことに対して肯定しなければいけないわけではありません。
しかし、ここで問題なのが、否定をするだけして自分なりの意見や考え方を何も出さないパターンです。
単純に人の意見を否定すること自体は誰にでもできるため、自分自身がこのようなグループディスカッションクラッシャーにならないように注意しましょう。
対応策
もし何を話すことになっても否定してくるばかりの人と当たってしまった場合は、必ずその人に対して「では何か良いアイデアや意見はありますか?」と、代案を聞くようにしてください。
そうすれば、相手は必然的に自分の意見を出すことになります。
まだアイデア出しの段階であれば「削るのは一旦あとにしましょう」と言って、進行の妨げをさせないようにしてください。
これでスムーズにグループディスカッションが進むはずです。
時間搾取系
グループディスカッションの参加者の中には、余計なことを言い出してしまう人も少なくありません。
さまざまな議論をしていく中で次々と話したくなるようなポイントは多々あるかもしれませんが、気づいたら主軸から外れて関係のないことを話してしまうと、無意味に時間を使ってしまうだけで終わります。
また、そもそも自分の意見をうまくまとめて伝えられないタイプの人もいますので、ファシリテーターはきちんと見ておかなければいけません。
対応策
もし議論の軸から外れるような発言をした人が現れてしまった場合は、そのまま見届けるのではなく必ず主軸に戻すように促しましょう。
例えば「時間は限られていますので、議論を進めましょう」と伝えることで、関係のない話に脱線することを避けやすくなります。
もちろんその際には、あまり感情的にならずに優しく伝えてあげることも大切です。
そうすれば場の雰囲気も悪くならずに済むため、グループディスカッションを進めやすくなるでしょう。
話を戻そうとするタイプ
グループディスカッションでは最終的に、1つの結論を導き出すことになります。
その中の過程で、おそらく複数の回答が出てくることもあるでしょう。
もちろん話し合っていく中で、その中から少しずつ選択肢を絞ることになると思いますが、突然「やっぱりこっちの方が良いんじゃないかな?」と、話を戻そうとする人もいるかもしれません。
自分の意見を伝えることは大切ですが、一度進んだ議論をまた戻そうとする人が現れた時は、結論に行けずに終わってしまうおそれがあるため注意が必要です。
対応策
もし何度も話を戻そうとする人がいた場合も、必ず「時間が限られているので、ここまで絞った選択肢から答えを導くようにしませんか?」と、優しく声をかけてあげましょう。
特に時間がないことを相手に印象付けることができれば、たとえ納得されなかったとしてもグループディスカッションを最後まで進めやすくなります。
結論に至らずに終わってしまう方が全体として損をしてしまいますので、常に気をつけなければいけない部分です。
状況を冷静に見る力と、リーダーシップが求められるでしょう。
【グループディスカッションのファシリテーターとは】ファシリテーターとして進めるときの注意点
ファシリテーターとしてグループディスカッションを進めていく際は、いくつか気をつけておかなければならない点があります。
議論を取りまとめる代表的な立場でもあるため、自分の行動は選考する企業側はもちろん、メンバーの間でも注目されます。
皆に良い印象を与えるためにも、以下に挙げる注意点には特に気をつけておきましょう。
円滑に議論を進めて良い評価を得るために、ファシリテーターが最低限心がけておくべきポイントです。
他者の意見を真っ向から否定しない
テーマによっては、賛成や反対など意見が分かれる場合もあります。
ファシリテーターはメンバーの意見を聞き入れてそれをもとに議論を進めていくことになるため、真っ向から他者の意見を否定しないように気をつけましょう。
頭ごなしに否定されるのは、話す側からすると決して気分が良いものではありません。
また、全体的に話しづらい雰囲気を作り出してしまい、議論がスムーズに進まなくなる可能性もあります。
考え方や価値観は人それぞれで、反対意見が出るのは当たり前のことです。
お互いの意見をしっかりと尊重し、そのうえで自分の考えを伝えて最終的に良い形にまとめていけるよう、努力しましょう。
そのためには、まずグループ全体の雰囲気を明るくすることが大切です。
独りよがりにならない
ファシリテーターは、グループディスカッションにおけるまとめ役を担う大事なポジションではありますが、だからといって独りよがりの進行をするのは好ましくありません。
自分の意見が絶対なのだと、他者の意見を聞き入れないような態度はNGとなります。
また、他者の意見を痛烈に批判するようなことも控えるべきです。
グループディスカッションでは、リーダーシップや積極性だけでなく、メンバー同士が協力して1つのゴールを目指す協調性も見られています。
独りよがりな行動を取っていると、企業側に「周囲との輪を乱す存在だ」と認識されてしまうことになるでしょう。
そうなると、いくら発言力があったとしても高い評価は得られません。
チームプレイであることを頭に入れ、円滑な議論の場を作るように心がけましょう。
時には強引な方向転換も必要
独りよがりになるのはいけませんが、議論がどうしても行き詰まってしまった場合、折を見て強引な方向転換を決断することも必要になります。
これは、限られた時間の中で意見をまとめ、結論まで出す必要があるためです。
今の方向性で進めていてはらちが明かないと判断した場合は、メンバーにも一言確認を入れたうえで、話題や方向性を切り替えましょう。
最終的に結論を出せなければ、メンバー全員の評価が下がってしまいます。
ゴールへ到達するためには、多少の強引さも必要です。
その一歩を率先して踏み出すのがファシリテーターなので、優柔不断の方は決断力を高めましょう。
「レストランに行ったとき、注文するメニューを10秒で決める」など、日々の訓練次第で決断力は高められます。
おわりに
ファシリテーターは、グループディスカッションにおいて意見をまとめ、より良い結論を導き出すためには欠かせない重要な役割を担います。
上手に役割をこなすためには、コミュニケーション能力はもちろん、時間管理や冷静な対応力といったスキルも求められます。
各メンバーが意見しやすい良い方向へと議論の場をコントロールできれば企業側にも好印象を与えられるため、「適性がある」と考えている方は、一度ファシリテーターとしてグループディスカッションに臨んでみてはいかがでしょうか。