学生が企業で業務体験を行うインターンには、就活を有利に進められるメリットがたくさんあります。
秋から冬にかけてのインターンや早期選考のチャンスをものにするために、長所だけでなく短所も把握して、いざ面接で聞かれた際に効果的に答えられるようにしておきませんか。
そこで今回は、短所を聞かれた際の具体例や効果的な解答例をご紹介します。
ぜひこの記事を参考に、短所を聞かれた場合に備えて、万全の準備を整えましょう。
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【短所一覧 例文付き】短所を聞かれる理由
そもそも、面接官はなぜ短所を聞くのでしょうか。
その理由や意図を理解できていれば、より評価に繋がりやすい対策を講じることができます。
ここでは面接で短所を聞かれる3つの理由について、解説していきましょう。
企業にマッチしているかどうかを確認するため
一つ目の理由は、長所だけでなく、短所も聞くことで応募者の人柄を知ることができ、その人柄が社風にマッチしているかを確認するためです。
社風は企業によって千差万別。
たとえば、「チームで仕事を進める社風」の企業には、「チームプレイが苦手」という短所がある応募者だと、馴染みにくいかもしれません。
逆に「個々に業務を行う社風」の企業には、フィットする可能性が高いと言えるでしょう。
このように応募者の良し悪しではなく、合う・合わないという適性を見極める上で、短所を聞くことは大きな手掛かりとなります。
また応募者視点に立つと、企業の社風を理解した上で、自分の短所を踏まえて適性がありそうか確認することも大切でしょう。
自己理解度を測るため
二つ目の理由は、自分を客観的に理解できているかどうかを確認するためです。
自分を主観的にしか理解できていない場合、大抵はポジティブな長所にしか目がいきません。
仮に、長所と短所が同じ数だけあるとして、長所だけしか把握していなければ、自分自身を半分しか理解していないということになるでしょう。
つまり自分自身への理解を100%へと深めるためには、ネガティブな短所も把握することが必要不可欠となります。
自分の短所にも目を向けるということは、ネガティブな面を直視する精神的なタフさが求められるかもしれません。
言い換えれば、面接官は応募者が短所を把握しようとする胆力があるかどうかを推し測っていると言えるでしょう。
課題解決能力を測るため
三つ目は、短所をしっかりと理解し、改善するための行動をとっているかを確認するためです。
短所は自分の課題とも言い換えることができ、課題を見つけたまま放置している人なのか、それとも課題を解決するために具体的なアクションを実行している人なのかが、評価の分かれ目となるでしょう。
どのような仕事であっても、いつも順風満帆とは限りません。
むしろ、困難な課題も降りかかってくることの方が多いでしょう。
そんなときに課題を客観的に把握・理解し、解決に向けて行動を起こせる姿勢があるかが、面接官が見極めたいポイントとなります。
そのため面接官は、応募者に短所という課題を聞くことで、課題解決能力があるかを確認したいのです。
【短所一覧 例文付き】短所は正直に答えて大丈夫?
とはいえ、短所をカミングアウトすることで、本当に評価に繋がるのでしょうか。
確かに単に自分のダメな部分を暴露しただけでは、誠実さは伝わったとしても、「採用したい」というポジティブな評価に繋がりません。
好印象を持ってもらうには、見方を変えると長所になる短所を答える必要があります。
この点さえ抑えれば、短所を伝えることで正直さと好印象を同時に与えることができます。
ここからは具体的な短所を見ていきましょう。
【短所一覧 例文付き】短所一覧を紹介!
裏返すと長所にもなる短所の中で、代表的なものを一気に紹介していきます。
短所 |
長所 |
||
1 |
我が強い |
→ |
リーダーシップがある |
2 |
没頭しやすい |
→ |
努力家である |
3 |
楽観的 |
→ |
失敗を恐れない |
4 |
頑固 |
→ |
意志が強い |
5 |
マイペース |
→ |
周囲に流されない |
6 |
優柔不断 |
→ |
思慮深い |
7 |
流されやすい |
→ |
協調性がある |
8 |
せっかち |
→ |
先々まで見通せる |
9 |
神経質 |
→ |
責任感がつよい |
10 |
心配性 |
→ |
几帳面 |
11 |
ミーハー |
→ |
情報感度が高い |
12 |
独断的 |
→ |
主体性がある |
13 |
飽きっぽい |
→ |
好奇心が強い |
14 |
面倒くさがり |
→ |
要領が良い |
15 |
理屈っぽい |
→ |
論理的 |
16 |
負けず嫌い |
→ |
向上心がある |
17 |
おおざっぱ |
→ |
包容力がある |
18 |
計画性がない |
→ |
行動力がある |
19 |
慎重すぎる |
→ |
気配りができる |
20 |
気が弱い |
→ |
気持ちを察することができる |
【短所一覧 例文付き】例文3選!
面接で短所を聞かれた際は、企業にマッチしていること 自己理解度が深いこと、課題解決能力があること、これら3点を訴求できる要素を加味して答えることが大事です。
その点を踏まえた上で、どの短所を選択すべきか、またどのようなストーリーでアピールすべきか、面接の場で即席で考えるのは難しいかもしれません。
そのためどのような短所が最適な回答になるのか、またどのようなストーリーでアピールに繋げるか、事前にストーリーをまとめておくことをお勧めします。
そこでここでは、代表的な3つの短所と、それぞれの短所に対応する例文を解説します。
「短所をどうアピールに繋げればいいかわからない」という場合の参考にしてみてください。
我が強い
その場の雰囲気をあえてあまり読まずに自分の意見を主張することで、自分の存在することの価値を証明できると考えているので、周りからはそのように捉えられるのだと思います。
実際に、周囲の意見とぶつかることも、珍しくありません。
ただ、何が何でも自分の意見を通すという訳ではなく、常に相手の意見を尊重するように意識しています。
また、ときには自分の意見を変更することの重要性も、決して忘れません。
社会人として周囲と共同作業を行う協調性を保ちつつも、周囲に流されずに自分の意見をぶつける積極性を持つことで、より良い方向に議論を導けると考えています。
没頭しやすい
たとえば、大学の受験勉強をしていた際、理解しにくい問題や納得できない解答があると、長時間にわたって考え込んでしまうことが多くありました。
突き詰めて考えることで、自分の考えを整理できたり、理解を深めることができましたが、気がつくと日付が変わってしまうことも、しばしばです。
そこでこの短所を改善するために、何かを考える際はタイマーなどを使って、あてがう時間をコントロールしながら、物事に取り組むように心がけています。
御社でも、周囲の状況や時間管理に気を配りつつ、バランス良くスキルアップしながら仕事に取り組んでいきたいと考えています。
楽観的
大学のゼミのとき、論文の課題が多かったのですが、いつも無計画なまま時間だけが過ぎ、提出の締切の数日前になって、慌てて取り組んでいました。
しかし実際のところ、すぐに書き終えられる論文だけではありません。
想定していた以上の調査をしなければならない論文もあり、そのような場合、提出の締切の前日、徹夜を強いられたこともあります。
私はこの短所を改善するために、少しずつではありますが、論文の執筆に必要な時間を早めに見積もり、締切に余裕を持って間に合うように進めることを心がけるようになりました。
その結果、今では前もって計画を立てることで、締切に遅れることがないようになりました。
【短所一覧 例文付き】短所の見つけ方
自分の短所を効果的に企業に伝えるためには、まず自分自身の短所を正しく把握し、面接に活用できるように、整理しておく必要があります。
どのように自分の短所を見つけるのか、具体的な方法を3つ、解説しましょう。
失敗経験を思い出す
すぐに自分の短所が思いつかない方であっても、過去の失敗談であれば、思い出すことは誰もが簡単に実践できるのではないでしょうか。
まず、自分の過去から現在までの失敗体験を、時系列に並べて書き出してみてください。
そして、「なぜ失敗してしまったのか」「どのような傾向が読み取れるのか」を、全体を俯瞰して考え、自分の言葉で言語化してみましょう。
そうすると、いくつかの失敗談に共通した理由や背景が観察できると思います。
それがまさに、自分に足りないものであり、自分の短所に繋がっているのです。
また、整理した失敗談は、そのまま短所の理由を話す際の具体的なエピソードとして活用できるので、まさに一石二鳥と言えるでしょう。
他己分析をする
短所は特に、自分自身で客観的に分析することが難しいと思います。
そのため、自分だけで考えるのではなく、周りの人に自分がどういった人なのかを教えてもらう「他己分析」が、もう1つの効果的な方法でしょう。
他己分析をすることのメリットは、弱みや改善すべき点の発見に繋がる点です。
具体的には、自分のことを知っている他者に、自分の改善した方がいいと思う点を聞くことで、客観的な短所を把握することができます。
その際、親や仲の良い友人だけでなく、知り合いにもお願いしてみましょう。
そうすることで自分との距離感の違いによって、教えてもらえる短所がどう違うのかも理解することができるでしょう。
長所を言い換える
長所から短所を考えることは、短所を見つける上でとても有効な方法です。
なぜなら、短所の回答から最終的にポジティブな印象に繋げることが、面接において重要と言えるからです。
また長所と短所を言い換えてアピールするメリットとして、回答に一貫性を持たせることができるという点も見逃せません。
たとえば「慎重に物事を進める」という長所を言い換えて、「決断力が欠けている」という短所にすると、面接官にどのような印象を与えるでしょうか。
「ときには決断力に欠ける場合があるが、慎重な性格が強みである」といった信頼できる人物像がイメージできます。
どうしても短所が見つからない場合は、長所から考えて言い換えるのも良いでしょう。
ツールを利用する
他の方法として、長所・短所診断ツールなどを利用すると、短時間で自己分析をすることができ、簡単に短所も見つけることができます。
最近の診断ツールはデータが豊富なので、高い精度で長所・短所を診断できるようになっているのをご存知ですか。
注意点としては、できる限り複数の診断ツールを使用するということです。
診断ツールはそれぞれ特徴がありますし、利用する自分自身もその日の気分によってツールへの回答が変わるかもしれません。
そのため、複数の診断ツールを異なるタイミングで利用してみて、複数の結果に共通して出てきた短所を面接で使うのがおすすめです。
ただし、診断ツールの結果は、あくまで参考程度とするのが無難でしょう。
【短所一覧 例文付き】短所の効果的な伝え方
短所は、伝え方次第で高い評価に繋がります。
一方、伝え方を間違えてしまえば、面接官にネガティブな印象を与えてしまいかねません。
そこでこのパートでは、短所の効果的な伝え方のポイントを4つ解説していきます。
PREP法を用いる
PREP法は文章を構成する「型」の一つであり、以下の4つの要素の頭文字をとって名付けられています。
・Point(結論)
・Reason(理由)
・Example(具体例)
・Point(結論)
PREP法の大きな特徴が、最初に結論を伝える点と言えるでしょう。
最初に結論を示すことで「何を伝えたいのか」がクリアになり、情報の受け手を引き込みやすくなります。
続いてその結論に至った理由を説明し、理由に説得力を持たせる具体例を提示します。
最後にまとめとしてもう一度結論を述べることで、より理解しやすくなります。
短所に関わらず、自己PRやガクチカなど、就活ではすべてにおいてPREP法を意識して伝えることが大切です。
具体的なエピソードを盛り込む
相手にわかりやすく伝えるためには、具体的なエピソードを盛り込みましょう。
自分が伝えたいことの根拠となるエピソードは、自分の経験や数字など具体的であればあるほど、説得力が増していきます。
どんなに素晴らしい意見でも、説得力がなければ相手には響かないでしょう。
またエピソードを伝えるときは、当時どう考え、どのような行動を起こし、結果どんな学びがあったかを含めてみましょう。
過程を詳細に説明すれば、エピソードの具体性が高まります。
感情が動いた場面があれば、どう感じたかも加えると、より価値観が伝わります。
またエピソードは直近の方がより記憶に残っていて詳細に思い出せるので、極力大学時代のものから選びましょう。
改善に向けた行動を伝える
単に短所を伝えるだけでは意味がなく、面接官に課題解決力のある学生であるという印象を残せません。
短所とセットで、短所をどう改善しようとしているのか、ポジティブに伝えましょう。
たとえば、短所が「心配性」の場合、具体的なエピソードが「細かい部分が気になり過ぎてしまう」だとします。
その場合、「物事に取り組むときは、時間配分を事前に決め、確認項目を作成して、確認作業の時間がかかりすぎないよう、心がけている」とまとめることで、短所をどうやって改善しているのかを伝えることができます。
そうすることで、「自分の短所を恐れずに直視して、より良い方向に変えていこうと努めている」としてプラス評価に繋がるかもしれません。
長所に変換できるものにする
短所の中には、長所のアピールへと繋げられる可能性を秘めたものがあります。
就活においては、企業側にポジティブな印象を持ってもらうことが重要なので、長所に変換できる短所を選ぶようにしましょう。
たとえば、「優柔不断」という短所も、見方を転じると「慎重に判断ができる」や「たくさん情報収集ができる」など、ポジティブに長所に言い換えることが可能です。
また、長所に変換できる短所を選ぶと、自然と話に一貫性が生まれ、企業側にとって納得感のある回答になりやすいのもメリットです。
また長所とセットで短所を考えることで、自身のメンタル面への負担を軽減することができ、モチベーションを保つ好循環も期待できるかもしれません。
短所に関する回答についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
【短所一覧 例文付き】短所を伝える際の注意点
面接は自分をアピールする場。
短所を説明するときは、伝え方だけでなく、そもそもどのような短所を選択すべきかも慎重に吟味して説明することがポイントです。
面接でネガティブな評価をされないように気を付けるポイントを3つ、紹介します。
仕事に無関係の短所は避けよう
仕事に全く関係のない短所を答えるのは、やめておきましょう。
たとえば「足が遅い」「食事の好き嫌いが多い」などを答えても、企業はあなたが自社の求めている人材としてマッチするかどうかを判断できません。
企業がなぜあなたの短所を聞くのか、その理由・背景を改めて確認してみましょう。
企業は、自社が求める人材像とマッチしているか、困難に直面したときに課題を解決できる素養があるかを見極めようとしています。
短所を尋ねる意図を察することができれば、仕事に直接的に関連しない短所を説明しても、企業のニーズを満たせないでしょう。
仕事に無関係の短所を答えてしまうと、企業の意図を理解できておらず、十分な自己分析ができていないというマイナスの印象に繋がりかねません。
企業に合っていない短所は避けよう
企業は、応募してきた人が、自社で活躍できるかどうかを面接で確かめています。
求める人物像から外れてしまうような短所は、避けましょう。
たとえば、企業は細かく、正確な作業ができる人を求めているとします。
それに対して、短所が「細かい作業が苦手」「計画性がない」などと答えてしまうと、求めている素養がないという評価になり、採用候補から外されてしまいます。
また、協調性を重要視している企業であれば、人の意見を聞かない調和性のない人は採用しません。
企業の社風や求める人物像、仕事を進める上で必要な適性などをしっかり理解してから、どのような素養が必要かを考えた上で、マイナスにならない短所を選ぶのがポイントです。
致命的な短所は避けよう
人として採用リスクありと判断されてしまうような、致命的な短所も避けましょう。
たとえば、「嘘を平気でつく」「ギャンブルが好き」「遅刻癖がある」などといった、社会人としての信用を失うような短所は、単にマイナスの印象を与えてしまうだけなので、避けた方が懸命です。
企業は、業務に支障が出そうな人材を、わざわざ採用したいと思いません。
そもそも、自分にとって一方的に不利な情報を不用意に相手に伝える姿勢は、そもそもビジネスパーソンとして望ましくありません。
採用担当者に限らず、「この人とは一緒に働きたくない」と思われてしまう可能性が高いので、本当にそのような短所がある場合は、社会人になる前に直しておきましょう。
まとめ
今回は、短所を聞かれた際の具体例や効果的な回答例について、短所の見つけ方などを交えてご紹介しました。
短所のようなネガティブな質問は、面接で最も回答が難しい質問のひとつと言えます。
短所も自己アピールのチャンスということを理解し、企業が求める人物像を把握した上で、ふさわしい人材であることを訴求できる短所を準備しましょう。
ぜひこの記事を参考に、企業に即した短所の用意と効果的な伝え方を練り上げてください。