就活でエントリーシートを作成する際、必ずと言って良いほど聞かれる項目がガクチカです。
アルバイトなどで履歴書を書いたことがある人であっても、ガクチカは就活で初めて書くという人がほとんどでしょう。
そのため、どのような経験をピックアップしたら良いのか悩む就活生は多いです。
この記事では、エントリーシートでのガクチカの書き方について例文を交えて紹介しています。
まだガクチカを見つけていない人やエントリーシートの提出を控えている人はぜひ読んでみてください。
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- エントリーシートのガクチカの書き方
- ガクチカの構成について
- ガクチカの例文
- ガクチカの書き方を知りたい人
- エントリーシートを書いている人
- ガクチカの例文を知りたい人
目次[目次を全て表示する]
【ガクチカの書き方】ガクチカとは
ガクチカは「学生時代に力を入れたこと」の略称です。
エントリーシートの提出を義務付けている企業は数多くありますが、そのほとんどの企業で聞かれる項目でもあります。
エントリーシートは、そもそも企業に選考を受ける意思があることを表明し、自分について知ってもらうための書類です。
企業の採用担当者は、選考を進めるにあたって志望者の考え方や人となりを知りたいと考えています。
ガクチカは、エントリーシートの中でも「何に力を入れたのか」「どうして力を入れようと思ったのか」「どのような経験から何を学んだのか」といった観点から志望者の考え方について読み取りやすい項目です。
そのため、ガクチカを書くときは単なる自慢話や世間話の枠を超え、自分がどのような人物だと知って欲しいか考えながら書く必要があります。
自己PRとの違いは?
ガクチカと同様、就活における頻出質問として挙げられるのが「自己PR」です。
ES、面接どちらにおいてもよく聞かれるこの2つは混合しがちです。
ガクチカと自己PRの大きな違いは、アピールするべきポイントが異なる点です。
ガクチカは「学生時代に力をいれたこと」を述べ、その取り組みにおける目標や課題、また苦労の乗り越え方や成長したことを主にアピールします。
一方で自己PRはあなたの「強み」をアピールします。
その強みがどんな場面で活かされたのか、また今後どのように活用していくのかを述べます。
例えば学生時代に力を入れたことが部活動であり、強みが活かされた場面も部活動である場合、エピソードが重複してしまいますが、アピールする点が異なるため、文章としては大きく異なるものが出来上がります。
全く同じエピソードを述べるよりも、様々な場面のエピソードを用いることをおすすめしますが、まずはこの2つの違いを明確に把握したうえで、ガクチカ・自己PRを作成しましょう。
ガクチカは再現性が大切
自己PRとの違いを説明するうえで述べたように、取り組んだ内容を伝えるガクチカですが、意識するポイントとして重要なのが再現性です。
ただガクチカを発見し、ESに書くだけでは選考に通過できません。
企業は学生時代に力を入れたことから、「その経験が入社後にどのように活用できるのか」つまり再現性を確認しています。
再現性とは、過去の経験や成果が今後の職務においても再び実現できる可能性があるかということです。
例えば、大学時代に野球部のキャプテンとしてチームを優勝に導いた経験がある場合は、「チームの意見をまとめた経験を活かして、プロジェクトマネジメントにおいても同様にリーダーシップを発揮し、貢献したい」などと説明しましょう。
【ガクチカの書き方】なぜガクチカを聞かれるの?
なぜ、企業の採用担当者はガクチカについて聞いてくるのでしょうか。
様々な意図が存在し、企業によっても異なる場合はあります。
しかし、どのような企業においても以下の2点は意識している可能性が高いといえます。
これから紹介する2つのポイントがうまく伝わるような回答を作成しましょう。
人柄は自社にマッチしているか
学生時代に取り組んでいた活動を聞くことで人物像がイメージでき、その人柄が自社とマッチしているかを評価しています。
周りの人との関わり方や目標に対する姿勢、モチベーションなど様々な角度で人柄が判断され、入社後に社風になじむことができるかどうかを見られていることを把握しておきましょう。
そのため事前に企業分析を丁寧に行い、どのような人が活躍をしているのか、社内ではどう人間関係を大切にしているのかなど細かい情報を頭に入れておくことが重要となります。
どんな仕事に打ち込めそうか
企業の採用担当者はガクチカを通じて、就活生がどのような仕事に打ち込めそうかを確認しています。
ガクチカは過去に自分が何に熱心に取り組んできたかを示すものであり、これを通じて企業は、就活生が仕事に対してどのようにモチベーションを維持し、打ち込めるかを確認しています。
仕事においても同様の情熱とエネルギーを発揮できるかどうかは、企業にとって重要な判断材料です。
目標達成に向けた計画の立て方やチームでの協力方法、困難に直面した時の対処法などが企業が理想としているものと一致している場合、高いモチベーションを維持して仕事に打ち込めると判断してもらえます。
モチベーションの維持方法やそのモチベーションが仕事と同様にマッチするか、具体的に説明することも大切です。
自分の経験や成功体験を元に、目指している職種や企業でどのように貢献できるかを具体的に述べるようにしましょう。
企業でそれを活かして活躍できるか
企業でガクチカを活かして活躍できるかどうかを確認したいと考えて、学生時代に力を入れたことについて聞かれている場合も多いです。
企業側は就活生が過去にどのような困難を乗り越え、どのように成果を出していたかを知ることで、その経験が今後どのように活用できるかを評価します。
ガクチカを書く際にはその経験が具体的にどのように企業での業務に貢献できるかを明確にすることが大切です。
例えば「大学時代に新しいサークルを立ち上げ、メンバーを集めて活動を成功させた」という経験がある場合は、その経験を通じて培ったリーダーシップや組織運営能力を強調しましょう。
これにより企業側は就活生の適応力と即戦力としての可能性をより感じられます。
【ガクチカの書き方】ガクチカはどう見つけるべきか
ガクチカを書くためには、まず「何に」力を入れたのかを伝えることがファーストステップとなります。
すなわち、自分のガクチカを見つけなければなりません。
そのためには、過去の経験を洗い出して自分がどう感じたか深掘りする自己分析が重要になります。
ガクチカそのものは他の志望者と被ることもあるものの、自己分析がしっかり行えていれば自分の考え方の変遷や努力の方向性などから内容を差別化できるでしょう。
まずは、書き方の前にガクチカの見つけ方について詳しく紹介します。
学生時代を振り返ろう
ガクチカを見つけるためには、まず自分の学生時代について全体的に振り返る必要があります。
自分がどのような集団に属し、その中でどう活動していたか、具体的にリストアップしてみましょう。
そして、その活動の始点から終点までの期間を書き出し、どれくらいの間関わっていたか比べてみるのがおすすめです。
よくガクチカとして選ばれる経験には、部活、サークル、アルバイト、長期インターン、留学、学業などがあります。
学生の生活に密着しているこれらの経験について、自分が主体的に行ったことを中心にチェックしていきましょう。
部活
学生時代の経験として、部活動を挙げる学生は非常に多いです。
多くの部活は活動曜日が決まっており、決められた時間の中で年間の、あるいはもっと短い期間の目標を達成するよう努力する経験が多いでしょう。
そのため、この経験を使えば精神的、肉体的なタフさを企業の採用担当者にアピールできます。
また、その部活がチームスポーツであれば、集団行動がメインとなります。
従ってメンバーと一緒に目標に立ち向かい、達成するための協調性などもアピールできる経験です。
スポーツでなくとも他者と関わりながら活動するケースが多く、コミュニケーション能力を示すのにも向いています。
忍耐力や継続力など、個人で努力を続ける力のアピールにも適している経験と言えます。
サークル
サークルは部活とも似ていますが、より学生主体で行われることの多い活動です。
そのため、そういった学生主体の組織の中でどのような役割を果たしたのかを話すと効果があります。
学生主体で活動できる組織であることは、自分が主体的に動けるチャンスも多い組織でもあるのです。
従って、サークル活動を例に挙げておきながらあまり主体的に活動した形跡がないと、ガクチカとして不十分だと判断される可能性もあります。
具体的な役職や、サークルの維持・活動のために自分が果たした役割などを、そのサークルの外側にいる人にも伝わるように描写しなければなりません。
リーダーシップや協調性など、人とのコミュニケーションに関わるアピールに適した経験です。
アルバイト
エントリーシートのガクチカとして、アルバイトの経験を選ぶ就活生も多いです。
アルバイトは、学生の身分でありながら金銭を受け取って仕事をする経験であるため、一種の社会人としての下積みとも考えられます。
従って、アルバイトとして仕事をした経験が、志望先に入社して社会人となるにあたりどのように活かせるのかについても話せるでしょう。
論理的に課題を解決する力、協調性、コミュニケーション能力、傾聴力、効率良く業務を進めるための力など、具体的な業務において発揮できる学びやスキルを示せる経験です。
ただし学生の本分は学業であるため、アルバイトに明け暮れてそちらを疎かにしていると捉えられないよう慎重に描写する必要があります。
長期インターン
より社会人としての下積みの印象が強いのが、長期インターンの経験です。
同じように仕事を行うアルバイトと比べても、正社員と似た役割を持って業務にあたるインターンのほうが社会人としての活躍イメージを持ってもらいやすい経験となります。
また、アルバイトを行っている学生は多いものの、長期インターンにも手を出している学生数は少ない傾向にあるため、他の志望者との差別化も狙えるでしょう。
志望先での長期インターンの経験を使用すれば、すでに自社でどのような業務を行うのかを知っている志望者になるためより大きなアドバンテージがあります。
一方で、短期インターンの場合は長期インターンのようにしっかり仕事を任されることが少なく、説明会や簡単なレクリエーションで終わる可能性が高いためガクチカには向きません。
留学
外資系の企業など、業務において外国語のスキルを必要とする企業を志望する就活生は留学の経験をガクチカに選ぶ場合も多いです。
留学は、自分がこれまで過ごしてきたものとは異なる文化の中で生活する経験でもあるため、言語面だけでなく新しい環境で努力できる人だという印象も持たれやすいでしょう。
また、留学後の語学の成績を通じて、客観的に成果を示すことも可能です。
逆に言えば、留学の経験があるにもかかわらず、留学先の言語があまりしっかり習得できていない場合「この人は結局何を学んだんだ」という印象を持たれてしまい、マイナスのイメージにつながるため注意しなければなりません。
さらに、あまりに短期間の留学だとほとんど観光と変わらない印象を持たれる可能性があります。
学業
学生の本分は学業であるため、学生時代に打ち込んだ研究などをガクチカとして挙げる学生もいます。
ただし、こういった研究は個人での活動になることが多く、コミュニケーション能力や協調性のアピールが難しいです。
そのため、ゼミや研究室での共同作業など、チームでの経験も他に持っておくと安心できます。
また、研究内容などを説明する際、専門用語を多用すると採用担当者には伝わりにくい可能性が高いです。
説明時に専門用語を使わないよう、平易な表現で伝わりやすい文章を書くよう心がけましょう。
なお、同じ学業であっても「毎日授業に出席する」「課題を遅れずに提出する」など「できて当たり前のこと」を選ぶのはあまり適切ではありません。
基本的なことをわざわざ取り上げることは、つまり普段はできていない可能性があると疑われてしまうため注意が必要です。
【ガクチカの書き方】エピソードを選ぶ際のコツはなにか
上記のようにガクチカのテーマにできるものは多く存在します。
実際にガクチカを書くうえで、どのような基準でエピソードを選ぶべきなのでしょうか。
複数の経験がある場合、1つに絞る必要があり、何を選ぶべきか迷う就活生は多くいます。
そんなときに基準となるポイントを以下で紹介します。
印象的な経験を書き出す
ある程度経験の種類を絞れたら、次はその中でもとくに印象深い経験を選んでみましょう。
どのような点が印象に残ったかは、その経験や考え方によって異なります。
その中身を突き詰めれば、どうしてその経験を選んだのか、そこから何を学んだのかを書く手掛かりにもなるはずです。
基本的には、長く携わった経験、役職や役割を持って主体的に関わった経験、他の人がしていないような珍しい経験などに分類できます。
自分の経験がどれに当てはまるのか考えながら、ガクチカを選んでみましょう。
最も時間を費やした経験
ガクチカとなる経験を選ぶ際の基準の1つは、その活動に携わった期間の長さです。
一般的な尺度では、関わる時間が長いほど力を入れた経験として認められやすい傾向にあります。
同じことを長い間続けるのは、それだけ難しいことだからです。
また、長い時間を費やしたことで、そうでない人に比べてさまざまな経験やスキルが身についていることでしょう。
「ただ続けただけだから」と、自分では大したことがないと思っている学生は案外多いです。
しかし、継続すること自体難しいことであるため、他人が驚く程長く続けた経験がないか探してみると良いでしょう。
大学時代だけでも継続している経験があれば、十分ガクチカとして活用できます。
一方、そこまで長期間でなくとも集中して成果を上げた経験であれば、ガクチカとして認められるケースも多いです。
役職に就いて活躍した経験
主体性やリーダーシップについて強くアピールしたい場合は、自分が役職として働きかけた経験を用いると良いでしょう。
たとえば、部活の部長やアルバイトのリーダーなどの経験です。
名前のある役職に就いた経験があれば、周りの人を動かすだけの能力や人望、スキルが身についていると判断される傾向にあります。
ただし、役職に就いたことそのものをアピールするのではなく、どのような過程で就いたのか、その役職としてどのように貢献したかを思い出してみましょう。
たとえば、同じ学年の部員のまとめ役になることが多かったために部長として推薦された、など具体的でわかりやすい理由があると納得しやすいです。
アルバイトリーダーとして売上が落ち込んでも周りを鼓舞し、具体的な解決策を考えて実行した、といった経験なども使えます。
珍しい経験
徒歩での日本縦断や、廃材を使ってのクラフトワークなど、規模の大小はあれど人とは違う珍しい経験をしてきた人もいるでしょう。
他の人が経験していないであろう経験は、それだけで他の志望者との差別化になります。
単にそのような経験をしたという説明だけで終わらず、なぜその経験をしようとしたのかなど振り返ってみましょう。
あなた自身の主体性や、考えたことを実行に移すための行動力がアピールできます。
ただし、そのような珍しい経験や人目を惹くような華々しい成果がなくとも、自分の考え方や感じたことを具体的に描写できれば差別化を達成できる可能性が高いです。
奇をてらった経験にこだわるのではなく、自分らしい考え方が最もよく出ている経験を選ぶのも1つの方法と言えます。
企業にあった経験を選ぶ
単に珍しい経験、自分が頑張ったと感じる経験だけでなく、企業にあった経験を選ぶことも重要です。
企業は、必ず就活生に「求める人材像」を何らかの形で掲示しています。
パンフレットや企業のホームページなど、誰でも確認できる形でそういった情報が公開されているため、ガクチカ選びの前にしっかり確認しておきましょう。
求める人材像や実際の業務とかけ離れたアピールをしても、企業の採用担当者には響きません。
社風や仕事内容、企業理念などをもとに、適した経験を選びましょう。
社風
ガクチカを選ぶ際は、志望先の社風を参考にするとマッチ度の高い経験を選べる可能性が高いです。
個人主義やチーム体制での仕事、主体性のある取り組みや流れ作業の徹底など、実際の社内の雰囲気に合うようなエピソードを選んでみましょう。
社員の人柄や仕事の進め方などを事前にリサーチしておくと選びやすいです。
OBOG訪問やインターン、働いている人の口コミを集めたサイトなど、社内の雰囲気がわかる手段や媒体はどんどん活用しましょう。
大学のキャリアセンターや、就活エージェントのアドバイザーに相談すると、企業の内情について情報がもらえる場合もあります。
個人で仕事を行い、主体的に発言するのがメインの企業で協調性のアピールをしても響かないため、社風とアピールしたい内容の相性については十分吟味しましょう。
仕事内容
志望先の社風だけでなく、実際の仕事内容に合わせたガクチカを選んでみるのもおすすめです。
自分がやりたい仕事に合わせて、どのような経験やスキルが必要か逆算して選びましょう。
たとえば、営業系の仕事に就きたいのであれば顧客や取引先と円滑にやり取りするためのコミュニケーション能力や、契約をもぎ取ってくる主体性が欠かせません。
技術職の場合は、課題を解決するための論理的思考力や業界ごとの専門技術、プロジェクト達成のための計画性などが必要です。
広告業界やデザイナーといったクリエイティブ系の仕事であれば発想力など、新しいものを創造する力が求められます。
このように、仕事の内容によってアピールするべきポイントは千差万別です。
その経験から何がアピールできるか、その仕事のために何をアピールすべきかを組み合わせて考えましょう。
企業理念
社風や仕事内容でピンと来ないようであれば、明文化された企業理念をもとにガクチカを選んでみましょう。
多くの企業が、求める人材像のように自社の理念を紙面やWEB上の媒体に掲載しています。
そのような企業理念は、企業の価値観が表れている言葉です。
そのため、企業理念に合った人材であるとアピールすることは、企業と志望者との相性をアピールすることにつながります。
従って、企業理念と同じ考え方で行動できることを示す経験をアピールするのもおすすめです。
企業に合わせたガクチカを選べればマッチ度や志望度のアピールに大きく寄与しますが、逆にまったく当てはまらないとリサーチ不足としてマッチ度を疑われたり、他の企業でも良いのではと思われる原因になったりするため注意しましょう。
【ガクチカの書き方】ガクチカのテンプレートを紹介
ガクチカを書く際は、文章の構成にも気を配る必要があります。
構成は、その文章を読みやすくし、内容が頭に入りやすいよう整理するうえで重要な役割を持つものです。
ガクチカの場合、力を入れた活動、その中で現れた課題、解決のための施策、結果、学び、経験を入社後にどう活かすかの順に書くとわかりやすくなります。
つまり、結論、実際の経験と学んだこと、企業に貢献できることの順に説明していくのがおすすめです。
力を入れたこと
まず、ガクチカ全体の結論として力を入れた活動を冒頭で述べます。
これまでの経験の内、とくに力を入れたことの概要を説明しましょう。
これを真っ先に持ってくることで、読み手はこの文章の要件が何なのかを把握できます。
逆に、この部分で経験の中身の説明を始めてしまうと何について話しているのか掴むのに時間がかかってしまい不親切です。
企業には数多くのエントリーシートが送られてくるため、採用担当者は効率良く志望者の情報を知りたいと考えています。
だからこそ、まず文章全体の概要で何を話すか理解してもらってから中身を説明したほうが、本当に伝えたいことが伝わりやすいのです。
「私が学生時代に力を入れたのは、○○の経験です」など、なるべく簡潔に結論を伝えましょう。
課題
次に、ガクチカの中で解決しなければならなかった課題について説明します。
その経験で取り組んだ課題について、どうしてその課題が発生したのかなど背景を含めて説明しましょう。
ガクチカは経験からの学びや考え方の変化が重要な項目であり、これを表現するために最も使いやすいのが困難の表出とその解決です。
アルバイト先の売上が落ちた、部活でいざこざが発生した、研究中にトラブルが発生したなど、ガクチカの経験に合わせて実際にあった課題を説明しましょう。
この後のパートでスキルや学んだことをアピールするためにも、しっかり解決できた課題やそうでなくとも明確な反省点があり、次はどうしたら良いか理解できているものを選ぶ必要があります。
施策
実際に発生した課題について説明したら、次はその課題に対して自分がどのような施策を打ったのか、なぜその施策を打とうと思ったのかなどを説明しましょう。
課題に対しどのように対応しようとしたのかは、論理的な思考能力の有無やその人の価値観に関わります。
そのため、面接などでも深掘りされる可能性が高いです。
文章として書く際にまずしっかり自己分析を行い、自分がどうしてその解決策を講じようと思ったのかを理解しておきましょう。
仮に文章だけ書けたとしても、面接で深掘りされたときにしっかり答えられないと、採用担当者から「嘘をついている可能性がある」と判断されかねません。
そうなるとガクチカどころかエントリーシート全体の信頼性が落ちてしまうため気を付けましょう。
結果
課題に対する施策を書いたら、どのような結果になったのか最後まで書く必要があります。
自分が取った行動にはどのような意味があったのか、きちんと効果があったのか分析できていることを示さなくてはなりません。
その施策を通じてどのような結果を得たのか、具体的に説明しましょう。
とくに多くの人にとってわかりやすいのが、数字を用いた表現です。
落ちた売上を○○円まで上げられた、大会で○位をとったなど、数字が書かれていればその経験、その分野に詳しくない人でも結果を理解しやすくなります。
結果が書いていないと「講じた施策に意味がなかったのでは」「どのような影響があったか理解していないのでは」といったマイナスの評価を受ける可能性があるため、気を付けましょう。
学び
課題に対する施策の結果まで書けたら、この経験全体を通して学んだことを書きます。
経験に対する学びは、きちんとその経験や自分自身について振り返られる証拠です。
そのため、学びを入れれば入社後もことあるごとに自分を振り返ることのできる人材だとアピールできます。
また、同じ経験から何を学び取るかは人によって異なるため、この部分はガクチカをさらに差別化するためのチャンスです。
自分なりに経験を通して学んだこと、培ったスキルを書き、ガクチカによって成長したことを印象付けましょう。
次に同じ失敗を起こさないためにどうするか、あるいは解決しきれなかった部分はどうすれば良かったかなど、反省点をピックアップするのも効果的です。
入社後にどのように活かすか
ガクチカの最後は、経験や学んだこと、培ったスキルなどを入社後どう活かすつもりでいるか書いて締めます。
これを述べることで、企業でも活躍できる、再現性のある経験であることをアピールできるでしょう。
ガクチカは単なる世間話や自慢話ではないため、その経験がどう役に立つものなのかを伝える必要があります。
「この経験を活かして、貴社への入社後も○○という形で貢献できると考えております」「この経験で学んだ○○から、貴社の業務に□□として携わりたいと考えております」といったように、自分がどう貢献できると考えているのか書きましょう。
この部分が企業の求めている人材像や社風、企業理念などと一致していないと、マッチ度が低いと判断される可能性があるため注意が必要です。
【ガクチカの書き方】書く際は何に注意するべきか
エントリーシートにガクチカを書く際は、ある程度守ったほうが良い注意点も存在します。
留意すべきなのは、エントリーシートが企業に提出する正式な書類の一種であることです。
企業の採用担当者はこの書類を見て面接に進ませるかを判断するため、惰性で書いても上手くはいきません。
誰かに読ませるための書類であること、選考に関わりあなた自身の印象を左右する項目であることを意識し、自分の経験に基づいたガクチカをわかりやすく書く必要があります。
結果よりも過程重視で書く
ガクチカを書く場合、結果よりも過程を重視して描写する必要があります。
自分の経験を深掘りするにあたって、華々しい結果や人と違う成果がなければいけないのでは、と思っている学生は多いです。
しかし、実際にガクチカで大切にされるのは、残した結果よりもどのような経験をしてきたか、その過程でどのように考えて行動したかという部分になります。
もちろん結果や成果も大事ではありますが、基本的にはその結果までに志望者がどのような行動をしてきたかも知りたいと企業は考えているのです。
これは、ガクチカに現れる行動から人柄を知ることを狙いとしているためでもあります。
自分がどのような価値観と人柄を持った人物なのか伝えることを念頭に置いて過程を描写しましょう。
専門用語は使わない
ガクチカを書く際、専門用語はなるべく使用しないよう気を付けましょう。
専門用語は、その分野に詳しい人同士でしか伝わらない場合が多い単語です。
そのため、専門用語を使うと多くの人にとって理解が難しい文章になってしまいます。
自分の就きたい仕事と企業の業種が合致している場合でも、人事の担当者がその分野に精通しているとは限りません。
ある程度の知識はあっても、専門性が高すぎる話になると理解するのに時間がかかる可能性があります。
どうしても専門用語を記載しなければならない場合は、わかりやすい説明も付け加えるようにしましょう。
文章がわかりにくくないかどうかは、家族や友人、大学のキャリアセンターの職員など、第三者にチェックしてもらうと判断しやすいです。
嘘をつかない
ガクチカを書く際にとくに気を付けなければならないのが、嘘をついてはいけないことです。
ガクチカに使える経験がないと焦るあまり、聞こえの良い経験や企業に合わせたエピソードを捏造する就活生が一定数います。
しかし、相手はこれまでに多くの就活生の相手をしてきたプロです。
そのため、嘘の経験を書いても大抵はバレてしまいます。
運良くエントリーシートの書類選考は通過できても、面接で顔を合わせて深掘りをされた際にボロが出てしまう可能性が高いです。
嘘がバレた場合、あなたの信用は失墜し、採用の可能性はガクッと下がってしまいます。
また、企業とのミスマッチも起きやすくなってしまい、入社後の後悔や早期離職にもつながるため自分のためにもならないと覚えておきましょう。
【ガクチカの書き方】エピソード別の例文を紹介
ここからは、学生時代の経験をもとにしたガクチカの例文を6つ紹介します。
それぞれ部活、サークル、アルバイト、留学、長期インターン、ゼミ活動をテーマに学生時代に力を入れたことを書いているため、例文を見ればある程度どのように文章を書いたら良いかがわかるでしょう。
ここに掲載されている内容は一例に過ぎないため、実際には自分の経験をもとにエピソードや文章を考える必要があります。
具体的な例を確認して、書類作成の足掛かりにしましょう。
学業
特に卒業研究に力を入れ、地域経済の活性化に関する研究を行い、地元の企業や自治体と連携してデータを収集・分析しました。
当初は研究がなかなか進みませんでしたが、大学で学んだ統計学の手法でデータを分析することで、データを最大限に活用できるようになりました。
この経験を通じて学んだことは、データ分析能力とチームワークの重要性です。
データ分析においては、東経ソフトを駆使して大量のデータを処理し、信頼性の高い結論を導き出すスキルを習得しました。
また、チームメンバーと意見を交換し、協力して目標を達成することで、コミュニケーション能力やリーダーシップも向上しました。
貴社でもデータに基づいた分析力を発揮し、経済動向を正確に把握することで企業の戦略立案に貢献できると考えています。
部活
試合のときにシュートの打率が安定せず、得点を逃すケースが多くて悔しい思いをしたのがきっかけです。
そこで「1か月ごとに練習で何本のシュートを決める」という目標を設定し、月ごとに目標本数を増やして個人練習に打ち込みました。
その結果、大学生活最後の試合では誰よりも多くのシュートを決められ、大会でも優勝できました。
この経験から、小さな目標から積み重ねていくことで着実に成長できることを学びました。
貴社への入社後も、まずは小さな目標の設定からはじめ、その目標を達成するにはどうするべきか、次はどのような目標を設定すべきか考えながら、業務に携われる範囲を広げていきたいと考えております。
サークル
私が所属していた天体観測サークルでは、新入生歓迎会の後の入部者数が少ないことに悩んでいました。
このままではサークルの存続が危ぶまれると判断し、これまでのパワーポイントを用いた部活紹介から、サークルのメンバーを説得して集めた費用で購入した家庭用プラネタリウムによる会場への投影に出し物を切り替えました。
結果的に新入部員が例年の3倍以上に増え、無事にサークルを存続させられるようになりました。
この経験から、困難な現状を打破するためには時に既存のやり方を大きく変えること、そしてそのためにメンバーの協力を取り付けることの大切さを学びました。
貴社への入社後も、課題解決のために本当に必要な手段は何かを考え、時にはチームで一丸となってチャレンジすることで業績に貢献したいと考えております。
趣味
特にビジネス書や経済書に加え、歴史書や文学作品など、幅広く読みました。
大学4年間、年間100冊以上の本を読み、その内容をブログにまとめました。
ブログでは、本の要約だけではなく、自分の考察や現実の問題への応用方法も記載しました。
これにより内容をアウトプットでき、さらにブログを読み返すことで、スムーズに学んだ内容を復習できるようになりました。
この経験を通じて、学びを迅速にアウトプットする能力を身につけました。
貴社においてもこの能力を活かし、学んでは実践し、また学ぶというサイクルを呼応側で回し、1年後には主軸として貢献できる人物を目指します。
アルバイト
学生時代に働いていた飲食店では食券制度を導入していたのですが、液晶タイプの新しい機会だったため年配のお客様から「使い方がわからない」というお声を多くいただいていました。
そこで、店長に進言して忙しい時間帯こそ機械のそばに専用の人員を置き、空いている時間は機械が見える位置から他の業務を行うよう動き方を調整しました。
結果的に、年配の方でもスムーズに機械を使えるようになり、人員をすべてホールやキッチンに充てていた頃よりも回転率が上昇しました。
この経験から、忙しいからと対応を疎かにせず、しっかりお客様に向き合うことが大切だと感じました。
貴社への入社後も、忙しいときこそ一度落ち着いて、見落としや疎かにしていることがないかチェックし業績の向上に寄与したいと考えております。
留学
学生時代、私は語学学習のために1か月アメリカへ留学したのですが、日本と異なる生活文化の中で適応するのに苦労しました。
中には自分にとって受け入れがたい文化もあったのですが、仮に日本に来た海外の方に日本の文化を拒絶されたらどう感じるかを考え、その文化の中で生きている人と円滑にコミュニケーションを取るためにも否定だけはしないよう心がけました。
結果的に、諸外国から集まった文化の異なる5人の友人と仲良くなれ、今でも定期的に連絡を取っています。
この経験から、相手とコミュニケーションを円滑に進めるためには相手のバックグラウンドにある文化を頭ごなしに否定しないことが大切だと学びました。
貴社への入社後も、背景の異なる相手の気持ちに思いを馳せ、円滑にコミュニケーションを取ってチームでの仕事を成し遂げたいと考えております。
長期インターン
営業職の長期インターンで仕事を任せていただいた当初は、お客様の要望を汲むことが具体的に何を指すのかわからず、成績が振るわずにいました。
そのことを社員の方に相談したとき、まず私の話をじっくり聞いていただき、そのうえで的確なアドバイスをしていただいたのを見て、自分に何が足りないのかわかるようになりました。
それから社員の方と同じように、まずはお客様の話をじっくり聞き、本当にお客様に必要なことは何かを考えて話すように心がけました。
その結果、一緒にインターン生として入ったどの学生よりも良い成績を収められました。
この経験から、商談を成功させるためにはただ商品を押し売りするのではなく、傾聴によって相手の話をじっくり聞き、要望を引き出すのが大切だと学びました。
貴社への入社後は、学んだことを活かして営業の仕事に打ち込みたいと考えております。
ゼミ活動
学生時代に所属していたゼミでは、メンバー全員で発表に向けて調整していた研究があったのですが、一部のメンバーが意見の違いから対立し、チーム全体が半分に割れそうになりました。
私は期日の関係からここで仲違いをしている場合ではないと考え、対立した学生双方から言い分を聞き、お互いの正しいところは認め、間違っている点は指摘して関係の修復を試みました。
結果的に対立した学生同士は謝罪して再びゼミは元通りになり、期日までに研究を終えられました。
この経験から、一方の意見だけ聞いてもう片方だけ断罪しようとするのではなく、双方の話を聞いて認める部分を作りながら指摘する部分は指摘することの大切さを学びました。
貴社への入社後は、この経験で学んだことを活かしてチームの調整に力を入れたいと考えております。
【ガクチカの書き方】自分のガクチカに自信が出ない時は?
ガクチカがどうしても書けない、見つからないと感じたら、就活エージェントを活用してみましょう。
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さらに、内定獲得後も入社に必要な手続きをサポートしてくれるため最後まで安心です。
ガクチカの作成だけでなく、就職活動で困ったことがあれば就活エージェントのジョブコミットに相談してみましょう。
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おわりに
エントリーシートのガクチカは、自分の過去の経験から人柄や考え方を知ってもらうためのチャンスです。
そのためしっかり読みやすい文章を書き、企業に合わせたエピソードを選ぶ必要があります。
書類作成において重要なのは、読み手を意識して文章を構築することです。
提出したエントリーシートを読む採用担当者のことを念頭に置き、どういった構成で、どのような書き方をしたら良いのか考えて下書きを作成しましょう。
書けた下書きは清書する前に誰かに見せてチェックしてもらうのがおすすめです。