「エントリーシート(ES)の研究内容欄に何を書けばいいのか分からない」「専門外の採用担当者にどう伝えれば評価されるのか」と悩む28卒の就活生は非常に多いです。
特別な実績や難解な研究内容である必要はなく、「私」を主語とした思考プロセスと課題解決の取り組みを分かりやすく伝えることが選考突破の鍵となります。
本記事では、研究内容が聞かれる理由から合格ラインの基本5ステップ構成、専門用語の噛み砕き方、文系・理系・研究未開始別の例文集、面接対策まで徹底的に解説します。
目次[目次を全て表示する]
ESの研究内容、何を書けばいいか分からないあなたへ
研究内容欄を作成する際、「自分の研究は地味だから評価されないのでは」「専門用語ばかりで文章がまとまらない」と不安を感じる必要はありません。
企業がチェックしているのは、研究の成果そのものよりも、研究に向き合う中で「私」がどのように考え、どのようなプロセスで壁を乗り越えたかです。
まずは基本となる構成の型を理解し、思考のプロセスを整理することから執筆をスタートさせましょう。
【結論】ES「研究内容」の基本構成5ステップ
ESの研究内容を論理的かつ説得力を持って伝えるためには、以下の「基本構成5ステップ」に沿って文章を組み立てるのが最も効果的です。
2. 背景・目的:なぜその研究に取り組んだのか。
3. 役割・工夫:課題に対して「私」がどう考え、どう行動したか。
4. 結果・学び:研究から何を得て、どう成長したか。
5. 貢献:その学びを、入社後どう活かすか。
この型に沿って整理することで、専門外の採用担当者にも「私」の思考力と行動パターンが鮮明に伝わる完成度の高い文章に仕上がります。
【ES 研究内容】企業はなぜ研究の内容を聞くのか
企業がエントリーシートで研究内容を質問するのは、単に学生の専門知識のレベルを品定めしたいからではありません。
未知の課題に対してどのようにアプローチする人物なのかという、ビジネスパーソンとしての根本的な素質や再現性を見極めるためです。
企業が研究内容の質問を通じて評価しようとしている4つの意図を正しく把握しておきましょう。
学生が興味をあることを知りたい
企業は研究テーマの選択理由や取り組み姿勢から、学生が「どのような分野や課題に興味を持つ人間なのか」を把握しようとしています。
関心の方向性を知ることで、自社の事業内容や目指す方向性にマッチしているか、熱量を持って仕事に取り組めるかを見極めています。
「なぜ私がそのテーマに興味を持ったのか」という背景や動機を素直に言語化することで、あなた固有のパーソナリティと価値観を印象付けることが可能です。
思考力・課題解決能力があるかを知りたい
研究活動は「仮説を立て、実験・調査を行い、失敗から改善案を考えて再挑戦する」という課題解決プロセスの連続です。
企業は研究の過程において、「私」がどのような課題意識を持ち、どのような論理的思考で解決策を導き出したのかを厳しく見ています。
この思考力や課題解決能力は、入社後に直面する様々なビジネス上の壁を乗り越える際にも直結する極めて重要な評価指標となります。
研究を通して学んだことの再現性と将来性
研究活動を通じて得た知識やポテンシャルが、入社後に自社の業務で再現できるかという「将来性」も評価の大きな軸です。
単に「〇〇という知識を得ました」という点にとどまらず、「困難に対して粘り強く原因を追究する姿勢」などの行動特性がチェックされています。
研究活動で培った強みを志望企業の仕事でどう再現するのかを示すことで、面接官に採用後の活躍イメージを強く持たせることができます。
専門外の人にも伝わる「要約力」と「論理的説明力」
人事担当者があなたの研究分野の専門家であるケースは稀であり、ほとんどが専門外の人物です。
難解な研究内容を誰にでも分かる言葉に置き換えて説明できるかという、「要約力」と「論理的説明力」が厳しく試されています。
専門用語を噛み砕き、相手の立場に立って分かりやすく文章を構成する配慮ができる人物は、社会人としてのコミュニケーション能力が高いと評価されます。
【ES 研究内容】この構成で書けばOK!5つのステップで完成させる書き方
研究内容欄をスムーズに書き進めるには、フレームワークを活用して要素を順番に落とし込んでいくのが近道です。
主語を常に「私」に固定し、結果の凄さではなく「思考と行動のプロセス」に重点を置いて記述することを徹底しましょう。
具体的な5つのステップと、研究テーマが未決定の場合の対処法について詳しく解説します。
結論: 私の研究テーマは「〇〇」です
文章の1文目は、必ず「私の研究テーマは〇〇です」と結論から簡潔に書き始めましょう。
冒頭でテーマを一言で提示することにより、読み手である採用担当者はこれから展開される文章の全体像を即座にイメージできるようになります。
この段階では専門的な詳細まで詰め込もうとせず、中学生でもイメージできる平易な一言に要約して提示することが成功のポイントです。
背景・目的: なぜその研究に取り組んだのか
結論に続き、その研究テーマに取り組もうと考えた「背景」や「研究の目的・社会的意義」を説明します。
「社会的に〇〇という課題が存在することに対し、私は〇〇の解決を目指して研究に着手しました」という流れを作るのが基本です。
なぜ「私」がその問題意識を持ったのかという動機を添えることで、研究に対する主体性と探求心の強さをアピールできます。
役割・工夫: 課題に対してどう考え、行動したか
研究内容欄において、最も文字数を割いて詳しく記述すべき核となるステップが、この「役割・工夫」です。
研究を進める中で生じた壁やデータが出ない問題に対し、「私」がどのように原因を分析し、どんな独自の工夫や仮説検証を行ったのかを具体的に書きます。
失敗に直面した際のアプローチ方法や試行錯誤のプロセスを描くことで、あなたの論理的思考力と行動力が明確に伝わります。
結果・学び: 研究から何を得て、どう成長したか
工夫や行動を起こした結果、どのような「結果」が得られ、そこから「何を得たか」を記述します。
たとえ希望通りの実験結果が出なかった場合であっても、「仮説検証の精度を高める手法を確立できた」といった定性的な成果や学びを示せば問題ありません。
研究活動を通じて「私」という人間がどう成長したのかという内面的な変化や獲得したスキルを言語化しましょう。
貢献: その学びを、入社後どう活かすか
文章の締めくくりとして、研究活動で得た学びや強みを「入社後にどう再現し、貢献するか」を力強く宣言します。
「研究で培った泥臭く仮説検証を繰り返す粘り強さを活かし、貴社の開発業務においても成果に貢献します」といった形です。
過去の体験を将来の業務における再現性へと結びつけることで、採用担当者に強い納得感を与えることができます。
研究がまだ始まっていない(テーマ未決定)場合どう書く?
28卒の選考時期によっては「研究室に配属されたばかりでテーマが決まっていない」「研究が本格始動していない」という就活生も少なくありません。
その場合は無理に嘘を書くのではなく、これから取り組む予定のテーマや、関心を持って学習・準備している分野について誠実に記述すればOKです。
「〇〇の課題に関心があり、現在は文献調査を進めている」など、学習意欲と問題意識を主体的に伝えることで高評価を獲得できます。
【ES 研究内容】評価を格段に上げるためのライティング術4選
構成の型を押さえるだけでなく、文章の書き方を少し工夫するだけで採用担当者への伝わりやすさは劇的に向上します。
数多くの提出書類の中で埋もれず、一目で「頭の整理ができている優秀な学生だ」と印象付けるための4つのライティング術を紹介します。
ESを提出する前のセルフチェック項目として、ぜひ活用してください。
具体性: 固有名詞や数字を用いて具体的に記述する
「一生懸命研究した」「たくさん実験した」といった抽象的な表現では、実際の行動量や努力の度合いが相手に伝わりません。
「〇〇という解析手法を用いて〇〇回以上の検証を行った」「従来手法と比較して精度を15%向上させた」など、数字や具体的な名詞を盛り込みましょう。
客観的な数値や具体的エピソードを用いて描写することにより、文章の説得力と信頼性が跳ね上がります。
視覚情報:(可能であれば)図やグラフを活用する
自由記述形式のESやWeb提出で画像の添付が許可されている場合は、図やグラフ、イラストなどの視覚情報を積極的に活用しましょう。
文章だけでは理解に時間がかかる複雑な研究構造や実験フローも、図解が一枚あるだけで瞬時に理解できるようになります。
「相手にいかにストレスなく理解してもらうか」という視点で視覚情報を工夫することは、実務における資料作成能力のアピールにも繋がります。
文字数: 指定文字数の8〜9割以上を目安に書く
指定された文字数に対しては、必ず「8〜9割以上」を確実に埋めて提出することを徹底してください。
400字指定であれば320字〜380字程度、200字指定であれば160字〜190字程度を目指して思考プロセスを丁寧に書き込みます。
枠をしっかり埋める姿勢そのものが志望度の高さと誠実さの証明となるため、スカスカな状態で提出することは絶対に避けましょう。
専門用語: 専門用語は使わない、または噛み砕いて説明する
学会発表や論文で使用するような専門用語をそのままESに記載するのは厳禁です。
専門外の人事が読んだ際に言葉の意味が分からず離脱されてしまっては、いくら素晴らしい取り組みであっても評価対象になりません。
専門用語は日常的な分かりやすい言葉へと言い換えるか、直後に括弧書きで注釈を添える配慮を心がけましょう。
【ES 研究内容】専門用語を噛み砕く!言い換え・変換の具体例
理系・文系問わず、自分の研究分野で日常的に使っている言葉が「一般的には通じない専門用語」であるケースは非常に多いです。
専門用語をそのまま使った場合と、採用担当者に配慮して噛み砕いた場合の変換例を比較表としてまとめました。
自分の研究内容を説明する際の言葉選びの参考にしてみてください。
| 元の専門用語(専門的表現) | 噛み砕いた言い換え・変換例 | 文章化する際のポイント |
|---|---|---|
| アルゴリズムの最適化 | 計算の無駄を省き、処理速度を速める工夫 | 難解なIT用語は「何がどう良くなるのか」という目的や効果に変換する |
| 〇〇化合物の新規合成と構造解析 | 新しい性質を持つ素材を作り、その仕組みを調べること | 化学物質名は伏せ、「どんな機能や目的を持つ素材か」を一般化する |
| 定性調査および定量データ分析 | アンケート数値の集計と、直接のインタビューによる声の収集 | 統計用語は「具体的にどんな手法で調査したか」という行動に置き換える |
| 〇〇遺伝子のノックアウト実験 | 特定の遺伝子の働きを抑えて、体に生じる変化を観察する実験 | 専門的な実験手法は「何を調べるための実験か」という意図を平易に伝える |
| フィールドワークによる質的分析 | 現場へ直接足を運び、観察や現地での聞き取りを行う調査 | 学術的な調査名は「現場に行って何をしたのか」という動きを具体化する |
【文字数・専攻別】ES研究内容の参考例文集(50字〜400字)
ここからは、ESの研究内容欄でそのまま活用できる文系・理系・研究未開始別の参考例文集をご紹介します。
文字数制限(50字、100字〜200字、400字)に応じたパターンを用意しましたので、自身の状況に合わせてアレンジしてみてください。
常に「私」を主語にし、思考プロセスと再現性を意識した構成を参考に記述をブラッシュアップしましょう。
┗ 50字例文(研究テーマ・概要のみ)
文系
理系
研究未開始パターン
┗ 100字〜200字例文(標準的なES指定)
文系
理系
研究未開始パターン
┗ 400字例文(詳細記述指定)
文系学生の例文
理系学生の例文
研究未開始の学生の例文
【ES 研究内容】これは避けたい!評価を落とすNG例文
研究内容欄を作成するにあたり、自分では良かれと思って書いた文章が採用担当者にマイナスな印象を与えてしまうケースがあります。
評価を下げて不採用となってしまう典型的な「3つのNGパターン」を把握し、自身の文章が当てはまっていないか確認しましょう。
専門用語や余分な文章が多く「何が言いたいか」わからない
学会の発表要旨のような難解な専門用語や長々とした背景説明で埋め尽くされた文章は、採用担当者に忌避されます。
「高度な専門性を見せつけたい」という意図があったとしても、相手が理解できなければコミュニケーションの配慮がないと判断されてしまいます。
余分な専門用語や前提知識の説明は削ぎ落とし、「何を目的としてどんな成果を出したのか」という骨子をシンプルに提示しましょう。
自分の行動・思考プロセスがなく「自分らしさ」が欠如している
研究室全体の取り組みや教授の指示内容ばかりが書かれており、「私」個人がどう考えて動いたのかが見えない文章もNGです。
「研究室では〇〇の実験を行っています」という事実説明だけでは、あなた自身の思考力や行動特性を評価することができません。
主語を常に「私」にし、「自分自身がどんな意図を持ってどう工夫したか」という個人のアプローチを明記してください。
「頑張った」などの抽象度が高く具体性がない
「毎日遅くまで研究を頑張った」「粘り強く実験を繰り返した」といった抽象的な感情論だけで書かれた文章は説得力を欠きます。
具体的にどれくらいの期間で何回の実験を行ったのか、どのような仮説を立てたのかという根拠がなければ、評価のしようがありません。
客観的なデータや数値、具体的エピソードを交えて記述することで、初めて行動の真実味が相手に伝わります。
【ES 研究内容】完成度を高めるコツ
自分で作成した文章をさらにブラッシュアップし、選考通過率を極限まで高めるための仕上げのコツを紹介します。
自分一人で完結させず、外部の客観的な視点を取り入れることが完成度を高める最大の鍵となります。
第三者に添削してもらう
完成したESの研究内容欄は、必ず「専門外の第三者」に読んでもらい、添削を受けるようにしましょう。
大学のキャリアセンターの相談員や就活エージェント、文系学科の友人などに読んでもらうのが最も効果的です。
「専門知識がない状態で読んで、意味がスムーズに理解できるか」というフィードバックをもらい、分かりづらい表現を修正していきましょう。
【ESにおける研究内容の書き方】よくある質問
複数の研究をしている時はどうすればいいですか
【回答:一番「私」の思考プロセスや工夫を語りやすい研究テーマ1つに絞って書きましょう。】
複数のテーマを詰め込んでしまうと、文字数が分散して各エピソードの内容が薄くなり、何を最もアピールしたいのか伝わらなくなります。
最も壁を乗り越えた経験が強く、志望企業の仕事内容に関連するテーマを1つ厳選することが基本の戦略となります。
文字数がオーバーしてしまう時はどうすればいいですか
【回答:研究の「専門的な背景説明」を削り、「私」の行動や工夫の記述を残しましょう。】
文字数がオーバーする原因の多くは、研究の前提知識や専門用語の解説に文字数を費やしすぎていることにあります。
背景説明は最小限の一文に要約し、「課題に対して私自身がどう考えてどう行動したか」というプロセスの記述を優先的に残す編集を行ってください。
【ESにおける研究内容の書き方】研究内容を面接にも活かそう
エントリーシートに記載した研究内容は、その後の面接選考において深く質問(深掘り)される絶好のテーマとなります。
面接官から飛んでくる代表的な深掘り質問のパターンを把握し、回答を準備しておくことで選考を有利に進めましょう。
【深掘り質問①】「なぜ?」で探る思考力と興味の源泉
面接では「なぜその研究テーマを選んだのですか?」「なぜその実験手法を採用したのですか?」といった「なぜ」の質問が頻出します。
面接官は理由を深掘りすることで、あなたの探求心の原動力や、物事を論理的に選択しているかという思考プロセスを確かめています。
自分の意思と明確な根拠を持って判断した理由を口頭でスムーズに返せるように整理しておきましょう。
【深掘り質問②】「困難と乗り越え方」で見る課題解決能力
「研究の中で一番大変だった壁は何ですか?それをどう乗り越えましたか?」という質問も定番です。
不測の事態や失敗に直面した際のストレス耐性と、自発的な工夫で事態を打開できる泥臭い課題解決能力がチェックされています。
直面した壁の難易度と、自分が起こした具体的アクションの試行錯誤を情景が浮かぶように語ることが高評価へ繋がります。
【深掘り質問③】「学びと貢献」で測る将来性と再現性
「その研究経験は、当社の仕事でどう活かせますか?」という再現性に関する質問も必ず投げかけられます。
研究で培ったスキルや行動特性を、自社の志望職種の業務内容と正しく結びつけて理解できているかを測っています。
「研究で培った〇〇の強みを生かし、貴社の〇〇業務で貢献したい」と明確な活躍イメージを提示して締めくくりましょう。
【ES 研究内容】研究の内容を効果的にアピールできるESを作ろう
ESの研究内容欄は、あなたの論理的思考力、課題解決力、そして人柄を面接官に印象付けるための絶好のアピールフレームです。
難解な研究実績を誇る必要はなく、「私」を主語にして思考と行動のプロセスを分かりやすく言語化することが選考突破の絶対法則となります。
本記事の5ステップ構成や例文を参考に魅力的なESを作成し、自信を持って28卒の就職活動を成功させましょう。