はじめに
就職活動を始めると、自己分析の必要性に気づく人が多いでしょう。
しかし、自己分析をしようとしている段階では、何から手をつければいいのかがわからず、なかなか進まない可能性が十分に考えられます。
自己分析にはさまざまな方法があり、自分に合う方法を調べていくうちに、『メモの魔力』という本を知るかもしれません。
この記事では、『メモの魔力』が自己分析にどう活かせるのかを解説します。
これから始める人は、ぜひ参考にしてみてください。
【メモの魔力の自己分析1000問とは】メモの魔力とは
『メモの魔力』とは、2018年に発売された起業家の前田裕二さんが著者の本で、34万部を突破したベストセラーのビジネス本です。
内容は、メモの活用法や、メモを通して自分の軸を見つける自己分析の方法が解説されています。
著者の前田裕二さんはメモ魔であり、メモを取る意義を伝えています。
メモにより、目にする情報をアイデアに変えられたり、本当の自分を見つめ直せたりすることができると述べており、この本を読むとメモの概念が変わるでしょう。
就活では、企業に自分をうまくアピールするために、自分がどのような人間なのかを明らかにしておかなければいけません。
自分の軸を見つける方法が指南されているので、就活の自己分析に用いたい人は、読んでみるのをおすすめします。
メモの魔力に取り組むべきタイミングとは?
『メモの魔力』の存在を知ったからといって、すぐに活用しようとするのはあまりよくないでしょう。
ほかの自己分析の方法をひと通り済ませた後に、さらに深めたいと感じたときが、『メモの魔力』での自己分析に取り組むのに適したタイミングです。
なぜなら、『メモの魔力』には特別付録として、「自己分析1000問」というシートがあります。
問題数が多いなどの理由で、初めて自己分析をする人には効率的ではない可能性が生じるからです。
『メモの魔力』を自己分析に用いたいときは、タイミングに注意しましょう。
【メモの魔力の自己分析1000問とは】メモの魔力をおすすめしたい人の特徴
『メモの魔力』は自分の軸を見つける方法がわかり自分をさらに深く知ることができるため、就活に使用されることが多い本です。
ただ、自分の就活に活かせるのかどうか、不安に思う人はいるかもしれません。
たとえば、あらゆる自己分析を試しても、十分に自分を掘り下げられていないと感じる人や、まだ気づいていない自分自身を知りたい人などは、活用できるでしょう。
ここでは、どのような人におすすめしたい本であるのかを紹介していきます。
自分のことを知り尽くしたい人
『メモの魔力』は設問数が多いので、より細かく深く自分を知ることができます。
そのため、自分史やモチベーショングラフなどを活用して得た結果だけでは得られなかったことが、わかる可能性があります。
自分自身について、もっと掘り下げたい人の力になってくれるでしょう。
「自己分析1000問」では、幼少期から未来のことまで含めて問われます。
現在までの自分のことだけではなく、幅広く答えていくことで、思いがけない記憶から新たな自分の軸が明らかになる場合があります。
また、未来の自分の姿をイメージできている方が、就活の場でアピールになるでしょう。
企業に入社後は何をしたいのかを具体的に伝えるには、働く意欲や目指している自分の姿を持っていなければ難しいです。
新しい発見や気づきをしたい人
『メモの魔力』は、自己分析のやり方や、就活やビジネスにも通用するメモの活用方法を解説しています。
したがって、自己分析をするとともに、新しい知識を身につけたい、発見をしたいという人におすすめの本です。
自分に関する過去から未来について深く考えるきっかけになり、好きなものなども多く問われるので、現在の自分のことも改めて確認できます。
本を読んだり、質問項目を埋めたりすることで、問われなければ考えなかったかもしれない内容まで必然と触れられるでしょう。
どのように自己分析をすればよいかわからない人
本のなかでは、自己分析のノウハウが述べられています。
マインドマップや自分史などの自己分析の手順がわからなかった場合、『メモの魔力』による方法を試すといいでしょう。
その方法とは、ある質問に対して、事実、抽象化、転用の順に書くというものです。
方法については後ほど説明しますが、具体的な設問も設置されています。
設問では、わからないことや覚えていないことも問われるかもしれません。
無理にすべて埋めようとせず、まずは最後まで進めてみましょう。
【メモの魔力の自己分析1000問とは】メモの魔力の取り組み方
自己分析には、マインドマップや自分史などといったさまざまな方法があります。
『メモの魔力』で述べられている自己分析の方法は、それらとは異なるものです。
ただ、これまでにおこなった自己分析は、『メモの魔力』の際に用いることができます。
『メモの魔力』の自己分析をおこなうにあたって、事実、抽象化、転用というキーワードを覚えておくといいでしょう。
ここでは、『メモの魔力』による自己分析の方法を紹介します。
自分自身を知り尽くせるように取り組んでいきましょう。
自己分析ノートを準備する
最初に、大きめサイズのノートを用意しましょう。
小さいメモ帳や手帳などで済まそうとせず、たくさん書き込むことができるようなノートを準備してください。
大きさは、ノートとして一般的によく使われるB5サイズ以上であれば、構いません。
ノートの準備ができたら、見開きの状態で2ページを縦四列に区切ります。
そして、列の右から標語、事実、抽象化、転用の項目に分けてください。
列の幅は、事実、抽象化、転用の三列を同じくらいします。
標語の箇所に書く内容は、事実を一言で表すものなので、標語の列は、事実の列の幅の半分から三分の一ほどで十分です。
それぞれの列に、標語、事実、抽象化、転用と記入した後は、下に線を引き、横が2列になるように区切りましょう。
事実を書き出す
次に、ノートの縦四列に区切られた表のなかを書いて埋めていきます。
表は左から埋めず、最初は事実から書き出してください。
一番左の箇所にある標語は、事実の後に記入します。
過去の経験や事実を思い出し、たくさん書き出しましょう。
自分史の自己分析で得た結果を書き写す、という方法でもいいです。
たとえば、「小学校時代に楽しかった経験は?」という質問に対して書く場合は、「~をしたこと」「~をしてもらったこと」などと書きます。
自分が何かをした経験だけではなく、誰かに何かをしてもらったことも、楽しかった経験になります。
とにかく思いつくままに書き出していきましょう。
ポイントとして、一つの質問に絞らずに、可能な限り、多くの問いに答えてください。
事実を標語にまとめる
次に、標語の列を埋めるため、書き出した事実を表す標語を、考えてみましょう。
標語は簡潔に事実がわかるようにするためのものなので、一言で述べてください。
標語にすることで、言語化能力が磨かれます。
自分の頭のなかでも、これまでの経験が整理されるでしょう。
加えて、何が書いてあるのかが見やすくなり、ノートを見返したときに便利です。
就活では、過去の経験をエピソードとして述べる機会がよく訪れるため、さまざまなエピソードを用意しておくと、志望動機や自己PRの際に活用できます。
そのとき、事実が標語にまとめられていれば、ノートに書かれた表の標語を見るだけで、内容の理解が容易になるでしょう。
自分がわかればいいので、この箇所で考えすぎる必要はありません。
抽象化した内容に変換する
次に、事実をもとに抽象化する作業をおこないます。
この箇所が、自己分析における深掘りにあたる部分なので、事実に対して「なぜ?」を深掘りしていきましょう。
たとえば、「小学校時代に楽しかった経験」について書いた場合は、なぜその経験が楽しいと感じたのかを考えます。
楽しかったと記憶しているのなら、理由があるはずです。
理由を明確にすることにより、自分が何を楽しいと感じる人間なのかが見えてきます。
それは、小学校の自分だけではなく、現在の自分にも当てはまる要素かもしれません。
抽象化とは、物事の本質を捉えるための思考法です。
ここでは、事実の理由や原因を探る作業になります。
深掘りしていくうちに、自分の価値観や大切にしているものがわかるでしょう。
抽象化した内容を転用する
最後に、表の一番右にある転用の列を埋めていきましょう。
抽象化した内容を、どのように活かすのか転用できるのかを考えていきます。
たとえば、「~の経験が~だと思ったから楽しかった」と理解できたとしても、それで終わらせては、経験を活かせない人物だと捉えられてしまう危険性があります。
転用の列には、経験を活かすために、今後自分がどう行動すればいいのかを書いてください。
この項目では、自分の目指している方向を、明らかにしましょう。
転用をおこなうと、自分の目標がわかりやすくなります。
そして、将来どのような仕事をしたいのか、どのように働きたいのかといったところまで発展させられるので、この自己分析が就活に活用できるといえるのです。
【メモの魔力の自己分析1000問とは】メモの魔力の取り組む際のポイント
ここまで『メモの魔力』が紹介する自己分析の方法を説明しましたが、最後に、実際に取り組むときに意識しておきたい点を確認しておきましょう。
ポイントをおさえられると、より効果的に自己分析ができるでしょう。
自己分析に使用する時間を意味のないものにしないために、なぜおこなうのかを念頭に置くことが大切です。
企業が求める人物像を意識しすぎずに、深掘りするようにしてください。
いくつかポイントを紹介するので、それぞれ確認していきましょう。
素直に考えを書く
自己分析では、正直に答えることが大切です。
企業の評価を気にして、嘘をつくことがないようにしましょう。
自分自身について掘り下げていくうちに、周りと考えがずれていたり、書いていて恥ずかしいと感じたりする可能性は否めません。
しかし、自己分析のノートは、他の人に見せるものではありません。
まずはまっすぐに、自分が考えたことを書き出してみることがポイントです。
素直に書いた内容から、大きなヒントを得られるかもしれません。
目的を明確にしたうえで取り組む
目的を持って取り組まなければ、非効率な時間になってしまう可能性が高いです。
ただ設問に答えたり、自分の過去を見境もなく思い出したりしていては、必要なものの判断が難しくなります。
自己分析に取り組むときは、必ず事前に目的を明らかにしましょう。
たとえば、「自分に関して詳しくなり、企業選びの軸を作成しよう」「自己PRを作成しよう」というように、目的を設定してみてください。
自己PRを作成するためにおこなうのなら、自分の強みやスキルが発揮された経験を探した方がいいと気づけるでしょう。
就活は、説明会やインターンの参加、企業研究など、やるべきことが多く、時間が限られています。
自己分析の時間を無駄にしないために、目的をはっきりさせておきましょう。
1つ1つをしっかりと深ぼる
深掘りをしっかりすることで、企業選びの軸が見つかりやすくなります。
以下に、「挑戦心があること」を深掘りしたい場合の例を挙げます。
例:私は挑戦心がある→若いうちから挑戦できる環境に身を置きたい→成長段階の企業やベンチャー企業がいい
このように、挑戦心があるという一つの要素から、自分がどのような企業で働きたいのかが見えてくるでしょう。
自分の長所や強みなども深掘りすると、魅力的な自己PRにつなげられます。
1つ1つを「なぜ?」と問いながら、詳しく追及していきましょう。
あらかじめ時間を決めておく
自己分析だけをすれば、就活が成功するわけではありません。
自己分析の作業は、自分の過去や経験を思い出すものなので、人によっては辛く感じるかもしれません。
やりすぎると、本来の目的を見失ってしまう可能性もあります。
過度な自己分析によって、疲れてしまっていては就活に支障が出るため、自己分析に使う時間の目安を決めておくことが重要です。
自分の思うような結果にならなくても受け止め、無理のない範囲で、自己分析をするようにしてください。
見やすいように工夫する
自己分析のノートは、自分のためのものなので、自分が見返したときに、内容がわかれば構いません。
とはいえ、見やすいように心がけられるといいでしょう。
色ペンを使ったり、図や表で捕捉したり、あらゆる工夫をすることで、見やすい自己分析ノートを作成できます。
また、文の頭をそろえる、余白を多めにとるといった、一見工夫とは思えないことでも、ノートを見やすくするポイントに含まれます。
色ペンを用いる場合は、色によって意味や内容を分けると、さらに整理されるでしょう。
自分のなかで、色ペンの使い分けのルールを作ってみてください。
ただ、あまりにも多くの色ペンを使うのは、重要な点がどこなのかがわかりづらく、逆効果になってしまうので注意してください。
【メモの魔力の自己分析1000問とは】就活エージェントに相談する
『メモの魔力』で紹介されている自己分析をおこなう際に、どういった点に気をつければいいのかを述べました。
方法がわかれば、自己分析に取り組みやすくなりますが、なかなかスムーズに進まない場合も考えられます。
そのようなときには、就活エージェントの利用を視野に入れてみてください。
就活エージェントは気軽に相談に乗ってくれるため、就活で困ったことがある人には、就活エージェントのジョブコミットを活用することをおすすめします。
就活のプロがサポートしてくれるため、効率的に就活を進められるはずです。
また、自分自身について第三者の視点があると、新たな気づきが得られます。
ジョブコミットの情報を知りたい人は、ぜひこちらを確認してください。
まとめ
『メモの魔力』を、就活にどう活かすのかを解説してきました。
自己分析が進んでいなかったり、就活の軸が決まっていなかったりする人は、『メモの魔力』を読んでみましょう。
そして、この記事で説明したように、標語、事実、抽象化、転用というキーワードをもとに、自己分析をおこなってください。
加えて、付録の「自己分析1000問」をこなすことによって、自分自身を知り尽くせます。
就活では、早い段階から自分を理解することが大切です。
自己分析は企業選びの際にも役に立ち、どの説明会やインターンに応募すべきかがわかるので、時間を有効的に使えるでしょう。
応募の締め切りが早い企業は珍しくないため、いいスタートダッシュを切って、就活を成功させましょう。