- 面接官が面接で見ているポイント
- 面接で落ちる理由
- 面接で落ちないためには
- 面接で落ちてしまった人
- なぜ面接で落ちたかわからない人
- もう面接で落ちたくない人
目次[目次を全て表示する]
はじめに
就職活動における面接は、内定獲得への重要なステップです。
しかし、残念ながら不採用となり、「なぜ落ちたのだろう?」と悩む学生は少なくありません。
企業から具体的なフィードバックを得ることは難しい場合が多いですが、面接に落ちる原因を自ら分析し、改善していくことは可能です。
この記事では、面接で落ちてしまう学生に共通する特徴や面接官の視点、そして具体的な振り返り方法と改善策を解説します。
この記事を通じて、面接の通過率を高めるためのヒントを見つけ、自信を持って次の選考に臨みましょう。
【面接で落ちる理由とフィードバック】新卒で落ちる人に共通する特徴とは
面接で不合格となる新卒学生には、いくつかの共通点が見られます。
自己分析の浅さからくる発言の一貫性のなさ、企業への志望理由の曖昧さ、企業や業界に対する理解不足などが挙げられます。
また、意外と見落としがちなのが、清潔感や基本的なビジネスマナーの問題、そして自信なさげな態度です。
さらに、意欲を示すはずの逆質問が的外れだったり、「特にありません」と答えてしまったりすることも、マイナス評価につながりやすいポイントです。
これらの特徴を客観的に理解し、自分自身に当てはまる点がないか振り返ることが、面接対策の第一歩となります。
自己分析が浅く一貫性がない
自己分析が不十分だと、面接での回答に説得力がなくなり、一貫性がない印象を与えてしまいます。
例えば、「あなたの強みは何ですか?」という質問に対して答えた強みと、それを裏付ける具体的なエピソードがちぐはぐだったり、学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)と志望動機につながりがなかったりすると、面接官は「本当に自社の仕事内容を理解しているのか」「入社後に活躍できるイメージが湧かない」と感じてしまいます。
自分の経験や価値観、興味関心を深く掘り下げ、「なぜそう考えるのか」「どのような経験からそう言えるのか」を明確に言語化することが重要です。
過去の成功体験や失敗体験を振り返り、その中で何を学び、どのような強み・弱みが形成されたのかを客観的に分析しましょう。
自己分析を深めることで、どんな角度からの質問にも自信を持って、一貫性のある回答ができるようになります。
志望動機が曖昧
「なぜこの会社で働きたいのか」という問いに対する答えが曖昧だと、面接官は「他の会社でも良いのでは?」「入社意欲が低いのではないか」と感じてしまいます。
「貴社の〇〇という理念に共感しました」といった表面的な理由だけでは、熱意は伝わりません。
大切なのは、数ある企業の中から「なぜこの会社を選んだのか」を、あなた自身の経験や価値観、将来の目標と具体的に結びつけて説明することです。
企業の事業内容、社風、ビジョンなどを深く理解した上で、「自分の〇〇という経験や強みを活かして、貴社の△△という事業に貢献したい」「貴社の□□という価値観が、自分の仕事選びの軸と合致している」といった、自分ならではの言葉で語る必要があります。
企業のウェブサイトや説明会資料を読み込むだけでなく、OB/OG訪問などを通じて社員の方の話を聞き、具体的なイメージを膨らませることも有効です。
企業・業界研究が不十分
企業や業界に対する理解が浅いと、面接での回答が的外れになったり、質問に対して表面的な答えしかできなかったりします。
例えば、企業の主力事業や最近のニュース、競合他社との違いなどを把握していないと、志望度の高さを疑われてしまいます。
また、逆質問の際に、企業のウェブサイトや採用パンフレットを見ればすぐにわかるようなことを聞いてしまうのも、準備不足と見なされる典型的な例です。
企業研究は、単に情報を集めるだけでなく、その情報をもとに「自分はこの企業で何ができるか」「どのように貢献したいか」を考えるプロセスが重要です。
企業の公式ウェブサイトはもちろん、IR情報(投資家向け情報)、プレスリリース、業界ニュースなどをチェックし、企業の現状や将来性、課題などを多角的に分析しましょう。
その上で、自分の強みや関心と結びつけて考えることで、説得力のある志望動機や自己PR、そして的確な逆質問へと繋げることができます。
清潔感やマナーに問題
面接は、能力や経験だけでなく、「一緒に働きたいと思えるか」という人柄も評価される場です。
そのため、第一印象を左右する清潔感や基本的なビジネスマナーは非常に重要です。
スーツにシワや汚れがないか、髪型は整っているか、靴は磨かれているかなど、身だしなみのチェックは基本中の基本です。
また、受付での挨拶、面接室への入退室の仕方、正しい敬語の使い方、時間を守るといったビジネスマナーも、社会人としての素養を示す上で欠かせません。
オンライン面接の場合でも、背景は整理されているか、カメラ映りは適切か、通信環境は安定しているかなど、対面とは異なる配慮が必要です。
どんなに素晴らしい経験やスキルを持っていても、マナーや身だしなみに問題があれば、「基本的なことができていない」「TPOをわきまえられない」と判断され、マイナス評価につながる可能性があります。
逆質問が弱い
面接の最後に設けられることが多い逆質問の時間は、単に疑問を解消するだけでなく、企業への関心や入社意欲を示す絶好の機会です。
ここで「特にありません」と答えてしまうのは、非常にもったいないだけでなく、「自社に興味がないのでは?」と面接官に思わせてしまう可能性があります。
また、企業のウェブサイトや説明会資料を読めばわかるような基本的な情報を質問するのも、準備不足と受け取られかねません。
効果的な逆質問とは、企業研究をしっかり行った上で、さらに深く知りたいと感じたこと、例えば「入社後の具体的な業務内容」「活躍されている社員の方の特徴」「今後の事業展開で注目している点」「面接官の方が仕事でやりがいを感じる瞬間」など、企業の内部情報や働く人のリアルな声に迫るような質問です。
事前にいくつか質問を用意しておき、面接の流れや話の内容に合わせて適切な質問を選べるように準備しておきましょう。
表情・声・態度から自信が伝わらない
面接では、話す内容だけでなく、表情や声のトーン、話すスピード、姿勢といった非言語コミュニケーションも、あなたの印象を大きく左右します。
下を向いてボソボソと話したり、視線が泳いだり、背中が丸まっていたりすると、自信がないように見え、面接官に「本当にこの仕事への意欲があるのだろうか」「ストレス耐性は大丈夫だろうか」といった不安を与えてしまう可能性があります。
たとえ緊張していても、意識的に口角を上げて笑顔を心がけ、相手の目を見てハキハキと話すことが大切です。
また、適度なジェスチャーを交えたり、背筋を伸ばして座ったりすることも、自信や熱意を伝える上で効果的です。
自分の話し方や態度に自信がない場合は、模擬面接をしたり、自分の面接の様子を動画で撮影して客観的に確認したりするなどの対策が有効です。
【面接で落ちる理由とフィードバック】面接官が本当に見ている3つのポイント
面接官は、学生の回答内容はもちろんのこと、その背後にある思考プロセスや価値観、そして自社との相性を見極めようとしています。
単に優秀な学生を採用するのではなく、「自社で活躍し、長く貢献してくれる人材か」という視点で評価しています。
特に重視されるのは、「企業との価値観のフィット感」「話し方・答え方の論理性と人柄」、そして「志望動機・自己PRの一貫性と納得感」の3つのポイントです。
これらを総合的に判断し、合否を決定しているのです。
企業との価値観のフィット感
企業には、それぞれ大切にしている理念やビジョン、組織文化があります。
面接官は、学生が自社の価値観に共感し、企業文化に馴染んで活躍できる人材かどうかを見ています。
どれだけ優秀なスキルや経験を持っていても、企業の価値観と大きくずれている場合、入社後にミスマッチが生じ、早期離職につながる可能性があるためです。
自己分析を通して、自分が仕事において何を大切にしたいのか、どのような環境で働きたいのかという価値観を明確にしておくことが重要です。
そして、企業研究を通して理解した企業の価値観と、自身の価値観がどのように合致するのかを、具体的なエピソードを交えながら説明できるように準備しましょう。
「貴社の〇〇というチャレンジを推奨する文化は、私が学生時代に△△に取り組んだ経験で培った価値観と合致しています」のように、具体的に伝えることがポイントです。
話し方・答え方の論理性と人柄
面接はコミュニケーションの場です。
面接官は、学生が質問の意図を正確に理解し、分かりやすく論理的に回答できるかを見ています。
結論から先に述べ、その理由や具体的な根拠を順序立てて説明できる(PREP法など)と、思考の明晰さが伝わります。
また、難しい質問に対しても、粘り強く考え、自分の言葉で伝えようとする姿勢も評価されます。
同時に、話し方や受け答えの態度からうかがえる人柄も重要な評価ポイントです。
明るくハキハキとした受け答え、丁寧な言葉遣い、相手の話を真摯に聞く姿勢などは、協調性やコミュニケーション能力の高さを示します。
面接官は、「この学生と一緒に働きたいか」「チームの一員として円滑に業務を進められそうか」という視点でも評価していることを意識しましょう。
志望動機・自己PRの一貫性と納得感
自己PRで語る自身の強みや学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)、そしてその企業を志望する理由、さらには入社後にやりたいことまで、全てが一つの線で繋がっているかどうかが重要です。
それぞれの要素がバラバラで一貫性がないと、「本当にうちの会社でやりたいことがあるのか」「自己分析が足りていないのではないか」と疑問を持たれてしまいます。
例えば、「コミュニケーション能力が高い」という強みをアピールするのであれば、その能力を発揮した具体的なエピソード(ガクチカ)を示し、さらにその能力を活かして「貴社のチームでこのように貢献したい」という志望動機に繋げる、といったストーリーが必要です。
自己分析と企業研究を深く行い、全ての要素が矛盾なく、説得力を持って語れるように準備しましょう。
熱意を込めて自分の言葉で語ることが、納得感を与える鍵となります。
【面接で落ちる理由とフィードバック】フィードバックがもらえない新卒でもできる振り返り方法
面接に落ちた際、企業から具体的なフィードバックをもらうことは難しいのが現状です。
しかし、フィードバックがないからといって、何も改善できないわけではありません。
自分自身で面接を客観的に振り返り、課題を発見し、次に向けて改善していくことは十分に可能です。
大切なのは、落ち込んだ気持ちを引きずらず、冷静に原因を分析し、具体的な行動に移すことです。
ここでは、フィードバックが得られなくてもできる、効果的な振り返り方法をいくつかご紹介します。
面接直後に「できなかったこと」を記録する
面接が終わったら、できるだけ記憶が新しいうちに、内容を詳細に記録しましょう。
どのような質問をされ、自分がどのように答えたのか、特にうまく答えられなかった質問や、曖昧な回答になってしまった点、面接官の反応などを具体的に書き出すことが重要です。
「あの質問には、もっとこう答えればよかった」「このエピソードは上手く伝わらなかったかもしれない」といった反省点を具体的に言語化することで、課題が明確になります。
感情的にならず、客観的な事実を淡々と記録することがポイントです。
スマートフォンのメモ機能やノートなどを活用し、面接ごとに記録を残す習慣をつけましょう。
この記録は、後の自己分析や模擬面接での改善に役立つ貴重な材料となります。
自己分析をやり直す
面接で回答に詰まったり、話しているうちに矛盾が生じたりした場合、自己分析がまだ浅い可能性があります。
面接の記録を基に、「なぜあの質問に上手く答えられなかったのか」「自分の強みや価値観を、もっと的確に伝えるにはどうすれば良いか」を改めて深く考えてみましょう。
過去の経験を再度棚卸しし、それぞれの経験から何を学び、どのような力が身についたのか、なぜその企業で働きたいのか、といった点を深掘りします。
友人や家族に協力してもらって他己分析を行ったり、大学のキャリアセンターに相談したり、適性検査の結果を参考にしたりするのも有効です。
自己理解を深めることで、より説得力のある自己PRや志望動機を作成でき、面接での受け答えにも自信が持てるようになります。
模擬面接をする
知識として面接対策を理解することと、実際に面接の場で落ち着いて話せることは別物です。
本番の緊張感に慣れ、自分の話し方や態度を客観的に評価してもらうために、模擬面接は非常に有効な振り返り方法です。
友人や家族、大学のキャリアセンターの職員、あるいは就職エージェントのキャリアアドバイザーなどに面接官役をお願いし、本番さながらの練習を行いましょう。
特に、自分では気づきにくい話し方の癖(早口、語尾が伸びるなど)や、表情、姿勢などについて、客観的なフィードバックをもらうことが重要です。
フィードバックをもとに改善点を意識し、繰り返し練習することで、本番でのパフォーマンス向上につながります。
対面形式だけでなく、オンライン形式の模擬面接も行い、それぞれの形式に慣れておくことも大切です。
SNSの体験談で「自分と近い人」の失敗例を参考にする
X(旧Twitter)などのSNS上には、就職活動中の学生によるリアルな面接体験談や、「#面接失敗談」といったハッシュタグで共有される失敗例が数多く存在します。
もちろん、全ての情報が正しいわけではありませんが、自分と似たような業界や企業を受けている人、同じような悩みを持つ人の投稿を読むことで、陥りやすいミスや、面接官がどのような点を見ているのか、といったヒントを得られる場合があります。
「自分だけが悩んでいるわけではない」と知ることで、精神的な支えになることもあるでしょう。
ただし、SNSの情報は玉石混交です。
特定の体験談を鵜呑みにせず、あくまで参考程度に留めること、そしてネガティブな情報に過度に影響されないよう注意することが大切です。
客観的な視点を持ち、自分自身の状況に合わせて情報を取捨選択しましょう。
【面接で落ちる理由とフィードバック】フィードバックを人事にお願いしてもいい?
面接に落ちた後、「具体的な理由を知りたい」という思いから、企業の人事担当者にフィードバックを依頼したいと考える学生もいるでしょう。
結論から言うと、フィードバックをお願いすること自体がマナー違反というわけではありませんが、必ずしも回答が得られるとは限りません。
むしろ、多忙な採用業務の中で、個別のフィードバックに対応するのは難しい企業が多いのが実情です。
しかし、丁寧な依頼であれば、失礼にあたることは少ないでしょう。
依頼する場合は、あくまで「お願い」であり、回答は企業の「厚意」であるという謙虚な姿勢を持つことが重要です。
依頼のタイミングとメール例文
フィードバックを依頼する場合、不合格の通知を受け取ってから、あまり時間を置かずに(できれば数日以内に)連絡するのが一般的です。
連絡手段はメールが基本です。
以下にメールの例文を示します。
状況に合わせて内容は調整してください。
メール例文
件名:【〇〇大学 氏名】〇月〇日 〇次面接の御礼とフィードバックのお願い
本文: 〇〇株式会社 人事部 採用ご担当者様
〇〇大学〇〇学部の[氏名]と申します。
先日は、〇月〇日の〇次面接にて、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
[面接官の名前]様(もし分かれば)のお話を伺い、[面接で印象に残った具体的な話など]に大変感銘を受け、貴社で働きたいという思いが一層強くなりました。
この度は、選考結果について承知いたしました。
残念な結果とはなりましたが、今回の面接は自分自身を見つめ直す大変貴重な機会となりました。
大変恐縮なお願いではございますが、もし可能でしたら、今後の就職活動の参考にさせていただきたく、今回の選考における評価や改善点など、ご指摘いただけますでしょうか。
お忙しいところ大変恐縮ですが、もしご検討いただけますと幸いです。
ご多忙かと存じますので、ご返信はお気遣いなさらないでください。
末筆ではございますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
丁寧な伝え方のポイント
フィードバックを依頼する際は、以下の点に注意し、丁寧な伝え方を心がけましょう。
まず最も重要なのは、「フィードバックをもらえて当然」という態度は絶対に見せず、あくまで「教えていただけると嬉しい」という謙虚な姿勢を示すことです。
企業側にフィードバックの義務はないことを理解しておきましょう。
次に、なぜフィードバックが欲しいのか、その理由を明確に伝えることが大切です。
「今後の就職活動に活かしたい」「改善点を知り成長したい」といった前向きな理由を伝えましょう。
また、多忙な人事担当者の負担を考慮し、メールの文章は簡潔にまとめ、「ご多忙の折とは存じますので、ご返信はお気遣いなさらないでください」といった一文を添える配慮も忘れずに。
回答を催促したり、食い下がったりするようなことは避けましょう。
返答がなくても落ち込まなくて良い理由
丁寧にフィードバックを依頼しても、企業から返答がないケースは少なくありません。
しかし、それで過度に落ち込む必要はありません。
返答がない理由は、あなた個人の評価が低いからではなく、企業側の事情による場合がほとんどです。
多くの企業では、採用担当者は膨大な数の応募者に対応しており、一人ひとりに個別のフィードバックを行う時間的余裕がないのが実情です。
また、評価基準や具体的な評価内容を外部に伝えることを、社内規定で禁止している場合もあります。
あるいは、合否の理由を伝えることで、後々トラブルに発展するリスクを避けるため、という側面もあります。
フィードバックが得られなかったとしても、それはあなたの人格や能力が否定されたわけではありません。
気持ちを切り替えて、自己分析や模擬面接など、他の方法で改善点を見つけ、次の選考に向けて準備を進めることが大切です。
【面接で落ちる理由とフィードバック】次こそ通過するための改善ポイント
面接に落ちた経験は、決して無駄ではありません。
その経験から学び、具体的な改善行動に移すことで、次の選考での通過率を高めることができます。
単に「ダメだった」と落ち込むのではなく、「どこが悪かったのか」「どうすれば良くなるのか」を冷静に分析し、対策を講じることが重要です。
ここでは、面接の振り返りを踏まえ、次に繋げるための具体的な改善ポイントを5つご紹介します。
これらのポイントを意識して準備を進め、自信を持って次の面接に臨みましょう。
自分だけの志望動機を深掘る
面接官は、「なぜ他の企業ではなく、うちの会社なのか」を知りたがっています。
テンプレートのようなありきたりな志望動機ではなく、あなた自身の経験、価値観、興味関心に基づいた、オリジナリティのある志望動機を語ることが重要です。
「貴社の〇〇という理念に共感しました」だけでは不十分です。
なぜその理念に共感するのか、あなたのどのような経験や考え方がその理念と結びつくのかを具体的に説明する必要があります。
「なぜこの業界で働きたいのか」「その中でもなぜこの企業なのか」「入社したら具体的にどのような仕事を通じて貢献したいのか」という点を徹底的に深掘りしましょう。
企業の事業内容や社風、将来性などを深く理解し、自身の強みや経験と結びつけ、「この会社でなければならない理由」を明確に言語化する練習を繰り返しましょう。
よくある質問への答えを「印象に残る形」に再設計
自己PR、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)、長所・短所、挫折経験など、面接でよく聞かれる質問に対する回答は、事前に準備しておくことが不可欠です。
しかし、単に用意するだけでなく、面接官の印象に残り、他の学生と差別化できるように工夫することが重要です。
そのためには、具体的なエピソードを盛り込むことが効果的です。
STAR法(Situation:状況、Task:課題、Action:行動、Result:結果)などを活用し、どのような状況で、どのような課題に対し、自分がどう考え行動し、その結果どうなったのかを、論理的かつ具体的に伝えられるように整理しましょう。
抽象的な言葉だけでなく、当時の感情や学んだことなどを加えることで、より人間味のある、記憶に残る回答になります。
あなたならではの視点や言葉遣いを意識し、自信を持って話せるように練習しましょう。
表情・声・話すスピードを動画でチェック
自分が面接でどのように見えているかは、意外と自分では分からないものです。
話の内容は良くても、表情が硬かったり、声が小さかったり、早口だったりすると、マイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
そこでおすすめなのが、スマートフォンなどで模擬面接の様子を撮影し、客観的に見返してみることです。
自分の表情(笑顔はあるか、視線は合っているか)、声のトーンや大きさ(聞き取りやすいか、自信が感じられるか)、話すスピード(早すぎたり遅すぎたりしないか)、姿勢(猫背になっていないか)などをチェックしましょう。
無意識の癖を発見し、改善点を具体的に把握することができます。
例えば、「もう少し口角を上げる」「結論から話すことを意識する」「話すスピードを少しゆっくりにする」など、具体的な目標を設定し、繰り返し練習することが大切です。
マナーや身だしなみを再点検する
面接の基本であるマナーや身だしなみは、油断すると見落としがちなポイントです。
「当たり前」と思っていることでも、改めて確認し、万全の状態で臨むことが大切です。
まず、服装です。
スーツにシワや汚れはないか、シャツの襟元や袖口は綺麗か、ネクタイは曲がっていないか、靴は磨かれているかなどをチェックしましょう。
髪型は清潔感があるか、爪は短く切られているかなども確認します。
また、入退室時の挨拶やお辞儀の仕方、正しい敬語の使い方、時間を厳守するといった基本的なビジネスマナーも再確認しましょう。
オンライン面接の場合は、カメラに映る背景は整理整頓されているか、適切な服装か、カメラの角度は適切か、事前に通信環境を確認することも忘れずに行いましょう。
細部にまで気を配る姿勢が、丁寧さや真摯さとして伝わります。
模擬面接で本番に近い練習を積む
面接対策としてインプットした知識や準備した回答を、本番で最大限に活かすためには、実践練習が不可欠です。
頭で理解していることと、緊張する面接の場でスムーズに話せることは異なります。
友人、家族、大学のキャリアセンター、就職エージェントなどを活用し、できるだけ多くの模擬面接を経験しましょう。
様々なタイプの人に面接官役をお願いすることで、多様な質問への対応力や、異なる雰囲気への適応力を養うことができます。
模擬面接後は、必ずフィードバックをもらい、良かった点と改善点を具体的に把握しましょう。
特に、自分では気づきにくい話し方の癖や、回答の分かりやすさ、熱意の伝わり方などについて、客観的な意見を聞くことが重要です。
本番に近い環境での練習を繰り返すことで、自信を持って面接に臨めるようになります。
【面接で落ちる理由とフィードバック】就活で言ってはいけないNGワード集
面接では、意図せず発した一言が、マイナス評価につながってしまうことがあります。
特に、企業への意欲の低さや理解不足、自己中心的な考え方が透けて見えるような発言は避けるべきです。
ここでは、面接でうっかり言ってしまうと評価を下げかねない「NGワード」の代表例をいくつかご紹介します。
これらの言葉を知っておくことで、無意識のうちに不適切な発言をしてしまうリスクを減らし、より良い印象を与えられるようにしましょう。
特に志望企業はありません
これは、面接官に「この学生は自社への入社意欲が低い」と思わせてしまう、最も代表的なNGワードの一つです。
「複数の企業を比較検討している段階です」といった意図で正直に答えたつもりでも、面接の場では、その企業に対する熱意を示すことが求められます。
たとえ第一志望の企業でなかったとしても、なぜその企業に応募したのか、どこに魅力を感じているのか、入社したらどのように貢献したいのかを、具体的に説明できるように準備しておく必要があります。
企業研究をしっかりと行い、その企業ならではの魅力を見つけ、自分の言葉で語れるようにしておきましょう。
「特にありません」という回答は、準備不足であり、企業への敬意も欠いていると受け取られかねません。
福利厚生がよかったので
福利厚生は、企業選びの重要な要素の一つですが、それを志望動機の「主たる理由」として前面に出すのは避けるべきです。
面接官は、学生が仕事内容や企業への貢献意欲よりも、待遇面ばかりを重視していると感じ、「仕事そのものへの意欲は低いのではないか」「条件が良い他の会社があれば、すぐに転職してしまうのではないか」という懸念を抱く可能性があります。
企業は、自社の事業に共感し、主体的に貢献してくれる人材を求めています。
福利厚生の魅力について触れること自体が悪いわけではありませんが、あくまで志望動機の一部として、企業の事業内容や理念への共感、自己成長への意欲など、他のより本質的な理由と合わせて、バランス良く伝えるように心がけましょう。
「御社で成長できると思いました」だけ
「成長したい」という意欲を示すこと自体はポジティブですが、「成長できると思った」という表現だけでは、受け身で、会社に依存的な姿勢に見えてしまう可能性があります。
企業は、学校のように「学生を成長させてあげる」場所ではなく、「企業の成長に貢献してくれる」人材を採用したいと考えています。
そのため、「成長したい」という思いを伝える際には、「自分はこれまでの経験で培った〇〇という強みを活かして、貴社の△△という分野でこのように貢献したい。
その貢献を通じて、将来的には□□のようなスキルを身につけ、さらに大きな貢献ができる人材へと成長したい」というように、まず自分がどのように企業に貢献できるのかを具体的に示し、その上で成長意欲を語るという能動的な姿勢を示すことが重要です。
「教えてもらう」「育ててもらう」というスタンスではなく、「貢献しながら成長する」という意識を持ちましょう。
逆質問はありません
面接の最後にある逆質問の時間で「特にありません」と答えるのは、企業への関心や入社意欲が低い、あるいは面接の準備が不十分であるという印象を与えてしまうため、避けるべき回答です。
逆質問は、疑問を解消するだけでなく、企業理解を深め、自分の熱意をアピールできる最後のチャンスです。
この機会を活かさない手はありません。
事前に企業研究をしっかり行い、ウェブサイトや説明会だけでは分からなかったこと、社員の方に直接聞いてみたいことなどをいくつか質問として準備しておきましょう。
「入社1年目の社員に求められることは何ですか?」「〇〇事業の今後の展望について、差し支えなければ教えていただけますか?」など、企業の事業内容や働く環境について一歩踏み込んだ質問をすることで、意欲の高さを示すことができます。
おわりに
就職活動において、面接で不合格となる経験は、多くの学生が通る道です。
一度や二度の失敗で落ち込みすぎず、その経験を次に活かすことが何よりも重要です。
「なぜ落ちたのか」を冷静に分析し、この記事で紹介したような「落ちる人に共通する特徴」に自分が当てはまっていないか、面接官が重視するポイントを押さえられていたかを振り返ってみましょう。
フィードバックが得られなくても、自己分析の深化、模擬面接の繰り返し、マナーや身だしなみの再点検など、自分でできる改善策はたくさんあります。
諦めずに努力を続け、一つ一つの面接に真摯に向き合えば、必ず道は開けます。
自信を持って、前向きに就職活動を進めていきましょう。