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・商社の特徴
・商社の仕事内容
・商社に向いている人
・商社に興味のある人
・商社の業界研究がしたい人
・商社をより詳しく知りたい人
はじめに
商社に就職したいと考えているものの、具体的にどのような業務を行っているのかについて、なかなか理解できていないことも多いでしょう。
そこで今回は商社の概要について紹介しつつ、仕事内容や職種、将来性、向いている人の特徴などについて徹底的に紹介しています。
かなり詳しく紹介しており、全て読むには時間がかかるため、気になるポイントだけを確認したい方は目次から気になるところにジャンプしつつ、記事を読んでみてください。
商社とは
商社とは「商品や事業サービスといったものの取引の仲介を行う業界」であると覚えておけば良いです。
商社は取り扱う分野の広さの違いから、総合商社と専門商社の2つに分けられます。
それぞれどのような業務を行っているか、代表的な企業には何があるかについて確認してみましょう。
総合商社
総合商社とは幅広い商品やサービスを取り扱い、国内外で多様なビジネスを展開している企業を指します。
この種の商社は、食品や日用品などの消費財からエネルギーや金属、インフラ事業に至るまで、様々な分野で取引を行っています。
発展途上国や新興市場においてはインフラ整備や資源開発に携わることが多いです。
例えば、アフリカやインドのような地域で発展が遅れているエリアにおいても、その市場に適応したプロジェクトを推進し、現地の経済発展に寄与しています。
総合商社の多様性とスケールの大きさが、幅広い業務展開を可能にし、ビジネスチャンスを提供しています。
このため、多くの学生が憧れる職場であり、入社難易度は非常に高いと言えるでしょう。
代表的な企業
総合商社の代表的な企業としては三菱商事、伊藤忠商事、住友商事などが挙げられます。
いずれも日本国内外で幅広いビジネスを展開し、多様な業界に関与しています。
特に伊藤忠商事は総合商社の中でも多岐にわたる事業を展開し、グローバルなビジネスネットワークを有しています。
総合商社として幅広いネットワークと強力なビジネス基盤を持ち、国際的なビジネスシーンで重要な役割を果たしている企業であると言えるでしょう。
専門商社
専門商社は特定の分野や商品に特化した取引を行う企業です。
専門商社は総合商社と異なり、特定の業界や商品群に絞った専門性を持っています。
例えば、医薬品、鉄鋼、食料品など特定の分野に集中し、その分野での深い知識と経験を蓄積しています。
専門商社の定義として「ある特定の商品の売り上げが全体の売上の50%を占めること」が当てはまります。
つまり、その分野に対する専門的なノウハウや技術を持ち合わせているのです。
専門商社の強みは、業界内での高い専門性と特定の商品に対する深い理解にあります。
これにより、特定の分野において、他の企業よりも高い競争力を持っています。
代表的な企業
専門商社の代表的な企業としてはスズケン、東洋エンジニアリング、メディパルホールディングスなどがあります。
これらの企業は医薬品や日用品、鉄鋼、医療関係、食料品など各々の分野で深い専門知識と経験を持ち、その分野での競争力を高めている企業ばかりです。
実際に応募をしない場合でも、業界理解のため、名前と業務内容だけは簡単に押さえておくことをおすすめします。
商社の市場規模ってどんなものなの?
商社の市場規模は総合商社と専門商社で異なります。
2020年から2021年にかけて、総合商社の市場規模は約50兆7955億円、専門商社の市場規模は約50兆3870億円でした。
この期間は新型コロナウイルスの影響を受けて市場全体が低下しましたが、近年では回復の兆しが見られています。
商社はその幅広いビジネス領域とグローバルな取引によって安定した市場取引を維持し、市場規模を維持しています。
特に総合商社は多様な分野にわたる取引や投資を行っており、経済の変動に強いです。
一方で専門商社は特定の分野に特化しているため、よりニッチな市場での動向に依存します。
商社の平均年収は高い!
商社の平均年収は非常に高い傾向があります。
総合商社の平均年収は約1430万円で、専門商社の平均年収は約792万円となっています。
総合商社の中でも、伊藤忠商事が平均年収1,580万円でトップとなっており、専門商社ではJFE商事が1,368万円で最高額です。
業務の広がりや企業の規模、国際的な取引の多さなどが年収に影響するため、比較的年収が幅広いことには間違いありません。
しかし、いずれにおいても平均的な年収は高く、金銭面で魅力的な業界であることは間違いありません。
商社の就職難易度も高い!
商社業界はその華やかなイメージと国際的なビジネス環境から、多くの学生にとって魅力的な職場とされています。
したがって、商社への就職は非常に競争が激しく、難易度が高いです。
特に総合商社は多くの学生からの応募が集中するため、選考過程が厳しくなります。
総合商社の年間採用人数は101人から200人程度とされており、その一方で2万人以上の応募があることもあるため、競争率は非常に高いです。
このような高い競争率は商社業界が求めるスキルや資質が非常に高いこと、そして多くの応募者の中から最も適した人材を選び出す厳しい選考基準が影響しています。
したがって、簡単に内定を得られるとは思わない方が良いでしょう。
商社の転勤は必須なの?
結論として、商社での転勤は主に海外でのビジネスを行う際に不可欠な要素となります。
商社は国際的な取引や商談が多く、海外市場で業務を展開するために社員が現地に赴くことが多いです。
したがって、商社の社員は転勤をすることが頻繁であり、特に総合商社ではその傾向が顕著です。
総合商社では約20%の社員が海外転勤を経験するとされており、国際的な視野を持ち、グローバルなビジネス環境に対応する能力が求められます。
一方で、専門商社でも海外転勤が必要な場合はありますが、業務の特性や取引先によって頻度や確率は異なるため、総合商社ほどは転勤が多くないとされています。
もし、「商社に就職したいけれど、あまり転勤はしたくない」と考えている方は、企業研究をしっかりと行い、専門商社の中でも転勤が少ないとされている企業を選ぶと良いでしょう。
商社の仕事内容って何がある?
続いて、商社の仕事内容についても紹介します。
様々な業務内容が存在しますが、特に代表的なものは以下の3つです。
どのような業務を行うのか、どのような能力が求められるのかについて、一緒に確認してみましょう。
トレーディング
トレーディングとは生産者から材料や製品を仕入れ、それを取引先に提供する仕事です。
商社は世界中で貿易を行い、原材料や製品を調達し、取引先に提供します。
このプロセスには単なる物品の流通だけでなく、バリューチェーンという付加価値の創出が求められます。
「バリューチェーン」とは原材料の調達から製品の販売までの一連の活動において、価値を付加するプロセスのことを指します。
商社は調達から配送までのすべての段階に関与し、効率的かつ効果的に取引を進めることで、取引先にとって最適な価値を提供するのです。
これにより、商社は単なる仲介者としてだけでなく、ビジネスパートナーとしても重要な役割を果たしています。
事業投資
事業投資とは商社が持つ資源を企業やプロジェクトに投資し、その企業やプロジェクトの成長を促進する活動です。
資源にはヒト、モノ、情報が含まれ、これらを適切に配置することで、投資先の企業やプロジェクトに付加価値を与えることが目的です。
商社は特に小売業や製造業などの分野に対して、必要な資源を提供し、これによって新たなビジネスチャンスを創出します。
また、金銭的な投資も行い、企業が必要とする資金を提供することで、成長をサポートします。
事業投資は商社がただの仲介業者でなく、積極的に価値を創造するパートナーとしての役割を果たすための重要な業務であり、投資先の企業とともに利益を追求しているのです。
事業経営
事業経営とは、商社が自ら経営に携わる企業やプロジェクトを通じて利益を上げる活動です。
総合商社においてはこの事業経営が特に重要な役割を果たします。
商社は仲介業を行うだけでなく、自らの資本やリソースを使って事業を運営し、長期的な利益を追求します。
商社が経営する企業やプロジェクトに対して、戦略的な経営判断やリソースの配分を行い、事業を成長させるための計画を実行するのです。
商社の事業経営には幅広い業界知識や経営スキルが求められ、リスクを伴うことも多いですが、その分大きなリターンを期待できる分野でもあります。
商社は自らの手で事業を成長させ、利益を追求することで、その存在価値を高めています。
商社ってどんな職種があるの?
商社の職種には様々なものが存在しますが、代表的なものは以下の3つが当てはまるといえるでしょう。
どのような業務を行うのか確認し、もし興味がある職種があれば、より深く調べてみてください。
営業・トレード
営業・トレードは商社において商品の取引やサービスの提供を担う重要な職種です。
商社の主な収益源はこの職種によって生み出されます。
営業・トレードの役割は取引先のニーズを把握し、それに応じた商品やサービスを提供することです。
取引先との商談や契約の締結、商品の仕入れ、輸出入手続き、そして納品までの全プロセスを管理します。
営業・トレード職では取引の成功が会社の利益に直結するため、ビジネスセンスや交渉力が求められます。
また、商社は国際取引が多いため、海外の取引先とのコミュニケーションが頻繁に行われ、ビジネスレベルの英語力や異文化理解が不可欠です。
営業・トレード職は商社の収益を支える中核的な役割を果たし、国際的な視野でビジネスを展開する能力が必要と言えるでしょう。
事業企画
事業企画は商社の成長を支えるために新しい事業や投資の機会を模索し、具体的な計画を立てる職種です。
この職種では他の企業やプロジェクトへの投資戦略を企画し、リスク管理を行いながら、収益を最大化するための方針を策定します。
また、マーケティングやコンサルティング的な役割も担い、企業の成長に寄与するための新しい事業戦略を提案します。
また、業界や市場の動向を把握し、競争環境の中でどのように優位性を確保するかを考えることも仕事の1つです。
したがって、戦略的思考力や分析力が求められます。
さらに、事業企画は企業の経営方針に深く関わるため、リーダーシップやコミュニケーション能力も重要です。
事業事務・貿易事務
事業事務・貿易事務は商社において営業やトレード業務をサポートする役割を担う職種です。
主な業務内容は書類作成、データ入力、電話応対、スケジュール管理などのデスクワークがです。
特に貿易事務では一般的な事務業務だけでなく、輸出入に関連する書類の作成や手続き、物流の手配など、貿易に関わる業務を円滑に進めるためのサポートを行います。
また、営業職や管理職がスムーズに業務を遂行できるようにサポートしなければならないため、正確性や効率性が求められます。
また、顧客とのやり取りが発生する場面も多いため、ビジネスマナーやコミュニケーション能力が重要です。
事業事務・貿易事務は商社を支えるものと言えます。
商社の将来性ってどうなの?
商社で働くとなると、将来性についても考えなければなりません。
就活において重要なのは、今後自分が働くことになるかもしれない業界のトレンドや将来性を把握しておくことです。
結論として、商社は需要が高く、将来性があるため、特に懸念する必要はありません。
しかし、面接で業界の動向などについて聞かれた時のためにも、将来性の概要について、スムーズに答えられるようになっておきましょう。
需要が大きい業界
商社は長年にわたり、安定した需要を持つ業界として知られています。
商社の主要な役割は取引の仲介を行うことです。
取引の仲介を通じて、生産者と商社、あるいは異なる企業間をつなぎ、双方に利益を提供します。
この中立的な立場からのアプローチにより、商社は経済の重要な一部として機能しているのです。
グローバルな取引が進展し続ける現代社会において、商社は取引の複雑化やグローバル化に対応するためのノウハウとネットワークを有しています。
特に、エネルギー、食品、インフラなど、基本的な生活に欠かせない分野での需要は今後も安定しており、商社の需要は今後も維持される、もしくはさらに高まるでしょう。
少なくとも、商社に就職した人は、将来を憂う必要はあまりありません。
将来性のある事業展開
商社は多くの事業分野に関与し、幅広い事業展開を行っています。
商社は伝統的な取引業務に加えて、新たな事業分野への進出を積極的に行ってきました。
特に、近年では再生可能エネルギー、デジタル技術、ヘルスケア分野など、将来性のある事業への投資が増加しています。
商社はこれらの分野において、先見性を持ち、将来的に成長が見込まれる事業に対する投資を行うことで、長期的な収益を確保しようとしています。
これにより、リスク分散を図りながら、新たな収益源を確保することが可能です。
今後も商社は新しい市場や技術に適応し、事業を多角化させていくことで、その成長を維持し、さらなる拡大を図ることが期待されています。
資源開発
商社の中でも、特に注目される分野が資源開発です。
資源開発は石油や天然ガス、レアメタルといった地球資源の採掘や供給を行う事業です。
これまで、石油や天然ガスが中心でしたが、近年では再生可能エネルギーやクリーンエネルギーへのシフトが進んでいます。
商社はこうした資源開発プロジェクトに対して積極的に投資を行い、資源の安定供給を目指すとともに、環境への配慮を強化しています。
特に、温室効果ガスの削減を目指す国際的な動きに応じて、再生可能エネルギーの分野での投資が拡大しています。
このような動きは商社にとって新たな収益源となるだけでなく、近年注目されているキーワードである「持続可能な社会」の構築にも貢献するものです。
エレクトロニクス・半導体
エレクトロニクスや半導体分野は商社にとって重要な事業領域です。
これらの技術はコンピュータ、スマートフォン、テレビ、さらには自動車など、私たちの日常生活に欠かせない製品に広く使われています。
特に、自動車産業においては電動化や自動運転技術の進展により、エレクトロニクスや半導体の需要が急増しています。
商社はこれらの分野において世界中のサプライチェーンを管理し、製品の調達や供給を円滑に行うことで、技術革新を支える役割を果たしているのです。
今後も技術の進化に伴い、商社がエレクトロニクス・半導体の分野で果たす役割はますます大きくなると考えられます。
バイオテクノロジー
バイオテクノロジーは商社が新たに注力している分野の1つです。
ワクチンや抗生物質の開発、食品分野においては遺伝子組み換え技術などが「バイオテクノロジー」に含まれます。
商社はこれらの先端技術を取り入れ、新たなビジネスチャンスを模索しています。
バイオテクノロジーは地球規模での食糧問題や健康問題の解決に貢献する可能性もあり、商社がこの分野で積極的に活動することで、社会的な貢献を果たせるかもしれません。
特に、食糧安全保障やヘルスケア分野でのニーズが高まる中、商社がこの分野で果たす役割は非常に大きいと言えます。
商社に向いている人5選
続いて、商社に向いている人の特徴を大きく分けて5つ紹介します。
以下の特徴が複数当てはまる人は、ぜひ自信を持って商社の選考に臨んでください。
もし当てはまる要素があまりない人は、就活本番までに当てはまる人物になれるよう、工夫しながら就活対策に取り組んでみてください。
チャレンジ精神がある
商社では常に新しいビジネスモデルや未開拓の市場に挑戦することが求められます。
商社は多岐にわたる事業分野を持ち、その中で新しいビジネスチャンスを見つけ、事業を展開していくことが期待されます。
したがって、新たな分野での初めての経験に対しても積極的に取り組む姿勢が必要です。
失敗を恐れず、新しいことにチャレンジできる精神があれば、商社での活躍が期待できます。
チャレンジ精神がある人は困難な状況でも新たな道を切り開き、常に成長できるため、商社において非常に重要な資質と言えるでしょう。
忍耐力がある
忍耐力も商社において求められる能力の1つです。
商社の業務は非常に多岐にわたり、常に変化が求められる環境です。
加えて、プロジェクトの進行中にトラブルが発生することもしばしばあります。
したがって、商社で働くには精神的なタフさが必要不可欠です。
特に長時間の業務や成果がすぐに現れないプロジェクトも多いため、粘り強く取り組む忍耐力が求められます。
国際的な取引や長期的な事業展開が一般的であり、困難に直面することが多いため、焦らずに取り組み続けられる忍耐力がある人は、商社で成功する確率が高いと言えるでしょう。
成長意欲がある
商社では常に新しい知識やスキルを学び、自己成長を図ることが求められます。
商社の事業領域は非常に広く、新しい分野への進出や技術革新が日常的に行われているため、自己成長を怠らない人が必要です。
成長意欲がある人は学んだことを活かして自らのスキルを磨き、業務において成果を出すことができます。
また、成長意欲が強い人は自分だけでなくチーム全体の成長にも寄与することができるため、商社にとって非常に貴重な人材となります。
新しいことを吸収し、それを実践に活かす姿勢が、商社でのキャリアにおいて大きな武器となるでしょう。
チームでの活動が得意
商社の業務はチームプレイが基本です。
ほとんどのプロジェクトが、異なる専門分野のメンバーが協力することで進められます。
そのため、チームワークを重視し、他のメンバーと円滑にコミュニケーションを取りながら業務を進める能力が求められます。
個々の力だけでなく、チーム全体の力を引き出し、一丸となって目標に向かって進めることができる人こそ、商社に向いていると言えるでしょう。
チームでの活動が得意な人は、他者の意見を尊重しつつ自分の意見も発信でき、協力し合って成果を上げることができるため、商社での仕事において非常に重要な役割を果たします。
マネジメント能力がある
商社では複数のプロジェクトを同時に進行させることが一般的であり、それぞれのプロジェクトが成功するためには優れたマネジメント能力が必要です。
マネジメント能力がある人は複数の業務を効率的に管理し、チームを率いて目標を達成することができます。
また、商社は多国籍なビジネス展開を行っているため、異なる文化や背景を持つメンバーをまとめる力がもめられます。
商社においては戦略的な思考や調整力、リーダーシップが求められる場面が多く、マネジメント能力がある人は商社で活躍できるでしょう。
商社の就活で取得しておきたい資格とは?
商社の就活において取得しておきたい資格についても紹介します。
以下の3つの資格を取得しておけば、商社の就活において非常に有利であると言えるでしょう。
また、もし合格できなかったとしても、資格勉強を通じて知識やスキルを身につけておくことは就活において確実に役に立ちます。
TOICE
商社では海外との取引や交渉が多いため、高い英語力が求められます。
その中でもTOEICのスコアは重要な指標とされ、特に800点以上のスコアがあれば就活で大きなアピールポイントとなります。
TOEICはリスニングとリーディングのスキルを測定しますが、商社ではこれに加えて、スピーキングやライティングのスキルも重要です。
実際の業務では海外の取引先と交渉やメールのやり取りを行うことが多く、ビジネスレベルの英語力が求められるのです。
そのため、高スコア取得だけでなく、外国人の教授と交流するなど、実際のコミュニケーション能力を鍛えることが重要です。
また、TOEICのスコアを履歴書に記載するだけでなく、面接で具体的にどのように英語を学んだか、英語を使って成果を出したかを説明できるようにしておくと、さらに強みとなります。
日商簿記
商社では事業投資や経理業務など、数字に強い人材が求められるため、日商簿記2級以上の資格を持っておくと非常に有利です。
特に、事業投資や財務分析など、商社のコア業務においては簿記の知識が欠かせません。
簿記の学習を通じて、財務諸表の読み方や企業の経営状態を分析する力が身につき、これにより経営判断や投資判断の際に貢献できるようにもなります。
また、総合職のみならず、一般職においても簿記の知識があると経理や財務に関連する業務でスムーズに対応できるため、業務の幅が広がります。
商社の仕事では複雑な取引や投資プロジェクトが多いため「数字に強い」というアピールは非常に有効です。
証券アナリスト
証券アナリストの資格は証券投資や企業評価に関する高度な知識を持っていることを証明するものであるため、商社の就職活動において非常に有利です。
証券アナリスト資格を取得、または取得に向け学習することで、企業の財務分析や投資価値の評価に関する知識が身につきます。
商社では多くの取引先企業に対して適切な投資判断を下すことが求められますが、証券アナリストの資格を持っていれば、これらの判断において専門的な知見を活かせます。
また、学習を通じて資本市場や金融商品に関する知識も習得できるため、商社の多岐にわたる業務において、金融や投資の専門家としての活躍も目指せるでしょう。
証券アナリスト資格を目指すことで、商社内でのキャリアアップやより専門性の高い業務に携わるチャンスが増えるはずです。
商社で求められるスキルって何?
先ほど、商社に向いている人の特徴についても紹介しましたが、商社で求められるスキルがどのようなものであるのかについても理解を深めておきましょう。
もし以下の2つの能力に自信がないならば、就活本番までにこれらの能力に磨きをかけられるよう取り組んでみてください。
コミュニケーション能力
商社ではコミュニケーション能力が非常に重要です。
商社のメインの業務の1つである商談や取引交渉は他社やクライアントとの対話を通じて進められます。
取引先のニーズを理解し、それに応じた提案を行うためには、優れた対人能力が不可欠です。
また、商談や交渉は一度で終わることは少なく、相手との信頼関係を構築し、長期的なビジネス関係を築くことが求められます。
そのため、言葉の使い方や相手の感情を読み取る力が非常に重要です。
さらに、国際的な取引が多い商社では、文化が異なる相手とも円滑にコミュニケーションを取る能力が必要です。
多言語でのコミュニケーションだけでなく、文化的背景や価値観の違いを理解し、柔軟に対応できることが求められます。
身体的・精神的な体力
商社で働くには身体的、そして精神的な「体力」が必要不可欠です。
商社の業務は非常に多忙であり、長時間労働や海外出張が続くこともあります。
特に、海外での業務では時差や異なる生活習慣に適応しながら仕事を進めなければならないため、体力と精神力が欠かせません。
また、商談や交渉がうまく進まない際やトラブルが発生した際には冷静に対応するための精神的な強さも求められます。
これに加え、商社では複数のプロジェクトを同時進行で進めることが多く、それに伴うプレッシャーに耐える持久力が必要です。
業務の内容が多岐にわたり、不確定要素の多い状況下でも成果を出し続けるためには、強い体力と精神力を持つことが求められるのです。
多文化理解
商社では国際的なビジネスが日常的に行われるため、多文化理解が不可欠です。
商社の取引先は世界中に広がっており、アメリカやヨーロッパなどの先進国はもちろん、アフリカやアジアの発展途上国とも取引を行います。
そのため、異なる文化や価値観を持つ人々と円滑にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが求められます。
多文化理解とは複数の言語を話すことだけでなく、相手国のビジネス習慣や交渉スタイル、社会的背景を深く理解し、それに応じた対応をすることです。
また、多文化理解があることで、現地のパートナーとの協力関係を強化し、長期的なビジネスを成功に導くことができるでしょう。
こうした能力は商社の業務において欠かせないスキルであり、グローバルなビジネス環境で活躍するために必須の要素です。
商社に入社するためにやるべきこと
続いて、商社に入社するためにやるべきことについても紹介します。
以下の3つの対策をしっかりと行うことで、より商社の選考に自信を持って臨めるようになるはずです。
これらの対策は商社だけでなく、他の業界を目指すにあたっても十分に活用できるものであるため、他の業界を併願している方もぜひ参考にしてみてください。
自己分析
商社に入社するためには、まず自己分析が不可欠です。
自己分析を通じて自分の強みや価値観、そしてどのようなキャリアを築きたいのかを明確にすることが求められます。
このプロセスを丁寧に行うことで、自分が商社でどのように貢献できるか、どのような分野で力を発揮できるかを理解できます。
また、自己分析によって、就職活動全体の軸となる「何を重視して企業を選ぶか」を明確にすることが可能です。
この軸がぶれないことで、面接時に一貫した説明ができ、自信を持って自分の魅力をわかりやすく伝えることが可能になります。
こちらの記事では自己分析の方法などについてより詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
業界研究
自己分析が完了したら、次に業界研究を進めることが求められます。
商社は幅広い分野にわたって事業を展開しており、その動向や市場規模、競合他社の状況などを理解することが必要です。
業界研究を通じて、商社の中でも特にどんな分野に興味があるのか、また自分がどのようにその分野で貢献できるかを考えることが求められます。
また、業界全体の将来性や成長性を把握することで、商社業界における自分のキャリアビジョンを描きやすくなります。
再生可能エネルギーやエレクトロニクスなど、どの分野が今後注目されるのか、どのような技術が商社のビジネスに影響を与えるのかを理解することが、企業選びや面接のアピールポイントになるでしょう。
企業分析
業界研究が完了したら、次に、目指している企業について深く理解するために企業分析をしましょう。
商社はそれぞれが異なる強みや事業領域を持っているため、自分に最も適した企業を見つけるためには、各企業の経営方針や企業理念を理解することが求められます。
企業分析を行うことで、その企業がどのような事業に力を入れているのか、また、どのような価値観を持っているのかを理解することが可能です。
これにより、面接で「なぜその企業を志望するのか」を具体的に説明することができ、説得力のある志望動機を作成することが可能となります。
また、企業が求める人物像を理解することで、自分の強みをどのようにアピールすれば良いかも明確になるでしょう。
就活で困ったことがあったらエージェントに相談しよう!
今回は商社の業務内容について非常に詳しく紹介しましたが、倍率が高いと聞き、内定を得られる自信を失ってしまった人もいるかもしれません。
そこでおすすめなのは、就活エージェントに相談することです。
ジョブコミットは完全無料で利用できるだけでなく、ESの添削や面接対策、そしてどうすれば商社に刺さるアピールができるのかなどのアドバイスも行っています。
競争が激しい商社業界での就活を成功させるためには1人で臨むことは現実的とは言えません。
ぜひ、ジョブコミットの就活エージェントと二人三脚で就活を進めてください。
まとめ
今回は商社の業務内容や仕事内容、求められる能力や向いている人の特徴などについて詳しく紹介しました。
商社は倍率が非常に高いため、内定を得ることは非常に難しいと言えますが、年収が非常に高く、やりがいを持って業務に取り組むことができる魅力的な業界です。
ぜひ本記事で紹介した内容を踏まえた上で、あなたが目指す企業の内定を獲得できるよう取り組んでみてください。