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ESで「学業で取り組んだ内容」を企業が聞く理由
就職活動において、エントリーシート(ES)で「学業で取り組んだ内容」を記載する質問は非常に一般的です。
この質問を通じて、企業は応募者が大学時代に何を学び、どのような努力をしてきたのかを理解し、その価値観や能力、成長意欲を把握しようとしています。
しかし、この質問の意図は単に応募者の学びを知ることだけではありません。
企業は「学業で取り組んだ内容」を通じて、応募者が自社に適した人材かどうかを多角的に判断しています。
本記事では、企業がこの質問を投げかける背景と目的を、以下の4つの視点から解説します。
これを理解することで、効果的な回答を作成し、選考突破の可能性を高めることができます。
自社とのマッチ度を確かめるため
企業がこの質問をする理由の一つは、応募者が自社の業務内容や求める人材像に合致しているかを確認するためです。
大学での学びは、専門知識やスキルの習得に直結しており、これが企業の業務にどのように役立つかが重要なポイントとなります。
たとえば、理系学生の場合は、研究テーマや技術的な取り組みが企業のプロジェクトや技術開発に応用可能かどうかが評価されます。
一方、文系学生の場合は、ゼミやプロジェクトでの経験が重視され、特に社会課題に対するアプローチやデータ分析能力などが、企業のニーズに合致しているかが注目されます。
ここで大切なのは、自分の学びを応募企業の業務に結びつけて伝えることです。
そのためには、応募企業の事業内容や価値観を十分に調べ、それに基づいて自分の経験を関連付ける努力が必要です。
入社後に成長できる人材かどうかを知るため
企業がこの質問を投げかけるもう一つの理由は、応募者の成長意欲やポテンシャルを把握することです。
学業を通じて直面した課題や壁、それをどのように乗り越えたかは、応募者の成長プロセスを示す重要な指標となります。
応募者がどのように自己研鑽を続け、学びを発展させてきたかを知ることで、企業は入社後の成長可能性を判断します。
また、学業外での資格取得や課外活動との組み合わせにより、多面的に成長したことをアピールできれば、さらに評価が高まります。
企業は、社員が学び続ける姿勢や、困難な課題に対して積極的に取り組む姿勢を重視しています。
特に、失敗や挫折を経験し、それをどのように乗り越えたかを具体的に伝えることは、単なる成果以上に応募者のポテンシャルを強く印象付ける要素となります。
課題に対する姿勢を知るため
企業は、「学業で取り組んだ内容」を通じて、応募者が課題にどのように向き合い、どのように解決を図ったのかを見極めようとしています。
この質問の背景には、応募者の問題解決能力や計画性、粘り強さを確認したいという意図があります。
課題への取り組みを伝える際には、単に結果を述べるだけでなく、どのように課題を発見し、どのような行動を取ったかを詳しく説明することが重要です。
また、プロジェクトやグループ活動での役割や貢献を説明することで、リーダーシップや協調性をアピールすることができます。
企業はまた、課題への取り組み方を通じて応募者の性格や価値観を読み取ります。
たとえば、失敗や困難を正直に共有し、それをどう克服したかを語ることで、柔軟性や向上心をアピールすることができます。
こうしたエピソードは、応募者の課題に対する真剣な姿勢や信念を伝える大きな武器となります。
大学生活をどう過ごしたかを知るため
学業への取り組みは、応募者が大学生活をどのように過ごしてきたのかを知るための重要な手がかりとなります。
企業は、応募者の価値観や時間管理能力、優先順位の付け方を理解することで、その人物像を描きます。
学業以外の活動、たとえばサークルやアルバイトと両立してきた経験を挙げることで、計画性や柔軟性を示すことができます。
また、学業で得た知識やスキルを、社会でどのように活かしたいかを明確にすることが、自己成長をアピールするポイントとなります。
さらに、学業を通じて得た知識やスキルを、社会でどのように活かしたいと考えているかを明確にすることが重要です。
人柄を深く理解したい
企業が「学業で取り組んだ内容」を通じて、学生の性格や人となりを知ろうとするのは、単に能力だけでなく、その人物が組織の文化やチームの中でどのように貢献できるかを見極めるためです。
学業への取り組み方からは、困難に直面した際の対応、他者との協調性、主体性、そして倫理観など、数値やスキルリストでは測れない内面的な側面が浮かび上がります。
採用は、スキルセットだけでなく、その人が持つ個性や潜在的な可能性への投資です。
だからこそ、学業の経験を通して見えてくるあなたの人柄は、企業にとって非常に重要な評価ポイントとなるのです。
あなたの個性と企業文化がどれだけフィットするか、その相性こそが、長期的な活躍と双方にとっての成功を左右する鍵となります。
【ESにおける「学業で力を入れたこと」】評価基準
就職活動において、エントリーシート(ES)で「学業で力を入れたこと」を記載する際には、企業がどのような基準で評価するかを理解することが重要です。
この質問は単に学業の内容を知るためではなく、応募者の思考力や行動力、適性を判断するための重要な手段です。
ここでは、企業が重視する3つの評価基準について詳しく解説します。
自分の経験をわかりやすく伝える力があるか
企業が「学業で力を入れたこと」を評価する際に、最も重要視するポイントの一つが、自分の経験をわかりやすく伝える力です。
仕事においては、顧客や上司、同僚と効果的にコミュニケーションを取る能力が不可欠であり、その基礎となるのが論理的な表現力です。
そのため、学業での取り組みを端的かつ簡潔に記述することが重要です。
応募者の中には、学業の内容を必要以上に詳細に説明しようとするあまり、話が複雑になり、要点が伝わりにくくなってしまうケースがあります。
しかし、企業が求めているのは膨大な情報ではなく、エピソードの核心部分です。
例えば、「TOEICのスコアを600点から800点に上げるために、毎日3時間の勉強を3か月間続けた」などの数値を盛り込むことで、努力の程度を客観的に示すことができます。
こうした具体性が、採用担当者に信頼感を与える要素となるのです。
計画する力や課題を解決する力が備わっているか
次に、企業が注目するのは、応募者が計画的に物事を進め、課題に取り組む力を持っているかどうかです。
大学での学業は、時間の管理や目標達成能力を養う場でもあり、その中での経験は、社会に出てからの仕事の進め方に直結します。
そのため、計画性や課題解決力が明確に示されているかが評価基準となります。
例えば、ある応募者がゼミでの研究発表を成功させるため、長期的なスケジュールを立て、定期的な進捗確認を行った経験を述べたとします。
この場合、単に「研究発表を成功させた」という結果だけでなく、事前にどのような準備を行い、チームをどのように動かしたかというプロセスを詳細に説明することで、計画力をアピールできます。
課題解決力についても、具体的なエピソードを用いて説明することが重要です。
例えば、「研究中に必要なデータが不足していたが、新しいデータ収集方法を模索し、効率的に解決した」といった内容は、問題に直面した際の柔軟な対応力を示します。
また、このような経験を通じて何を学び、どう成長したのかを言及することで、単なる結果以上の価値を伝えることができます。
あまり評価の対象にはならないポイント
一方で、「学業で力を入れたこと」の記載において、あまり評価の対象とならない要素も存在します。
これらを避けることで、回答の質をさらに高めることができます。
まず、抽象的すぎる表現は避けるべきです。
例えば、「学業に全力を注ぎました」や「ゼミ活動に積極的に参加しました」というような漠然とした表現では、企業に具体的なイメージを与えることができません。
このような場合でも、「ゼミで行った研究テーマを深掘りし、発表内容を充実させた結果、高い評価を得ました」というように具体的な行動や成果を記述することで、効果的なアピールが可能です。
また、成果の大きさだけを強調することも評価につながりにくい点です。
企業が重視しているのは、結果そのものではなく、その過程で応募者がどのように努力し、成長したかです。
たとえ小さな成果でも、その背景にある努力や課題への取り組みがしっかりと説明されていれば、十分に高評価を得ることができます。
目標達成への粘り強い姿勢
企業が「学業で取り組んだ内容」から特に注目するのは、学生が目標達成に向かってどのような姿勢で臨んだかという点です。
これは単に「目標を達成したかどうか」という結果だけでなく、その過程でどのような課題に直面し、それをどう乗り越え、最終的にどのような成果を出したかという一連のプロセスを重視することを意味します。
企業は、入社後も予期せぬ問題や困難に直面することが多々あると理解しています。
そのような状況下で、目標を見失わず、粘り強く取り組むことのできる人材は、組織にとって不可欠な存在です。
あなたの学業経験の中に、明確な目標設定、それに対する具体的な行動、そして困難を乗り越えたエピソードがあれば、それは企業にとって非常に魅力的なアピールポイントとなるでしょう。
【ESにおける「学業で力を入れたこと」】学業テーマを決める前に考えるべき3つの軸
エントリーシートで多くの学生が悩むのが、学業で力を入れたことのテーマ設定です。
どの経験を選ぶかによって、あなたの強みや考え方の印象が大きく変わります。
成績の良さや研究内容の難しさよりも、どんな目的で取り組み、どんな工夫や成長があったのかが重要です。
ここでは、学業テーマを決める前に考えるべき三つの軸について整理します。
企業との接点があるか
学業テーマを選ぶときは、企業とのつながりを意識することが大切です。
どんなに素晴らしい研究や学びでも、志望する企業の事業や理念に結びつかなければ、採用担当者に響きません。
例えば、製造業を志望するなら、実験やデータ分析などの過程で培った問題解決力を軸にする。
教育業界を志望するなら、ゼミやグループ研究を通して人に教える力や協調性を強調する。
このように、企業の求める能力や価値観と自分の学びを関連づけることが重要です。
また、テーマを企業の課題意識と重ねることで、自分がどんな貢献ができるのかを自然に示すことができます。
学業テーマを通じて、自分の経験が社会や仕事にどうつながるかを具体的に説明できれば、説得力のあるESになります。
自分の強みを裏付けできるか
学業テーマは、自分の強みを証明する場でもあります。
どれほど真面目に取り組んだ内容でも、自分の成長や得意分野が伝わらなければ、印象に残りません。
学業の中で何を重視し、どんな力を発揮したのかを具体的に伝えることが大切です。
たとえば、課題研究で最後まで粘り強く挑戦した経験があるなら、継続力や集中力を裏付ける内容としてまとめることができます。
また、数字や事実を交えて話すことで、強みを客観的に示すことができます。
成果の大きさよりも、努力の過程や思考の工夫に焦点を当てると、あなたの人間性が伝わります。
強みを裏付けるためには、行動の理由と結果を明確にし、どのように考え、どう行動したのかを一貫して表すことが重要です。
話していて熱が出る内容か
学業テーマは、心から興味を持って取り組んだ経験を選ぶことが何より大切です。
どれほど立派な研究や成果でも、自分が情熱を持って語れなければ相手には響きません。
面接官は、テーマの内容よりも、その経験にどれだけ本気で向き合ったかを重視します。
興味や関心を持って取り組んだことなら、自然と表情や言葉に熱がこもり、説得力が生まれます。
そのため、学業テーマを選ぶときは、成果の大きさではなく、どれだけ真剣に向き合ったかで判断することが大切です。
また、自分が熱中して取り組んだ経験は、志望動機や将来の目標と結びつけやすく、一貫性のあるストーリーを作りやすくなります。
自分の関心や努力が自然に伝わるテーマを選び、心から語れる内容で勝負することが、良いガクチカの第一歩です。
【ESにおける「学業で力を入れたこと」】力を入れたことが見つからない時は?
就職活動のエントリーシート(ES)では、しばしば「学業で力を入れたこと」を問われます。
しかし、「特に目立った成果がない」「これといった取り組みが思いつかない」と感じて悩む方も多いのではないでしょうか。
この悩みは決して珍しいものではありません。
多くの場合、自身の経験を掘り下げたり整理したりする過程が十分でないために、アピール材料が見つからないと感じている可能性があります。
この記事では、力を入れたことが見つからない時にどのように考え、エピソードを組み立てれば良いかを4つのステップで解説します。
この方法を活用すれば、自分に自信を持ち、魅力的なESを作成する手助けとなるはずです。
これまで学習してきたことを振り返る
まず最初に、大学生活の中で自分が学んできた内容を振り返ることが重要です。
大学での学びは必ずしも派手な成果や表彰が伴うものばかりではありません。
しかし、どのような学問であれ、日々の講義や課題、試験のために努力を重ねた経験は、確実に自分の成長につながっています。
この成長を見逃さず、エピソードに落とし込むことが鍵となります。
具体的には、1年生から現在までの学業や活動を紙に書き出してみましょう。
講義で得た知識や、特に記憶に残っている授業、取り組んだ課題、書いたレポートなどを思い出すことが大切です。
振り返りの中で、「あの時、こんな工夫をした」「こんなに時間をかけた」といった具体的な行動を掘り起こすことが、エピソード作成の第一歩です。
特に力を入れた学業をピックアップする
次に、自分が特に力を入れた学業をピックアップします。
ここで重要なのは、成果の大きさに固執しないことです。
必ずしも「研究で受賞した」「資格試験で高得点を取った」といった目覚ましい成果である必要はありません。
日々の努力やプロセスそのものが評価対象となることを意識しましょう。
例えば、難しいテーマに取り組んだ授業や、成績向上のために試行錯誤を重ねた科目はありませんでしたか?特に目立つ成果がない場合でも、毎週の課題に取り組んだ工夫や、苦手分野を克服するための努力は、立派なアピールポイントになります。
さらに、複数の候補を挙げた後、その中から「自分が最も語りやすいもの」を選びましょう。
ゼミ活動や研究に関連したテーマはもちろん、レポート作成やグループワークなど、自分が関与した具体的なエピソードであれば何でも構いません。
この段階で重視すべきなのは、「どれだけ具体的に語れるか」です。
なぜ力を入れたのかを考える
エピソードを選んだら、次に「なぜその学業に力を入れたのか」を深く掘り下げて考えます。
この理由を明確にすることで、ESに説得力を持たせることができます。
企業が求めているのは、単なる事実や結果ではなく、その背景にある応募者の考え方や価値観です。
自分がどのような意図や目標を持って行動したのかを語ることで、企業に「目的意識を持った行動ができる人材」という印象を与えることができます。
例えば、「経済学の講義に力を入れた理由が、社会問題への関心からだった」「ゼミの研究に没頭したのは、自分の興味のある分野で新たな知見を得たかったから」といった理由が挙げられるでしょう。
また、就職後のキャリアにつながる学びを得るために努力した、という理由も非常に効果的です。
この段階では、単に「興味があったから」という表現に留まらず、なぜその興味が生まれたのか、どのような経験が自分を突き動かしたのかを深掘りすることが重要です。
これにより、エピソードに一貫性と深みを持たせることができます。
どのように力を入れたのかを考える
最後に、「どのように力を入れたのか」を具体的に考えます。
この部分は企業にとって、応募者の行動力や課題解決能力、計画性を判断する重要な材料となります。
ここでのポイントは、プロセスを詳細に描写することです。
結果だけを述べるのではなく、その結果に至るまでに何をしたのか、どのような工夫をしたのかをしっかり伝えましょう。
例えば、語学力を向上させるために、どのような学習計画を立てたのか、どのようなリソースを活用したのかを具体的に述べると、行動力と計画性を示すことができます。
また、ゼミでの研究発表に力を入れた場合には、テーマ選定から資料収集、プレゼンテーションの準備に至るまでのプロセスを語ることで、問題解決能力や責任感をアピールすることが可能です。
さらに、努力の中で直面した困難やそれを乗り越えるための試行錯誤を盛り込むと、エピソードに深みが出ます。
例えば、「研究中にデータ不足の問題が生じたが、新しいデータ収集方法を導入して克服した」というエピソードは、柔軟性や粘り強さを伝える効果的な内容です。
企業ニーズからの逆算
ESの「学業で取り組んだ内容」が思い浮かばない時は、企業が求めているスキルから逆算して考えるのが有効です。
応募企業の採用情報や募集要項を詳しく確認し、どのような能力や資質を持つ人材を求めているかを把握しましょう。
例えば、「課題解決能力」や「リーダーシップ」を重視している企業であれば、学業における研究やプロジェクトで直面した問題をどう解決したか、あるいはチームを率いて成果を出した経験などを具体的に記述できます。
企業のニーズに合致する経験を提示することで、あなたのESはより魅力的なものになるでしょう。
内定者ESからの示唆
効果的なESを作成するために、内定者のESを参考にするのも良い方法です。
内定者のESは、企業がどのような記述を高く評価しているかを示す貴重なヒントになります。
ただし、決して内容を模倣するのではなく、文章の構成、具体的なエピソードの選び方、表現方法などに着目しましょう。
例えば、課題設定から解決までのプロセスがどのように記述されているか、得られた学びがどのように言語化されているかなどを分析し、それを自身の学業経験に当てはめて考えてみてください。
内定者のESからヒントを得ることで、より洗練された記述を目指せます。
ガクチカからの展開
「学業で取り組んだ内容」が見つからない場合、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)からヒントを得るというアプローチも有効です。
ガクチカは学業以外の活動も含むため、視野を広げてアイデアを探せます。
例えば、アルバイトやサークル活動で培った「コミュニケーション能力」や「計画性」は、学業におけるグループワークや論文作成にも応用できる可能性があります。
ガクチカで得た経験やスキルを、どのように学業に活かしたか、あるいは学業と関連付けてどのような学びを得たかを深掘りすることで、説得力のある「学業で取り組んだ内容」を作成できるでしょう。
【ESにおける「学業で力を入れたこと」】人事の目を引く「学び」の見つけ方とNG例
多くの学生が悩むエントリーシート(ES)の「学業で取り組んだこと」の欄。
ただ単位を取った、卒論を書けるという状況報告で終わっていませんか?人気企業の人事・採用担当者は、その文章のもとにある、あなたの人柄やポテンシャルを徹底的に読み解こうとしています。
ここでは、ありきたりな内容で落とされないための、一歩進んだ考え方と伝え方を解説します。
「自己分析ツール」と「友人・先輩」を使い、学びの原石を見つけ出す
「頑張ったことは特に少ない…」と悩んでいるなら、まずは視点を変えましょう。
自己分析は必須です。
- 強み・弱みとの関係性を見つける: あなたの長所であるコミュニケーション能力は、どの授業やグループワークで発揮されましたか?逆に、あなたの弱みは、学業を通してどのように改善しようと努力しましたか?弱みを乗り越えた経験は、最高のアピールになります。
- 第三者の視点を活用する: 自分では「当たり前」と思っていることも、友人や先輩、大学のキャリア支援担当のアドバイザーから見れば、立派な強みかもしれません。「〇〇の授業で、難しい内容をわかりやすくまとめてくれて助かった」といったインタビューから、あなたの貢献が見えてきます。
- AIツールで思考を整理: AIチャットなどのツールを使い、取り組んだことをキーワードで出すと、客観的な視点で整理・深掘りの手伝いをもらえることがあります。ただし、生成された文章をそのまま提出するのはNG。あなたの感情や人柄が伝わる、あなた自身の言葉にすることが大切です。嘘は必ず見抜かれます。
人事が「会ってみたい」と感じる構成の黄金律
文字数が100文字など限られている中で、相手に伝わる文章を書くには構成が命です。
内定者のESは、例外なくこの流れができています。
- 結論ファースト: 「私が学業で最も力を入れたのは、〇〇という目標を掲げ、△△を改善したゼミ活動です。」
- 状況と課題: 「当初、私の所属するゼミでは、グループディスカッションでの意見対立が多く、議論が進めるのが難しい状況でした。」
- あなたの思考と行動: 「私は、さまざまな意見を調整し、全員が納得できる結論を出すために、〇〇を実践しました。ほかのメンバーと協力し、相違点ではなく共通点を見つけ、議論の方向性を定めることを意識しました。」
- 結果と学び: 「結果、〇〇という成果を出すことができました。この経験を通して、多様な価値観を尊重し、一つの目標に向かってチームをまとめることの大切さを学びました。」
この構成どおりに書けば、あなたの思考プロセスと社会人としてのポテンシャルが高く評価されます。
専門用語の使いすぎには注意し、誰が読んでもわかる言葉を選びましょう。
【独自ケース別】経験を魅力的に変換する伝え方
同じ経験でも、伝え方一つで与える印象は全く違います。
- 留学生の場合: 日本語のハンデを乗り越え、専門分野を学んだ努力そのものがアピールになります。文化の違いを踏まえ、日本人学生とどのように関係を築き、協力したかを具体的に述べましょう。
- プログラミング開発経験: ただ「〇〇を開発しました」ではなく、「なぜそれを作ろうと思ったのか(モチベーション)」、「開発過程で発生した課題をどう改善したか」というストーリーを語ることで、あなたの課題解決能力が伝わる。
- 「好きなこと」を突き詰めた経験: 一見学業と関係なさそうでも、「〇〇が好き」という感情から始まった探求が、結果的に専門性を高め、論文や発表に繋がった経緯を語れば、あなたの主体性や探求心を示すことができます。
提出前の最終チェックと面接対策
ESを提出する前に、絶対にチェックすべき項目があります。
誤字脱字は言語道断。
キャリアセンターのアドバイザーや先輩に添削をもらえるとより良いです。
そして、忘れてはならないのは、ESは面接対策の第一歩だということ。
面接官はあなたのESをもとに質問をします。
「この部分について、詳しく話してくれますか?」と聞かれた際に、ESの内容と違うことを言ってしまったり、しどろもどろになったりしないよう、話す練習もきちんとしておきましょう。
ESに書いたことは、すべて自分の言葉で深く語れるように準備しておくことが、内定への道を切り拓きます。
【ESにおける「学業で力を入れたこと」】おすすめの書き方
エントリーシート(ES)で「学業で力を入れたこと」を記述する際、企業が求めるのは単なる成果や取り組みの概要だけではありません。
彼らは応募者の考え方や行動のプロセス、そしてその経験が入社後どのように活かされるかを見極めたいと考えています。
そこで、以下の3つのポイントを押さえて、効果的なアピールができる書き方を解説します。
①取り組んだ学業の内容を分かりやすく述べる
「学業で力を入れたこと」を書く際には、最初に具体的な内容を簡潔に述べることが重要です。
結論を先に述べることで、読み手がスムーズに内容を理解しやすくなります。
エピソードを説明する際には、専門的な用語や曖昧な表現を避け、わかりやすさを意識することがポイントです。
例えば、「○○ゼミで取り組んだテーマに基づき、環境問題を解決するための新しい政策提案を行いました」というように、取り組んだ内容を具体的に記載します。
このとき、研究の背景や内容を端的に伝えることが大切です。
長々と詳細を説明するのではなく、核心部分に焦点を当てて簡潔に述べると、採用担当者の関心を引きやすくなります。
さらに、単なる活動報告ではなく、取り組みの中で自分がどのような役割を果たしたのかを明示することも有効です。
たとえば、「チーム内でリーダーを務め、メンバーの意見をまとめ上げる役割を担いました」といったように、自分の貢献を具体的に示すと効果的です。
②目的や取り組んだ過程を丁寧に述べる
次に、取り組みの目的や背景を丁寧に説明することが重要です。
この部分は、応募者がどのような考えで行動したのかを企業に伝える絶好の機会です。
取り組みの背景や動機を述べることで、自分の価値観や行動指針を示すことができます。
例えば、「環境問題に興味を持ったのは、高校時代に見たドキュメンタリーがきっかけでした。
それ以来、環境政策に関する知識を深めることに興味を持ち、大学では○○ゼミに所属して研究を進めました」といった形で、取り組みの動機を説明します。
このように、背景を明確にすることで、読み手に「なぜこの活動に力を入れたのか」が伝わりやすくなります。
さらに、取り組みの過程を具体的に記載することも重要です。
たとえば、「研究テーマを決定する際、過去の文献を分析し、現状の政策課題を明らかにしました。
その後、フィールドワークを通じてデータを収集し、分析結果を基に提案書を作成しました」といった形で、どのような行動を取ったのかを詳細に述べると、プロセスが具体化され、説得力が増します。
③最終的に何を得たか、そしてどう活かしていくかを述べる
最後に、取り組みの結果として何を得たのか、そしてその経験を今後どのように活かしていきたいかを述べます。
この部分は、応募者が単に成果を報告するだけでなく、その経験からどのような学びを得たのか、そしてそれをどのように未来に結びつけるかをアピールする場です。
たとえば、「この研究を通じて、課題に対して多角的な視点でアプローチする重要性を学びました。
特に、現場でのフィールドワークが分析結果に与える影響を実感し、データの収集方法の多様性について深く考えるようになりました」と述べることで、経験から得た洞察を伝えることができます。
さらに、それを企業での仕事にどう活かすかを具体的に記載することで、入社後の活躍をイメージさせることができます。
たとえば、「この経験を活かし、貴社ではデータ分析を基にした戦略立案に取り組みたいと考えています。
また、現場での実地調査とデータ分析を結びつけるスキルを発展させ、社会貢献につながるプロジェクトに携わりたいです」といった形で、将来の展望を明確にすることが効果的です。
「学業で取り組んだこと」をESに書くときのコツ
エントリーシート(ES)で頻出する「学業で取り組んだこと」の記載は、企業に自分の魅力をアピールする重要な項目です。
しかし、どのように書けば自分の経験を最大限に伝えられるのか迷うことも多いでしょう。
ここでは、説得力があり、企業に好印象を与える「学業で取り組んだこと」を記載するための3つのコツを解説します。
企業の「求める人物像」に沿った内容にする
まず、ESを書く際には、応募先の企業が「どのような人物を求めているか」をしっかりと理解し、それに沿った内容を記載することが重要です。
企業ごとに求めるスキルや価値観、行動特性は異なるため、自分の経験の中で企業が求めるポイントに合致するエピソードを選ぶことで、効果的なアピールが可能となります。
例えば、応募する企業が「課題解決能力」や「チームワーク」を重視している場合は、ゼミやグループプロジェクトでチーム全体の成果を向上させた経験を取り上げるとよいでしょう。
その際、具体的な問題にどのように対処し、どのような工夫を行ったかを詳細に述べることで、企業のニーズに応えられる内容に仕上がります。
企業の求める人物像を理解するためには、企業のホームページや採用情報を調べることが効果的です。
特に、企業理念や求める人材像の記載部分を確認し、それに基づいてエピソードを選ぶと、選考担当者に「この人は自社の価値観を理解している」と感じてもらいやすくなります。
数字を用いて説得力を向上させる
次に、学業での取り組みを記載する際には、具体的な数字を盛り込むことで説得力を高めることができます。
数字は成果や努力の規模を視覚的に示すため、採用担当者にとって内容がイメージしやすく、印象に残りやすくなります。
例えば、「毎日勉強時間を2時間確保して、TOEICのスコアを600点から800点に向上させた」「ゼミでの研究発表のために10本以上の論文を精読し、5回以上の議論を重ねてプレゼン資料を完成させた」といった具体的な数字を記載することで、取り組みの真剣さや努力の規模が伝わりやすくなります。
数字を使う際には、単に成果を示すだけでなく、プロセスの中でどのように努力したかを補足することも大切です。
「テストの点数が向上した」という記述だけではなく、「向上させるために、どのような方法で学習したか」を具体的に述べることで、数字が持つ説得力がさらに高まります。
結果よりも過程を明確に伝えるようにする
最後に、「学業で取り組んだこと」を記載する際には、結果以上に過程を重視して伝えることが重要です。
企業が重視するのは、取り組みを通じてどのような課題に直面し、それを解決するためにどのような行動を取ったかです。
結果が目立たない場合でも、プロセスを詳細に述べることで、自己PRとして十分に評価される内容にすることができます。
例えば、研究やプロジェクトで困難な課題に直面したエピソードを挙げ、その際に自分がどのように考え、どのような工夫を行ったのかを具体的に述べましょう。
たとえば、「ゼミの共同研究でデータ収集が難航した際、他のゼミ生にアドバイスを求めることで、新しい収集方法を提案し、成功に導いた」というように、行動のプロセスを明確に記載することで、課題解決能力や主体性をアピールできます。
また、過程を伝える際には、自分が主体的に関与した部分を強調することも大切です。
グループでの活動を記載する場合でも、自分が果たした具体的な役割やその結果として得られた学びを述べることで、自分自身の価値をしっかりと伝えることができます。
【ESにおける「学業で力を入れたこと」】業界別の学業アピール戦略
エントリーシートで学業の経験を問われたとき、単に何を学んだかではなく、どんな力を発揮し、どんな成果や気づきを得たかを明確にすることが重要です。
業界や職種によって評価されるポイントは異なり、同じ経験でも伝え方次第で印象が大きく変わります。
理系であれば課題解決力や実験の再現性、文系であれば論理性や発信力、総合職ではチームとしての貢献や視野の広さが問われます。
ここでは、業界別に学業経験を効果的にアピールするための戦略を解説します。
理系(研究・実験)=課題設定とPDCA力を重視
理系学生が学業経験を語る際に重視されるのは、課題を見つけ出す力と、PDCAの流れを実践できる力です。
研究や実験の成果そのものよりも、仮説を立て、計画を立て、実行し、検証・改善するという一連のプロセスをどれだけ自分の力で考えて動けたかが評価されます。
採用担当者は、未知の問題に対して論理的にアプローチし、粘り強く取り組む姿勢を見ています。
実験の失敗やデータの誤差があっても、そこからどんな課題を見つけ、どう修正して成果につなげたのかを語ることで説得力が増します。
また、研究テーマを通じて学んだ分析力や論理的思考は、技術職だけでなく、開発や企画にも応用できます。
理系の学びは数値やデータに基づく信頼性が高いため、具体的な数値や手順を示すことで、再現性と実行力を伝えることができます。
文系(ゼミ・論文)=論理構成力と発信力を重視
文系学生の学業アピールでは、情報を整理し、自分の意見をわかりやすく伝える力が重視されます。
ゼミ活動や論文執筆を通して、膨大な情報の中から本質を見抜き、論理的に構成する力を示すことが重要です。
採用担当者は、社会での課題に対しても同じように考え、意見を形にできるかを見ています。
発表やディスカッションの経験を交え、自分の考えを他者にわかりやすく伝える工夫を行った点を強調すると効果的です。
また、チームでのゼミ活動では、周囲との意見調整やリーダーシップの経験を加えることで、協働力も示せます。
文系の学業経験は、単に知識を得るだけではなく、考えを整理し、行動に移すまでの過程を語ることがポイントです。
自分の発信がどのように周囲に影響を与えたかを明確に伝えることで、社会人としての応用力を印象づけることができます。
総合職志望=俯瞰力とチーム貢献性を重視
総合職を志望する場合は、個人の成果だけでなく、チーム全体の目標にどう貢献したかを重視する視点が必要です。
学業の中でグループ研究や共同発表などの経験がある場合は、周囲との協力を通じて自分が果たした役割を明確に示しましょう。
採用担当者は、チームの中でリーダーとしてまとめる力だけでなく、サポートに回って全体の成果を高める姿勢も評価します。
また、自分の学びを一歩引いて俯瞰し、全体の流れを把握しながら課題を整理する力も重要です。
この俯瞰力は、総合職として組織全体を見渡し、課題を発見して動ける人材かどうかを判断する材料になります。
加えて、チームの中で起きた問題に対してどのように調整し、協力を引き出したかを具体的に語ると説得力が増します。
ES 「学業で力を入れたこと」の例文
エントリーシート(ES)で「学業で力を入れたこと」を記載する際、自分の経験を具体的に述べることで、採用担当者に強い印象を与えることができます。
以下に、ゼミ活動、研究室、資格、大学講義、留学という5つのテーマに分けて例文を紹介します。
これらの例文を参考にしながら、自分の経験を魅力的に表現しましょう。
ゼミ活動
ゼミでは、国内外の環境規制政策を分析し、持続可能な経済成長を可能にする新たな法制度の提案を行うプロジェクトを進めました。
特に私は、国際条約に基づく欧米諸国の環境政策の比較分析を担当しましたが、データ収集や法律文書の理解に苦労しました。
そこで、複数の国際データベースにアクセスし、関連する法令や事例を独自にまとめ、グラフや表を用いて比較ができる形に整えました。
また、グループ内での議論を活性化するため、議題を事前に整理し、メンバー全員が意見を述べやすい環境を整えるよう努めました。
その結果、共同で執筆した論文がゼミ発表会で優秀賞を受賞し、私たちの研究が学内外で評価されました。
この経験を通じて、論理的な分析力だけでなく、チームで目標を達成するためのリーダーシップを培うことができました。
研究室
特に、従来型触媒の構造を改良することで反応速度を向上させる新しい技術開発に挑戦しました。
初期段階では、予想外のデータばかりが得られ、原因の特定に多くの時間を費やしました。
そこで、実験条件を細分化し、反応温度や触媒濃度などの要因を1つずつ変化させながらデータを収集しました。
データ分析にはPythonを活用し、収集データを可視化することで問題点を明確にしました。
また、研究成果を学会で発表する際には、ポスターやスライドのデザインを工夫し、視覚的に理解しやすい形で情報を提供しました。
発表後、多くの研究者から高評価を得ると同時に、新たな視点を取り入れるヒントも得ることができました。
この経験を通じて、粘り強さ、問題解決能力、そして複雑な内容を簡潔に伝えるプレゼンテーション力を身につけることができました。
資格
私は将来、財務や会計の知識を活かしたキャリアを築きたいと考え、大学2年次に資格取得を目標に掲げました。
試験勉強を始めた当初は、会計処理の仕組みや仕訳のルールに苦労しましたが、公式テキストに加え、問題集やオンライン講座を積極的に活用することで、基礎から徹底的に学び直しました。
毎日1時間の学習時間を確保するために、スケジュール管理アプリを活用し、試験日から逆算した計画を立てました。
また、苦手分野だった減価償却や税効果会計については、YouTubeの解説動画や仲間とのディスカッションを通じて理解を深めました。
その結果、合格ラインを大幅に上回る90点で試験に合格することができました。
この取り組みを通じて、計画性や継続力の重要性を学び、さらに会計知識を活かして企業の財務戦略に貢献するビジョンを持つようになりました。
大学講義
この授業では、グループで特定の経済課題に対する政策を立案し、その効果をデータで検証するというプロジェクトを行いました。
私たちのグループは「地域間格差の是正」をテーマに取り組み、私は統計データの分析と政策提案の作成を担当しました。
エクセルやRを活用して地域ごとの収入格差や人口動態を可視化しましたが、データ収集段階で必要な情報が見つからず、進行が滞る場面もありました。
その際、行政機関の統計データベースや他国の政策事例を参考にし、代替データを用いることで分析を完了させました。
最終的には、具体的な提案として「地方創生税制」を導入するシミュレーション結果をまとめ、授業内発表で最優秀評価を得ることができました。
このプロセスで培った分析力と提案力は、貴社でのデータに基づく戦略立案に活かせると考えています。
留学
この経験は、私にとって異文化理解力やコミュニケーション力を向上させる大きな挑戦となりました。
留学当初は、授業でのディスカッションやグループワークで自分の意見を伝えることに躊躇していました。
しかし、授業外で積極的に現地の学生と交流し、毎日英語日記をつけるなど、自分なりの工夫を重ねた結果、徐々に自信を持って発言できるようになりました。
また、マーケティングの授業では、日本企業の海外進出戦略をテーマにプレゼンテーションを行い、教授やクラスメートから「説得力がある」と評価されました。
この経験を通じて、異なる文化背景を持つ人々と協働する力を養うことができ、これを活かしてグローバル市場でのビジネス展開に貢献したいと考えています。
【ESにおける「学業で力を入れたこと」】自分のESに自信が無い時は?
学業で力を入れたことをエントリーシートにまとめても、なぜか自信が持てないと感じる学生は少なくありません。
文章の完成度よりも、「自分の考えが伝わっているか」「一貫性があるか」が大切です。
上手く書けないときは、他人の真似をするよりも、自分の経験をどう整理し、どう伝えるかという考え方を整えることが重要です。
模範ESをまねるより「思考プロセス」を再現する
ES作成で多くの学生が陥りがちなのが、模範例や他人の文章をそのまま参考にしてしまうことです。
しかし、模範ESはその人の経験や価値観に基づいて作られており、単に表現をまねても自分らしさが失われてしまいます。
大切なのは、完成された文章を写すことではなく、その文章がどのような考え方の流れで作られているかを理解することです。
たとえば、課題をどう見つけたのか、どんな工夫をしたのか、結果から何を学んだのかという流れを自分の経験に当てはめて整理します。
この思考の順序を再現することで、自分の言葉で自然に構成されたESになります。
他人の言葉を借りずに、自分の思考を言語化できる学生は、面接でも一貫した説明ができるため評価が高くなります。
就活エージェント・先輩添削の活用法
自分のESに自信が持てないときは、第三者の意見を取り入れることが有効です。
就活エージェントや社会人の先輩に添削を依頼することで、自分では気づけない視点や改善点を知ることができます。
エージェントは企業の採用基準を理解しているため、企業目線でのアドバイスをもらえるのが強みです。
一方、内定を得た先輩の意見は、実際に通過した経験に基づいており、学生の立場に近い実践的なアドバイスが期待できます。
ただし、他人の意見をすべて取り入れるのではなく、自分の考えと照らし合わせて取捨選択することが大切です。
誰かに見てもらうことで、自分では伝わっていると思っていた部分の曖昧さにも気づくことができます。
また、複数人に読んでもらうことで、どんな表現が相手に伝わりやすいかを確認しながら、自分の言葉を磨く練習にもなります。
AIの活用
最近では、AIを活用してエントリーシートを整理する学生も増えています。
AIは、文章の構成や文法のチェック、内容の抜け漏れを補う点で非常に便利です。
特に、自分の経験をうまく言葉にできない人や、書き出し方に悩む人にとっては有効なサポートになります。
ただし、AIにすべて任せるのではなく、自分の考えをもとに文章を修正していくことが大切です。
AIの提案はあくまで参考とし、自分の経験や感情がきちんと反映されているかを確認しましょう。
また、AIを使う際は、第三者の目で見たときに自然に読めるかどうかを意識して最終調整を行うことが重要です。
文章を整えるための補助として使いながら、自分の考え方を中心に据えた構成にすれば、より完成度の高いESになります。
【ESにおける「学業で力を入れたこと」】面接で「学業」を深掘りされた時の対策
エントリーシートで学業の内容を記入した後、面接で深掘りされた際に戸惑う学生は多くいます。
面接官は学業そのものの難易度ではなく、その経験を通してどんな考え方を持ち、どんな行動を取ったのかを見ています。
そのため、焦って話を盛ったり、うまく話そうとしすぎる必要はありません。
ここでは、学業の深掘り質問に対して冷静に対応するための三つの基本姿勢を紹介します。
焦らない
面接で深掘りされたときに最も多い失敗は、想定していない質問に焦ってしまうことです。
面接官の質問は、あなたを困らせるためではなく、より詳しく理解したいという意図から行われています。
焦って早口になったり、曖昧な回答をすると、自信のなさが伝わってしまいます。
まずは落ち着いて、質問の意図を正確に捉えることが大切です。
少し考える時間を取っても問題はありません。
「少し考えさせてください」と一言添えることで、冷静に整理して答える印象を与えられます。
また、質問に対して一から説明し直すのではなく、すでに話した内容に補足を加える形で答えると、話がまとまりやすくなります。
面接官は内容の正確さよりも、冷静に自分の経験を語れる姿勢を評価しています。
嘘をつかない
面接での深掘りに対して、自信のなさや不安から話を盛ってしまう学生もいます。
しかし、採用担当者は多くの面接経験があるため、話に一貫性がないとすぐに気づきます。
小さな誇張でも、信頼を失う原因になりかねません。
たとえ成果が小さくても、自分の実体験をもとに語る方が誠実さが伝わります。
また、失敗や課題に関する質問には、無理に良い話に変えようとせず、そこから学んだことを丁寧に説明するのが効果的です。
面接官が知りたいのは「どんな姿勢で取り組み、何を得たか」です。
嘘をつかずに正直に話すことで、信頼感と人柄の良さを印象づけることができます。
誠実な回答こそが、面接で最も評価される要素の一つです。
定量で示す
学業の内容を話す際は、感覚的な表現だけでなく、できる限り数字を使って説明することが重要です。
面接官にとって、抽象的な表現よりも具体的な成果や数値の方が伝わりやすく、あなたの努力の大きさを判断しやすくなります。
例えば、研究の成果を話す場合は「〇回の実験を行った」「誤差を〇%まで減らした」といったように、数字を交えて説明します。
また、グループ活動なら「チームメンバー〇人をまとめた」「発表会で〇位を獲得した」といった具体的な実績を挙げると良いです。
数値が入ることで、取り組みの規模感や達成度が明確になり、説得力が増します。
さらに、定量的な説明は論理的思考力や分析力のアピールにもつながります。
感情や印象だけでなく、事実としての根拠を示すことが、学業を語るうえで最も効果的な方法です。
まとめ
「学業で力を入れたこと」をエントリーシート(ES)に記載する際には、具体的なエピソードを選び、それを魅力的に伝えることが成功の鍵となります。
「学業で力を入れたこと」は、自分の努力や成長をアピールできる貴重な機会です。
これまでの経験を振り返り、丁寧に整理して、選考を突破するための強力なESを作成してください。
具体的かつ論理的なエピソードは、必ず採用担当者の心に響くはずです。
この記事を参考に、自身でも学業で取り組んだことのESを書いてみましょう。