- 保育士の自己PRについて
- 保育士に向いている人
- 保育士の自己PRの例文
- 保育士を目指している人
- 保育士の自己PRについて知りたい人
- 保育士に向いている人を知りたい人
社会には数多くの業界・業種があり、それぞれ適性や求める人材の傾向が変わってきます。
そのため、就職活動の選考を突破して内定を得るためには、志望する企業に合わせた対策を考えることが大切です。
今回は保育園で働く保育士に焦点を当て、採用担当者から高評価を得られる自己PRを作成するコツについて解説します。
どんな人が保育士に向いているのか、なぜ志望動機が聞かれるのかといったポイントについても解説するので、保育士を目指している方はぜひ参考にしてみてください。
目次[目次を全て表示する]
【保育士の自己PR】保育士に向いている人
まずは、どんな特徴を持った人が保育士に向いているのかについて確認しておきましょう。
保育士として働く適性が高い人であれば、仕事のモチベーションが保ちやすく、仕事にやりがいを見出しやすくなります。
また、保育園側としても、早期退職を減らし業務を円滑に進めるため、なるべく業務内容や職場と相性の良い人材を採用しようとしています。
自己PRとして活用できるアピールポイントが複数ある場合も、より適切なポイントを選びやすくなるでしょう。
今回は、保育士に向いている人の特徴を6つピックアップしました。
こどもと関わるのが好き
保育士の仕事とは、小学校入学以前の小さなこどもと深く触れ合い、遊びを通じた保育によってその成長や学びをサポートすることです。
そのため、こどもと接すること自体が好きな方は保育士への適性が高いといえるでしょう。
教育や育児に関わるほかの仕事と比較しても、対象とするこどもの年齢が小さいので、時には理不尽な行動に振り回されるケースも少なくありません。
単なる仕事として捉えた場合、保育士は心身の負担が大きい仕事だと感じられる可能性もあるでしょう。
こどもと関わることが好きな場合、仕事自体が自身にとってのメリットになるので、モチベーションを保ちやすくなります。
また、こどもが好きなことは、こどもを理解したいと考える気持ちや向上心にもつながりやすいでしょう。
観察力に優れている
基本的に保育士は、自分たちより人数が多いこどもたちの面倒をまとめてみることになります。
しかし、何をしたら危ないのかをまだ十分に学んでおらず、自身の体調の変化にも気づきにくいこどもたちは、大人が目を離した隙に大きなトラブルを起こすケースも少なくありません。
そのため、保育士には優れた観察力が要求されます。
こどもたちの表情や様子を細かく観察し、体調不良のサインやこども同士のトラブルを早い段階で察知できる方は、保育士として活躍できる可能性が高いでしょう。
また、こどもと一緒に真剣に遊びながらも、決して職務を忘れて夢中になりすぎることなく、ある程度俯瞰した視点を持って広い範囲に気を配る能力も重要視されます。
部活やアルバイトで観察力を発揮した経験がある方は、その点をアピールすると良いかもしれません。
感情表現が豊か
保育士としてこどもと触れ合う際に重要な能力のひとつは、豊かな感情表現能力です。
こどもたちは、先生の反応を期待してさまざまな報告をおこないます。
先生がはっきりと感情を表現して大きなリアクションを返せば、こどもたちはそれに対して喜びます。
自分の行動がどういった結果につながったのかがわかりやすく示されるため、先生の感情表現の大きさが自身の行動ロジックの構築や、モチベーションの形成に大きく影響する可能性もあるでしょう。
そのため、こどもでもわかりやすい豊かな感情表現ができる方は、保育士として大切な資質を持っているといえます。
感情表現が豊かかどうかは自分では判断できないケースも多いので、他己分析などをおこない、ほかの人の視点も取り入れて検証してみると良いでしょう。
体力に自信がある
保育士は、肉体的にも精神的にも体力が必要とされる職業です。
保育園では乳児から幼児まで幅広い年齢層のこどもを預かり、それぞれの状況に配慮した保育をおこなっています。
予期せぬトラブルや突発的な行動にも臨機応変に対応することが求められるので、心身ともに負担の大きな仕事になるでしょう。
他人のこどもを預かり、その安全や成長に責任を持つという点だけでも、精神的な負担は大きいかもしれません。
また、こどもは自身の中にブレーキやリミットを設けず、常に遊びや学びに対して全力で向き合っているので、それに付き合うだけでもかなりの体力を必要とします。
そのため、心身のタフネスに自信のある方は、保育士として適性の高い大きなアピールポイントを持っているといえるでしょう。
コミュニケーション能力に優れている
保育士の仕事では、こどもだけでなくその保護者とも良好な関係を築いていかなくてはいけません。
また保育園の現場では、自身1人だけで仕事をするのではなく、ほかの保育士と緊密に連携することも求められます。
そのため、多くの業界・業種において重視されるコミュニケーション能力は、保育士にとっても重要な能力のひとつです。
とくに、相手の世代に関係なく良好なコミュニケーションが取れる力がある方は、保育士としてうまくやっていける素質があるかもしれません。
もちろん、保育士はこどもと接するのがメインの仕事なので、こどもを相手としたコミュニケーション能力も重要です。
自己PRでは、こどもとのコミュニケーション能力をアピールしつつ、それだけに留まらない幅の広さをしっかり伝えると良いでしょう。
ピアノや歌がうまい
ここまで挙げてきた特徴は、どちらかといえば個性や性格的なものがメインでした。
自身の本質的な部分はなかなか変えられませんが、保育士として向いている人の特徴には、技術的なスキルに関連するものもあります。
それは、ピアノや歌がうまいことです。
保育士の仕事では、行事などでピアノを弾いたり、こどもと一緒に歌を歌ったりする場面がどこかで必ず出てきます。
これらのスキルは保育園に就職してから学んで身につけることも可能ですが、選考を受ける時点でピアノや歌の経験がある方は即戦力になり得る人材だと思ってもらえるでしょう。
音楽はこどもの教育においても良いものとみなされているので、ピアノや歌の素養があることは、直接的な技術以上に良い印象を与えられる場合もあります。
【保育士の自己PR】自己PRとは
次は、そもそも自己PRが選考においてどういった位置づけなのかについて確認しておきましょう。
自己PRや自己紹介、自分の長所、ガクチカなどはいずれも選考において重要な質問です。
質問の回答には一貫性を持たせることが大切なので、その内容には共通する部分もあるでしょう。
それぞれの質問に対する理解が浅いまま回答を作成すると、内容が採用担当者の求めるものとズレてしまう可能性があるので注意が必要です。
自己PRの意義、ほかの質問との違いを理解したうえで、次のステップに進んでください。
自分を売り込む場
自己PRとは、端的にいえば志望企業に対して自分を売り込む場です。
就職活動におけるESや面接といった選考は、単に志望企業から課される厳しいテストではありません。
人事担当者に対して自身の個性や長所を伝えられる機会は、自分が採用に足る人材であると思ってもらうためのアピールをするチャンスなのです。
とくに自己PRはダイレクトに自身の強みを伝えられるので「自分を採用するとこんな良いことがある」という視点を意識してアピールをおこなうと良いでしょう。
ただし、就職活動の選考は突き詰めれば同じゴールを目標としているので、後述するほかの質問と役割が一部似通っている部分があります。
そのため、それぞれの違いをしっかり把握したうえで、個々の主題が際立つような伝え方を考えることが大切です。
自己紹介との違い
自己紹介とは、初対面の面接官に対して自分がどのような人物なのかを大まかに説明するためのものです。
一方で自己PRは、自分の強みやスキル、仕事に取り組む姿勢などを伝えることにより、志望企業で活躍できることをアピールする役割を持ちます。
双方を区別するのが難しいと感じる場合は、自己紹介の目的は「自分を知ってもらうこと」であり、自己PRの目的は「自分を売り込むこと」と認識しておけば良いでしょう。
そのため、自分の個性を伝えて興味を持ってもらうことが重要な自己紹介に比べ、自己PRでは志望する業界・業種に合わせた適切なアピールが必要です。
自己紹介を作成する際に重要なポイントや参考になる例文について知りたい方は、ぜひこちらのページも参考にしてみてください。
長所との違い
長所とは、自分の良いところを企業にアピールする項目のことです。
自身が持つ強みについてフォーカスする点では、長所と自己PRはかなり近い役割を持つと考えて良いでしょう。
そのため、長所と自己PRの双方が同じ選考で尋ねられた場合、その内容が似通ってしまうケースは少なくありません。
しかし、自己PRが企業に対して自分を採用する理由をアピールするものであるのに対し、長所は自分視点で見た自身の良いところを伝えるものです。
そのため自己PRでは、長所以上に自身の強みが入社後にどのような業務に役立つか、どのような貢献が可能なのかを具体的に伝えることが求められます。
評価される長所のアピール方法やおすすめの構成について知りたい方は、ぜひこちらのページも参考にしてみてください。
ガクチカとの違い
ガクチカとは「学生時代に頑張ったこと・力を入れたこと」の略であり、その名称どおり学生時代に注力したなんらかの活動に焦点が当たっています。
そのためガクチカでは、自分がどのような状況でどんな課題に取り組み、どういった結果が達成されたのかを具体的な経験やエピソードに基づいた形で伝えなければいけません。
一方自己PRでは、ここまで解説してきたように、入社後に役立つ自身の強みが内容の中心的な軸となっています。
主張に説得力を持たせるために過去の経験を引用する場合もありますが、主目的はあくまで自身の強みを採用担当者に伝え、採用に足る人材だと感じてもらうことです。
より詳細な違いやガクチカの作成ポイントなどについて知りたい方は、ぜひこちらのページも参考にしてみてください。
【保育士の自己PR】自己PRが聞かれる理由
次に注目するのは、採用担当者が選考で自己PRについて質問する理由です。
相手が質問する意図をしっかり把握できていれば、同じアピールポイントについて述べる場合でも、より効果的に自身の強みが伝えられます。
また、自身の自己PRが採用担当者の意図にしっかり応えられているかどうかをチェックすることにより、早い段階で欠点の洗い出しと適切な対策が可能になる場合もあるでしょう。
自己PRの制作に着手する際は、まず以下の4つのポイントを意識してみてください。
応募者の人柄を知るため
自己PRが尋ねられる1つ目の理由は、応募者の人柄や性格を知るためです。
応募者の人柄や性格がわかれば、保育士の仕事に向いているか、同じ職場で一緒に働きたいと思えるか、といったポイントが判断できます。
しかし、人柄や性格といった内面的な部分は定量化が難しいあいまいな部分であり、スキルや資格の有無とは異なって数値化して比較することは困難です。
そのため、応募者自身が構成や内容を考えて自己表現をおこなう自己PRが、人柄を知るための場として活用されます。
また、自己PRの内容そのものだけでなく、応募者の態度や話し方、動作などからも応募者の人柄は判断されています。
これは自己PRに限った話ではありませんが、面接の場での一挙一動は全て自分に対する評価に影響すると考えて行動したほうが良いでしょう。
求める人物像とマッチしているか
自己PRが尋ねられる2つ目の理由は、応募者が企業の求める人物像とどの程度マッチしているかを判断するためです。
採用活動を実施しているそれぞれの企業では、求める人材の性格や特性を設定しています。
また、業種や業界によっては、向いている人材の傾向がある程度決まっているケースも少なくありません。
求める人物像とマッチしない人材を採用した場合、その能力を業務でうまく活かせず、お互いにとってマイナスになる可能性があります。
また、向いていない職場で無理に働いた場合は、心身への負担が大きくなったり、早期退職を余儀なくされたりする可能性もあるでしょう。
そのため、企業は自己PRで強みや特徴を把握し、入社後に活躍してもらえるような人材を採用しようとしているのです。
自己分析ができているか
自己PRが尋ねられる3つ目の理由は、応募者がしっかり自己分析をおこなっているかを判断するためです。
自己PRは自身の強みや人柄を採用担当者に伝えることを主目的としているので、まずは自身のことを十分に把握できていなければ良いものは作れません。
そのため、質の高い自己PRが作れていることは、応募者が十分な自己分析ができていると判断する材料になるのです。
自己分析は自己PRに限らず就職活動のあらゆる局面で必要とされるプロセスであり、社会人になってからも成長やキャリアアップのために大きく役立ちます。
有効なアピールポイントが見つからなかった場合でも、自己PRを通してしっかり自己分析ができていることが伝えられるのであれば、それ自体が1つのアピールポイントになるでしょう。
業界・企業分析ができているか
自己PRが尋ねられる4つ目の理由は、応募者がしっかり業界・企業分析をおこなっているかを判断するためです。
業界・企業分析は自己分析と並んで就職活動の柱ともいえる活動であり、それを疎かにしていてはそもそも志望する業界や企業が決められません。
どれだけ入念に自己分析をおこない自身の適性や強みを把握しても、業界・企業の求める人材が把握できていなければ適切なアピールはできないでしょう。
そのため、志望する企業に対して適切な自己PRが作れていることは、十分な業界・企業分析をおこなっていることの証明になるのです。
また、自己PRを通してしっかり業界・企業分析ができていることを伝えることによって、「しっかり準備をしたうえで応募している」という自身の本気度も伝えられます。
【保育士の自己PR】保育士におすすめの自己PR
次は、保育士の仕事内容や向いている人の傾向を踏まえたうえで、どのような自己PRがおすすめなのかをご紹介します。
保育士はさまざまなスキル・適性が求められる仕事です。
求められる人材や具体的な業務内容にも保育園ごとに差が生じる可能性はありますが、以下の6つのポイントはどのような保育園でも歓迎されるケースが多いでしょう。
採用担当者ウケを狙ってアピールポイントを捏造するのはNGですが、どれをピックアップすれば良いか悩んでいる場合は、これらの点を優先して活用してみてください。
明るい
明るいことは、こども、保護者、職員の三方向に良い影響を与える重要な長所です。
こどもは大人が思っている以上に大人の感情の機微をしっかり見ているため、保育士の感情表現がダイレクトに伝わってしまいます。
暗い態度でこどもに接していると、こどもも暗くなってしまうので、一定以上の明るい性格を持っていることは、保育士を目指すうえでの大前提といっても良いでしょう。
また、保護者対応においては、明るく振る舞うことにより、ハキハキした誠意ある態度が示せます。
職員同士では、明るく前向きな行動が仕事の士気を向上させる効果があります。
後述するほかの強みを持っていない方でもアピールしやすいので、なかなかアピールポイントが見つからない場合は明るさのアピールに着目してみるのも良いでしょう。
体力がある
すでに解説したように、保育士とは心身ともにタフであることが求められるハードな職業です。
パワフルで元気にあふれるこどもを世話したり、遊びに付き合ったりする際は、想像以上に体力を消費します。
また、他人の小さなこどもを預かり、責任を持ってその行動や安全に気を配ることは精神面でも大きな負担となります。
そのため、たとえどれほど内面的に保育士としての適性が高い方でも、体力が不十分であれば仕事を長く続けられないかもしれません。
逆にいえば、体力に自信がある方は、その時点で保育士の仕事について一定以上の適性を持っているとも考えられるでしょう。
十分な体力があれば、こどもたちの遊びに心ゆくまで付き合ってあげられるほか、明るい態度や豊かな感情表現も維持しやすくなります。
視野が広い
保育士は、1人で多くのこどもに気を配り、その状況に合わせた世話をしなくてはいけません。
複数の保育士が一緒に働く現場であっても、基本的にこどもの数のほうが保育士より圧倒的に多いと思っておいたほうが良いでしょう。
小さなこどもは、目を離すとすぐに遠くに行ってしまったり、大人が思いもしない行動をしたりするケースも少なくありません。
そのため保育士には、こどもの安全を守り適切な保育を実施するために、広い視野と高い観察力が求められます。
自分の身近な距離だけでなく広い範囲の情報を常に把握し、冷静に状況が判断できる能力は、保育士として働くうえで大きなアピールポイントになるでしょう。
広い視野を持って状況を客観視するスキルは社会人としても重要なので、日頃から鍛えておいても良いかもしれません。
責任感が強い
保育士とは、他人が大切に育てているこどもを預かり、親の代わりに保育や教育をおこなう仕事です。
保育士の行動によっては、心身のスムーズな成長が阻害されてしまったり、病気や怪我になったりする場合もあるでしょう。
命を預かり、その安全や成長に大きく関わる立場として、責任感を持つことは非常に重要です。
保育士として働く以上、途中でその責務を投げ出すことはできません。
もちろんやむを得ない理由で不可能な場合もありますが、基本的にはこどもたちが卒園するまで責任を持って送り出すように努めたほうが良いでしょう。
責任感は自身の内面だけで完結するとうまく強みとして機能しにくいので、アピールする際は具体的なエピソードを交え、どのようなメリットがあるのかをわかりやすく伝えることが大切です。
面倒見がある
保育士の仕事とは、端的にいうとこどもたちの面倒を見る仕事です。
保育士はそれぞれのこどもにしっかり目を向けたうえで個性や成長の程度をしっかり把握し、適切な教育やサポートを提供しなければいけません。
そのため、面倒見が良いことは直接的に保育士の仕事に活かせる強みとして機能します。
一方、ただ「面倒見が良い」というだけでは自己PRがそこで終わってしまうので、アピールする際は具体的なエピソードを取り上げるようにしましょう。
また、なぜ自身が面倒見の良い人物になったのか、どういうことを考えて面倒を見ているかを伝えることも自己PRとして効果を発揮します。
目標という意味では、今の自分が形成されるまでにどんな人に影響を受けてきたかを伝えることも大切です。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーション能力が高いことは、あらゆる業界・業種で役に立つ重要度の高いスキルです。
とくに保育士は、同年代の大人だけでなくこどもと接する機会が多いので、特殊なコミュニケーション能力が必要とされる場合もあるでしょう。
豊かに感情表現をおこない、小さなこどもでもわかりやすいように情報を伝えることは、保育士ならではのコミュニケーション能力といえるかもしれません。
もちろん保育士は、他の職員やこどもたちの保護者とコミュニケーションを取る機会も多く存在します。
自分たちより数が多いこどもたちをしっかり管理するためには、職員や親との連携が必要不可欠です。
そのため、自己PRでは単にこどもの相手をするのが得意なだけでなく、幅広い相手に対して自然に明るく振る舞えることをアピールすると良いでしょう。
【保育士の自己PR】自己PRの構成
次は、実際に自己PRを作成する際の具体的な構成について解説します。
就職活動の選考や自己PRに限らず、相手に何かを伝える際の文章構成には、ある程度有効なテンプレートが決まっています。
このセオリーを守ることにより、自身の強みをしっかり採用担当者に伝え、採用するに足る人材だと思ってもらうことが可能です。
今回はおすすめの構成として自己PRを6つの段階に分けました。
この構成に自身のアピールポイントや経験を当てはめ、自己PRを作成してみてください。
強み
相手に何かを伝える際に重要なポイントは、最初に結論をわかりやすく述べることです。
こうすることにより、相手は以降の話のどの部分に注目すれば良いのかがわかりやすくなり、同じ内容を伝える場合でもより理解が深くなるでしょう。
また、最初に結論から書き始めることによって文章全体の指針が定まりやすくなり、一番重要な部分が固定化されるために論理の飛躍や文章のねじれが発生しにくくなります。
保育園を目指す際の自己PRにおいては、自身がアピールポイントであると考えている具体的な強みを最初にはっきり伝えることが大切です。
エピソードの具体的な内容に触れたり、説得力を補強したりするのは以降の段落の役目なので、最初は文章を端的にまとめることを意識すると良いでしょう。
発揮したエピソードの概要
自分が持つ強みについて具体的に述べた後は、その詳細について情報を補強し、説得力を増していきましょう。
まず必要になるのは、最初に結論として述べた強みが発揮されたエピソードの概要を伝えることです。
どれだけ優れたアピールポイントを持っていても、それが活かされたエピソードがない場合は単なる自称でしかない強みになってしまうので、なかなか採用担当者に良い印象は与えられないでしょう。
一方、どうしても、エピソードが見つからない場合は、その強みがアピールポイントとしては不適切であったり、自己分析が不足していたりすることを示しているのかもしれません。
なお、エピソードの詳細については次から順番に解説していくので、この段階では簡単な記述のみで大丈夫です。
課題・状況
エピソードの概要を述べた後は、その状況や抱えていた課題について詳細に述べていきましょう。
ここでしっかりエピソードの背景を伝えておくことによって、次の行動や成果を伝えた際の印象も変わってきます。
ある意味ではエピソードのつかみとも呼べる部分なので「もっと話を聞いてみたい」と思ってもらうために、状況の困難さや問題点がわかりやすく伝わるような表現方法を意識するのがおすすめです。
当時の状況や課題を採用担当者にわかりやすく伝えるためのテクニックとしては、期間や人数、売上などの具体的な数字を用いることが挙げられます。
一方、自分たちしかわからない固有名詞を使ったり、専門的な用語を盛り込んだりすると状況が伝わりにくくなるのでバランスには注意しましょう。
行動
当時の課題や状況について説明した後は、自身がどのような行動を起こしたのかを述べていきましょう。
直面していた課題が比較的ありふれたものだったとしても、このアプローチが独創的でオリジナリティのあるものであれば、ほかの就活生に対して差をつけられます。
ただし、この行動は前述の「課題・状況」と後述の「成果」をしっかり結びつけるものでなければいけません。
課題や状況に対して適切とは思えないような行動を取った場合、たとえ状況が好転したとしても、それを自身の成果だと認識してもらうことは難しいでしょう。
また、この行動はアピールポイントと関連しているものでなければ意味がありません。
全体的なつながりをしっかり意識したうえで、活用するアピールポイントやエピソードを決めましょう。
成果
次は、自身の行動によってどのような成果が出たのかを述べることになります。
この際は、課題・状況について述べた時と同様に、具体的な数字やデータを用いると説得力を持たせやすくなります。
成果を上げたことによって上司や友人などから良い評価を得た場合は、その点にも言及すると良いでしょう。
なおガクチカなどでは、必ずしも良い成果が出なかったエピソードでも、それが自身の成長につながる学びとなっていれば、採用担当者に良い印象を与えられる場合があります。
ただし、自身のアピールポイントを伝える自己PRにおいては、少し状況が異なります。
行動によって良い成果が出なかったエピソードでは自身の強みを十分に伝えられない可能性があるので、成長要素を盛り込むなど良い印象を与えるための工夫を考えましょう。
仕事でどう活かすか
自己PRの最後には、自身の強みをどのように仕事に活かすのかについて言及することが大切です。
自己PRは自身が採用に足る人材であることをアピールする場なので、ここでしっかり強みと仕事の関連性について触れておかなければ中途半端になってしまいます。
ここまで述べてきた内容をしっかり活かし、自身を採用することが企業にとってどのような点でメリットになるのかをアピールしましょう。
また、入社後の貢献について具体的に語るためには、志望する企業の業務内容についてしっかり理解しておかなければいけません。
そのため、貢献内容を具体的に説明することによって、しっかり企業研究をおこなっていること、入社した後を想定して業務内容について情報収集をしていることがアピールできます。
【保育士の自己PR】自己PRが見つからない原因
ここまでは自己PRの意義や質問される背景、おすすめの構成などについて解説してきました。
しかし、そもそも自己PRとして語れるようなアピールポイントが見つからず、足踏みしてしまっている方もいるかもしれません。
そこで次は、自己PRが見つからない原因と対処法について解説します。
自己PRが見つからない場合、その原因は就活生自身の視点や考え方に関連しているケースが多く見られます。
そのため、意識を切り替えて自身を見つめ直せば、新しい経験をすることなく自己PRが見つけられるケースも少なくありません。
エピソードがないと思い込んでいる
自己PRでアピールするポイントやエピソードが見つからない場合、それは適切なエピソードがないと思い込んでいるだけかもしれません。
勉強、サークル活動、部活、友達付き合い、趣味などさまざまな活動に参加することになる学生生活は自己PRに活用できるエピソードの宝庫です。
しかし、何気なく参加している活動や自身にとって日常的な出来事については、それが強みを発揮できているエピソードだと認識できない場合もあるでしょう。
しばしば勘違いされていますが、自己PRで用いるエピソードは、自分だけの唯一無二な経験や、華々しい実績である必要はありません。
普段と変わらないイベントであっても、そこに自身の強みが活かされているのであれば自己PRのエピソードとしては十分です。
強みや長所が思い浮かばない
適切なエピソードを探す以前に、そもそも自身のアピールポイントとなる長所や強みが思い浮かばない方もいるでしょう。
そういった方は、人生のターニングポイントを振り返ってみるのがおすすめです。
中学校や高校ではどのような活動に参加していたのか、どうして大学に入ったのか、といった点に注目し、当時の自身の気持ちやモチベーションを深堀りしてみましょう。
何かを始める・決めるといった転機の決断には個人の内面が強く反映されるので、そこから自身の強みやエピソードが発見できるかもしれません。
強みや長所を決めてからエピソードを探すのが難しいと感じる場合は、人生における重要なエピソードを軸として分析をおこない、その際にどのような強み・長所が発揮されていたのかを考えると良いでしょう。
アピールとして不十分だと感じている
すでに強みや長所が見つかっている方でも、それがアピールポイントとして不十分だと感じられる場合があるかもしれません。
強み・長所に自信が持てていないと、なかなか先の段階に進めなかったり、アピールが中途半端になってしまったりする可能性もあるでしょう。
そういったケースでは、自分で考えた自己PRを親や友人といった第三者に聞いてもらう方法がおすすめです。
誰かから肯定してもらうことは、大きな自信とモチベーションにつながります。
もし「それはアピールとして不十分だ」「強み・長所はそこじゃないと思う」といった意見をもらった場合でも、他人の視点を自己PR作りに活用できます。
自分だけではどうしても答えが出しにくい問題なので、遠慮せずほかの人にも協力してもらいましょう。
【保育士の自己PR】自己PRの見つけ方
次は、先述した自己PRが見つからない原因を踏まえたうえで、適切な自己PRを見つける方法について解説します。
自身だけで完結する自己分析に近い方法や、専門家のサポートを受ける方法など幅広くピックアップしているので、自身の状況に応じて合っていると思ったものを実行してみてください。
すでに自己PRが見つかっている方も、以下の方法でより良いアピールポイントが見つかる場合もあるでしょう。
時間に余裕がある場合や、さらに自己PRの完成度を高めたい場合は、複数の方法を併用するのもおすすめです。
保育士を志したきっかけを思い出す
自己PRに使える強み・長所がなかなか見つからないと感じる場合は、まず原点に立ち返り、自身が保育士を志したきっかけを思い出してみましょう。
これは一見すると自己PRよりも志望動機向けの対策に思えるかもしれませんが、自身が保育士を目指すことになった原点を振り返れば、そこには本質的なアピールポイントが隠れている場合もあります。
なんらかの機会でこどもと接する経験があり、その体験をきっかけとして保育士を目指すことになったのであれば、こどもと接するのが好きなことやコミュニケーション能力がアピールポイントとして活用できるでしょう。
また、自身が保育士を目指す譲れない理由を振り返ることにより、責任感の強さをはじめとする自身の強みが再確認できることもあるかもしれません。
失敗経験を全て書き出す
自身の強みや長所、それを活かした成功体験のエピソードが見つからない場合は、逆に失敗経験に目を向けることも大切です。
やや変則的なアプローチではありますが、失敗談のほうが強く印象に残るエピソードになる場合があります。
その場合は、失敗したことそれ自体ではなく、失敗から立ち上がる強さや、困難な局面に立ち向かう姿勢に焦点を当てると、企業が求める人物像にマッチしやすくなるでしょう。
失敗談から学んだことや気をつけていること、努力していることを自己PRに組み込むと、好印象な自己PRが作れます。
成長要素を組み込む場合は、大きな失敗を繰り返していないことや、周囲からの評価が変わったことなどを付け加え、失敗前後の変化を明確に印象づけることが大切です。
求める人材を参考にする
自己PRは、自分のことを知ってもらうことが目的の自己紹介とは異なり「自分はどれだけ採用する価値のある人材なのか」を採用担当者に対してアピールする場です。
そのため、適切な自己PRを作成するためには、まず企業が求める人材について把握しておかなければいけません。
逆にいえば企業が求める人材を参考にし、それに当てはまる強み・長所をピックアップすれば、効果的な自己PRが作成しやすいのです。
OB・OG訪問やインターンなどを積極的に活用し、企業が求める人物像を把握したうえで、自分と重なる部分を見つけて自己PRに組み込んでみると良いでしょう。
ただし、企業が求める人材に合わせることを重視しすぎて強みを捏造したり、話を盛りすぎたりすることはNGなので注意が必要です。
就活エージェントに相談してみる
適切な自己PRを作成するためには、入念な自己分析と業界・企業研究が不可欠です。
活用できるエピソードの数や、公開されている情報の量はそれぞれの就活生や企業ごとに異なるので、自己PRの作成に想像以上の時間がかかってしまう場合もあるでしょう。
ここまで解説してきた方法を試しても自己PRが見つからない場合は、就職活動の専門家である就活エージェントに相談するのがおすすめです。
就活エージェントに相談すれば、自己PRだけでなく、志望動機やガクチカ、長所などさまざまなポイントについてサポートが受けられます。
また、就職活動の際はやらなければいけないことが多いので、時間を効率的に使いたい方にも向いています。
より良い自己PRを作成したいと考えている方は、ぜひこちらの就活エージェントの利用を検討してみてください。
【保育士の自己PR】保育士志望の自己PRの例文
次は、ここまで解説してきた内容を踏まえたうえで、保育士志望の自己PRの例文をご紹介します。
今回は、おすすめの自己PRとしてピックアップした、それぞれ異なるアピールポイントについての例文を合計6つご用意しました。
自己PRの構成は、先述したおすすめの構成6段階に沿ったものになっています。
同じアピールポイントを扱う場合でも具体的なエピソードは人それぞれ異なるので、以下の例文を参考に自身の経験や体験を当てはめ、自分らしい自己PRを作成してみてください。
例文1: 明るい
この強みがとくに明確に発揮されたのは、高校時代に所属していたバスケットボール部の活動でした。
2年生の時の大会で私たちのチームは地区大会の決勝戦で惜しくも負け、県大会に進めませんでした。
普段は強気でみんなを引っ張ってくれる先輩たちも引退試合ということもあり、意気消沈したのを覚えています。
しかし自分はその姿から来年こそ優勝する決意を強く固め、そのためにみんなを鼓舞し、明るく振る舞うように努めました。
他のメンバーを巻き込んで明るく振る舞うことにより早めに気持ちが切り替えられ、翌年の大会では念願の県大会進出を決めました。
内定をもらった後は、この明るさを活かしてこどもや先生を引っ張るムードメーカーとして活躍したいです。
例文2: 体力がある
この強みを実感したのは、実は部活そのものではなく大学の受験勉強の時です。
当時自分は志望大学の判定があまり良くなく、先生からも合格にはかなりの勉強が必要だといわれていました。
しかし、先生に立案してもらった厳しい勉強プログラムを毎日5時間着実に継続し、模試の成績が悪くても諦めずに苦手なポイントを克服する努力をし続けた結果、無事志望校に合格できたのです。
現職の先輩方から保育園での仕事は激務であり、予想どおりにいかないことも多いと伺いました。
そういった環境だからこそ、自身の体力と諦めない心を活かして、こどもたちのために活躍できると考えています。
例文3: 視野が広い
この強みがとくに発揮されたのは、大学時代にアルバイトで働いていた飲食店のフロア業務でした。
フロア業務は料理を客席に届けるだけでなく、お客様の注文を受ける、来店者に対応するといった多様な仕事を並行しておこなわなければいけません。
店内が混み合ってくるとささいな問題が見逃されやすいので、自分はどんな時でも冷静になるタイミングを作り、落ち着いて周囲を観察することを意識するようにしていました。
その結果、フロアのトラブルを事前に防げたことも何度かあり、昨年は本社から優秀スタッフとして表彰もされています。
保育園では多くのこどもたちの状況を正確に把握し、リアルタイムで適切な対処をしていくことが重要だと伺ったので、自身の強みを活かせると考えています。
例文4: 責任感が強い
私は大学時代に家庭教師のアルバイトをしており、2年生の際に軽度の学習障害を持つこどもを受け持つことになりました。
それまでの指導方法ではうまくいかず、本部からもほかのスタッフへの交代も勧められましたが、生徒が自分を信じてくれていることを強く感じていたので、継続することを決意しました。
その後、教育の専門書を読んで勉強したり先輩たちのアドバイスを受けたりしながらさまざまな手法を試した結果、成績は少しずつ向上し、その子は志望校に合格できたのです。
保育士となって働く際も、それぞれのこどもに対して責任感を持ち、の課題を解決するために努力できる力は多くの場面で役立つと考えています。
例文5: 面倒見がいい
私は大学時代ボランティアサークルに所属しており、小学生の課外活動を支援する団体と一緒に活動していました。
こどもにはそれぞれの視点や考え方があり、大人とうまく関係が築けないこどももいましたが、同じ視点になって遊び、行動することによって少しずつ関係が深められました。
団体の代表者さんからも、しっかりこどもの話を聞いてあげられること、過度に干渉せずに見守りつつ一緒に行動できることは素晴らしい才能だと褒めてもらったことを覚えています。
御社に入社した後は、この面倒見の良さを活かし、それぞれのこどもと同じ目線に立ってその成長を見守っていきたいと考えています。
例文6: コミュニケーション能力が高い
元々人と話したり交流したりすることが好きであり、コミュニケーション能力が高いほうだとは思っていたのですが、それを明確に強みだと実感したのは友達と行った海外旅行の時です。
語学に堪能な友達が体調を崩した際、言葉がほとんどわからない中で、ボディランゲージや絵などあらゆる方法を使って現地の方とコミュニケーションを取り、薬と医者について教えてもらえました。
その方とは仲良くなり、旅行最終日には友達も含めて一緒に宴会をしたのがいい思い出です。内定を頂いた暁には、こどもと真正面からしっかり向き合いお互いを理解するために、このコミュニケーション能力を活かせると考えています。
まとめ
保育士はこどもの成長をサポートする重要な仕事であり、体力やコミュニケーション能力などさまざまなスキルが必要とされます。
自己PRで活用できるアピールポイントも多く存在するので、しっかりと自己分析を深めれば、採用担当者に良い印象を与えられる自己PRが作成できるでしょう。
なかなか自己PRが見つからない方や、就職活動にかける時間が十分に確保できない方は、プロフェッショナルである就活エージェントの活用もおすすめです。
ぜひ完成度の高い自己PRを作成し、志望している保育園の内定をゲットしてみてください。