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・・ガクチカとは
・企業がガクチカを聞く意図
・ガクチカの構成
・ガクチカの見つけ方
・ガクチカを初めて作る人
・ガクチカの作り方を知りたい人
・ガクチカが見つからない人
・例文を見て参考にしたい人
はじめに
近年の就活では、就活生に学生時代にどのようなことに力を入れたのかを聞いて合否の判断をすることが多いです。
そのため多くの学生は学生時代の経験をまとめ、エントリーシートなどの書類に記入して提出します。
しかし、企業からどうして過去の経験について聞かれているのかを理解していなければ、適切な回答はできません。
今回は、ガクチカを提出する理由や適切な構成、自分なりの経験の見つけ方についてご紹介します。
初めてガクチカを作成する就活生の方は、ぜひ読んでみてください。
【ガクチカとは】ガクチカとは?
就活の場でガクチカと呼ばれるものの正体は「学生時代に最も力を入れたこと」の略称です。
部活動、ボランティア活動、アルバイト、学内のプロジェクト、研究などの経験を利用して作成するのが一般的となっています。
ガクチカではエピソード選びが大切ですが、その内容が最も重要視されるわけではありません。
重要視されるのは、選んだエピソードから分かる身についた能力の部分です。
そのため、どのような経験をしたのかに力を入れるのではなく、そこから何を学んだのかに重点を置く必要があります。
ガクチカと自己PRの違い
ガクチカと自己PRは、似ているようで異なるものです。
どちらも企業に対する自分の美点のアピールではありますが、それぞれアピールする美点の種類が異なります。
ガクチカは、自分がどのように課題に取り組み、どのような結果を達成して何を学んだのかを示すのに対し、自己PRは過去の経験を例に挙げて自分の強みがどのように発揮されたかを示すものです。
これらの大きな違いは、自己PRは自分の強みを全面的にアピールする項目であるのに対し、ガクチカは具体的な経験やエピソードに紐付いた情報でなければならない点でもあります。
ガクチカと自己PRの違いについては、こちらの記事もどうぞ。
【ガクチカとは】企業がガクチカで見ているポイント
採用担当者の目に留まるガクチカを作成するためには、どうして企業にガクチカを提出しなければならないのかを理解しておく必要があります。
ガクチカについて企業が見ているのは、応募者である就活生の人柄や企業との相性、モチベーションがどこから来るのか、就活生の問題解決能力と分かりやすく伝える力の有無などです。
これらについてより良い印象を与えるためにはどうしたら良いのかも含めて、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
応募者の人柄
採用担当者は、応募者である就活生がどのような人柄を備えているのかに注目しています。
現在の自社の雰囲気と合いそうか、どんな価値観を持っているかなど、大まかな人物像を学生時代の経験から掴もうとしているのです。
学生時代にどのようなことに力を入れようと考えたのか、どのような目標を立てたのか、その達成のために何をしたのか、理由を含めて聞き出せればその行動を取った人の考え方や価値観、性格などが分かります。
これをチェックして、この人と働きたいと思えるかどうかが大切なのです。
そのため、自分の書いたガクチカが採用担当者の目にどのように映るかを意識しながら文章を組み立てる必要があります。
客観的に見てどのような人物に見えそうか、あらかじめ確認しておきましょう。
企業とのマッチ度
企業の採用担当者は、就活生と自社との相性についても重視しています。
つまり、就活生の人柄が自社とマッチしているのかも見られているのです。
企業と就活生の相性が良ければ、入社後に他の社員ともうまくやっていける可能性があります。
また、その人が備えている強みが活かせるかどうかは企業との相性に左右されるのです。
そのため、相性が悪いと入社後に十分に力を発揮できず、仕事が嫌になって早々に辞めてしまうことも考えられます。
入社後完璧なパフォーマンスを発揮してくれず、仕事を辞める可能性があるような人材を採用するのは企業にとっても大きなリスクです。
このリスクを避けるため、企業側は自社と就活生の相性を慎重に判断しています。
モチベーションの源泉
企業としては、入社した人材に長く意欲的に働いてもらうためのモチベーションの厳選も知りたいと考えています。
ガクチカでは、原則として自分から行動したエピソードを用いるため、本人のモチベーションの源泉が顕著に表れるのです。
モチベーションを保てなければ、心身ともに健康に働き続けることはできません。
このモチベーションの源泉には就活生自身の価値観が強く反映されているため、就活生がどのような指針で行動しているのかを深く理解できます。
問題解決能力
本来、企業としては新卒であっても即戦力になるような人材が欲しいと考えています。
しかし、まだ社会に出たことがない新卒の人材に即戦力になることを求めるのは難しいです。
そのため、せめて就活生に基礎的な問題解決能力があるかを確認してから採用するか判断しています。
その基準は、学生時代の経験において、何かを成し遂げようとしたときに直面した課題にどう対応したのかという点です。
ガクチカでは、就活生の物事の受け止め方、分析力などをひっくるめて、問題を解決する能力の高さが見られています。
したがって、ガクチカには自分がぶつかった課題やそれに対して取った行動を盛り込み、問題解決能力が備わっていることを論理的に説明する必要があるのです。
分かりやすく伝える力
企業は社会人の基本として、就活生に分かりやすく伝える力を持っていて欲しいと考えています。
ガクチカをはじめ、エントリーシートの内容はいわば自分を売り込む場です。
そのため文面などはすべて審査の対象となっており、自分の魅力が十分に伝わる構成、内容、伝え方にできているか、分かりやすく伝える力があるかどうかが見られています。
したがって、ガクチカを作成する際は自分のアピールするべきポイントをしっかり把握し、伝わりやすい構成を用いて文章を組み立てる必要があるのです。
【ガクチカとは】ガクチカの構成
伝わりやすいガクチカを書くためには、構成のポイントを押さえる必要があります。
誰にでも伝わるガクチカを書くための構成は、結論、エピソード、得られた学び、企業にどう貢献できるかです。
ダラダラとエピソードから書き始めると着地点を見失い、企業にどう貢献できるかを書いておかないと適切なアピールができません。
これらのパートがすべて揃って初めてガクチカとして機能する文章となります。
それぞれのパートについて、詳しく見ていきましょう。
結論
ガクチカで最も大切なのは、結論の部分です。
そのため、文章の構成でも真っ先に結論を持ってくる必要があります。
まず「私が学生時代に打ち込んだことは〇〇です。」と、結論を簡潔に述べましょう。
ここでエピソードなど別のパートを持ってきてしまうと、どのように着地させたら良いか掴めず、いたずらに文章が長くなる可能性があります。
また、文章を読む側も結論が分かっていないと、内容をどう処理したら良いか悩んでしまうでしょう。
分かりにくい文章を作成してしまうと、採用担当者側から「この人は伝える力を持っていないな」と思われてしまいます。
そのため、まずは分かりやすさを優先し、結論から文章を始めて自分がどのような経験をしたのか伝える必要があるのです。
エピソード
結論の次に、どのような経験をしたのかについて詳しく深掘りするためのエピソードを持ってきましょう。
実際に学生の間に打ち込んだ活動と、自分を見つめ直すきっかけになった出来事などを具体的に述べます。
何を目標にどのようなことに取り組んだのか、途中でどのような壁にぶつかったのか、その壁を乗り越えるためにどのような手段を取ったのか、理由とともに述べていくと説得力が高まるでしょう。
このとき、数値やデータ、他人からの評価など客観的な情報があると説得力が増すため、ぜひ活用するのがおすすめです。
逆に、具体性がなくふわふわとした描写に終始すると「実際の経験ではないのでは」と疑われる原因になるため、詳細な描写を心がける必要があります。
得られた学び
エピソードの次は、その経験から得られた学びについて書いていきましょう。
企業は就活生が過去の経験から何を学んだのかを重視しています。
似た経験をした人が複数いる場合でも、その経験から何を学ぶのか、何を感じるのかは人によって差異があるため、他の就活生とは異なる独自性を見せるチャンスです。
その出来事から学んだことはあるのか、何を得たのかについて、自分なりの考えを盛り込みましょう。
また、学んだことから自分がどういった人間なのかについて、どのように自己分析したのかも盛り込むとポイントが高いです。
豊富な経験を積んできたとしても、そこから何も得られていない人間を採用することはほとんどありません。
過去の経験から学べる人物であると示すためにも、実際に得たものの提示が大切です。
どう貢献できるか
ガクチカの最後には、その経験をもとに得たことを活かして、どう貢献するかを書く必要があります。
課題にぶつかり解決した経験から得られた結果や強みを、入社後にどう活かせるかを具体的に盛り込みましょう。
ただし、得た学びが本当に入社後に活かせるかどうかは、企業について詳しく知っておかないと判断できません。
この部分でその企業では本来できないようなこと、求められていないようなことを書いてしまうと、企業について理解が浅いと捉えられます。
したがって、企業の風土や業務に必要な能力を理解するための企業分析もこの段階で求められるのです。
採用担当者からの評価を落とさないよう、押さえるべきポイントを把握して実際のガクチカ作りに活用しましょう。
【ガクチカとは】ガクチカ作成のポイント
効果的なガクチカを作成するためには、企業に何を求められているのかを把握して文章を組み立てることが大切です。
それは、ガクチカから企業が知りたい情報であったり、そもそも企業が就活生に求めている人物像であったりします。
就活で自分を適切に売り込むためには、自分のことも志望先の企業のことも深く理解していなければなりません。
ガクチカで何をアピールすべきか作戦を練るためにも、ガクチカ作りのポイントそのものを押さえておきましょう。
過程を重視する
ガクチカを作成するときは、単純な結果や成果ではなく過程を重視するのがポイントです。
企業が就活で提出されるエピソードに求めているのは、ただ単に頑張ったエピソードでもなければ輝かしい成績でもありません。
課題を発見し、それを解決するために取り組んだ過程を求めているのです。
そのため、課題を見つけたので解決しましたというだけでは描写として不十分になります。
問題解決のためにどのような方法を考えたか、実際にそれに取り組んでどうだったかといった、努力の「過程」をアピールすることが大切です。
華やかな成績は一瞬だけ目を惹くことはできますが、そこに至るまでの過程がスカスカであればすぐに魅力的でなくなります。
魅力の色褪せないガクチカとは、就活生自身がどう考えどう行動したかが現れているものなのです。
企業が求める人物像を把握する
ガクチカを作成する際は、そもそも企業にどのような人材が求められているのかを把握しておくことが大切です。
同じ業界に属する企業であっても、それぞれの企業によって求める人物像は異なります。
流行を取り入れる企業もあれば、伝統を重視する企業もあり、これは企業の規模や方針、扱っている事業や対象となる顧客の属性などによっても大きく変化するでしょう。
そのため、自分が志望する企業の雰囲気と求める人物像を確認し、それに合ったガクチカを書くことが重要です。
作成したガクチカはそのまま提出してしまうのではなく、きちんと求める人物像に合っているか、客観的にどのような評価を受けそうなのかを下書きの段階でチェックする必要があります。
【ガクチカとは】文字数ごとのガクチカのポイント
通常、ガクチカは300〜400字程度の字数での提出を求められる場合が多いです。
しかし、企業によってはそれ以外の字数制限を設けている場合があります。
書類を基本的な情報を確認するためのものとしか思っておらず、書類選考や文面上のガクチカをさほど重視していない場合は100字を指定される場合もあるでしょう。
逆に、面接の前に1人ひとりの応募者についてじっくり知っておきたいと考えている企業や、ことのほかガクチカを重視している企業であれば800字を指定してくる場合もあります。
それぞれの文字数について、まとめ方を見ていきましょう。
100文字
企業によっては、ガクチカを100字程度でまとめてくるよう指示する場合があります。
通常の構成で書いていると、とても100字以内には収まりません。
カタカナ語のように長い言葉を漢字など短い言葉に言い換え、文字数を減らすことがガクチカを100字に収めるためのコツです。
一方で、言葉を言い換えたことにより重要な部分が伝わりにくくなってしまう場合は、無理に言い換えることを控える必要があります。
また、文末を「ですます調」ではなく「である調」に変えてみることも文字数を100字以内に収めるコツのひとつです。
面接の際は敬語を使って話す必要がありますが、エントリーシートを書く段階ではである調で書いても問題ありません。
指定の文字数を大幅にオーバーするほうが「言われたことを守れない人物」として評価が下がります。
100字でガクチカをまとめる方法については、こちらの記事もどうぞ。
150文字
短めな文字数制限として、150字を指定してくる企業もあります。
このように限られた文字数で話の大枠を伝えるためには、常よりさらに結論ファーストであるほうが効果的です。
結論を述べる際は、理由や背景に整合性がなければいけません。
先んじて結論を述べておけば、あとから付け足す形で理由や背景を盛り込めます。
また、その付け足した文章の中に数字を盛り込んで表現するだけでより具体性と説得力が増すためおすすめです。
取り組んだ内容の規模や関わった人数、期間など成果が数値化できるものであれば、積極的に定量的な表現を使うようにしましょう。
具体的に描写しようとしすぎると文字数を大幅にオーバーしてしまうため、書きすぎないよう注意が必要です。
150字でガクチカをまとめる方法については、こちらもどうぞ。
200文字
100字や150字よりも余裕があるものの、それでもタイトなのが200字の指定です。
ガクチカを200字で記述する際は、専門用語や略語、一般的に理解されにくい言葉の使用を避ける必要があります。
読み手である人事部の方がすべての専門用語を知っているとは限らないため、内容によっては誤解を招く可能性が高いです。
かと言って、決して多くはない文字数制限の中で説明に文字数を使ってしまうのももったいないでしょう。
簡潔でありながらも、誰もが理解できる明瞭な言葉を選べば、ガクチカの内容を明確にできます。
また、制限の中でも伝わりやすい内容を作ることが重要です。
とくに具体的なエピソードを盛り込もうとすると、文字数を多く使ってしまうことになるため一文で伝えきるように意識しましょう。
200字でのまとめ方については、こちらの記事もどうぞ。
300文字
比較的一般的なのが、300字程度でまとめるガクチカです。
そのため適切な構成にしたがって中身のある話をしっかりまとめたいところですが、300字でも枠に収まらない場合があります。
簡潔かつ情報密度の高い文章をいきなり書くのは難しく、文章を書き慣れていないのであればなおさらです。
一度多めに書いてしまい、あとから不要な部分を削るほうが書きやすいでしょう。
300字のガクチカでは、最低でも350〜370文字を目安に書いてみるのがおすすめです。
その上で分かりやすい表現を工夫して短くする、不要な部分は削るなどしていくと、慣れていなくても良い文章が効率良く書けるでしょう。
ただし、伝えるのに必要な部分まで削ってしまう場合があるため、その文章で本当に何も知らない方に十分な情報が伝わるかは都度確認する必要があります。
300字でガクチカをまとめる方法については、こちらの記事もどうぞ。
400文字
とくに文字数制限がないのであれば、なるべく400文字に近い文字数で書くのが鉄則です。
400文字であれば適切な構文にしたがい、情報を過不足なく盛り込めます。
とは言え、これも文章の作成に慣れていないとあれもこれも情報を盛り込もうとしてしまい、文字数が膨れ上がってしまう可能性が高いです。
文字数が多すぎる場合は、伝えたい本筋から逸れる単語や文を削る、文末や接続詞を言い換えるなどして適切な文字数に調整すると良いでしょう。
また、文字数が足りないからと言って冗長な表現や中身のない文で引き伸ばそうとするのも良くありません。
そのため、文章中で説明が足りていない部分はないか見返して、必要な情報を補っていくようにしましょう。
400文字でまとめるガクチカについては、こちらの記事もどうぞ。
800文字
中には、より詳しく就活生について知るために800字でガクチカを書くよう指定してくる企業もあります。
そこまでの字数が用意されているのであれば、文字数制限を気にせずに書けるでしょう。
とは言え、一文が長くなると読みにくくなってしまうため、なるべく長くならないように注意が必要です。
さらに、文章が長いとついつい読点が多くなってしまい、これも読みにくい原因となります。
したがって、文字数制限が大きい場合であっても一文が簡潔な文章になるよう意識することが大切です。
読み手にとって分かりやすい文章にするためには、適切な構成に沿って書くことが求められます。
長い文章であっても結論、エピソード、学び、貢献の4つのパートを意識しながらガクチカをまとめましょう。
800字で書くガクチカについては、こちらの記事もどうぞ。
【ガクチカとは】ガクチカのNG内容
ガクチカに書くエピソードに明確な制限があるわけではないものの、書いてしまうと要点が伝わりにくくなったり、企業から良い印象を持たれなくなったりするNGな内容も存在します。
とくに、実際に経験していないことを自分の経験として書くのはNGです。
また、いくら輝かしい経験だったからと言って、あまりに古いエピソードを用いるのは望ましくありません。
それぞれのNGなポイントについて、どのような観点からNGなのかなどを詳しく見ていきましょう。
専門知識が必要とされる内容
ガクチカを作成するにあたり、過度な専門知識が必要な内容はNGとなっています。
専門用語や専門知識前提の内容は、その分野に明るくない相手には伝わらない可能性が高いです。
ゼミや大学の研究などのエピソードを用いる場合はそうした専門的な内容になりやすく、注意が必要になります。
とくに、自分が理解している内容については、他の人がどれだけ理解しているか、興味があるかといった部分を正確に判断しにくいです。
世間の人は、自分で思っているよりも自分の専門分野に対する理解がない可能性が高いことを念頭に置いておきましょう。
一方で、志望する企業の所属する業界と同じ分野の内容であれば、企業の欲しい人材とマッチするため、むしろ専門知識を盛り込むのがおすすめです。
嘘・誇張
実際に自分がしてきた経験ではガクチカとして不十分だと考え、経験していないエピソードをさも経験したかのように書く人が稀にいます。
しかし、嘘のエピソードや極端な誇張は避けたほうが良いです。
数多くの就活生を相手にしてきた面接官は、就活生がつくつたない嘘や誇張を見抜いてきます。
嘘や誇張がバレてしまうと信用を一気に失って内定が遠のくため、メリットはほとんどありません。
ガクチカで大事なのはエピソードの華やかさではなく、そこから何を学んで今後にどう活かせるかです。
深掘りされたときに即答えられるように、しっかり自分の経験に基づいたエピソードを選択しましょう。
自分が何を考えたのか、学んだのかを明示できれば、個性的な経験でなくとも差別化は可能です。
マイナスな印象の活動
どんなに自分にとって美しい思い出であっても、マイナスな印象の強い活動についてはガクチカにしないほうが良いでしょう。
酒、煙草、ギャンブルなどは、依存性の高さやだらしないイメージから印象が良くありません。
このような一般的に良いイメージを持たれない活動は、たとえそこから学びを得られて成長につなげられたとしても良い印象は持たれにくいです。
就活でこれらに関するエピソードを用いてしまうと、採用担当者からの第一印象が悪くなる可能性があります。
エピソードそのもののイメージの悪さもさることながら、就活の場でそのようなエピソードを出してくること自体がTPOを考えられない非常識な人物、といったイメージにつながってしまうため注意が必要です。
高校以前のエピソード
ガクチカを作成する際は、古すぎるエピソードも基本的にNGです。
高卒で就活しているのでなければ、高校より前の出来事はどんなに輝かしい業績でも避けたほうが良いでしょう。
大学生として過ごしてきた時間がありながら「学生時代に力を入れた活動」が大学に入学する以前の内容だと「大学では何をやってきたの?」と思われる可能性が高いです。
学生としてまとまった期間がありながら、何も行動に移さなかった意欲のない人物だと思われる場合もあるため注意しましょう。
また、古い記憶は曖昧になっている部分が直近の記憶よりも多く、細かい部分を思い出せない可能性があります。
そうなると採用担当者からの深掘りに耐えられない場合があるため、なるべく最近の記憶からエピソードを引っ張ってくる必要があるのです。
【ガクチカとは】ガクチカが見つからない場合
ガクチカを作成しようとしたとき、すぐに使えるエピソードが思い浮かぶ人ばかりではありません。
エピソードが思い浮かばない場合は、意識して自分が何に力を入れているか、どのような行動にこだわりがあるのかを分析する必要があります。
自分史を書き出す、毎日の習慣を振り返る、日常的に気を付けていることを探してみるなど、自分なりにこだわっていることを探してみましょう。
自力で探すのが難しい場合は、周りの人の力を借りるのもおすすめです。
自分史を書き出す
ガクチカの探し方としておすすめなのは、自分史の作成です。
自分の経歴を自分史として書き出し、長い期間を占めている活動などを探してみましょう。
この団体の出身だと自負している活動、所属した部活、サークルやゼミでの活動、アルバイト、資格、留学経験、インターンシップ、ボランティアといった具合に、時間をかけて挑んだ経験が見つかる可能性があります。
書き出したさまざまな活動に対して、どのように感じたか、所感や学びなどをメモとして書いていくと、そこから文章を膨らませられるでしょう。
その経験を始めたきっかけについても深掘りするなど、ガクチカの説得力を高められるような分析の仕方をしていくと効果があります。
自分史の作成方法については、こちらの記事もどうぞ。
毎日の習慣を振り返る
「なるべく長く続けていること」「自分のこだわりが反映されていること」を満たすものとして、毎日の習慣を取り入れるのもひとつの手段です。
これまでの毎日の習慣を振り返り、無意識のうちに続けているルーティーンのようなものを探しましょう。
1日の行動を書き出してみて「今まで意識していなかったけどこれは毎日続けているな」という活動があればガクチカとして使える可能性があります。
筋トレや散歩、ランニング、読書、一日一善のボランティアなど、自分にとっては当たり前の活動であっても周囲からは特徴的に見える可能性があるため、自分の生活を振り返ってまとめてみましょう。
その習慣を始める前と現在とで、どのような変化があるかについても考える必要があります。
日常的に気を付けていることを探してみる
毎日の習慣と似ているようで異なるものとして、日頃から気を付けていることについて探してみるのもおすすめです。
あいさつ、作法、言葉遣いなど、生活する上で常に気を付けていることをピックアップしてみましょう。
他の人があまりやっていなかったことが見つかった場合、自分の工夫としてガクチカに用いられます。
また、どうしてそれにこだわっているのか、気を付けているのかについて自分で深掘りしてみると、これまで気付いていなかった自分の側面を知れる場合もあるでしょう。
そうして得た分析結果はそのままガクチカや選考の回答として活用できるため、細かいこだわりについてもよく分析してみることが大切です。
ただし、一般常識として当たり前のことをピックアップしてしまうと「就活で使えるような経験をしてこなかったのかな」と思われる可能性があります。
他人による分析結果を書きだす
自力での分析が難しい場合は、他己分析として他人による分析結果を教えてもらうのもおすすめです。
家族や友人など、普段の自分がどのような人物なのかをよく知っている相手に、自分が頑張っているものは何か聞いてみるのも良いかもしれません。
自分では当たり前にやっていることのつもりが、他の人から見たらガクチカとして使えるような経験であることも多いです。
逆に、自分では頑張っていたつもりでも一般的に見て当たり前のことだったりと、ガクチカとして使うと評価が下がりかねない内容についても把握できます。
書いたガクチカが適切かどうかを客観的に判断してもらえる可能性もあるため、就活で行き詰まったら自分以外の方を頼るのは効率的です。
【ガクチカとは】ガクチカ例文10選
ここからは、実際にガクチカを書く際の例文をテーマ別にご紹介します。
今回ご紹介するのは、学業、部活、サークル、アルバイト、ボランティア、あいさつ、留学、資格取得、趣味、長期インターンの10個のテーマです。
これらの例文はあくまでも参考に留め、最終的には自分の言葉で文章を作成する必要がありますが、実際にどのようにまとめるべきかを見ることで文章を書きやすくなるでしょう。
なお、文章を書く際は志望先の企業の呼び方を「貴社」で統一する必要があります。
例文1: 学業
大学に入って1年目の前期、私の成績はGPA2.8と、学内の平均である3.2よりも低い状態でした。
このままでは自分のためにならないと考え、講義の予習と復習を毎日行い、空き時間や休日を活用して分からなかったところは繰り返し学習し、気になることがあれば大学の図書館も活用して調べ物を続けました。
その結果、少しずつ成績を上げられ、3年生の前期ではGPA4.5と平均よりも高い成績を獲得できるようになったのです。
この経験から、はじめは結果が出なくとも努力を重ねれば成果につなげられることを学びました。
貴社への入社後は、この学びを活かして粘り強く努力を続けたいと考えております。
学業に関するガクチカ例文については、こちらの記事もどうぞ。
例文2: 部活
学生時代に一生残るようなものを1つでも制作したいと考え、美術部に入部して油絵を始めました。
最初のうちは何もかもが新鮮で楽しく絵の描き方を学んでいたのですが、自力で制作を始めるようになると表現の仕方で悩むことが増え、なかなか作品作りが進まなくなってしまいました。
油絵はある程度大まかに絵を描いたあとでも、上から絵の具を重ねて描き換えることが可能です。
そこで、ときにはテーマごと変えながら、何度もさまざまな表現を試して納得のいく作品作りを模索しました。
その結果、大学3年生の秋に制作した作品でコンクールの賞を取ることができたのです。
この経験から、思ったような結果が出ないときでもあれこれ試行錯誤してみることの大切さを学びました。
この学びを活かし、貴社への入社後もさまざまな仕事で試行錯誤をしていきたいと考えております。
部活に関するガクチカについては、こちらの記事もどうぞ。
例文3: サークル
サークル内ではパートリーダーを任されており、フルートのメンバーをまとめる役割に就いていました。
当時、私たちのサークルではコンクールで賞を取れない期間が続いており、チームのモチベーションが削がれてしまっていました。
そこで、私はまず自分のパートだけでも立て直そうと考え、メンバーを励ましながら練習メニューを組み、次のコンクールまでにより良い演奏ができるようになるよう励んだのです。
その様子を見ていた他のサークルメンバーもだんだん熱心に練習してくれるようになり、その次のコンクールでは見事賞を取れました。
この経験から、チームのモチベーションを高めるためには自分から行動することが大切だと学びました。
この学びを活かして、貴社への入社後も、チームの雰囲気作りやモチベーションの維持に貢献したいです。
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例文4: アルバイト
このアルバイトを始めたのは、お客様が抱える課題や悩みを解決する力を養いたいと考えたのがきっかけです。
はじめのうちは電話越しにお客様が何に困っているのかを明確に聞き出すことが難しく、お客様が望むサービスにつなげるのに苦労していました。
そこで、長くコールセンターで働いている先輩の方にどうすれば良いかアドバイスを求め、まずはしっかりお客様の言葉に耳を傾けることが大切だと教えていただきました。
アドバイス通りに根気強くお客様の言葉を聞き、お客様が望む解決方法を提示してお礼を言っていただいたときに、相手の話をしっかり聞くことはこんなにも大切なのだと学びました。
この学びを活かして、貴社への入社後もまずお客様の声をじっくり聞くことから始めたいと考えております。
アルバイトに関するガクチカ例文については、こちらの記事もどうぞ。
例文5: ボランティア
毎年夏休みに大学生を募って行われていたボランティア活動で、大学1年生の夏から3年生の夏まで3回参加しました
もともと英会話教室に通っていたので英語には自信があったのですが、実際の活動の中では慣れない言語で算数の概念を教えることに苦労しました。
そこで、相手の子に伝わりやすいよう、イラストを用いた図示を多く取り入れるなどの工夫を行ってみたのです。
その結果、私の説明が一番分かりやすかったと言ってもらえました。
この経験から、相手の立場に立ってどのように説明したら分かりやすいかを考えることの大切さを学びました。
貴社への入社後も、業務の報告や連絡の際にどう説明したら分かりやすいかを意識しながら行いたいと考えております。
ボランティア活動に関するガクチカ例文については、こちらの記事もどうぞ。
例文6: あいさつ
あいさつは礼儀の第一歩であり、自分からこれを行うことで人間関係を円滑にしたいと考えました。
大学に入学し、まずは指導教官や同じ教官のもとについた同級生へのあいさつから始めました。
すぐに講義が同じになった顔見知りの学生にまで範囲が広がり、部活のメンバーやアルバイト先の方にも自分からあいさつするようになりました。
その結果、相手からも声をかけてもらえる機会が増え、大学3年生の頃にはさまざまな人脈を作ることができたのです。
この経験から、コミュニケーションを円滑に行うためには積極的に声をかけることが大切だと学びました。
この学びを活かして、貴社への入社後も自分からさまざまな方に声をかけていこうと考えております。
例文7: 留学
大学で専攻していた分野の権威の先生が国内におらず、アメリカでないと詳しく学べなかったために留学を決意しました。
留学したばかりの頃は、慣れない環境と語学力の問題から思ったように学びを深められないでいました。
そこで、研究室での集まりの際にまずは1日1回は発言をしようと決め、慣れてくるにしたがって少しずつ発言量を増やしていくことにしたのです。
その結果、留学が終わる頃には先生とも他の学生とも円滑に意思疎通が図れるようになり、帰国後もメールでやり取りしながら自分の論文を書き上げることができました。
この経験から、困難な状況に置かれた場合でも諦めずに行動することの大切さを学びました。
貴社への入社後も、学びを活かして業務への理解を深めていきたいと考えております。
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例文8: 資格取得
事務のアルバイトをする際に、しっかりお金の流れについて知っておきたいと考えたことがきっかけです。
とくに苦労したのは、勉強時間の確保でした。
もともとなるべくたくさんのことを学ぼうと通常よりも多くの講義を受けており、それに加えてアルバイトやサークル活動にも参加していたため、平日はもちろん休日にもまとまった時間を取りにくい状態でした。
そこで、授業の空きコマや休み時間、電車での移動中やアルバイトの休憩時間など、とにかくスキマ時間を見つけては勉強に打ち込み、見事資格を取得できました。
この経験から学んだのは、短い時間の活動でもコツコツ積み重ねれば自分の力にできることです。
貴社への入社後も、業務に必要な知識や資格について時間を作って学んでいきたいと考えております。
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例文9: 趣味
もともと本を読むのは好きでしたが、大学に入ってからはもっといろいろな価値観を知るためにこれまでよりたくさんの本を読もうと考え、1か月につき5冊を目標に掲げました。
価値観を広げるための取り組みであったため、普段は読まないジャンルの本も積極的に手に取ってみたのですが、最初のうちはなかなか興味を持って読み進められませんでした。
そこで、読書を人間関係に置き換えて考えてみることにしたのです。
すると、自分から相手について知りたいと言って近付いたのに、やはり興味がないからと関係性の構築を投げ出すのは失礼であると判断したため、その本で著者が何を言いたいのかを考えながら向き合うようにしました。
その結果、年間で100冊以上の本を読むことができ、大学以前には読んでいなかったジャンルの割合を6割にまで増やせました。
この経験から発想の転換の大切さを学んだため、貴社への入社後もこれを活かして業務にあたりたいと考えております。
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例文10: 長期インターン
貴社が手掛けているWEB制作サービスと、貴社の理念である「ITをすべての産業に」を魅力的に感じ、貴社での業務をもっと知りたいと考えて参加いたしました。
私が参加したのはWEBサイトのデザインに関するインターンシップだったのですが、もともとデザインを学んでいたわけではなく、サイトの訪問者の方にとって見やすいレイアウトや色選びが難しいと感じていました。
そこで、デザインの本を購入したり、貴社のWEBデザイナーの方が作成したWEBサイトを1つひとつまわってみたりするなどして、自宅でも勉強を続けることにしたのです。
その結果、最も優秀だったインターン生のデザインを実際に採用するという課題の中で、私が考案したものを選んでいただくことができました。
貴社への入社後は、この経験で培ったデザインの力を活かして働きたいと考えております。
長期インターンに関するガクチカ例文については、こちらの記事もどうぞ。
【ガクチカとは】ガクチカが完成したら
ここからは、さまざまなプロセスを経てガクチカの草稿が作成できたら何をすべきかについてご紹介します。
ガクチカの文章ができたからと言って、そのまま提出するのは得策ではありません。
できたばかりの文章は誤字脱字がある可能性が高く、また内容についても前提知識がないと分かりにくい可能性があります。
そのため、清書して提出する前に二重三重にチェックを重ねる必要があるでしょう。
どのような方法でチェックをするべきか、詳しくご紹介します。
声に出して読んでみる
ガクチカの草稿が完成したら、まずは自分で声に出して読んでみるのがおすすめです。
目視で文章をなぞるだけだと、思っているよりも誤字や脱字は発見できません。
1文字1文字声に出して読んでみると、内容のチェックと誤字脱字のチェックが同時にできます。
誤字や脱字が残っていると選考での評価が下がってしまうため、なるべく確実性の高い方法でチェックを進める必要があるのです。
また、面接を意識して読み方にも注意を払ってみるとなお良いでしょう。
すらすらと話すための練習にもなるほか、そもそも長い文章をアピールのために話すこと自体に慣れておく必要があります。
その場合は、自分の声を録音する、話しているところを録画するなどしてあとから評価できるようにすると効果的です。
周りの人に読んでもらう
ある程度セルフチェックが済んだら、周りの人に読んでチェックしてもらうと良いでしょう。
家族や友人、就活を経験した先輩など、第三者に自分のガクチカを読んでもらうのがおすすめです。
見落としていた誤字や脱字など、細かなミスが見つかる場合があります。
また、前提知識がないと分かりにくい部分など、自分では気付けない客観的な意見がもらえるチャンスです。
近しい方だけでなく、大学の指導教員やキャリアセンターの職員など、協力を仰げそうな方にはどんどんお願いしてみると良いでしょう。
いろいろな視点があったほうが「誰にでも分かりやすいガクチカ」の完成に近付きます。
また、時間を取れるようであれば面接対策にも付き合ってもらうと本番のような練習ができる可能性が高いです。
就活エージェントに相談する
完成したガクチカの草稿のチェックについて、就活エージェントに相談するのもおすすめです。
「ジョブコミット」であれば、ガクチカの内容や書き方について企業目線の本格的なアドバイスが受けられます。
ガクチカだけでなく、志望動機や自己PRなどの選考書類作りや、面接対策など幅広く就活をサポートしてくれて便利です。
自分に合った企業探しや内定後の入社準備など、就活の始まりから終わりまで包括的な支援が受けられます。
自分1人で就活に向き合っていると孤独感がありますが、ジョブコミットでは二人三脚で就活に取り組んでくれる専任のアドバイザーがつくため、困った際は何でも相談できるでしょう。
就活で行き詰まったことがある場合は、ジョブコミットを利用してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
ガクチカは、志望先の企業に自分の経験を通して人柄や考え方をアピールできる項目です。
華々しい経験である必要はなく、自分独自の考え方や感じたこと、学んだことを盛り込めば十分差別化できます。
その一方で、伝わりやすい構成を守ること、印象の悪い経験は使わないことなど、ある程度の注意も必要です。
指定された文字数によっても書き方が異なるため、規定をよく確認しなければなりません。
ガクチカ作りのポイントを押さえ、内定のための魅力的なアピールにつなげましょう。