・学業以外で力を注いだこととは
・企業が学業以外で力を注いだことを聞く意図
・学業以外で力を注いだことの例
・学業以外で力を注いだことを作成する際のポイント
・履歴書作成中の就活生
・学業以外で力を注いだことをこれから書く人
・学業以外で力を注いだことが思い浮かばない人
・例文を見て参考にしたい人
はじめに
就活では、採用担当者から「あなたが学業以外で力を注いだことは何ですか?」と聞かれる場合があります。
ガクチカなどと似ているように見えますが、答えられるジャンルが学業以外に決まっているため、ややエピソード選びの幅が狭いです。
この記事では、学業以外で力を注いだこととは何か、採用担当者から聞かれる理由や実際の例文、文章を作成するためのポイントについてご紹介します。
履歴書やエントリーシートなどの選考書類を作成中の方や面接を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
【学業以外で力を注いだことをアピール】「学業以外で力を注いだこと」とは?
学業以外で力を注いだこととは、大学の授業やゼミでの活動、研究などの学業に関わらないところで、頑張ってきたことです。
自分が課外活動で何をしてきたのかをもとに、人柄やスキル、コミュニケーション能力の高さをアピールします。
大切なのは、エピソードの内容よりも、その物事にどのような姿勢で取り組んだのかです。
そのため、結果に関わらず、自分自身の人柄が伝わる内容を述べる必要があります。
履歴書で文章を書く以外に、面接で聞かれるケースも少なくありません。
自己PRとの違い
学業以外で力を入れたことと自己PRは、似た項目として捉えられやすいです。
どちらも、自分のプラスの部分をアピールするための項目ではありますが、両者は主軸に置くべきポイントが異なります。
自己PRで必要なのは、自分の「強み」を企業にアピールすることです。
強みとして「継続力」をアピールし、学業以外で力を注いだことについても長く取り組んだことを主軸にするなど、両者のテーマを同じにしても問題はありません。
ただし、まったく同じエピソードを繰り返し述べることは避けましょう。
引き出しが少ないと思われるほか、そのエピソードでしか証明できない強みや姿勢なら、たまたま発揮できただけで、人柄と呼べるほど染み付いてはないのではと捉えられます。
自己PRについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
ガクチカとの違い
自己PR以上に、学業以外で力を注いだことに近い項目として、学生時代に力を入れたこと、すなわちガクチカが挙げられます。
ガクチカでは、ジャンルを問わず、学生時代にとくに力を入れた具体的な経験や成果を詳しく述べることが必要です。
学業以外で力を注いだことと異なり、お酒やギャンブルなど社会的に眉をひそめられるようなことでなければ、何の経験でも良いです。
授業やゼミ、研究などのエピソードを用いても構いません。
自己PRと同様に、同じテーマをもとに作成しても問題はありませんが、まったく同じエピソードを繰り返し述べることは避けましょう。
アピール内容に一貫性を持たせつつ、異なるエピソードを用いて説得力を高める必要があります。
ガクチカの作成については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【学業以外で力を注いだことをアピール】企業が学業以外で力を注いだことを聞く意図
続いて、企業が就活生に学業以外で力を注いだことについて聞く理由や意図について、ご紹介します。
企業は、就活生の「人柄を知りたい」「身につけたスキルを知りたい」「コミュニケーション能力を把握したい」といった理由から、学業以外で力を注いだことについて聞いてくる場合が多いです。
こうした要素は、その就活生を採用したときに、自社にどのような影響を与えるのかを予想する際に役立ちます。
それぞれどのようなところを重視しているのか、なぜ重視しているのか、どう評価されているのかなどを見ていきましょう。
人柄を知りたい
企業が知りたいのは、応募者である就活生がどのような人柄の人物なのかです。
学生なら学業に力を入れるのは当然として、それ以外に何に力を注いだかに個性が表れます。
そのため、何を選んでどのような姿勢で取り組んだかによって、そこから就活生の人柄や性格が見えてくるのです。
したがって、自分がどのような性格や人柄だと見られたいかによって、力を入れたエピソードを選ぶ必要があるでしょう。
そして、自分がどのような性格に見えたほうが良いかについては、企業がどのような人材を求めているかによって検討する必要があります。
企業が求めているのが忍耐力がある人材であるのに、そうでない特徴を前面に出すと、この人材は自社に必要ないなと思われる原因になりかねません。
身につけたスキルを知りたい
企業は、履歴書や面接の内容から、就活生がどのようなスキルを身につけているのかについて知ろうとしています。
アルバイトや部活動など、学業以外の場でも身につくスキルはたくさんあるでしょう。
そのような学業以外の場で身につけたスキルも、仕事で役立つ場合が数多くあります。
むしろ、学業が志望先の企業の業務と同じ分野でなければ、それ以外の社会生活で身につけたスキルのほうが役立つ可能性が高いです。
力を注いだ経験の中で、身につけたスキルがあること自体が強みであり、就活において積極的にアピールに使えます。
ただし、これも人柄同様に、志望先の企業にとって必要なスキルでなければなりません。
その企業で使えないようなスキルをアピールしても響かないため、気をつけましょう。
コミュニケーション能力を把握したい
企業側としては、学業以外で力を注いだことから、その就活生のコミュニケーション能力について把握したいとも考えています。
企業で活躍できるのは、基本的にコミュニケーション能力を備えた人材です。
そのため、企業が必要とするレベルのコミュニケーション能力を持っているか、把握したいという意図があります。
入社後は、社内だけでなく、社外の人ともコミュニケーションを取りながら、仕事を進めていくケースが多いです。
取引先や顧客など、相手の属性はさまざまであるため、どのような人とでも会話できるコミュニケーション能力が求められます。
また、応募者である就活生が協調性を持って働ける人物か、見定める目的もあるのです。
自分本位でしか仕事をしない人物の場合、かえって生産性が下がる場合があります。
【学業以外で力を注いだことをアピール】学業以外で力を注いだことの例
ここからは、実際に学業以外で力を注いだこととして使われることが多い例について、ご紹介します。
学業以外で力を注いだこととして使われやすいのが、部活、サークル、アルバイト、ボランティア、長期インターン、資格取得、趣味などです。
基本的に、大学の授業や学業関係のエピソードでなければ良いため、どのようなエピソードを選んでも構いません。
ただし、お酒、タバコ、パチンコや競馬といったギャンブルなど、世間的にイメージが良くないエピソードは、避けるようにしましょう。
部活
学業以外で力を注いだこととしてよく選ばれるのが、運動部などの部活です。
どのような部活を選ぶか、その部活でどのような活動をするかは、学生により千差万別です。
そのため、所属する部活を選んだ理由や、そこでの活動に取り組む姿勢から、個性や人柄が伝わります。
大会やコンクールなど団体としての目標に向け、一丸となって練習に励んだ経験などは、自身が持つ協調性や責任感などのアピールにもつながるでしょう。
個人としての目標に打ち込んだ場合でも、忍耐力や継続力など、さまざまな側面をアピールできます。
自分が部活で行った活動から、どのような一面がアピールできるかを考えながら、エピソードを選ぶと良いでしょう。
選手や代表として活躍したエピソードだけでなく、マネージャーなどの立場から部員を支えたエピソードでも構いません。
サークル
部活と並んで選ばれやすいエピソードが、サークルでの活動です。
部活よりも緩やかな活動の場合が多いですが、よりメンバーとの交流に重きを置いたエピソード選びができる場合が多いでしょう。
一口にサークルといっても、さまざまなジャンルのサークル活動があります。
そのため、まずは自分がそのサークルで何をしていたのか、明確に述べる必要があるでしょう。
ただし、そのサークルでの活動に詳しくない外部の方でも分かるよう、専門用語や内輪ネタは控える必要があります。
とくに、内輪ネタは外部の方に伝わりにくく、ついていけないと思われる可能性が高いです。
サークル内で目標に向けて取り組んだ経験や、メンバーと協力して何かを成し遂げた経験などがエピソードとして活用できます。
アルバイト
大学などでの活動のみならず、学外に出て行うアルバイトもエピソードとして使えます。
アルバイトは、正社員ほどの責任を負う立場ではないものの、社会の一員として働くことには変わりありません。
そのため、その就活生が持っている仕事に対する姿勢が表れやすく、これから社会人として仕事をする場合にも、役立つ強みを獲得できている可能性が高いです。
どのようにアルバイトに取り組み、どんな成果を出せたのか、学びとして何を得たのかについて、詳しく述べることが重要になります。
売上などの形で具体的な変化を挙げやすく、業界などが違っても、成果の大きさを伝えやすいエピソードの1つです。
ただし、あまりに社会人として当たり前のことを学びとして挙げてしまうと、そもそも常識がないと思われる可能性があります。
ボランティア
学業以外で力を注いだこととして、積極的にボランティア活動に参加した経験を用いるのも効果的です。
単にボランティアに参加したことだけを強調しても、そこから言いたいことを汲み取るのは難しいため、ボランティアに参加しようと思ったきっかけや、実際に学んだことを詳細に述べましょう。
個人で行える活動やほかの参加者と一緒に協力する活動、参加した先でさまざまな方と交流する活動など、一口にボランティアといっても活動の形態や内容はさまざまです。
黙々と作業できる集中力や課題解決能力などをアピールしたいのか、知らない人とも協力や交流ができるコミュニケーション能力や協調性をアピールしたいのかによって、エピソードを選び分ける必要があります。
長期インターン
アルバイトと同様に、長期インターンの経験も、社会人として働く姿をイメージしやすく効果的なアピールが可能です。
単に「○○の活動をした」という説明で終わるのではなく、その経験の中で直面した課題をどのように解決したのかなど、具体的な取り組みについて述べる必要があります。
インターンの中で仕事に活かせるスキルが身についた場合は、より強力なアピールになるでしょう。
とくに志望先と同じ業界の企業だった場合や、さらには志望先の企業そのものでの経験だった場合は、業務への理解度もアピールでき、よりプラスの効果があります。
逆に、長期インターンのエピソードを選んだにも関わらず、具体的な取り組みが出てこなかったり、ほかの参加者に頼りきりだったことを示唆するような描写があったりすると「この人はインターンで何をしていたんだ」と思われるため、注意しましょう。
長期インターンについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
資格取得
在学中に業務に活用できる資格を取得していた場合は、その資格を取得するまでの道のりを力を注いだこととして活用できます。
企業に入社したあと、今後の仕事に活かせる資格についてのアピールは、企業に刺さりやすいです。
資格の取得に熱心かつ真面目に取り組んだ姿勢は、今後の仕事に対しても、真剣に向き合えるアピールにもなります。
なぜその資格を選んだのか、どれくらいの時間をかけたのか、どのような工夫をして勉強したのかなど、取得までの取り組みを具体的に述べましょう。
同じ資格を取得したエピソードでも、あまりその企業での業務に関係のない資格であったり、手当たり次第さまざまな資格を取得したエピソードであったりすると、あまり効果がありません。
趣味
学業以外で力を注いだことであれば、趣味による活動も1つのアピールになります。
大事なのは、何の趣味を持っているかではなく、その経験を通して何を学んだか、何を得たかという部分です。
「手芸が趣味で集中力が身についた」「サイクリングが趣味で体力が身についた」など、仕事への再現性があれば、十分に用いることが可能です。
逆に、ギャンブルなどの世間体が良くない趣味や「車が好きで1年間に何万円とお金を注ぎ込んだ」「ゲームが趣味で徹夜で打ち込んだ」など、計画性がないと思われる可能性があるエピソードは選ばないように、気をつけなければなりません。
ほかのエピソードと同様に、そのエピソードを話して、相手にどう思われるかを考慮する社会性は必要です。
留学
力を注いだこととして留学を挙げる場合には、学業そのものではなく、課外活動や異文化での生活を通じた経験をアピールしましょう。
たとえば、留学先でのボランティア活動やサークル参加、現地の人々との交流を通じて学んだこと、異文化適応力やコミュニケーションスキルの向上などを具体的に説明するのがおすすめです。
異なる価値観や文化的背景を持つ人々と接した経験をアピールすれば、文化的な多様性を理解し、受け入れる力を得たことを示せます。
これはグローバルなビジネス環境において非常に重要なスキルであり、国際的な視野を持つ人材として評価されるでしょう。
学業に関する話題に偏ってしまうと質問の意図から外れてしまうため、留学経験を通じてどのような新しい挑戦や成長を遂げたかに焦点を当てると効果的です。
このようにして、自分の主体的な行動や柔軟性、協調性を具体的なエピソードで示すことが面接官に好印象を与えるポイントです。
【学業以外で力を注いだことをアピール】学業以外で力を注いだことのおすすめ構成
ここからは、学業以外で力を注いだことについて書いたり、話したりするときのおすすめの
構成についてご紹介します。
基本的には、結論、エピソード、学んだこと、仕事への再現性の順に記載することが大切です。
こうした構成を守って文章を組み立てれば、受け取った側もスムーズにエピソードを理解できます。
また、自分でもどこの部分に何を書けば良いのかが分かるため、文章を組み立てやすいです。
それぞれのパートにどのようなことを書けば良いのか、詳しく見ていきましょう。
結論
履歴書やエントリーシートに学業以外で力を注いだことについて書くときは、まず結論から始める必要があります。
結論とは、力を注いだ活動は何かということです。
このあとのパートで詳細を描写するため、この部分ではできるだけ端的に述べる必要があります。
「私が学業以外で力を注いだのは、○○です」といったように、簡潔な一文で済ませましょう。
冒頭からエピソードなどの描写に力を入れてしまうと、結局何が言いたいのか伝わりにくくなります。
また、書いている自分自身も、何について書きたかったのか分からなくなってしまう場合が多いです。
そのため、なるべく簡単な結論で済ませて、そのあとのエピソード描写の軸になる部分を決めてしまいましょう。
エピソード
次に、学業以外で力を注いだことのエピソードについて、詳細を描写します。
その活動になぜ力を注ぐことになったのか、経験の中で直面した課題と解決のためにとった方法、その活動に力を注いだことで得られた結果などを述べましょう。
活動そのものよりも、こうしたエピソード、すなわち過程の部分に就活生の考え方や個性が表れます。
そのため、ある意味結論よりも、エピソードのほうが重要なパートです。
このとき、活動について説明するために専門用語などを用いてしまうと、その分野に明るくない人には伝わりにくくなってしまうため、気をつけましょう。
具体的な数字などを出せる場合は、それもしっかり描写したほうが伝わりやすくなります。
エピソードの内容については、あとから深掘りされても対応できるよう、しっかり練っておきましょう。
学んだこと
次に、学業以外で力を注いだことから、何を学んだのかについて述べましょう。
その経験を通して何を学んだのか、具体的なエピソードを交えて伝えます。
学業以外で力を注いだことについて述べる際、成績や結果について伝えるのは、それだけ打ち込んだことを伝えるのには効果的であるものの、その華やかさまでは重要視されません。
華やかな経歴や派手な成果だけをつらつらと述べていると、かえって単なる自慢話と受け取られる可能性が高いです。
そのため、語る内容が自慢話やただの体験談にならないよう、経験の中で自分が何を学び、何を身につけたのかについてしっかりと説明しましょう。
この部分も、エピソードの経緯と同様に、就活生の個性が現れる部分です。
仕事への再現性
文章の末尾は、学んだことがどのように仕事に活かせるのかを示す必要があります。
最後の結論として、力を注いだ経験や学んだことにおける、仕事への再現性を伝えて締めくくりましょう。
在学中、学業以外に力を注いで学んだことを、入社後の仕事でどのように活かしたいのか具体的に考えてアピールします。
志望先の企業で自分がどのようなポジションにつき、どのように活躍するのかといった姿を具体的にイメージして述べると、熱意もしっかりと伝わるでしょう。
企業研究を十分に行っているアピールにもなるため、採用担当者側も「自社に本当に入社したいと思ってくれているんだな」と判断できます。
逆に、ここでその企業でできない業務について述べたり、再現性の低いエピソードだと思われたりすると、逆効果になるため注意しましょう。
【学業以外で力を注いだことをアピール】学業以外で力を注いだことを作成する際のポイント
続いて、履歴書やエントリーシート、面接などで、学業以外で力を注いだことについて述べる際のポイントについてご紹介します。
基本的に「結果にこだわりすぎない」「入社後も活かせる内容にする」「感情的な話は避ける」の3点に留意して、文章を組み立てる必要があるでしょう。
本来こだわるべきでないところにこだわってしまうと、伝えるべきことが伝わらない文章になってしまいます。
また、あくまでも採用担当者が知りたいのは、就活生の人柄やスキルが自社にどのような影響を与えるかというポイントであることを押さえておきましょう。
結果にこだわりすぎない
学業以外で力を注いだことについて書く場合、気をつけたいのは、結果や成果にこだわりすぎないことです。
人目を惹くような華々しい結果や成果がある場合、どうしても自慢したくなってしまうのは仕方のないことでしょう。
しかし、企業が知りたいのは、就活生の自慢話や派手な経歴ではありません。
企業が知りたいのは、活動の結果そのものではなく、その活動に取り組んだときの就活生自身の姿勢です。
自分なりの目標を立て、それに向けて継続して努力した経験がある場合は、そのエピソードについて述べるほうが印象に残りやすいでしょう。
どうしてそのように考え、どのような理由で行動をとったのかしっかり描写できれば、華々しい経歴などがなくても差別化できます。
入社後も活かせる内容にする
学業以外で力を注いだことについて書く場合は、企業への入社後も活かせる内容にする必要があります。
たとえば、資格の取得や部活で努力をしたとして、業務上の再現性を挙げて仕事でも同じように努力できる人物だと思ってもらえれば、採用担当者から良い印象を持ってもらえるでしょう。
先に挙げた資格取得のように、とくに仕事に関係する話題を持っている場合は、それ自体が活かせるスキルであるため、再現性があります。
逆に、どんなに素晴らしい経験をしていたとしても、それがその企業での業務に関わりがなく、再現性のないエピソードである限り、企業側にとっては何の興味もわきません。
企業に関係のないエピソードを選んでしまうと、自社に対する情報収集が甘く、志望度も低いと思われてしまいます。
感情的な話は避ける
学業以外で力を注いだことについて述べる場合、なるべく感情的な話は避けるようにしましょう。
「力を注いだことについて」と言われると、自分はこれだけ頑張った、これだけ辛い思いをしたといった話に持っていく人がいます。
しかし、それによってしっかり成果を出せていない、得られた学びがないのであれば、本末転倒です。
基本的に、エピソードの中で自分がどんな取り組みをしたか、その経験から何を学んだのかが分かる内容にするよう、心掛ける必要があります。
とくに、ただの感想や感情的な内容、ただの体験談にならないように注意しましょう。
企業側は、選考のために話を聞いているのであって、あなたと世間話がしたいわけではないという点に注意が必要です。
【学業以外で力を注いだことをアピール】学業以外で力を注いだことを作成する際の注意点
学業以外で力を注いできたエピソードでアピールする際は、まずポジティブな印象を与えるテーマを選ぶことが重要です。
たとえば、困難や失敗に直面した経験を述べる場合でも、その後の成長や学びに焦点を当てて、なるべく前向きな姿勢を示しましょう。
また、活動に取り組んだ理由は、自分の意志や目標に基づく形で表現することが大切です。
受動的な理由ではなく積極的な意欲を伝えることで、より説得力のある内容になります。
加えて、事実を誇張せず、できるだけ正直に自分の経験をアピールするよう心がけましょう。
ネガティブな印象を与えるテーマは避ける
学業以外の経験をアピールする際は、どのようなテーマでも良いわけではありません。
企業により良い印象を与えるためにも、慎重にテーマを選ぶようにしましょう。
たとえば、ギャンブルや恋愛、就活のエピソードは避けたほうが無難です。
なぜなら、これらは個性や強みを十分に伝えられず、ネガティブな印象を与えてしまう可能性が高いからです。
企業が求めているのは、社会人としての資質や業務への適応力、協調性などであり、それを示せるテーマが好まれます。
具体的には、ボランティア活動やサークルでのリーダーシップ経験、アルバイトを通じたスキルの獲得経験などがおすすめです。
こうした経験は、あなたの人間性や成長意欲、協調性を具体的にアピールでき、企業にとっても魅力的に伝わるでしょう。
リーダーシップや責任感など、社会人として必要な能力が伝わると、この人と一緒に働きたいと思わせられます。
活動に取り組んだ理由を受け身にしない
ネガティブな印象を与えかねないテーマを避けるとともに、主体的な理由を強調することも忘れてはなりません。
たとえば、「友人がやっていたから」「誰かにすすめられたから」といった受け身な理由では、あまり良い印象は与えられません。
それよりも、「興味があったから」「スキルを身につけられると考えたから」というように、自分の意志や目標に基づいた動機を示すことが求められます。
新しいスキルを身につけるために自主的に勉強を始めたり、興味のある分野でボランティア活動を実行したりといったエピソードが、それに該当します。
主体的な理由を持つことで、活動への熱意や責任感が伝わり、より積極的な姿勢を印象づけることが可能です。
また、こうした理由から活動を選び、自ら積極的に行動を起こした経験を語ることで、意欲的かつ自律的な人物像をアピールすることにもつながります。
嘘のアピールはできるだけ控える
過去に目立った成果がなくても、嘘のエピソードを伝えるのはおすすめできません。
たとえば、日常的に続けている趣味や習慣、あるいは個人的に努力していることなど、小さなことでも誠実に伝えることが大切です。
週に数回ジムに通ってランニングやヨガを習慣にして、体力向上のために日々努力していることなどでも構いません。
嘘の話をしてしまうと、面接官に見抜かれる可能性があり、信頼を損ねるリスクがあります。
また、就活は企業と就活生の相性を見る場でもあるため、嘘のエピソードを伝えて内定を獲得したとしても、自身が持つ適性を活かせずに後悔するかもしれません。
自分が実際に取り組んでいる活動を、具体的なエピソードを交えて説明することで、真摯な姿勢が相手に伝わりやすくなります。
自分の経験や成長を素直に語ることが、より良い印象を与えるポイントです。
【学業以外で力を注いだことをアピール】学業以外で力を注いだことの例文
ここからは、学業以外で力を注いだことについて述べる際の例文について、ご紹介します。
こうした例文を読めば、ある程度どのような文章を書けば良いのかイメージできるでしょう。
ただし、実際に文章を組み立てる際は、自分の経験をもとに、自分の言葉で書く必要があります。
自分が実際に経験していないことについて書いてしまうと、あとから深掘りされたときにうまく答えられずに嘘がバレてしまい、評価が大きく下がってしまうのです。
例文はあくまでも参考に留め、構成にしたがって自分の言葉で文章を作りましょう。
例文1: 部活
チームのキャプテンとして活動する中で、1つの集団をまとめあげるための方法を学びました。
私がキャプテンになった年の部員は、みんなやる気があって素晴らしかったのですが、その分全員の主張が激しく、まとまりのなさが目立っていました。
そのため、最初はチームプレイが難しく、練習試合でもまとまりのなさが原因で負けてしまうことがありました。
そこで、私は部員一人ひとりの意見を聞きつつ「この意見は取り入れられるけれど、これは別の意見を優先したい」というように、それぞれの意見の落としどころを探り、納得してもらえるよう立ち回ったのです。
その結果、大会で準優勝を獲得でき、意見をしっかり聞くこと、そのうえで受け入れるものを選別することの大切さを学びました。
この経験を活かし、貴社でもチーム全員の意見を聞きつつ、まとめていきたいと考えております。
例文2: サークル
ボードゲームでは、ゲームの進行を統括する役職が必要になる場合があり、私はサークル内でその役割を積極的に引き受けていました。
プレイヤーとして限られたメンバーと話をするよりも、より多くのメンバーとコミュニケーションが取れると考えたためです。
結果的に、ただ順番どおりにプレイヤーに話しかけるだけでなく、意見を言いたそうな雰囲気を察知したり、勝敗によって喧嘩になりそうなときになだめたり、気配りの力が身についたと感じております。
貴社への入社後も、チームのメンバーとコミュニケーションを取りつつ、細やかな気配りでチーム内の空気を円満にできるよう、努めたいと考えております。
例文3: アルバイト
私が勤務していた店舗では、お正月などの季節行事に合わせて、セールなどのイベントを行っていました。
セールの際は、遠方からのお客様などもたくさん訪れるため、店舗のレジに長蛇の列ができます。
しかし、あまりに長時間並ぶため途中で嫌になってしまい、お会計を諦めて離脱するお客様も少なくありませんでした。
そこで、私は店長の許可を得て、お店で取り扱っている食品を試食という形で並んでいる方に配り、レジ待ちの時間が苦痛にならないよう配慮しました。
その結果、レジ待ちで離脱するお客様が減り、前年の同じイベントよりも30%ほど売上がアップしたのです。
この経験から、私はどのようなときも、お客様の目線に立つことが大切だと学びました。
貴社への入社後も、この経験を活かして、店舗に訪れるお客様に楽しんでいただくことを優先したいと考えております。
例文4: ボランティア
ボランティアといっても、何かの団体に属していたわけではなく、自分の通学路にあるゴミを毎日拾って帰り、家で処分していました。
タバコの吸殻や空き缶など、どれだけゴミを拾っても毎日何かは落ちており、まったくゴミがゼロになることはありませんでした。
しかし、それでも続けることが大切だと考え、ゴミを拾い続けました。
その結果、その活動がたまたま市職員の方の目にとまり、自治体から活動に関する表彰をいただきました。
この経験から、私は一見成果が出ないように見えることでも、諦めずに続ける継続力と忍耐力が大切だと学びました。
貴社への入社後も、この学びを活かしてコツコツと業務に打ち込みたいと考えております。
例文5: 長期インターン
インターンシップでは、職員の方について実際にお客様のもとを訪れ、実際に新規サービスについて説明を行い、契約を取るといった活動を行っていました。
初めのうちはうまくいかず、ほとんど契約が取れていませんでした。
私はこのままではいけないと感じ、職員の方に話し方や説明のコツ、お客様の反応で見るべきところなどについてアドバイスを求め、実践に移しながら業務の改善を図りました。
その結果、最終的には一緒に参加したメンバーの中で一番の業績をあげ、つまずいたときに素直にアドバイスを求める謙虚さの大切さを学んだのです。
貴社への入社後も、この姿勢を活かして分からないことは、どんどん聞いていきたいと考えております。
例文6: 資格取得
資格を取得しようと考えたのは、デザインの仕事をするにあたって、色彩に関する知識が必須のものだと考えたためです。
最初は、色の組み合わせがもたらす視覚効果や印象の変化がまったく分かっておらず、普段どれだけ感覚に頼っていたかを思い知らされました。
そこで、参考書を読み込むかたわら、世の中で実際に採用されているデザインの中から、色使いに着目しました。
その目的や効果を分析することで、論理的に色を使う方法について学びを深め、目標どおりカラーコーディネーターの資格を取得できたのです。
この経験から、物事について深く知るためには机上の理論だけでなく、実際に採用されている製品などについて、じっくり分析することが大切だと学びました。
貴社への入社後も、既存のデザインの目的や効果を分析したうえで、新たなデザインを論理的に生み出していけるよう努めたいと考えております。
例文7: 趣味
高校生の頃から始めた趣味で、現在まで6年ほど続けています。
ビーズは細かいパーツが多く、これを使ってアクセサリーを作るのは、非常に集中力が必要な作業です。
最初の頃はあまり長い間集中していられなかったのですが、毎日少しずつ続けるうちに、今では休みの日であれば一日中作業していられるほど、集中力が身につきました。
この集中力はアクセサリー作りだけでなく、アルバイト先での帳簿作成などにも役立っています。
そのため、貴社に入社したあとも、この集中力を活用して業務に打ち込めると考えており、事務仕事において大きなアドバンテージがあるものと思っております。
例文8: 留学
留学中は学業だけでなく、現地の人々と積極的に交流し、多様な文化や考え方を理解することに力を注ぎました。
とくに地域のボランティア活動に参加し、ホームレス支援や環境保護の活動を通じて社会貢献の大切さを学べたのは大きな強みです。
週末に地元のシェルターで食事を配るボランティアに参加したことで、直接的な支援だけでなく、社会的な支援の仕組みづくりの重要性も実感できたからです。
また、国際交流イベントの運営にも携わり、異なるバックグラウンドを持つ人々と協力しながらプロジェクトを進めるリーダーシップやコミュニケーション能力を磨きました。
この経験を通じて、異文化への理解と柔軟な対応力を身につけることができたと自負しています。
今後も、この経験を活かし、グローバルな視点で社会に貢献していきたいと考えています。
就活エージェントに相談してみよう
学業以外で力を注いだことについて悩みがある場合は、就活のプロである就活エージェントへの相談がおすすめです。
「ジョブコミット」であれば、あなたの過去の経験から、選考でのアピールに使えそうなエピソード選びへのアドバイスがもらえます。
企業目線での客観的なアドバイスがもらえるため、志望先の企業からどのような目で見られるかを考慮して、選考書類を作成できるでしょう。
また、企業選びから選考書類の作成、面接対策など、さまざまなサポートを受けられます。
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まとめ
学業以外で力を注いだことは、ガクチカほどではないものの、幅広いエピソードの選択肢がある項目です。
この項目により、企業は就活生がどのような考えで何に力を入れ、どのようなことを学んで身につけたのかを知ることができます。
そのため、企業に自分のどのような側面を伝えたいかに留意して、エピソードを選ぶ必要があるでしょう。
また、文章を組み立てる際は、しっかり構成を守ると伝わりやすくなります。
過去のエピソードをよく分析して、学業以外で力を注いだことを探してアピールしましょう。