はじめに
国内にある企業の多くは、内定者を集めて内定式を敢行しています。
参加する側にとっては、意義がよく分からない、参加したくないと思われている場合も多いです。
この記事では、内定式がなぜ行われるのかや、内定式の内容などについて紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
内定式とは
内定式とは、企業が選考を経て内定を出した就活生を集めて、正式に採用を通知する式典行事のことです。
企業側から採用通知書を内定者に渡し、内定者が入社承諾書を提出してはじめて、正式に内定を受諾したことになります。
内定式を経るまでは、企業から「あなたに内定を出しますよ」と伝えられているに過ぎず、正式に入社予定の人材とはならないのです。
内定式では、今後の入社までのスケジュールについて説明が行われるほか、一緒に入社する予定の同期との顔合わせも行われます。
内定式と入社式の違い
内定式のほかにも、企業という共同体に、新入社員を迎え入れるための式典として、入社式が行われる企業が多いです。
内定式は、企業が内定者に対して正式な内定通知を行って、入社の意思を確認したり、先輩社員や内定者が関係構築をはかったりする場になります。
一方で、入社式は内定を出した人材を、新入社員として正式に迎え入れるための式典です。
一般的に、内定式は就活が進んで内定を出す10月1日に実施されることが多く、入社式は入社直前の4月1日前後に行われます。
企業が内定式を実施する目的
企業がわざわざ就活のスケジュールの中で、内定式の予定を組み込むのには、さまざまな理由があります。
内定式は単なる式典だけでなく、前後にさまざまなレクリエーションを用意している場合が多いです。
そうした体験を通して、内定者に企業への理解をもっと深めてもらうために行われています。
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
内定者の入社意欲を高めるため
内定式は、内定者の入社意欲をさらに高めるための場として、企業から重要視されています。
式や前後のレクリエーションでは、あらためて企業のビジョンやミッションについて伝えることが多いです。
これにより、内定者に企業への期待感や自分の将来への希望を持たせ、入社への意欲を高める狙いがあります。
内定式で、よりこの企業に入社したいという気持ちが高まるようであれば、入社へのモチベーションを高く維持して、積極的に業務に取り組める可能性が高いでしょう。
一方で、そのような将来の展望についての説明を受けても、何も感慨がない、将来像が描けないという場合は、その企業自体が向いていない可能性もあります。
本当に入社するかどうかの判断材料にもできるのが、内定式です。
内定者同士の関係構築を促すため
内定式が行われるのは、内定者同士の関係構築を促すためです。
企業の内定式は、内定者同士が初めて顔を合わせる機会にもなります。
内定者同士は、今後一緒に入社して、同期になる可能性がある存在です。
そのため、内定式であらかじめ顔を合わせておき、一緒にレクリエーションを受けることで自己紹介などを済ませて、ある程度関係を構築させておくのが狙いになります。
このようなレクリエーションにより、今後のチームワークや協力体制を築くための基礎ができるのです。
内定式を欠席してしまうと、ほかの人よりも同期と顔を合わせるのが遅くなります。
入社の時点である程度関係ができあがっているところに、あらためて入ろうとするのは難しいため、なるべく内定式で関係を構築しておくことが大切です。
企業風土を体感してもらうため
内定式は、内定者に実際の企業風土について、知ってもらう目的で行われることが多いです。
式典やレクリエーションには、すでにその企業で働いている先輩社員も参加します。
そして、内定者はある程度先輩社員と交流しながら、レクリエーションを進めていくのです。
そのような形で先輩社員と交流することで、内定者はその企業の風土や働く環境を体感できます。
これにより、入社前にその企業で働く心構えを養うことができ、ある種の覚悟を持ってもらえる可能性が高いです。
一方で、このときに、企業の風土や先輩社員との相性が合わないと感じた内定者が、内定式後に辞退する場合もあります。
このように、内定式は入社前の最終判断の材料を提供する場でもあるのです。
入社前の重要事項を伝達するため
内定式の目的は、入社のための情報伝達でもあります。
企業の内定式は、入社前後の具体的なスケジュールや入社のために必要な準備など、重要な情報を伝達する場として活用されているのです。
とくに社員向けの機密情報を伝達される場合が多く、外部に漏らさないためにも、対面の場でしか情報を得られない可能性が高いでしょう。
こうした情報を逃すと、ほかの内定者よりも、入社準備に乗り出すのが遅れてしまう可能性があります。
提出が必要な書類や課題の存在、それらの提出期限など、非常に重要な情報を渡される場合が多いです。
そのため、やむを得ない事情があるのでなければ、極力内定式には参加する必要があります。
内定式に参加できない場合でも、代わりに説明を受けるための機会を設けてもらえないか、打診してみましょう。
入社前の不安を解消するため
内定式は、内定者が抱える入社や、企業への不安を解消する場としても機能します。
選考が終わって、内定を獲得した内定者の中には、内定ブルーと呼ばれる精神状態になり、入社への不安を抱えてしまっている方も少なくありません。
そのような方が持つ不安に対して、企業の担当者は丁寧に対応する場合が多いです。
自分の人生に関わることであるため、入社に対して不安な気持ちになるのは、決しておかしなことではありません。
そういった不安を解消するための質問や、懸念に対する担当者の対応を通じて、内定者は安心感を得られます。
内定式で不安を解消できれば、自信を持って入社準備を進められるでしょう。
つまり、内定式には、内定者の心理的なケアを実施する側面もあるのです。
内定式に参加するメリット
内定式には、内定者側が享受できるメリットもあります。
このようなメリットを知っていれば、内定式が単なる面倒な行事ではないことが分かるでしょう。
入社の前にさまざまな準備ができることは、大きなアドバンテージとなります。
そのためにも、内定式は欠席せず、できる限り参加するのがおすすめです。
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
同期と仲良くなれる
内定式の良さは、一緒に入社する予定の同期と仲良くなれることです。
内定式では、同期の内定者と初めて顔を合わせて交流します。
そのため、入社後の人間関係の基盤を築くための貴重な機会になるのです。
式典では、ほとんど話す機会はないものの、内定式の後に何らかのレクリエーションが設けられている企業がたくさんあります。
そのような場では、お互いに簡単に自己紹介をしたり、さまざまなグループワークを行ったりする場合が多いです。
内定式の場を使って同期との関係を早期に構築すれば、入社後にあらためて関係を構築する手間が省けて、初動のチームワークが向上します。
また、仲が良い同期がいることが、仕事のモチベーションになる場合もあるでしょう。
効率的に業務を進められるようになるため、内定者自身にとっても大きなメリットがあります。
企業理解が深まる
内定式で企業への理解を深められれば、入社へのモチベーションを維持したり、入社するかどうかの最終判断をするための材料にできたりします。
企業の内定式では、企業について内定者に理解を深めてもらうために、さまざまな説明を行うことが多いです。
そのため、企業の基本的な事業内容や価値観、経営者のビジョンについての話を直接聞く機会が提供されます。
文章で読んだだけの状態より多くの情報を得られるほか、気になることを質問できる場合もあり、企業に対する理解が深まります。
これにより、入社後の働き方や役割に対する具体的なイメージを持つことが可能です。
得られたイメージが、自分の理想とする働き方に合致するのであれば、ぜひこの企業で働きたいという気持ちを強く持ち続けられるでしょう。
社員と繋がれる
内定式に参加すれば、すでにその企業で働いている社員とつながれる可能性があります。
内定式やその後のレクリエーションでは、現役社員や人事担当者と直接交流する機会が設けられる場合が多いです。
これにより、入社前に社員との人間関係を築くことができます。
先に社員と顔見知りになっておけば、入社後にスムーズなコミュニケーションを取るための土台を作れるでしょう。
また、現役の社員にどのような方がいるのかが分かれば、現場での立ち回りを考える参考にもなります。
さらには「このような人物がいる職場で自分はやっていけるのか」を考える機会にもなるでしょう。
企業の風土との相性は良くても、個人との相性が悪くてデメリットを被ることもあるため、入社について総合的に判断するための材料にできます。
内定式の主な内容
続いて、内定式の中で、どのような行事が行われていくのかを見ていきましょう。
企業によって細かな内容は異なるものの、内定式は内定証書の授与、企業の代表者による挨拶、人事部による連絡、企業の基本情報の説明、内定者の自己紹介や懇親会などが行われる場合が多いです。
それぞれのフェーズでどのようなことが行われるのか、詳しく見ていきましょう。
内定証書の授与
内定式のメインは、企業から正式に内定証書が授与される式典です。
この儀式によって、内定者は自分がその企業の一員になることを正式に実感し、モチベーションが高まることが多いでしょう。
こういった式典による区切りがないと、いつまでも社会人になる実感が持てない、現実感がないと思う方も少なくありません。
内定式を行う時点で、入社まで残り半年もない場合が多いため、内定証書の授与によって、その自覚を持ってもらうための式典でもあります。
社長や取締役による挨拶
内定証書の授与が終わったら、企業の代表である社長や取締役からの挨拶があります。
単なる挨拶で終わることはほとんどなく、大抵の場合はその社長や取締役が持っている、企業への思いやビジョンについてのスピーチが行われるでしょう。
企業のトップから直接言葉を聞けば、企業全体が持つ事業へのビジョンや、今後新入社員となる予定の内定者への期待が伝わります。
これにより、その企業の将来性をはかったり、自分自身のモチベーションの糧にできたりするのです。
人事部からの今後の事務連絡
企業の代表による挨拶やスピーチが終わったら、人事部から今後のスケジュールや入社手続きに関する事務的な連絡が行われます。
入社までにどのような書類を用意してほしいのか、個別の面談などはあるか、提出が必要な課題などはあるか、入社式はどのようなスケジュールになっているかなど、企業によって異なる手続きについての説明が行われるでしょう。
ここの話を聞き逃すと、入社に必要な準備を完遂できない可能性があるため、注意が必要です。
事業内容や業務内容などの説明
内定式では、一連の式典の後に、企業の事業内容や各部署の基本的な役割についての説明が行われることが多いです。
企業内での業務について詳しく知るとともに、現役の社員の方に質問できる貴重な機会でもあります。
しっかり話を聞きつつ、気になった点はメモして、質疑応答での質問に活かしましょう。
このときに、企業での業務についてある程度理解できれば、入社後に配属先が発表されてから、仕事に移るまでがスムーズになります。
自分自身のためにも、すでに簡単な業務内容については、知っているからとスルーせず、しっかり聞くようにしましょう。
内定者自己紹介
内定式のメインである式典や人事部による事務連絡、企業に関する説明などが終わった後は、小規模な会場などに場所を移して、内定者同士の自己紹介の時間が設けられることが多いです。
これにより、ある程度お互いのことを知って同期同士の親睦を深め、入社前から関係を築くことができます。
よほど個人プレーの多い企業でない限り、企業での業務で重要なのはチームワークです。
そのため、内定式の段階である程度関係性を築いて、スムーズに業務にあたれるようにしておきましょう。
内定者懇親会
内定式後には、内定者同士の親睦を深めるために、自己紹介だけでなく、懇親会が開かれることが多いです。
軽食などを楽しみながら、式で知り合った同期との関係を築くことができます。
このときに、自己紹介で紹介しきれなかったお互いの情報を開示して、共通点を見つけたり、感心できる・尊敬できるような点を見つけたりしておくと、その後の関係を良好にできる可能性があるでしょう。
なるべく積極的に同期に声をかけて回ることで、会場にいる社員の方に、コミュニケーション能力や積極性を見てもらえます。
内定式の面白事例
続いて、内定式で実際に行われたことがある、面白いレクリエーションの例をご紹介します。
内定式の内容は、法律などで決まっているわけではないため、企業ごとに個性が出る部分です。
そのため、一般的な式典や懇親会のほかにも、内定者に楽しんでもらいつつ、内定者のことをもっと知るための取り組みを行っている企業があります。
どのような例があるのかを見ていきましょう。
謎解き
内定式で行われることがある、面白いレクリエーションの例は、社員が用意した謎解きゲームです。
近年では、内定者の協調性やチームワークを試すために、謎解きゲームや脱出ゲームなどの遊びを内定式に取り入れる企業が増えています。
これにより、内定者はゲームを楽しみながら、同期と親交を深めることが可能です。
企業としても、ゲームの中で内定者がどう動くのかを見ながら、本人の資質を確かめられるメリットがあります。
また、単純に力を入れて用意したゲームを、後輩にあたる内定者が楽しんでくれるのを見ると、やりがいがあると感じる社員の方も多いです。
こうした体験型のレクリエーションが用意されているのであれば、全力で楽しむようにすると良いでしょう。
ファッションショー
内定式で行われるレクリエーションの例として、内定者がその企業の製品を使ってコーディネートを行い、ファッションショーに参加するように言われる場合があります。
アパレルブランドやファッション系の企業だけでなく、商品として作業着など身につけるものを開発している企業などでも、行われる場合が多いです。
こうしたレクリエーションでは、その人ならではの創造性を発揮しながら、企業文化を楽しんで体感できる機会となります。
ここでの評価が悪いから、後の業務に差し支えることはないため、企業側から出されたお題などに沿って、自分らしい表現を試みると良いでしょう。
ほかの参加者のコーディネートを見せてもらうと、さまざまな学びを得られる可能性があります。
合宿
内定式は、1日で終わるとは限りません。
社員と内定者が一堂に集まり、数日間の合宿形式で企業理解を深めたり、内定者同士の交流を行ったりするケースもあります。
入社後に行われる研修の簡易版となっている場合が多く、グループワークで協調性を育んだり、業務について深く知るための講義を受けたりすることも少なくありません。
数日間は寝食をともにするため、1日限りの内定式と比べて、内定者同士が仲良くなりやすいです。
企業によっては、このようなイベントのための施設を別途所有している場合があります。
ただし、数日間は時間を拘束されるため、全日参加できる内定者ばかりではない点がネックです。
場合によっては、合宿に参加できなかったために、入社式で初めて顔を見る同期などもいるでしょう。
内定式の参加前に準備すべきこと
内定式は、手ぶらで参加できるものではなく、服装もTPOをわきまえたものにする必要があります。
そのため、式典当日までにある程度の準備が必要です。
当日までにどのような準備が必要なのかや、企業側から用意するよう言われた書類などがないか、しっかり確認しておきましょう。
とくに提出書類については、用意できていないと信頼を損ねる可能性があります。
自己紹介を考える
式典の後には、内定者同士の自己紹介が控えている場合が多いです。
そのため、式典後のレクリエーションに備え、簡潔かつ印象的な自己紹介を準備することが重要になります。
単純に、自分に関する基本的な情報を述べただけでは、顔や名前を覚えてもらえない可能性が高いです。
また、自己紹介をふられてから話すことを考えていると、緊張していることも相まって、何を言えば良いか分からなくなり、言葉に詰まる可能性があります。
自分の名前や出身、趣味や特技といった基本的な情報に加え、入社後の抱負などを事前にまとめておけば、スムーズに話せるでしょう。
短くてもインパクトのあるフレーズなどがあれば、入社までほかの同期に覚えていてもらえる場合もあります。
質問事項を整理しておく
内定式当日までに、企業について知りたいことや入社前に解消しておきたい疑問など、質問事項を整理するようにしましょう。
企業に関するさまざまな説明の後、内定者側に質問があれば、答えてくれる質疑応答の機会を設けてくれる企業は多いです。
内定式は、内定者が持っている企業に対する疑問を解消する場でもあります。
しかし、いざ質疑応答の機会がきてから質問を考えようとすると、なかなか考えがまとまらず、時間切れになってしまう場合も多いです。
そのため、事前に企業に聞きたいことがあれば、整理しておくと良いでしょう。
とくに、福利厚生や配属先など、入社後の待遇に関する質問があれば、準備しておくことが望ましいです。
抱えている疑問を解消して、前向きに入社の準備をするためにも、あらかじめ聞きたいことをまとめておきましょう。
服装を準備する
内定式の前に、当日着ていくための服装を用意する必要があります。
内定式はビジネスシーンの一環であり、式典の一種であるため、どのような格好でも参加できるわけではありません。
TPOに合わせた適切な服装を選ぶ必要があり、一般的には就活で使用したようなスーツを準備する必要があります。
服装だけでなく、髪型などの身だしなみにも気を配り、清潔感のある姿で参加することが重要です。
スーツやシャツは、シワや汚れ、ホコリなどがないように、しっかり管理しておきましょう。
着用した服装は、入社式でも使用する可能性が高いため、内定式の前後でスーツをクリーニングに出しておくのもおすすめです。
企業から当日の服装について指定がある場合は、そちらの指示に従うようにしましょう。
交通手段を確認する
内定式の前には、交通手段が適切かどうかも確認しておきましょう。
当日に行き当たりばったりで交通手段を決めると、遅延などが発生して、時刻通りに着かない可能性があります。
ビジネスシーンの一環である以上、内定式も遅刻は厳禁です。
内定式の会場までの交通手段を事前に確認し、遅刻しないよう、余裕を持った移動計画を立てることが大切になります。
移動手段は1つに絞るのではなく、電車やバスの時間を複数通り調べておき、1つの手段がダメになっても、代替手段を用意できるようにしておくことが望ましいです。
公共交通機関を使用するにせよ、自分で車を運転するにせよ、状況は常に変化することを心得ておきましょう。
事前に実際に同じ手段を用いて、会場周辺まで行ってみるのもおすすめです。
提出書類を見直す
提出書類がある場合は、内定式までの早い段階で、書類がそろっているかを確認しておきましょう。
内定式前には、当日に提出が必要な書類が指定されることもあります。
これらは、入社の準備に必要な書類であるため、期日通りに提出してもらわないと、企業はあなたの入社手続きを進められません。
提出が必要な書類は事前に確認し、記載内容や書類そのものに抜け漏れがないか見直すことで、当日のトラブルを回避できます。
書類を提出できないと、内定式にも参加できない可能性があるため、注意が必要です。
また、提出があまりにも遅れる場合は、信頼できない人物として内定を取り消される可能性もあります。
大抵は、内定式までに余裕を持って書類に関する通知が届くため、当日になって慌てないよう準備しておきましょう。
内定式に参加する際に注意すべき点
続いて、内定式に参加することを表明した後に、気をつけたい注意点についてご紹介します。
内定式が近づいてくるにつれ、行きたくないと感じるようになっていく方も多いです。
また、内定式そのものが、ビジネスの一環であることを自覚しておかなければなりません。
それぞれの注意点について、どのような点が問題なのか詳しく見ていきましょう。
直前のキャンセルは控える
内定式に関して注意したいのは、式直前にキャンセルをしないようにすることです。
多くの企業にとって、内定式は多大なコストをかけた重要なイベントになります。
懇親会の席次やグループ分けが決まっている場合もあり、食事代などのお金が発生している場合も多いため、直前のキャンセルは避けるべきです。
その一方で、冠婚葬祭や体調不良、留学などの事情で参加が難しい場合もあるでしょう。
やむを得ない事情がある場合は、なるべく早めに連絡して、企業に対して誠意を示すことが重要です。
また、当日受けられなかった入社までのスケジュールに関する説明などは、別途説明を受ける必要があります。
連絡の際はメールで済ませるのではなく、電話によって丁寧に対応するのが望ましいです。
挨拶を徹底する
内定式当日に注意したいのは、自分から行う挨拶の徹底です。
内定式は、社長や取締役をはじめとする企業の上層部や人事担当者、同期との初対面となります。
そのため、相手に不快な思いをさせないための基本的な礼儀を身につけ、挨拶をしっかり行うことが求められるのです。
適切な振る舞いを身につけ、しっかり挨拶ができれば、相手の印象に残る可能性も高まります。
丁寧な言葉遣いや態度は、企業に好印象を与えるのです。
一方で、マナーがなっていなかったり、相手を不快にさせるような対応をしていたりすると、悪い方面で印象に残る可能性があります。
悪い印象が一度ついてしまうと払拭が難しく、今後入社して行う業務にも影響する可能性があるため、注意しましょう。
常にメモを取れるようにする
内定式の間は、ただ話を聞くだけではなく、メモを取れるようにしておきましょう。
式典が終了した後は、入社に関する重要な連絡事項やスケジュールを伝えられる場合がほとんどです。
そのため、取り出しやすい位置に紙やペンを用意しておき、必要に応じてメモを取る準備をしておくことが大切になります。
近年では、スマートフォンを活用してメモを取る方が増えていますが、就活やビジネスのシーンでは望ましくありません。
ITへの理解が深い企業やベンチャーなどの場合は、スマートフォンでも良い場合がありますが、基本的に紙のメモ帳とペンを用意しておくのが無難です。
説明のために配られた書類がある場合は、そこに補足情報を足す形でメモを取っても良いでしょう。
お礼メールを送る
内定式が終わったら、企業と採用担当者向けに、感謝の意を込めたお礼メールを送るべきです。
長々と冗長なメッセージを書き連ねる必要はありませんが、短いメッセージでも誠実さを伝えられます。
折に触れてきちんとお礼のメールを送ることで、入社までに企業との信頼関係を築くきっかけとなるでしょう。
メールを送る際は、言葉遣いの間違いや、丁寧なつもりで失礼なことを書いていないかなどを入念に確認する必要があります。
お礼のつもりで送ったメールで、相手が不快な思いをしては意味がないためです。
メールの内容に機密情報が含まれていないのであれば、周囲の人や就活エージェントなどにいったん見せて、確認してもらっても良いでしょう。
ただし、内定式後すぐに送るのが望ましいため、添削の時間は取れない場合もあります。
内定式に関するメールの書き方
ここからは、内定式に関するメールの例文についてご紹介します。
内定式に関連して送るメールは、内定式に出席する旨を伝えるもの、欠席の連絡を入れるもの、式の終了後にお礼の意を伝えるものの3種類です。
企業にメールを送る場合は、件名から分かりやすいものである必要があります。
それぞれの例文について、詳しく見ていきましょう。
出席メール例文
□□株式会社 人事部
□□□□様
お世話になっております。
○日に内定のご連絡をいただきました○○大学○学部の○○○○でございます。
この度はお忙しい中、内定式のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
喜んで出席させていただきたく存じます。
つきましては、□月□日(□曜日)□時に□□□まで伺います。
当日は、印鑑と書類を持参する旨も承知いたしました。
当日はどうぞよろしくお願いいたします。
—————————————————
○○○○
○○大学・○学部・○学科 ○年
携帯番号:×××-××××-××××
メール:×××@××××.ac.jp
—————————————————
欠席例文メール
□□株式会社 人事部
□□□□様
お世話になっております。
○日に内定のご連絡をいただきました○○大学○学部の○○○○でございます。
この度はお忙しい中内定式のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
大変ありがたいお申し出ではございますが、お知らせいただいた日時に親族の結婚式が予定されており、出席が難しい状況です。
誠に恐縮ではございますが、□月□日の内定式につきましては、欠席させていただきたく存じます。
本来であればお電話にてお詫びすべきところ、このようなメールでのご連絡になりますことを重ねてお詫び申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。
—————————————————
○○○○
○○大学・○学部・○学科 ○年
携帯番号:×××-××××-××××
メール:×××@××××.ac.jp
—————————————————
お礼メール
□□株式会社 人事部
□□□□様
お世話になっております。
○○大学○学部の○○○○でございます。
先日はお忙しい中内定式を開催していただき、誠にありがとうございました。
□□株式会社の社員の皆様方からお話を伺い、自分自身が貴社で働くうえでの具体的なイメージを持つことができました。
大変お忙しいところをご準備いただき、本当にありがとうございました。
今後とも研修等でご迷惑をおかけするかと存じますが、何卒よろしくお願いいたします。
—————————————————
○○○○
○○大学・○学部・○学科 ○年
携帯番号:×××-××××-××××
メール:×××@××××.ac.jp
—————————————————
内定式に関するよくある質問
ここからは、内定式に関するよくある質問についてご紹介します。
内定式については、出席してみるまでどのようなイベントなのか分からず、不安が強いという方が多いです。
そのため、内定式に関する疑問については、早めに解消して準備を進めていく必要があります。
寄せられたさまざまな質問について、1つずつ詳しく見ていきましょう。
内定式にはどのような服装で参加すべきですか?
内定式の服装は、基本的にスーツが推奨されます。
とくに指定がないのであれば、就活の際に使用したスーツをそのまま使用するのが無難です。
ただし、企業によっては、私服など別の服装が指定されることもあります。
そのため、どのような服装が指定されているのか、あるいは何も指定されていないのかは、事前に確認することが大切です。
確認を怠って、指示とは違う服装で行ってしまうと、簡単な指示にも従えない人物として評価が下がってしまいます。
企業側に悪い印象を与えないよう、そしてその場のTPOに適した服装ができるように準備しておきましょう。
オンライン内定式の注意点はありますか?
企業によっては、遠方で現地に集合するのが難しい方や感染症防止のために、内定式のオンライン参加を認めていたり、内定式そのものをオンラインで開催したりする場合があります。
オンライン内定式では、インターネット環境の整備、適切なカメラの位置、静かな背景が重要です。
インターネット環境が整っていないと、通信が途切れたり、重要な説明を聞き取れなくなったりする可能性があります。
また、カメラの位置が適切でないと、顔以外のものが写ったり、背景が整頓されていないとだらしない印象を与えたりするため、注意しましょう。
周囲がうるさい環境だと、それも説明を聞き取る邪魔になります。
内定式がない可能性もありますか?
一部の企業では、コストの削減や少人数採用の関係で、内定式が実施されない場合があります。
また、企業文化によっては、極力大規模な式典を避ける場合も少なくありません。
そのような企業であっても、入社前の懇親会やオンラインでの交流イベントが、代替として行われることがあります。
多くの場合、そういったイベントへの参加は任意ですが、先輩社員や同期との交流の場となるため、積極的に参加するべきでしょう。
とくに、同期との交流会に関しては、お互いの顔と名前を覚えて人脈を築くためにも、参加しておくのがおすすめです。
ただし、どうしても参加が難しい場合は、内定式と同様に欠席しても構いません。
内定式後に内定辞退することはできますか?
内定式の後でも、企業の内定辞退は可能です。
内定式自体が、入社するかどうかの最終判断材料としての側面があり、内定式の雰囲気を見て入社を取りやめる方は少なくありません。
ただし、辞退を決断した場合は、なるべく早めに企業に連絡して、誠実に対応することが大切です。
内定式の準備だけでなく、内定式の後も、企業は内定者の入社に向けてさまざまな準備を進めていきます。
そのため、入社式の直前になって急に「やっぱり入社しません」と言われたり、無言で音信不通になったりすると、かけたコストが無駄になるのです。
内定を辞退するのであれば、早めに企業に連絡し、理由と選考への感謝を伝えましょう。
まとめ
内定式は、企業から内定者に正式な内定を伝えるための式典です。
同時に、社員の方や同期との顔合わせの場でもあり、入社前からの交流を持つのに適しています。
そのため、なるべく参加するのが望ましいものの、どうしても参加が難しい場合は、欠席することも可能です。
内定式では、個性的なレクリエーションが開催される場合も多く、企業に関する理解を深められます。
当日は適切な服装を整え、持ち物や提出書類をそろえたうえで会場に向かえるよう、準備しておきましょう。