- 金融業界について
- 業界研究のやり方
- 金融業界に向いている人
- 業界研究中の人
- 金融業界について知りたい人
- 金融業界に向いている人について知りたい人
はじめに
金融業界は多くの就活生の方が目指す業界であり、就職難易度が比較的高い一方で、やりがいがあり、年収も高い傾向にあるとされています。
そこで今回は金融業界の概要について紹介しつつ、金融業界に向いている人の特徴や向いていない人の特徴などについても紹介するため、参考にしてみてください。
業界研究とは
金融業界について理解する前に、業界研究を理解しなければならないため、簡単に解説しておきます。
業界研究とは「目指している業界や企業の特徴や強みを調べて、理解を深めること」です。
業界研究の詳しい方法や目的、メリットなどについては以下の記事でさらに詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
【金融業界に向いている人の特徴】金融業界とは
続いて、金融業界の概要と代表的な企業について紹介します。
それぞれどのような業務を行っているか、代表的な企業にはどのようなものがあるのかについて確認してみてください。
また、以下の記事では金融業界のそれぞれ大手や職種、仕事内容についてさらに詳しく紹介しているため、時間に余裕があればこちらもご覧ください。
銀行
銀行は個人や企業から預金を集め、資金を貸し出すことで収益を得る機関であり、金融システムの中心的な役割を担っています。
預金者からは一定の金利を支払い、貸し出し先からはそれ以上の金利を受け取ることで、利息の差額から利益を得る仕組みです。
銀行の業務は資金調達や融資だけでなく、投資運用や多様な金融サービスの提供も行っています。
集めた資金を国債や株式、外国為替市場などの金融商品に分散投資することで、安定した収益基盤を構築しています。
また、預金やローン、クレジットカードの発行、外貨取引、資産運用アドバイスといった個人・法人向けの多岐にわたるサービスも行い、人々の生活や企業の事業活動において重要な存在となっています。
さらに、銀行は金融仲介機能を通じて地域社会や企業の成長支援を行い、経済全体の発展に寄与しています。
そのため、銀行は単なる資金の貸し借りだけでなく、地域経済や国家の経済基盤を支える重要な役割を果たしているのです。
銀行の例
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
証券会社
証券会社は株式や債券、投資信託などの金融商品の売買を仲介し、投資家と発行体をつなぐ重要な役割を担っています。
証券会社の業務は大きく「引受業務」と「流通市場での取引仲介」に分類されます。
引受業務では企業が新規に株式や債券を発行する際、証券会社がこれを引き受けて投資家へ販売することで資金調達をサポートしています。
一方、流通市場での仲介業務では投資家が既存の株式や債券を売買する場を提供し、投資の流動性を確保し市場の安定に貢献することが主な役割です。
さらに、証券会社は顧客に対する投資アドバイスや市場の分析、資産運用の提案も行い、金融リテラシーの向上をサポートしています。
証券会社は経済成長に不可欠な資金の循環を促進し、金融市場の信頼性と透明性を確保する役割を果たしているため、資本市場の健全な発展において欠かせない存在です。
証券会社の例
- SMBC日興証券
- 野村證券
- 大和証券
保険会社
保険会社は契約者が支払う保険料を基に、予期しない事故や災害、病気、けがなどのリスクから契約者を守る重要な役割を果たしています。
保険料はリスクの大きさや契約内容に応じて決まります。
万が一の事態が発生した際には保険金を支払い、契約者の生活や事業の安定をサポートするため「安心を売る」事業です。
また、保険会社は集めた保険料を株式や債券などに投資し、リスク管理を行いながら収益を確保することで、支払い能力を維持しています。
保険の種類も生命保険や医療保険、損害保険など多岐にわたり、顧客のニーズに応じた商品が提供されています。
保険会社は個人や企業が抱えるリスクを分散し、予期せぬ事態に対する経済的な備えを提供することで、社会の安定に寄与している、重要な存在です。
特に近年では災害リスクの増加や医療費の高騰に伴い、保険の重要性はますます高まっており、生活の安心と企業活動の安定に欠かせない存在となっています。
保険会社の例
- 東京海上日動火災保険
- 三井住友海上火災保険
- 損害保険ジャパン
クレジット会社
クレジット会社はクレジットカードの発行を通じて消費者の購買活動をサポートし、経済活動の円滑化に寄与しています。
クレジットカードは皆さんご存知の通り、消費者が即時に現金を必要とせずに商品の購入やサービスの利用ができるため、利便性が高いです。
クレジット会社の収益源はカード加盟店からの手数料やカード会員からの年会費、そしてキャッシングやリボ払いなどの金融サービスからの利息収入です。
また、クレジット会社は消費者の信用情報を基に審査を行い、適切な限度額を設定するなど、リスク管理に力を入れています。
さらに、ポイントプログラムや特典サービスの提供を通じて、消費者の購買意欲を刺激し、長期的な顧客関係の構築を目指しているのも特徴です。
クレジット会社は消費者と企業の間で資金の流れを円滑にし、消費活動の促進を通じて経済全体の発展に寄与しています。
クレジット会社の例
- 三井住友カード
- JCB
- 三菱UFJニコス
リース会社
リース会社は企業や事業者が必要とする機器や設備を長期間にわたり貸し出すサービスを提供し、資本の効率的な活用を支援しています。
企業が設備を購入するには多額の初期費用がかかるため、リース会社を利用することでこの負担を軽減し、運転資金を効率的に管理することが可能です。
また、リース契約にはメンテナンスやアップグレード、資産管理のサポートが含まれることも多く、企業の業務効率を向上させるための柔軟な選択肢となっています。
リース会社は企業の成長に合わせた設備導入の柔軟性を提供することで、急速に変化する市場に対応しやすくしています。
リース会社は企業の設備投資の代替手段として広く活用され、経営の安定やコスト削減に貢献しているのです。
リース会社の例
- オリックス
- 三井住友ファイナンス&リース
- 東京センチュリー
【金融業界に向いている人の特徴】代表的な職種を紹介
続いて、金融業界における代表的な職種を紹介します。
もちろん金融業界には他の職種も存在しますが、代表的かつ新卒の方が担当することになる場合が多い職種は以下の2つであるため、それぞれ確認してみてください。
営業
金融業界の営業職は法人営業と個人営業に大別され、それぞれ異なるアプローチや専門的な知識が求められる重要な職種です。
法人営業では企業の資金調達や投資、リスクマネジメントを支援するために、企業の財務状況や成長戦略を深く理解し、的確な金融商品やサービスを提案します。
例えば、融資や為替リスクの回避、資金繰りの安定化など、企業の成長をサポートする提案力が不可欠です。
一方、個人営業では預金や保険、投資信託など、個人の資産形成やライフプランに関するアドバイスを提供します。
特に将来の生活設計に不安を抱える顧客に対し、信頼を得た上で長期的な資産運用の助言を行うなど、高度なカウンセリング能力が求められます。
いずれの業務においても、顧客との信頼関係の構築が成功の鍵であり、顧客のニーズや市場の動向を的確に把握し、最適なサポートを提供することが必須です。
営業職は顧客と直接接することで企業の収益基盤を支えるだけでなく、会社の窓口的な存在でもあるため、企業イメージの向上や顧客満足度の向上にも寄与する極めて重要な職種です。
事務職
金融業界における事務職は「金融事務」とも呼ばれ、社内外の業務を円滑に進めるための中核的な役割を担います。
顧客や他の部門をサポートすることがメインの役割であるため、的確な情報管理と迅速な対応が求められます。
顧客の問い合わせ対応や取引に関する書類の作成・管理、データ入力や会計処理といった業務が中心であり、いずれも正確さと効率性が必要です。
また、他の部門と連携し、必要な情報を的確かつ速やかに共有することも欠かせません。
加えて、金融業界においては厳格な法令遵守が求められ、コンプライアンスの確保や内部管理の基準を遵守することが大切です。
日々の緻密な業務を通じて取引の安全性を確保し、組織全体の効率化と信頼性の向上に寄与しており、金融機関における基盤的な存在です。
【金融業界に向いている人の特徴】向いている人の特徴
続いて、金融業界に向いている人の特徴についても紹介します。
もちろんそれぞれの企業によって重視している要素などは異なる場合もありますが、以下の4点は金融業界ならばどのような企業にもアピールしやすい能力です。
自分が何個当てはまるか確認した上で、当てはまらないものは就活本番までに該当できるように取り組んでみてください。
論理的思考力がある
金融業界において、論理的思考力は顧客の財務状況や市場の変動要因を多角的に分析し、正確な判断を下すために必要不可欠な要素です。
例えば、顧客に最適な投資戦略を提案する際にはリスクとリターンを比較しながら、データや過去の市場動向をもとに合理的な結論を導き出すことが求められます。
こうした分析力を発揮するには、複雑な情報をわかりやすく整理し、説得力のある提案を行うスキルが重要です。
論理的思考力があることで、顧客の質問や懸念に対しても根拠をもって解答でき、信頼性を高めることができます。
さらに、業界の変動にも柔軟に対応し、理論に基づいた判断を通じて長期的な信頼関係を築ける点で、論理的思考力は金融のプロフェッショナルに必須のスキルと言えるでしょう。
向上心がある
金融業界は規制の変更や経済の変動、テクノロジーの進化によって急速に変わるため、向上心を持つ人は特に活躍の場が広がります。
例えば、フィンテック技術の進展によりAIを活用した資産運用やデジタル化が進む中で、常に最新の知識をアップデートし、新たなスキルを積極的に学ぶ姿勢が求められます。
こうした成長への意欲があれば、変化に対応するだけでなく、業界内でのキャリアアップにもつながります。
さらに、向上心を持つ人は業務の質を向上させるための改善策を自ら模索し、より良いサービスを提供するための新しい取り組みを提案することもできるでしょう。
金融業界で長く働き、順調に昇進するためには、日々の学びを大切にし、自己成長を追求する向上心が不可欠です。
責任感がある
金融業界で働く人は顧客の資産や企業の財務状況を取り扱うため、強い責任感が欠かせません。
顧客の投資判断や資産運用が個人や企業の将来に大きく影響を与える可能性があるため、慎重で正確な業務遂行が求められます。
また、金融業界は「お金」を扱う業界であるため、コンプライアンスの遵守が非常に重視されており、法令や規制をしっかりと理解し、業務を遂行する姿勢が不可欠です。
責任感がある人はリスク管理や法令遵守を徹底しながら、顧客が安心してお金を任せられるパートナーとしての役割を果たします。
さらに、ミスや些細なリスクが顧客や企業に大きな影響を及ぼすため、常に高い倫理観と責任感を持って仕事に取り組む姿勢が重要です。
コミュニケーション能力が高い
金融業界では顧客との信頼関係が事業の成否に直結するため、優れたコミュニケーション能力が重要視されます。
例えば、顧客のライフステージやニーズに応じた資産運用を提案する際、複雑な金融商品や投資リスクについてわかりやすく説明し、不安を払拭することで信頼関係を築くことが求められます。
また、金融業界ではチームで業務を進める場面が多く、部門間の連携や情報の共有をスムーズに行うために、伝達力と協調性も必要です。
さらに、顧客の意向を正確に汲み取り、長期的なリレーションシップを構築するための対話力も欠かせません。
高いコミュニケーション能力を持つ人は顧客やチームから信頼を得やすく、金融業界において長期的なキャリアを築きやすいと言えます。
【金融業界に向いている人の特徴】向いていない人の特徴
続いて、金融業界に向いていない人の特徴についても紹介します。
以下の2点が両方当てはまってしまう場合は、金融業界には向いていない可能性が高いと言えるでしょう。
どうしても金融業界に就職したい場合は就活本番までに改善できるように取り組み、難しければ他の業界も選択肢に入れましょう。
細かい作業が苦手な人
金融業界では細部にまで目を配り、正確に業務を遂行することが強く求められるため、細かい作業が苦手な人には不向きな環境と言えます。
例えば、顧客の資産や取引に関するデータ入力や書類の確認など、1つのミスが信頼を損ねたり、大きな損失を生んだりする可能性もあるため、常に慎重でなければなりません。
新人や若手社員が担当することの多い集金業務においても、受取書の記入や細かい確認作業が欠かせず、正確性が重要視されます。
金融業界における業務は法令遵守やコンプライアンスが厳格であり、書類の不備や記録ミスが許されないため、細かい確認を怠らない姿勢が不可欠です。
細かい作業に苦手意識があり、確認作業を徹底できない人にとってはプレッシャーの多い業界であり、業務をスムーズに進めるのは難しいかもしれません。
顧客や取引先からの信頼を築くためにも正確で細やかな対応ができる能力が重要であり、こうした作業が苦手な人には金融業界への就職は厳しいでしょう。
量より質を大切にする人
金融業界、特に銀行や証券会社では日々の業務量が非常に多いため「量をこなす力」が重要な評価要素の1つとなっています。
金融業務は毎日何人もの顧客への対応や書類処理、報告書の作成などを行うものであり、これらを効率良く、そして正確に処理するスキルが求められます。
現在ではノルマの厳しさは以前ほどではありませんが、それでも一定の成果を上げるために多くの仕事を限られた時間内でこなさなければならないため、マルチタスク能力が必要です。
こうした環境では業務に対して「質」を優先しすぎるスタイルでは求められる成果やスピードに対応できないこともあります。
業務の質を重視するあまり、一つひとつに時間をかけすぎると、他のタスクに影響が出てしまう可能性があるため、量を重視し、効率的に業務を進めることができるスキルが重要です。
金融業界ではスピード感と効率性を重視する姿勢が求められるため、量をこなす力が欠かせないのです。
【金融業界に向いている人の特徴】向いている人に近づく方法
先ほど紹介した「金融業界に向いていない人の特徴」が当てはまってしまう人が少しでも「金融業界に向いている人」に近づくための方法についても紹介します。
以下の3つにしっかり取り組むことができれば、金融業界で活躍できる人材になり得るでしょう。
自分の軸を見つける
まずは自分の軸を見つけることが重要です。
金融には銀行、証券、保険、クレジットなど多様な分野があり、それぞれ求められるスキルや役割が異なるため、自分に最適な分野を選ぶことで強みを発揮しやすくなります。
まずは過去の経験や得意分野を振り返り、自分の興味や適性に合う金融分野を見極めることが必要です。
例えば、数値データの分析やリスク管理に関心があるならば証券業務が適しているかもしれません。
また、接客、顧客のニーズに応じたアドバイスなどが得意であれば、銀行の個人営業や資産運用が向いているでしょう。
そして「自分の中で絶対に譲れない条件」を考えてみることも大切です。給与、福利厚生、やりがいなど様々な要素を考えて職種を絞ることで、対策もしやすくなります。
やりがいを見つける
やりがいを見つけることも不可欠です。
業務にやりがいを感じることで、日々のモチベーションが向上し、課題に直面した際の前向きな姿勢が養われます。
やりがいを見つけるためには「自分が金融業界で実現したい目標」を具体的に描くことが大切です。
例えば「顧客の資産形成を支援し、安心できる生活を提供したい」というビジョンがあれば、その思いが日々の行動指針となり、難しい業務も積極的に取り組む原動力となります。
また、金融業界は顧客との長期的な信頼関係が不可欠であるため、顧客からの感謝の言葉がやりがいとして感じられることが多いです。
これまでの学生生活で自分がやりがいを感じた瞬間を振り返り、金融業界の業務の中でそれに近い体験ができるものは何か、考えてみましょう。
金融に関わる勉強をする
基礎的な金融知識が不足していると業務の理解が浅く、ミスをしやすくなるだけでなく、仕事も楽しめないため、金融の仕組みや市場の動向に関する学習が必要です。
経済や市場の基礎知識、金融商品の詳細な理解、法令やコンプライアンスに関する知識を身に付けることで、業務に対する自信が高まります。
「学んだ知識を実践に活かす」という具体的な目標を作れば、モチベーションも高まることでしょう。
金融業界は変化の激しい分野であり、新しい法規制やテクノロジーへの適応力が求められます。
就活の段階から業界に関して勉強し続ける習慣を作っておくことで、内定を獲得しやすくなるだけでなく、就職後も常に最先端の知識を活かして貢献できるようになるでしょう。
【金融業界に向いている人の特徴】対策で悩んだら
ここまで金融業界に向いている人の特徴や金融業界の概要、代表的な企業などについて紹介してきましたが、この記事を読んだだけで行わなければならない対策が完璧に理解できたという人は多くないでしょう。
そこでおすすめなのは、就活エージェントに相談することです。
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おわりに
今回は金融業界に向いている人の特徴や代表的な5つの業界の解説、逆に向いていない人の特徴などについても紹介しました。
金融業界は向いている人と向いていない人が大きく分かれる業界ではありますが、やりがいも多く、魅力に溢れた業界です。
本記事を読んで「自分に向いている」と判断できた方はもちろん、向いていないと思った場合でも、どうしても金融業界に就職したい場合は、先ほど紹介した自分でできる対策を行いつつ、就活エージェントと二人三脚で就活を進めることを推奨します。