【ベンチャーはリスクだらけ?】正しいリスクの認識と企業の選び方

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はじめに

従来、学生に人気の就職先といえば大手企業というのが一般的でしたが、最近ではベンチャー企業に興味を持つ学生が増えてきています。

確かにベンチャー企業は成長性の高い企業が多いので、自分たちの力で会社を大きくすることができるという大手にはない魅力があります。

しかし、その一方でリスクも存在することも事実です。

ここでは、ベンチャー企業に就職することのリスクについて紹介していきます。

ベンチャー企業を選ぶならばリスクも十分に理解したうえで判断しましょう。

【ベンチャーはリスクだらけ?】ベンチャーのリスクとは何か

大手企業とベンチャー企業を比較した時に、一番大きな違いはその事業規模でしょう。

ベンチャー企業には明確な定義というものはありませんが、一般的に設立されて数年未満で従業員も数人という企業がほとんどですし、資金力もそれほど豊富なわけでもありません。

このようなベンチャー企業で働くことには当然ながら大企業にはないリスクというものも存在します。

では、具体的にどのようなリスクがあるのか詳しく見ていくことにしましょう。

仕事内容のリスク

当然ながら、大手企業とベンチャー企業では働き方や仕事のやり方がまったく異なります。

たとえば、新入社員に与えられる裁量権の大きさがその一つです。

大手企業の場合は従業員も多く研修制度も充実しているので新入社員には入社後しばらくは仕事を覚えるための時間が与えられますが、ベンチャー企業の場合は最初から先輩社員と変わらない仕事を任されることも珍しくはありません。

このようなベンチャー独特の働き方、仕事のやり方にはどのようなリスクがあるのでしょうか。

マニュアルがない

設立されて数十年、あるいは100年を超えるような歴史を持つ大手企業であれば仕事内容もある程度定型化されているので、マニュアル通りに手順を踏んでいくだけで対応できてしまう仕事というのもかなり存在します。

しかし、ベンチャー企業の場合は設立されて間もない企業が多いので、業務をマニュアル化するというところまで至っていないところがほとんどです。

もちろん、業務のマニュアル化は臨機応変な対応に欠けるなど問題点を抱えていることも事実です。

しかし、業務をマニュアル化することで定型業務を簡略化させることができるので効率アップにつながることも多くあります。

マニュアルがないことで一つひとつの仕事について自分でやり方を考えなければいけないのは仕事上のリスクと言えるでしょう。

希望していた仕事ができない

先ほども言いましたが、ベンチャー企業の魅力の一つは裁量権の大きさです。

大手企業であれば最初の1年、2年は先輩の後について仕事を覚えるところからスタートしますが、ベンチャー企業であれば入社してすぐに比較的大きな仕事を任せてもらうこともあります。

ただし、自分のやりたい仕事に集中できるかといえば、決してそうとは限りません。

というのも、ベンチャー企業は従業員が少なく、大手企業のように特定の業務だけをこなすような部署もないことが多いので、本業と並行して雑務などもこなしていかなければなならいからです。

就職したのは良いけれど、ほかの仕事が忙しくてなかなか希望していた仕事ができないというリスクも存在します。

私生活のリスク

長い歴史を持つ大手企業と違って、設立間もないベンチャー企業は組織的、制度的に未成熟な面が多々見られます。

また、大手企業と比べれば知名度は非常に低く、社会的な信用力という面でも大きな差があるのは否めません。

このようなことから、ベンチャー企業で働くことには仕事上のリスクだけでなく、私生活の面でもマイナスに働くことがあるということを理解しておかなければなりません。

では、私生活上のリスクにはどのようなものがあるのか、具体的に見ていきます。

福利厚生がない

ベンチャー企業は大手企業に比べて資金力に乏しいため、社員の福利厚生にまで十分に手が回らないケースが多く見られます。

たとえば大手企業であれば、会社から近い場所に住む社員に対して手厚い家賃補助を行うといったことがよく見られますが、ベンチャー企業では家賃補助の金額が少なくなることや制度自体がないことも珍しくはありません。

毎月の家賃は家計への影響も非常に大きいので、家賃の補助があるかないかで私生活にも大きく影響してきます。

また、小さなお子さんがいる場合は育児休暇があるととても便利ですが、ベンチャー企業の場合は育児休暇の制度がないというケースもあります。

大手企業に比べると、結婚や出産がしにくい環境であるというのは事実でしょう。

人事評価制度がない

ベンチャー企業の特徴の一つに、フラットな組織があります。

大手企業であれば業務内容に応じて細かく部署が分かれていて、その中に係長や課長、部長といった役職が数多く存在します。

しかし、そもそも従業員の少ないベンチャー企業では経営者側と従業員側に大きく分類されているだけで、役職は存在しないという企業も少なくありません。

このようなフラットな組織はスピード感を持った経営にはとても適していますが、一方で役職が存在しないということは昇進による給与アップのチャンスがないということにもなります。

昇進や昇給は仕事の面でも私生活の面でも大きなモチベーションとなるものですが、人事評価制度が不十分なことでそのチャンスがないというのはリスクと言えるでしょう。

給料が上がらない

ベンチャー企業の社員にはストックオプションが付与されていることも多いので、成功すればかなりの収入を得ることが可能です。

ただし、そこに達するまでの給料というのは大手企業と比べると決して十分なものとは言えません。

そもそもベンチャー企業は資金力が乏しいことに加え、従業員が少ないことで一人あたりの仕事量は多くなる傾向にあるため、仕事の量と給与の水準のバランスが取れていないことがほとんどです。

また、年功序列の是非は別として大手企業の場合は在籍期間が長くなれば、それに応じて給与のベースもアップしていきますが、ベンチャー企業の場合は成果に応じた実力主義が浸透しているため、結果が出なければいつまでも給料が上がらないというリスクもあります。

リストラの可能性もある

実力主義が浸透しているベンチャー企業では、良い意味でも悪い意味でも自己責任なところがあります。

仕事で結果を出すことができれば給料もどんどん上がっていきますし、実力が認められれば会社経営に携わることができるようにもなることもあるでしょう。

一方で結果を出すことができなければ給料は一向に上がりませんし、最悪の場合はリストラされてしまうということにもなりかねません。

大手企業と違ってベンチャー企業は人材育成制度が充実しているわけでもないので、「どうしたら成長できるのか」ということを自分で考えて、実践していく必要があります。

常に成長が求められる環境で仕事をするのは大きなプレッシャーになるでしょう。

会社のリスク

大手企業が就職先として人気がある理由の一つには、「安定性」があるでしょう。

事業規模が大きく社会的な信用力も大きいことで、大手企業に在籍していれば職を突然失うというリスクはほとんどありません。

これは、公務員にも共通する特徴です。

一方、ベンチャー企業には革新的なビジネスモデルや高い成長性など、大手企業にはないような魅力がありますが、安定性という意味では大手企業には敵いません。

つまり、会社の存在自体にもリスクがあるということです。

倒産リスクが高い

ここでも何度も触れてきたようにベンチャー企業は資金力に乏しいことが多く、毎月毎月をいかに乗り切っていくのかが大きな課題となります。

特に設立直後は安定した収入を期待することが難しいので、将来の成功を夢見るだけでなく、日銭をどうやって稼ぎだすのかということにも注力しなければなりません。

また、信用力に乏しいベンチャー企業は金融機関からの資金調達も簡単ではありません。

「後少しお金があれば今月を乗り越えられるのに」といった時でも、資金が調達できなくて倒産してしまうケースが見られます。

実際、ベンチャー企業の60%は1年間持たずに倒産してしまいますし、10年生き残れるベンチャー企業はわずか5%に過ぎません。

【ベンチャーはリスクだらけ?】リスクの少ないベンチャーを選ぶには

ここまで見てきてわかっていただけたと思いますが、ベンチャー企業には仕事面だけでなく、私生活の面でも数多くのリスクが存在しています。

ただし、大手企業にはない魅力がベンチャー企業にはあることも事実であり、「ベンチャー企業で働きたい」「自分の実力を試してみたい」と考えている学生も多いことでしょう。

ここでは「ベンチャー企業を選ぶうえでできるだけリスクを抑えるためにはどうしたら良いのか」、そのポイントを紹介していきます。

会社の成長フェーズを見る

ベンチャー企業は一般的に4つのフェーズに分類できます。

1.シードフェーズ・・・会社起ち上げ直後、まだ会社として形を成していないケースもある

2.アーリーフェーズ・・・数人程度の従業員により業務をスタートする段階

3.ミドルフェーズ・・・一定の顧客が付き成長段階に入るステージ、従業員が増えて社内制度も整備され出す段階

4.レイターフェーズ・・・事業規模が大きくなり黒字を出せている状態、会社の知名度もアップしストックオプションの行使も考える時期

シードフェーズやアーリーフェーズの段階ではまだまだ不確定な要素も多く、リスクも高くなります。

できるだけリスクを避けたいと考えるならばミドルフェーズ以降の企業を選ぶようにすると良いでしょう。

「ベンチャー 成長」の記事でも詳しく解説しています。

募集条件をしっかり見極める

従業員が働きやすい環境を整えているかも会社選びにはとても重要なポイントです。

労働時間が長い割に給料が安い場合やサービス残業や休日出勤が当たり前に行われているベンチャー企業も少なくありません。

残業した分だけきちんと残業代が貰えるのか、休日はしっかり休めるのかなど、募集条件を十分に確認して過酷な労働条件の下で働くリスクを避けるように心がけましょう。

また、事業規模に対して採用人数が多すぎる企業にも要注意です。

そのような会社は社員が辞めていくであろうことを前提として採用を行っているからです。

低賃金で長時間働かせて、疲弊した社員は切り捨てていくというスタンスなのでリスクでしかありません。

会社の雰囲気を見る

ベンチャー企業の経営者はワンマンな人も少なくないため、経営者の考え方や人となりが社風などに強く反映されがちです。

場合によっては自分と合わないと感じることもあるので、実際にどのような社風なのか、雰囲気を確認しておくとミスマッチを防ぐことができるでしょう。

会社の雰囲気を知る方法としては会社説明会に出席してみることやOBがいれば訪問してみるのもおすすめです。

商品の展示会なども覗いてみると、経営者と話ができるかもしれません。

また、ベンチャー企業の場合はインターンを実施していることが多いので、できる限りインターンに参加してみると良いでしょう。

特に長期インターンの場合は社員と同じように働くことができるので、会社の雰囲気を知るには絶好の機会です。

【ベンチャーはリスクだらけ?】まとめ

ここまで、ベンチャー企業のリスクについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

ベンチャー企業は自分の力で会社を大きくできるという魅力がありますが、一方で大手企業と比べると労働環境が整備されていないケースも多いですし、リストラのリスクもあります。

場合によっては会社が倒産してしまう可能性もあるでしょう。

そのことをしっかりと認識したうえで、就職先として魅力を感じるかを自分なりにしっかりと判断することが何よりも大切です。

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