はじめに
ベンチャー企業は将来的な成長が期待でき、若手でも活躍ができ、収入も上がっていく、上場する喜びや達成感も味わえるなどと、ベンチャー企業に期待して就職したいと考える方も少なくありません。
もっとも、ベンチャー企業のすべてが成功するわけではありません。
大きく成長できるのは極一握りです。
就職するからには将来有望なベンチャー企業に入社したいものです。
これから伸びていくベンチャー企業の見極め方を、将来性のある業界の見極め方からご紹介します。
これから伸びるベンチャー企業とは?伸びる企業の特徴や見極め方を解説!
【伸びるベンチャー企業とは】ベンチャー就職はアリなのか
成長途中のベンチャー企業には夢があり、華やかなイメージがありますが、実際入社してからイメージとのギャップに直面し後悔する人も少なくありません。
ベンチャー企業への就職を考える場合には、そのメリットとデメリットを正しく理解しておくことが大切です。
4つのメリット
・成長できる環境である
・経営陣との距離感が近い
・完全成果主義が多い
・意思決定のスピードが早い
成長できる環境である
ベンチャー企業に就職するメリットのひとつは、成長できる環境で働けることです。
成長途中であるベンチャー企業は、試行錯誤しながら事業を軌道に乗せていく状況です。
さらに、新しいビジネスモデルでの挑戦ですので、たとえ先輩社員であっても経験したことのない事態になることもあり、誰にとっても初めての業務も多いでしょう。
そのため自分から進んで学び動くことはもちろん、たとえ新卒で入社した場合でも即戦力を求められます。
すでに成長を遂げてしまっている大手企業と比較すれば、ベンチャー企業には間違いなく自分自身を成長させる機会が多くあります。
責任も大きいですが、成長したいと考えている人にとっては最適な環境と言えるでしょう。
経営陣との距離感が近い
大手企業では、普段新入社員が社長と直接言葉を交わす機会はほとんどありませんが、ベンチャー企業では経営者と近い距離で仕事ができる可能性が高いです。
企業の規模にもよりますが、とくにまだ起業間もないベンチャー企業の場合には、経営者と毎日顔を合わせ、同じ空間で仕事をすることも考えられます。
経営者の理念や情熱を身近に感じながら、仕事のノウハウなどを学べる環境で働く日常は、大手企業では得られない貴重な経験になるでしょう。
また、経営者から直接仕事の指示をされることも考えられます。
緊張感も大きいですが、実力が認められれば、自分の考えやアイデアを経営者に直接聞いてもらうこともでき、経営に直接携われるチャンスが得られることも魅力です。
完全成果主義が多い
ベンチャー企業は小規模であることが多いため、社員一人ひとりの成果が、企業の成長に大きく影響してしまいます。
結果を出すことが重要視されるため、細かい仕事の取り組み方については、個人の裁量に任されることが多く、自分のやり方で業務を進められることも多いかもしれません。
古くからある日本の企業では、若手のうちは裁量権をもって仕事をすることが難しいこともあり、どんなに実力のある新入社員であっても、評価される機会自体が少ないのが一般的です。
一方、社歴や学歴にも関わらない完全成果主義のベンチャー企業では、入社間もない場合であっても実力を発揮できることが魅力です。
若いうちから自分の実力を試したい人には魅力的な環境と言えるでしょう。
意思決定のスピードが早い
ベンチャー企業は小規模である場合が多く、そのため意思決定のスピードが早いことが大きなメリットです。
企業の規模が大きくなると、関係部署も多くなりますので、ひとつの事柄を決定する際の手続きにどうしても時間がかかってしまいます。
一方ベンチャー企業は社員数が少なく、必要な手続きも少ない傾向が強いです。
設備面や労働力、資金面などのあらゆる面で、大手企業のほうが恵まれていることは否めませんが、意思決定のスピードに関して言えばベンチャー企業が勝ります。
意思決定のスピードは、そのまま競争力になるので、ベンチャー企業ではこのスピード感を非常に大切にしているのです。
次々と新しいことが決められていくだけでなく、決めたことについてはスピード感をもって実行することも求められます。
次々と新しいことに挑戦したい人には魅力的です。
5つのデメリット
・待遇が物足りなく感じる
・教育体制が整備されていない場合がある
・激務となる可能性がある
・経営方針になじめない可能性がある
・経営状態が不安定になりがち
待遇が物足りなく感じる
ベンチャー企業に就職する場合には、過大に待遇面での期待をしないほうが良いでしょう。
すでに大きく成長を果たした、いわゆるメガベンチャーでは、その充実ぶりが話題になることもありますが、これから成長しようという段階のベンチャー企業では給与水準も一般の中小企業に満たない場合も多いです。
ベンチャー企業は、はじめは小規模であり、厚生福利などが整っていないことも多くあります。
成長途中であれば、売り上げが上がっていても、資金は事業成長のために優先的に投下されるので、給与に還元されるまでにも時間がかかります。
さらに、急成長の局面では、労働力が企業の成長に追いつかず、人手不足から激務になることもあり、報酬が業務量に見合わないと感じる場合も多いでしょう。
教育体制が整備されていない場合がある
成長途中であるベンチャー企業は、新入社員の研修などにかける労働力や資金が潤沢ではないことが考えられます。
大手企業のような手厚い教育体制などは整っていないことが多いでしょう。
大手企業であれば、新しく入ってきた社員を集めて、手厚い新人研修を行ったり、ある程度の社歴を積んだ各段階でも、それなりの研修が設けられていたりすることが多いです。
しかし、とくに事業が軌道に乗っていないベンチャー企業では、業務がマニュアル化されていないことも多いため、自分の頭で考え、自分で学びとる姿勢が求められます。
先輩社員も自分の仕事で手いっぱいになり、新人に仕事を教える時間がない場合も多いため、誰かに教えてもらって仕事を覚えようという考えでは、通用しないことも多いでしょう。
激務となる可能性がある
とくに急成長の過程にあるベンチャー企業では、事業の拡大に労働力が追いつかず、さらに資金も事業の拡大に最優先に遣われるため、人員を増員することが難しくなります。
そのため、常に労働力不足の状態にあるベンチャー企業は多く、そのようなベンチャー企業では、おのずと一人あたりの業務量が多くなりがちです。
上司自身も忙しいため、部下の業務量まで注意が行き届かないことも多く、一人でいくつもの業務を兼務するなどで激務になる可能性があります。
プライベートよりも仕事に対する熱量が勝る人であれば問題ありませんが、趣味の時間を大切にしたいなど、プライベートの時間も充実させたい人にとっては、大きなデメリットとなるでしょう。
激務も苦にならないほどの情熱をもって働けるかどうかを考えてみましょう。
経営方針になじめない可能性がある
就職活動では自分の価値観にマッチした企業を選ぶことが重要ですが、ベンチャー企業を目指す場合にはより注意が必要です。
ベンチャー企業は、新しいビジネスモデルを扱うため経営者の理念は個性的なことも多く、それが社風に色濃く出がちです。
とくに規模の小さいベンチャー企業の場合には、企業経営陣との距離が近く、さらに少人数であることもあり、社風や経営方針になじめないと疎外感を抱いて余計につらい思いをする場合もあります。
これを避けるためにも、自己分析と企業研究をしっかり行い、経営者の理念に心から賛同できるかに重点を置いて企業選びをする必要があります。
知名度の低いベンチャー企業の企業研究は難しいところもありますが、経営者自らがSNSで経営理念や求める人材などを発信している場合が多いのでチェックしてみると良いでしょう。
経営状態が不安定になりがち
そのベンチャー企業が、成長過程のどの段階にあるかによっても大きく異なりますが、経営状態が安定していないことが多いのもベンチャー企業のデメリットです。
ベンチャー企業は新しいビジネスモデルで起業するので、そのビジネスモデルが世間に広く受け入れられるまでには、それなりの時間がかかります。
事業が軌道に乗るまでは売り上げが安定せず、どうしても経営状態は不安定になりがちです。
場合によっては、ボーナスが出ない場合もあるほか、労働に見合った給料が支払われない場合もあるでしょう。
新規採用を実施していることもありますが、これは慢性的に労働力不足に陥っていることが理由です。
そのためあまり鵜呑みにせず、慎重に判断することが大切です。
【伸びるベンチャー企業とは】伸びていく業界
伸びるベンチャー企業を見つけるには、勝負している業界そのものの成長性を見極めることが必要です。
今後伸びていく業界を知ることは、企業が伸びていけるかを考える指標になるからです。
たとえば、ベストベンチャー100では2005年以来、数百社のベンチャー企業を紹介していますが、2018年1月時点で当時未上場だった24社が上場を果たしています。
その審査基準にも成長性が掲げられ、ITや介護医療、環境や海外展開がキーワードになっています。
今後伸びていく業界を理由とともに見ていきましょう。
IT業界
IT業界を牽引しており、非常に勢いがあるのがIT業界のベンチャー企業です。
だからこそ、これからも成長が続くのか不安になるかもしれません。
IT技術の進化は留まるところを知らず、人々のニーズに対応し、社会をより便利にするためにまだまだ伸びることが予測されます。
日本はかつては技術大国として成長してきましたが、IT化やデジタル化においては韓国やインド、東南アジアなどからも後れを取ってしまいました。
印鑑文化がまだ根強く残っており、リモート授業やリモートワークに即応できないなど、行政も企業も教育現場も立ち遅れています。
政府の対策としてDX推進やフィンテック、情報セキュリティの強化などがようやく始まったところですので、これからますます躍進が期待されているのです。
成長企業として、以下のようなベンチャー企業があります。
予算やITリテラシーで課題を抱える中小企業のデジタル化をサポートする企業です。
・アドベンチャー
スカイチケットのサービスを通じて観光産業や地域活性化に貢献する企業です。
医療業界
ヘルスケアサービスは日本で深刻化していく高齢化による医療、介護ニーズをはじめ、医療費や介護費用の抑制のための介護予防やメタボ・生活習慣病予防のための企業や個人向けの各種サービスやアプリ提供で、ニーズが高い分野です。
さらにコロナの影響もあり、マスクや消毒などの感染予防対策から国産ワクチン開発、治療薬開発などのニーズが高まっており、成長が期待されます。
成長企業として、以下のようなベンチャー企業があります。
患者中心の医療を目指し、テクノロジーを活用したPHR(Personal Health Record)によるデジタルヘルスソリューションを提供する企業です。
・ロゼッタ
医薬・化学・機械・IT・法務・金融など2000の専門分野で精度の高い自動翻訳を提供する企業です。
電子・半導体業界
電子・半導体はソフトウェア開発において重要部品であり、世界的に不足している部品です。
日本の大手企業を中心に半導体事業を切り離すことや中国企業などに頼る動きが出ましたが、コロナ禍で輸入がしにくくなり、パソコンやスマホの製造ができなくなるような事態に陥りました。
国産部品の重要性に改めて気付かされ、今後伸びが期待できます。
成長企業として、以下のようなベンチャー企業があります。
省エネルギー化や再生可能エネルギーにおけるパワーエレクトロニクスに関する受託開発や技術提供を行う企業です。
・JALCOホールディングス
製品開発を通じたアミューズメント業界への後方支援事業など、多彩な事業を展開しています。
EC業界
ECとはElectronic Commerceの略で、電子商取引といわれるものです。
インターネット上のネットワークを通じて、契約と決済を行うことができます。
いわゆるネットショッピングもECに該当します。
要は、インターネット上で物の売買を完結させることで、家賃や人件費などのコストのカットにつながるシステムです。
近年のECは、Amazonなどの大規模なサイトに登録して行うだけでなく、自社でホームページを作る方法も増えています。
販売手数料を支払わずにECが可能なので、多くの企業がオウンドメディアを持ち始めているのでしょう。
ネット通販やネットショップは、年々増えており、多くの企業や消費者が利用し始めています。
【伸びるベンチャー企業とは】これから伸びるベンチャー企業の特徴
ここまでは、ベンチャー企業の業界にもさまざまな種類があることをお伝えしました。
自分に合いそうな業界、興味深い業界が見つかったという人もいるでしょう。
そして、ベンチャー企業に入社しどのようなことに携わりたいか、希望も湧いたかもしれません。
できるならベンチャー企業でも、これから伸びていくベンチャー企業に入社したいものです。
ここからは、これから伸びていくであろうベンチャー企業の特徴をご紹介していきます。
海外で成功したビジネスモデルがある
海外のトレンドは少し遅れて日本に来るという流れが多く、 海外で成功をおさめたビジネスモデルは、国内でも成功するケースが多いです。
海外で成功したビジネスモデルをうまく活用し、事業を展開しているベンチャー企業は今後伸びていくでしょう。
ベンチャー企業では、新しいビジネスを主に扱っていることがほとんどです。
海外で人気の出た商品やビジネスモデルを取り入れれば、ほぼ間違いなく日本でも成功するため、多くの企業が海外のビジネスに興味をもっています。
ただ海外のビジネスモデルを真似すれば良いわけではありませんが、多くの企業が海外のビジネスモデルを取り入れ成功しています。
海外のビジネスモデルがあるベンチャー企業は、これから日本で高い業績をあげる可能性が高い企業と言えるでしょう。
市場が成長を続けている
これから伸びるベンチャー企業かどうかは、その企業が現在進行形で伸び続けている市場にあるかどうかでもある程度判断できます。
ベンチャー企業では、新規事業を次々に立ち上げることで、大きく成長を目指す場合もあります。
市場が成長している場合には、新しい事業のチャンスが多くあり、大きく利益を上げられる可能性も高いです。
業界全体が追い風であることは、案件にも恵まれ、業績も伸ばしやすい環境であると考えられます。
また、まだ成長市場とは言えなくても、競合が存在していない市場を狙って、今後伸びると考えられる市場に事業を展開しているベンチャー企業もあります。
市場のニーズや社会情勢を見据えたビジネスであるか、業界の研究もしっかり行う必要があるでしょう。
経営陣が信頼に値する
ベンチャー企業の経営者にはカリスマ性がある人が多く、経営者の人間性、情熱や理念に魅力を感じてそのベンチャー企業を志望する場合も多いでしょう。
しかし、経営者一人が魅力的であっても、企業を成功に導くことは困難です。
経営者を含め、経営陣が信頼できるかどうかは、慎重に見極める必要があります。
ベンチャー企業は、革新的なアイデアで事業を拡大させるため、先を読む力がなければ成功は難しいものです。
また、競争企業に先を越されないためには、迅速な意思決定と、それを実行するスピードも重要です。
さらに、企業が成功するためには、明確なビジョンをもつことが重要ですが、そのビジョンを経営陣や社員が共有し、一丸となって実現に向かっているかを見極める必要があります。
優良なVCからの資金調達に成功している
VC(ベンチャーキャピタル)とは、成長段階の企業に出資してくれる投資会社のことです。
優良なVCからの投資を受けているかどうかで、革新度や期待度がわかるでしょう。
自分の志望しているベンチャー企業が、VCから投資を受けているかを調べてみてください。
そのVCが過去に投資した企業がどのくらい成功をおさめているかで、優良なVCかを判断する指針にもなります。
優良なVCから投資を受け、資金調達に成功しているならそのベンチャー企業は今後、伸びる可能性が高いと言えるでしょう。
そのようなベンチャー企業で働けば長く働いていけるかもしれませんし、のちのち業績も伸びる可能性も高いため、就職後も安心できるかもしれません。
SDGsの取り組みに力を入れている
今や、世界中で取り組みに力を入れているSDGsですが、SDGsに関心の高いベンチャー企業は今後伸びる可能性が高いでしょう。
「SDGsについて、あまりよく知らなかった」という人もいるでしょう。
2030年までに、世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題といった課題を全世界で解決していこうという取り組みです。
SDGsの取り組みに力を入れている企業は、国際的な問題に対して意識が高いと見なされます。
そのような企業は、投資家やVCから支持されやすく投資の対象になるでしょう。
この取り組み方があるかというところが、これからの投資家やVCの投資の指標になりつつあります。
SDGsの取り組みがないから良くない企業、というわけではありませんが、企業を評価する1つの指標になるということです。
自分の志望しているベンチャー企業が、SDGsの取り組みをしていないか確認してみましょう。
新卒採用を拡大している
新卒採用を行っているベンチャー企業は、経営基盤が安定している場合が多いです。
さらに、新卒採用を拡大しているかどうかにも注目してみましょう。
事業が拡大していく局面では、どうしても労働力が不足しますので、採用活動が欠かせません。
しかし、新卒の社員が企業に貢献できるまでに成長するには時間がかかるほか、新卒の採用活動にはお金も労力もかかります。
そのため、余力のない企業では即戦力が期待できる中途採用で人員を増やすことが一般的です。
それにもかかわらず新卒の採用に意欲的に取り組めることは、長期的な成長戦略が確立している企業である証拠でもあります。
また、新卒市場で、自社の将来性や経営の健全性を発信できれば、企業のさらなる活性化につながることも考えられます。
【伸びるベンチャー企業とは】これから伸びる企業の見極め方
伸びていく業界を把握したうえで、その中から自分が興味を持てる業界や強みを発揮できる業界を見つけたら、どういった基準で企業を選んでいくべきかについて考える必要があります。
「MIDDLE200」や「ベストベンチャー100」の上位から選べば良いと思われるかもしれません。
ですが、「MIDDLE200」は新興市場上場企業が対象であり、「ベストベンチャー100」は自己推薦制なので、それ以外にも成長が期待できる企業はあります。
どんな基準で選べば良いか、見ていきましょう。
市場を予測すること
伸びていく業界の予想を挙げましたが、これはあくまでも例示であり、それ以外にも将来性のある業界はあります。
興味が持てる業界かつ将来性のある業界を探し出すためには、市場を予測することがポイントです。
経済アナリストなどの専門家でも難しい予測ではありますが、IT業界、医療業界、電子・半導体業界が伸びる理由を解説したように、伸びる要素をピックアップしてみましょう。
今後伸びていくことが予測される市場で戦う企業は、競合他社が多くても、停滞している市場に比べて伸びやすい傾向があります。
やりたい仕事がまだ決まっていないなら、IT業界、医療業界、電子・半導体業界を参考にし、その市場において、他社と差別化できる強みやより社会に求められるサービスを展開している企業を探してみましょう。
経営の数字に着目する
経営に関する数字は必ずチェックしましょう。
もっとも、どんな数字なら経営が健全化や成長が期待できるかを知っておかないと意味がありません。
企業を見るうえで重要な項目として、売上総利益・損害・CCCなどが挙げられます。
CCCとは、Cash Conversion Cycleのことで、企業が原材料や商品などを仕入れるために現金を投入してから最終的に現金化されるまでの日数を表す数字です。
CCCは小さいほど資金効率が良くなります。
業種にもよりますが、仕入れら資金回収までの期間が長いと、その間に資金ショートする場合や手形の不渡りなどによる連鎖倒産のリスクも高まります。
効率よく資金が回せているか、ベンチャー企業を見極める一つの指標にしましょう。
【伸びるベンチャー企業とは】見極めに役立つサイト
ベンチャー企業は規模が小さい、知名度が小さい、まだ非上場であるといった理由から、大手企業や歴史の長い中小企業などに比べると情報が少ないのがネックです。
一つひとつの企業の情報どころか、そもそも、どんなベンチャー企業があるのか、名前も知らない、存在も知らないケースがほとんどとなります。
将来有望なベンチャー企業を探す一助となるのが、「MIDDLE200」や「ベストベンチャー100」です。
それぞれの特徴をご紹介します。
MIDDLE200
MIDDLE200は日本経済新聞社が独自の基準のもとで、新興市場に上場する中堅企業約200社の成長力ランキングを「伸びる会社 MIDDLE200」として公表しているものです。
ビジネスパーソンのバイブルであり、就活にとっても情報収集や面接対策のために不可欠な存在である日経新聞のリサーチ、分析に基づくものなので、信頼感があります。
JASDAQ、マザーズ、地方新興市場といった新興市場に上場する約1,000社から、創業20年以内、売上高1,000億円以下の中堅企業を対象とし、過去四半期分の増収率や営業利益率、時価総額などを偏差値化したうえでランキングとして公開しています。
指標もわかりやすく、成長性のあるベンチャー企業の見極めに有効です。
ベストベンチャー100
ベストベンチャー100は1999年に創刊されたベンチャー業界誌「ベンチャー通信」が、ベンチャー業界の健全なる活性化を目的に、これから伸びることが期待されるベンチャー企業100社を独自の基準で審査して公表してい
るものです。
ベンチャー企業側がビジョン・成長理由・売上高・営業利益といった審査項目を記入してエントリーすると、一定の条件を満たした企業が審査委員による、直接面談で審査されます。
主な審査基準は以下の通りです。
経営者の資質、ビジネスモデルの独自性、成長性の3つのカテゴリーがあります。
経営者が中長期的視座を持ち、社会貢献性の高いビジョンを掲げ、ビジョン実現に向けて全社一丸となって取り組み、売上が右肩上がりとなっているか、商品およびサービスに独自性があり、経営者自身が自社の商品およびサービスに愛着とこだわりを持っているか審査されます。
成長性についてはITや介護医療、環境など成長マーケットで事業展開しているか、アジア新興国など海外展開を積極的に推進しているかが評価基準です。
【伸びるベンチャー企業とは】伸びるベンチャーはどんな人を求めている?
いかに今後伸びるベンチャー企業を見極めても、就活すれば、今度は自分が選ばれる立場になります。
成長が期待できる企業を選ぶことができても、自分が選ばれなければ目的が達成できません。
伸びるベンチャーはどんな人を求めているのかを知り、自分の強みを明確化して、その企業で活躍し、貢献できることをアピールしなくてはなりません。
ベンチャー企業全般で言える、ベンチャーに向いている人材か、さらに、その企業にマッチするかを自己分析と企業研究を通じて検討しましょう。
詳しくは、「ベンチャー 求めている人材」で確認をしてください。
こちらの記事も参考になります。
【伸びるベンチャー企業とは】ベンチャー特化の就活エージェントを使うのもオススメ!
伸びているベンチャー企業への就職を考えている方はベンチャー
企業を専門に紹介するベンチャー特化型のエージェントを活用するという方法も効果的です。
厳選した優良ベンチャー企業を紹介するだけでなく、ES添削・面接
対策など早期内定獲得まで専属エージェントがついて徹底サポートを提供してくれるというサービスです。
・一人で進めるのは不安
・周りにベンチャー志望がいなくて、進め方が分からない
など悩みを持っている方は一度検討してみてはいかがでしょうか。
【伸びるベンチャー企業とは】まとめ
ベンチャー企業に就職して成長していきたいなら、これから伸びていくベンチャー企業を見極めることが大切です。
そのための情報収集の手段として、伸びている企業をリサーチしてランキングしている、「MIDDLE200」や「ベストベンチャー100」が参考になります。
今後、伸びていく業界を現在のニーズや将来性から考えると、IT業界、医療業界、電子・半導体業界が挙げられます。
伸びる企業の見極め方は、市場を予測すること、経営の数字に着目することです。