はじめに
「IoT」という言葉を耳にする機会が増え、実際にIoTについて興味を感じている方もいらっしゃると思います。
IoTとはネットワークを通じて埋もれていたデータを管理することや分析が可能になり、質の高いサービスを生む仕組みとして期待されています。
IoTをあつかうベンチャー企業も増えていますがいったいどのような事業をしているのでしょうか？
仕事内容や事業事例などをご紹介します。
【IoTベンチャーってどんなところ？】そもそもIoTとは？
まずはベンチャー企業について紹介します。
ベンチャー企業は比較的できたばかりの会社で、そのような人数の違いからベンチャー企業は大手企業と比べても風通しがよく、若手でも意見が通りやすい環境です。
そして年功序列などがないので、能力がある人は比較的出世をするのが早いといえます。
IoTに特化しているIoTベンチャーですが、いったいどのようなことをしているのでしょうか？
IoTは「モノのインターネット」といわれています。
パソコンやスマホだけではなく、たとえば家電製品や自動車などをインターネットに接続することがIoTです。
「モノ」がインターネットに接続されることで離れた場所からでも対象物を動かしたりすることが可能になります。
「モノ」をインターネットに接続して利用するシステムなどを開発・運用しているのがIoTベンチャーです。
さらに生活を便利にするための開発を進める企業が、IoTベンチャーだといえるでしょう。
IoTはさまざまな業界で使われる
IoTの活用分野は幅広いため、さまざまな業界で使われています。
IoTは1つの分野業界にとどまらず、さまざまな業界での利用が期待されています。
実際に家電や物流、医療、ロボットなどさまざまな分野でIoT化は進んでいるのです。
例として、家電の遠隔操作や商品の自動管理・自動車の自動運転・車いすの自動運転・生体データ取得による体調や行動の分析などに利用されています。
インターネットとモノが接続されることによって得られた結果であり、新しい技術を最大限に活かすことで生まれたサービスです。
これからもIoTを基盤とした新たなサービスが生まれる可能性も高いと期待されています。
今後もさらに成長していく分野だといえるでしょう。
【IoTベンチャーってどんなところ？】IoTベンチャーの仕事内容
IoTベンチャーの仕事内容はさまざまです。
主な仕事は各分野でIoT技術を必要としているハードウェア・ソフトウェアの開発と活用です。
IoTの開発はさまざまな分野と連結して事業をあつかっており、ハードウェア（端末など製品そのもの）とソフトウェア（ネットワーク、セキュリティ、プログラム）の両面でIoT事業は成り立っています。
IoTベンチャーでは、このどちらかを担当することが多くなるでしょう。
IoTベンチャーは他企業と連携して商品開発することがほとんどです。
【IoTベンチャーってどんなところ？】IoTベンチャーの特徴
IoTベンチャーはoTのプロジェクト自体は大きいものも多いですが、開発などについては大きな投資などを必要としないため少人数・小規模な企業が多いのも特徴です。
スタートアップが多いのもIoTベンチャーの特徴といえます。
人材の特徴としては、以下のようなことがあげられます。
組み込み開発の経験がある
サーバーサイド開発に明るい
フロントエンドやアプリ開発に詳しい
これらの能力や経験がIoT企業で働く人材としての条件になるでしょう。
人材不足が加速している
IoT技術はさまざまなデバイス・ハードウェアが使われることも多く、IoTデバイス自体が膨大な数になることもあります。
組み込みシステムなどハードウェア・クラウドコンピューティング・セキュリティなどの知識が必要になるため、非常に高度なスキルが必要なのです。
需要も高まっていますが優秀な人材を確保することが難しく、人材不足が加速しています。
人材不足問題は日本のみならず世界共通の問題であり、人材確保・人材の育成が急務となっています。
大学にデータサイエンス学部などを創設し、データサイエンスの知識を身につけることを目的として人材育成を進めているのです。
柔軟性をもっている
IoTベンチャーの強みは、少人数の企業が多く、世の中の需要に応える対応策をすぐに打ち出せることです。
IoT開発は大きな投資などを必要としません。
少人数の企業が多く、仕事に対する柔軟性があるといわれています。
柔軟性とはどのような内容の仕事に対しても臆することなく挑戦でき、状況に対して的確に対応できることを指します。
コロナ危機の中でも、その状況で人々が求めているものを的確に予測して提供したことで、一気に業績を伸ばした企業もありました。
このような柔軟な対応は、大企業ではなくIoTベンチャーだからできる部分でもあります。
開発が小規模である
IoTベンチャーがそれぞれ進める開発は小規模なものがとても多くなっています。
IoTベンチャー自体は小規模であるがゆえによりニッチな事業ができ、需要に応えやすいというメリットがあります。
小規模なので大きなことはなかなか難しいものの、さまざまな需要に対応できることは大きな強みです。
【IoTベンチャーってどんなところ？】IoTベンチャーの事業例
IoTベンチャーの現状などについて、ご理解いただけたと思います。
実際にIoTベンチャーにはどのような事業があるのでしょうか。
各分野のベンチャーについての紹介、事例となる企業と事業内容についてご紹介します。
データ分析系ベンチャー
データ分析型ベンチャー企業は、ビッグデータなどの情報を分析してデータにしたり、効率化を実現するための生産環境で活用できる有益な情報を提供したりしています。
収益化につながる状態にすることや店舗や商品管理などのデータのシステム導入などもあつかいます。
また、心拍数や温度など生体データの取得で健康を考える事業などを提供している企業もあるのです。
各企業のビッグデータをもとにして、スポット分析サービス・高度分析サービスなどを提供している企業があります。
それぞれの企業に合わせたAIアルゴリズム開発やシステム開発なども、データ分析系ベンチャーの業界では盛んです。
分析コンサルティングやAIを用いた独自のプロダクトの提供などもしている企業があります。
医療・福祉系ベンチャー
IoTベンチャーの中で一番成長している分野が医療・福祉系です。
医療・福祉の現場ではまだまだIT化が進んでいないのも実情であり、IoTでできる内容も幅広くあります。
たとえばセンサーつきクッションで姿勢などをもとに健康維持ができる椅子、見守り機能のがあるセンサーなどを開発しています。
具体例としては、ケアプランなど作成業務を支援するAIエンジンなどの開発により、ケアマネージャーの業務負担・ストレスの軽減を減らすためのサービスの開発が進んでいるのです。
介護保険など既存の枠組みでは解決できない諸々の課題などについて、クラウドソーシングサービスの開発などもされており、今後さらに活用されていくでしょう。
プラットフォーム系ベンチャー
IoTプラットフォームとはデバイス・アプリケーション・ネットワークなどクラウドを介して、効率的につなぐための土台（プラットフォーム）など通信環境を創り出すベンチャーです。
フリマアプリの開発・仮想通貨などのサービスの運用なども行います。
具体例としては、プラットフォーム系のベンチャーでは異なるデバイスやアプリの連携を可能にする、クラウド間相互接続サービスのことです。
また、ノンプログラミングでIoTサービスを開発・構築できるプラットフォームなどを開発・提供している企業があります。
多種多様なサービスの提供・作業効率や最適化の目的で導入検討している企業が増えているのです。
ロボット系ベンチャー
ロボット系ベンチャーは省力化・省人化を進めるために必要なヒューマノイドロボットや自動運転、画像認識など自動制御などの事業が盛んな業界です。
基本的にはメーカーなどから依頼されたシステム開発が中心となります。
たとえば、画像認識技術やモーションセンサー技術を活用し、高精度で車体を自動制御する技術などの開発が進められています。
自動車業界に制限せず、物流支援や教育支援・見守りといった分野にも展開が進んでいるのです。
リチウムイオン電池システムなどの開発などにも参入しており、ロボット系で得られた技術をさらに広い分野で活用することを進めています。
製造・物流系ベンチャー
製造・物流系ではカメラやセンサーを用いて商品管理したり、機器を用いて生産管理をしたりできる機械を開発したりしています。
製造・物流の現場は人手不足が深刻な問題となっています。
自動運搬の開発や品質検査・仕明の自動化などを積極的に取り入れるための仕組みを進めているのです。
製造・物流の現場で必要な設計開発・生産・品質管理・設備保全といった、工場内の各工程に合わせたソリューションを開発している企業があります。
機器等の時系列データを解析し、異常を検知し通知させるシステムの開発、スマートフォンのマイクから取得した音声データから異常診断をするサービスなどが開発されています。
【IoTベンチャーってどんなところ？】将来性は？
IoT・AIの経済成長へのインパクトは約270兆円に相当するとシミュレーションされています。
実質GDPにしてなんと132兆円もの押し上げが生じると想定しており、IoTが経済に対して大きなインパクトがあると総務省は考えているのです。
IoTは、もはやただの便利なモノのインターネットだけではなく、日本の将来を背負う重要な技術として認識されています。
IoTベンチャーおよびベンチャー企業は紹介したように自分の頑張り次第では出世が早い、会社の将来性があるといった利点もあります。
人材不足が進む中、AIや半導体などの技術の発達によって事業は展開し需要も増えていく見込みがあるでしょう。
マイナンバーの導入や金融機関のシステム更新など、大型案件の需要が堅調に伸び、IT業界全体がまだまだ成長を続けています。
もちろんIoTベンチャーも同様です。
景気がよくなり、しばらくすると需要も増えるなど、IT業界は若干の遅行性をもって景気の動向に左右される側面もあります。
IT業界などでは影響が少し遅れて出てくる可能性があることを覚えておきましょう。
【IoTベンチャーってどんなところ？】まとめ
IoTベンチャーについてご説明しました。
IoTベンチャーは「モノのインターネット」といわれおり、各分野でIoT技術を必要としているハードウェア・ソフトウェアを開発し活用していくことが仕事になります。
各分野での利用が増えてきているので活躍の場がたくさんあり、これからさらに成長していくと期待されています。
活躍の場はたくさんありますが、人材不足が深刻なので今後人材育成等を行う必要があり、大学が専門学校などでの学部新設などが急がれている状況です。
IoTベンチャーへの転職などは需要も増えることがあるので有効だといえますが、かなりのITスキルが必要であること、人材不足で逆に忙しいことを頭においておくことが必要です。
