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はじめに
就活をする際に必要となるのが自己PRです。
各企業の面接官に対して、自分がどのような人間であるのかをアピールするためのものです。
自己分析を行ったうえで、ご自身の強みが調整力であると判明したとします。
しかし、これまで自己PRをしてきていない場合、いきなり書くといってもどうしたらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は自己PRで調整力をアピールするための書き方やその際の注意点についてご紹介いたします。
【自己PRで調整力をアピールするには】企業が求める調整力とは
まず調整力とは、かなり範囲が広い能力です。
最も重要なのは、その強みに対して企業側はどのような部分を求めているのかを理解することです。
たとえば、企業で業務を遂行する中で、社内の部署間や他社との連携は不可欠となってきます。
お互いの都合を主張した場合に、意見がぶつかってしまうこともあるでしょう。
スケジュールがかみ合わず、納期に影響が出てしまうこともあります。
そのような業務上の問題発生時に、調整力を発揮することによって円滑にしっかりとした結果が出ることを企業は望んでいるのです。
この調整力はクライアントとの意見の調整はもちろん、組織内の意見の調整においても重要となります。
また、人間関係も同様です。
人間は生まれも育ちも違います。
価値観や考え方にも違いがあり、それによって業務に支障が出てしまうこともあります。
そんなときも調整力で意見をうまくまとめて円滑にまとめ上げることが理想的です。
そのことを強く意識したうえで自己PRを作成しなくてはなりません。
【自己PRで調整力をアピールするには】調整力を別の言葉で言い換えた際の例
調整力という言葉はわかりやすい反面、実際にどのような能力であるのか具体的な部分についてはわかりにくい面があります。
意見をまとめ上げて円滑にすすめられることを総合的にまとめた言葉が調整力というわけです。
自己PRでそのまま使用すること自体は問題ないものの、他の志願者がその言い回しを選択することは容易に想像できるでしょう。
ほかの志願者と同じ言い回しをすれば、アピールが薄くなってしまう恐れもあります。
別の言い回しにするほうが無難かもしれません。
たとえば「チームワークや協調性を大切にする」や「妥協点を見つけるためのアイデア力がある」という言い回しだと、調整力よりも具体性があるのでわかりやすくなります。
【自己PRで調整力をアピールするには】調整力をアピールする際の2つの注意点
自己PRで調整力をアピールする際に注意すべきポイントとして2つあげられます。
自己PRの目的は面接官に伝えることですが、どれだけアピールをしても正しく伝わらなければ意味がありません。
今回あげたポイントというのは面接官に正しく伝えるためであり、わかりやすく伝えるためのものです。
深く考えずに作るとついつい抜けてしまいがちな部分でもあります。
どちらも重要なポイントですので、ぜひ参考にしてみてください。
調整力の内容を明示する
調整力という能力はわかりやすいようで、そうでもないという不思議なものです。
実際に異なる意見をまとめたりと調整をする場合には、いくつかの能力が必要だといえます。
たとえば、意見が食い違っている関係者に寄り添って話を聞ける能力や、ぶつかった意見に対して折衷案を生み出せる能力も必要でしょう。
交渉力も調整するうえでは不可欠です。
具体的に説明することでよりわかりやすく伝わります。
調整力の表現に関しては内容をしっかり明示しましょう。
どれ1つだけに的を絞ってもかまいませんし、複数の内容をまんべんなくアピールするのもいいでしょう。
重要な部分はその内容が明示されているかどうかです。
この人が入社することによって、会社としてどのようなメリットがあるのか想像しやすくなれば、アピールする意味がよりたしかなものとなるでしょう。
状況をしっかり説明する
調整力とはエピソードにおいて、結果としてうまくまとめられる能力を指すでしょう。
しかし、それでは本当にその能力があるのかいまいちわかりません。
調整力の重要なポイントとなるのは、どういった状況でどのようにして最終的に調整できたのかという部分なのです。
そして結果的に円滑にまとまったという結果のことを企業が知りたい調整力といえるでしょう。
状況をしっかりと説明して、それをまとめ上げたエピソードが必要になります。
エピソードは具体的であればあるほど、強みであると伝わります。
もちろん説明が長くなってしまっては中だるみしてしまう恐れもあるでしょう。
無駄な部分は削ぎ落とす必要があります。
しかし、できるだけ背景も交えつつ状況を説明したうえで、さらにどのようにまとめ上げたのかという部分を明確に伝えましょう。
状況をしっかりと説明することでわかりやすくなる反面、エピソード自体が弱いと逆効果になってしまうかもしれません。
誰でも調整できるわけではない状況が理想です。
何が課題となり、どういったところが難しかったのかを効果的に伝えましょう。
【自己PRで調整力をアピールするには】自己PRの書き方を紹介
はじめて自己PRを書く場合には、いきなり書き始めるとまとまらなくなってしまう傾向にあります。
もともと文章力がある方であれば難しくない話かもしれませんが、なかなか自分自身のことをアピールするのは難しいでしょう。
面接官の方に対して伝えなければいけません。
点を押さえてわかりやすく簡潔にまとめる必要があります。
そのためには以下の構成で作るといいでしょう。
2.発揮したエピソード
3.課題
4.解決策
5.結果
6.会社にどう貢献できるか
まずはわかりやすく調整力という強みがあることを宣言します。
そのうえで、状況説明をしっかりとし、強みを活かせたエピソードにつなげます。
課題や解決策も明確にしましょう。
そして最終的に、最も重要な部分となる会社に対してその強みを活かしてどう貢献できるのか、という部分で締めとなります。
特にエピソードの部分が大切です。
調整力があることをわかってもらえるように、内容を明示することも必要です。
【自己PRで調整力をアピールするには】3つの例文を紹介
構成や注意点などがわかったとしても、はじめてであれば思うように書くことが難しいでしょう。
強みをアピールしなければならないので、就活生の方にとっては神経質になってしまう部分でもあるはずです。
そこでこれまでご紹介したポイントを踏まえて、3つの例文をご用意しました。
こちらを参考にご自身のエピソードを照らしあわせれば、自己PRを書けるでしょう。
例文があることで文章が作りやすくなる面もあるかと思います。 ぜひベースにして組み立ててはいかがでしょうか。
例文①
高校時代はバレー部に所属していましたが、その当時私たちの学年と1つ下の学年であまり仲がいい状態ではありませんでした。
バレーはチームプレーで成り立っているスポーツです。
仲違いしている状態で結果はついてきません。
そこでまずは仲が悪い原因を確かめました。
チームメイトなどの話をたどっていくと、特定のメンバー間でのいざこざが原因だとわかったのです。
そこで思い切って、当事者同士での話し合いの場を設けることにしました。
原因になった先輩風を吹かせて無茶な要求をした同級生メンバーには、後輩の身になって考えるように説得し、心からの謝罪をするように促したのです。
後輩に対しても、謝罪を受けた以上は最低限の礼儀は守って接するように伝えました。
この出来事をきっかけに学年間でのわだかまりがなくなり、その翌年の県大会ではベスト4という過去最大の成績を収めることができたのです。
貴社に入社した際には、チームワークや協調性を大切にするという強みを活かして、部署間で意見がぶつかった際も落とし所を見つけて円滑に業務を遂行いたします。
この例文では、具体的なエピソードによって協調性やチームワークを大切にできると伝えています。
特に感情的なトラブルの場合には調整の難易度は高くなるのです。
それでも最終的にはチームワークを大切にし、確執をなくしたという結果を手に入れているので、面接官の方にも伝わりやすいでしょう。
例文②
大学生のころ、映画サークルで映画を自主制作していました。
当時長編映画を撮影していた際に、川辺でのシーンにおいて川に入水させたい監督陣と入りたくない役者の間でトラブルが発生したのです。
脚本では入水するとまでは言及されていなかったものの、監督や脚本のイメージでは入水が不可欠という主張でした。
しかし、その当時まだ肌寒い3月の撮影ということもあり、役者としてはできることなら避けたいという主張だったのです。
撮影時間も限られているため、カメラマンだった私は双方の意見をまとめることにしたのです。
入水することで役者が万が一体調を崩してしまったら、まだ残っている撮影が完了できなくなると監督に説明しました。
役者には実際に入水するのではなく、カット割りやアングルなどで入水しているようにすることを提案しました。
勢いの必要なシーンでもあり、その案で監督人からも役者からもOKが出たので、映画は無事完成にこぎつけられたのです。
貴社に入社したあかつきには、このアイデア力を最大限発揮してクライアントなどと意見が食い違ったとしても、アイデアをもって妥協点を見つけます。
この例文のポイントは、双方を説得したうえで妥協点に落ち着いたという部分です。
立場の違いなどによってお互いの主張がぶつかることはよくあることです。
そこで妥協点を見つけることによって、トラブルを防いでプロジェクトや業務を遂行できるとアピールしましょう。
例文③
大学生時代、アルバイトをしていたファミレスでアルバイトリーダーに任命されていました。
年末年始の時期になると、どうしてもアルバイトの出勤率は下がります。
誰もが友人や知人と過ごしたり、自宅でゆっくりしたりしたいのでシフトには入りたがりません。
ある日、急な病欠により、その人数では到底さばききれない可能性があると判明しました。
しかしそれではお店の営業に支障が出てしまいます。
みんなの事情を聞きながら、人数が足りない日は入れる人を探して、出勤してもらえるようお願いしました。
余裕のある日には、変わって出勤してくれた人に休んでもらうなどバランスを意識してきました。
その結果年末年始であるにもかかわらず2年連続、最大人数の8人で営業することが可能となったのです。
この例文ですが、全員の都合をしっかりとヒアリングしたうえで、スケジュールに合わせていることが評価に値するでしょう。
ただお願いをすることで出勤してもらうというだけでなく、無理を聞いてくれたことに対して対価をしっかりと付与しています。
調整力を端的に示すことが可能でしょう。
まとめ
調整力というのは仕事をするうえで必ず求められる能力です。
実際にその能力が備わっていると判断されるためには、具体的に明示しなければなりません。
今回ご紹介した内容は、どれも自己PRをするうえで欠かせないでしょう。
構成にも気をつけつつ文章を作っていくことで、問題ない自己PRが作成できるかと思います。
あとはそれを実際に伝える練習も必要です。 採用されるために、調整力をちゃんとアピールしましょう。