はじめに
ベンチャーの就職に成功するものの、数年で倒産してしまったという悲劇がよくあります。
この原因は、よくそのベンチャーを見極めていなかったことも関係しているでしょう。
そこで今回は、失敗するベンチャーや成功するベンチャーを比較することによって、成功するベンチャーへ就職をするためのポイントを紹介します。
仮に倒産するベンチャーに就職してしまった場合は、人生においてかなり大きなロスになってしまいます。
それを避けるためにも、しっかりと失敗するベンチャー企業は見極める必要があるでしょう。
【ベンチャーの失敗例を紹介】ベンチャーの失敗例を紹介
ベンチャーを志す場合は、ついついポジティブな意見ばかりを参考にしてしまいがちです。
しかし、しっかりとみるべきネガティブな情報もありますので、なぜベンチャー企業が失敗するのかの理由についても確認しておきたいところでしょう。
失敗するベンチャーの特徴を把握しておけば、それだけどのベンチャーに入ればいいのかがわかってくるはずです。
実際に倒産してしまった企業をいくつか紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
SPOONROCKET
SPOONROCKETは、1000円以内の食事を10分以内に配達するというフードデリバリーサービスになっています。
1000円以内で手軽に利用できるだけではなく、スピーディーに商品が届けられるので、スタート前後は大変話題になりました。
しかし、そんな期待もむなしく、倒産してしまったのです。
なぜ失敗したのか?
まず、1000円以内の価格帯で勝負するということで、どうしても利益率が細くなりがちです。
そのため、細い利益率や競合の強さによるユーザーの定借率の低さから、経営が困難になったといえるでしょう。
基本的に、低い価格帯で勝負する場合は、大量のユーザーをどれだけ確保できるかが鍵になっています。
名のあるサービスならまだしも、名もなきベンチャーには、かなり厳しい勝負だったといえるのではないでしょうか。
仮にある程度の成功をおさめていたとしても、その後に大手の知名度のある企業に入ってこられると、厳しい戦いを強いられることになったのではないでしょうか。
OPTIER
OPTIERは、企業向けの顧客との取引を分析・モニタリングするクラウドの提供をする企業です。
マーケティングには、こうした分析やモニタリングが非常に重要なので、一見するととても重宝されそうなサービスといえるのではないでしょうか。
なぜ失敗したのか?
OPTIERの失敗は、市場シェアを拡大できなかったことにあるでしょう。
こうしたサービスは、いかにして市場シェアを拡大するかにかかっていますので、そこで軌道に乗れなかったので、じり貧になってしまったと考えられるでしょう。
また、そうこうしているうちに、他社に自社よりも効率よくサービスを提供する企業が出現したのも大きかったです。
ベンチャー企業として重要なのは先行利益者になれることなので、市場シェアを拡大できなかった時点で、ある程度結果は見えていたといえるのかもしれません。
POLIANA
POLIANAは、政治とお金の流れを可視化できるという画期的なアプリでした。
しかし、いまいち伸びを見せることができずに、そのまま倒産してしまったのです。
このような点からも、単純に目新しい商品を出しても、伸びるとは限らないといえるでしょう。
なぜ失敗したのか?
POLIANAは、無料版から有料版への切り替えをミスしてしまったといえるでしょう。
無料版は、無料なのでユーザーを集めるのは簡単ですが、それらの会員が必ずしも有料ユーザーになってくれるとは限りません。
そのため、無料から有料に切り替えることを想定しているのならば、かなり慎重にタイミングを模索しなければならないのです。
また、仮説検証の段階でユーザーの声を聞けなかった、というのも大きな点といえるのではないでしょうか。
RDIO
RDIOは、検索機能やシェア機能に力を入れた配信サービスになっています。
こういったサービスは、現段階においても相当数のサービスがありますので、よほど上手く立ち回らなければ、既存のサービスに勝つのは難しいでしょう。
案の定、RDIOも空回りしてしまいました。
なぜ失敗したのか?
RDIOの失敗は、Sportifyのような無料でも使えるサービスにユーザーを取られたことが大きいでしょう。
また、この手のサービスを有料で運営するのは非常に難しいです。
なぜならば、無料でもかなり機能が豊富なサービスが多数あるからです。
また、数ヶ月間のCEOの不足により経営力が低下したというのも大きな要因になります。
ベンチャーのビジネスがスタートして、間もない時期というのは、上層部の手腕が問われるときなので、このタイミングでのCEO不足はかなり痛かったといわざるを得ません。
QBOTIX
QBOTIXは、ソーラーパネルの発電量を効率化する装置を提供するという画期的なサービスです。
また、ソーラーパネルは、ちょうどトレンドでもあったので、かなりの追い風が吹いていたといえるでしょう。
しかし、そのような状況にもかかわらずに、残念ながら倒産してしまったのです。
なぜ失敗したのか?
QBOTIXの提供するサービスは、革新的技術でしたが、リスクを恐れた電力会社から受け入れられず、顧客獲得に失敗した点が大きいでしょう。
これは、日本企業の体質的なものに負けたともいえるかもしれません。
また、そうした企業への根回しが十分ではなかったという点も見逃せません。
こうした革新技術を使う場合には、各所への配慮が重要になってくるので、単純に最先端の技術というだけでは乗り切れない場合も多いです。
【ベンチャーの失敗例を紹介】失敗するベンチャーの特徴は?
ここでは、失敗するベンチャーの特徴について紹介します。
ベンチャーが失敗する理由はさまざまで、その業界もさまざまなので、一見しただけではその特徴を把握することは難しいです。
しかし、深堀していくことによって、共通項を見つけることができますので、この点は確認しておきたいところでしょう。
そうすることによって、潰れるベンチャーを避けるといったリスク管理をすることができるようになります。
市場ニーズがなかった
プロダクトアウト(買い手のニーズでなく企業側の技術を中心にものを作る)的な発想をする企業、が陥りやすい状況になります。
いざ事業をスタートさせてみたものの、開発側の自己満足なだけで、実際には市場にニーズがなかったことがわかり、倒産してしまいます。
ただし、このタイプのベンチャー企業の場合は、非常に洗練された技術を持っていることも多いです。
その技術を市場がわかりやすいようなものにカスタマイズできる人材が不足していたともいえるかもしれません。
どんなにいい商品であっても、買う人がいなければ、宝の持ち腐れになってしまうのです。
資金の枯渇
ベンチャーの倒産の理由として、圧倒的に多い理由です。
ベンチャーというのは、かなりチャレンジングな選択肢を迫られることも多く、時にのるかそるかの博打を迫られることもあるでしょう。
これは決して、その企業の経営方針が悪かったということではなく、ベンチャーがメガベンチャーのような存在になるためには、それだけ苦難の道のりが待っているということになります。
ベンチャー企業はあらゆるフェーズで膨大な資金が必要になってきますので、資金調達が上手くいかなかった場合は業績が悪化しますし、最悪で倒産してしまいます。
逆に資金調達が上手くいっていれば、多少効率の悪いビジネスをしていても、倒産するということは少ないです。
チーム構成を間違えた
チーム構成を間違えたベンチャーも、失敗してしまいやすいです。
たとえば新規事業開発に向けた会社の動きに対して、チームに開発経験者がいないために、上手く事業を回せず失敗してしまうということはよくあります。
とくに重要になってくるのは、チームのリーダーでしょう。
上手くチームをまとめられるようなバランス感覚に優れたリーダーを選定できなかったからこそ、チームが力を発揮できなくなってしまうのです。
競合に勝てなかった
ベンチャー企業は弱肉強食の世界なので、競合相手に勝てなかったから倒産することはよくあります。
今後大きく伸びるような分野においては、多数の企業が勝負をしかけてきます。
そして、上位陣だけが先行利益を獲得することができるのです。
競合相手に勝てないということはベンチャーでは珍しくはなく、むしろこうして脱落していく企業のほうが圧倒的に多いといえるでしょう。
具体的には、競合相手にプライシングやシステムで劣り、顧客獲得に失敗したというケースも多いです。
【ベンチャーの失敗例を紹介】成功するベンチャーの特徴
ベンチャーの失敗するケースを確認したら、今度は成功するベンチャーの特徴を確認しておきましょう。
失敗例と同様に、成功例にもたくさんのヒントが隠されていますので、ぜひ参考にしたいところです。
新規市場の開拓
ベンチャー企業を選ぶうえで重要になってくるのが、先行利益者になる資質があるかという部分です。
そこで絶対的に重要になってくるのが、市場が未開拓なところ(競合が少ない)で戦っている企業という点になります。
そもそも、すでに競合が多数いるような業界に切り込んでいくのは、厳密にはベンチャーではありません。
こうした市場は、開拓次第で今後大きく成長する可能性がありますので、先に利益を生み出すプロセスを確立しておけば、企業も安定した成長をすることができるのです。
そんな意味では、狙っているベンチャー企業のある業界の競合数というのは、重要なポイントになってくるのではないでしょうか。
事務所移転の傾向
後々に成功をおさめる企業の特徴として、事務所移転の傾向が強いというものがあります。
ベンチャー企業の多くは、ほんの小さなスペースで営業をできるくらいのレベルです。
しかし、事業が少しずつ軌道に乗ってくると、人員も増えてきますし、扱う仕事の規模も大きくなるため、どんどん事務所が手狭になってきます。
そのため、短い期間に何度も事務所移転を経験しているような企業であれば、今後も大きく伸びていく可能性があるのです。
ベンチャー企業は急激に事業を拡大する傾向がありますので、この点は見逃したくないところでしょう。
投資元を見る
投資元にも注目してみてください。
ベンチャーキャピタルからの投資かどうかはひとつの判断基準になります。
逆に投資先が不明なところは、怪しいといえるでしょう。
その事業に可能性があればあるほど、有名な企業からの投資を期待できるので、判断基準としては十分に使えるでしょう。
【ベンチャーの失敗例を紹介】まとめ
ベンチャー企業の失敗例を中心に確認してきましたが、自分が目指していたベンチャーと見比べて、どうだったでしょうか。
もし、今回紹介した特徴に、自分が行こうと思っていたベンチャー企業が当てはまるのならば、かなり注意したほうがよいかもしれません。
ベンチャーに行くと決めてしまうと、ついついかたくなになってしまいますので、しっかりと冷静な判断力を持って選ぶようにしましょう。
自分の行ける範囲に成功しそうなベンチャーがない場合は、あきらめるのもひとつの選択肢です。