はじめに
ベンチャーへの就職を考えたとき、心配なのは安定性です。
ベンチャーというと、安定していないイメージがまだまだ強く、ご家族に就職を反対されることもあるでしょう。
しかし、ベンチャーだから不安定、逆に大企業だから安定しているわけでもありません。
大企業ならば安定しているという時代はすでに終わり、ベンチャーでも安定した経営を続けているところもあります。
今回は、大企業と比べたベンチャーの安定性について解説します。
【ベンチャーは安定している?】そもそも安定とは?
安定した企業に就職したいと考えている方は多いです。
また、周囲からそんな意見を聞くこともあるでしょう。
今後の人生設計を立てるにも、就職先は安定しているほうが良いに決まっています。
それでは、企業の安定性とはいったい何を指すのでしょうか。
もちろん、定義は異なります。
老舗と呼ばれるような企業が安定していると考える人もいますし、業務内容で安定性を判断する人もいます。
しかし、労働に見合った金額の給料が支払われなければ、就職する意味がありません。
また、すぐに倒産しそうな企業では働きたくない方が、ほとんどでしょう。
ですからここでは、「長期間、仕事に見合った給料がもらえること」を企業の安定性と定義します。
【ベンチャーは安定している?】ベンチャーは安定していない!
ベンチャー企業は規模も小さく、設立してすぐの資本金も少ない企業がほとんどです。
新しいビジネスを立ち上げ、軌道に乗せる途上にあります。
軌道に乗るまでは、どうしても経営基盤が不安定になります。
新しいビジネスモデルを作り出すことにやりがいを感じられるかもしれませんが、成功するかは未知数なのです。
事業が安定して続いていくという保証も、どこにもありません。
特に設立から間もない企業では、納得のいく給与や報酬が支払われない可能性もあります。
ボーナスが支払われない場合もありますし、リストラや倒産のリスクといつも背中合わせです。
以上をふまえれば、ベンチャー企業は安定していないといっても過言ではないでしょう。
安定しているベンチャーもある!
しかし、すべてのベンチャーが不安定なわけではありません。
メガベンチャーと呼ばれる、「リクルート」や「サイバーエージェント」は大手企業と遜色ない業績を誇っています。
今や名前を知らない人はいないくらいの有名企業に成長したのです。
ネット通販やゲーム関連のベンチャーにも、コロナ禍で業績の伸びた企業があります。
テレワークの普及により、IT系のベンチャー企業も伸びていくと予想されます。
このようなベンチャーは安定しているといえるでしょう。
【ベンチャーは安定している?】なぜベンチャーは安定していないの?
今や、大手企業でも決して安定しているとはいえません。
誰もが名前を知っているようような大企業でも、倒産する可能性のある時代です。
実際コロナ禍で多くの企業が業績を落としています。 まさに一寸先は闇といった先行き不透明な時代なのです。
それなのに、どうしてベンチャーばかりがその安定性を疑問視されるのでしょうか。
ここでは、ベンチャーに特有の特徴をふまえて、どうしてベンチャーばかりが安定していないといわれてしまうのか解説します。
人手が少ない
ベンチャーは、規模が小さく社員数が少ないため、どうしても社員1人あたりの仕事量が増えてしまうことも多いです。
数多くのベンチャーが、慢性的な人手不足に陥っています。
毎日のように終電帰り、担当が自分しかいないため休めないという事態も、十分ありえます。
新人であっても、必要なフォローがないまま、大量の業務をこなさなければならないのです。
労務管理上の制度がまだ確立されていない場合は、残業代などの支払いが滞る場合もあります。
重労働のわりには給料が少ない、もしくは給料の未払いが発生する可能性も大いにあり、最悪の場合は不当解雇のおそれもあるでしょう。
このような面から、ベンチャーは安定していないといわれるのです。
資金が少ない
多くのベンチャーが資金不足であえいでいます。
特に創業間もないベンチャー企業は、売り上げが安定していないため、資金が不足しがちです。
そこに加えてのコロナ禍で、半数以上の企業が「半年で資金不足に陥る」と答えた調査もあります。
政府からの支援策もありますが、投資を多く必要とするベンチャーのニーズには合致していません。
そして、ベンチャー企業は、その資金を新規事業に回さなければなりません。
ですから、給料に回せる金額はとても少なくなってしまい、きちんとした金額の給料がもらえない可能性もあるのです。
資金が不足しがちなベンチャーは、労働に見合った給料が支払われないおそれもあり、安定しているとはいえません。
事業が安定していない
ベンチャーは、まだ新しい事業を立ち上げて間もありません。
まずは、その存在さえほとんど知られていないベンチャーもたくさんあります。
もちろん、既存の事業にはなかった魅力的な事業を立ち上げて、すでに多くの収益を上げているベンチャーもあります。
しかし、その新しい事業から安定した収益を得るのはまだ難しいというケースも多々あるのです。
収益が安定しないうちは、赤字になる月もあったりするでしょう。
そうなると、社員に対する給料に関しても、安定した支払いが難しくなります。
給料が安定して支払われなければ、社員も安心して生活できません。
このような危険性もあり、ベンチャー企業は安定しないといわれているのです。
【ベンチャーは安定している?】大企業だからといって安定なわけではない!
ベンチャーが安定していないのであれば、昔からあって、誰もが名前を知っているような大企業は安定しているといえるのでしょうか?
実は、そうとはいえません。
いったん大企業に勤められれば生涯安泰、という時代はすでに終わっています。
以前は、新卒入社した企業で定年まで働く終身雇用が一般的でしたが、今は違います。
大企業に勤めたからといって、そこでずっと働けるという保証はなく、リストラや倒産はどんな企業でもありえるのです。
そう考えると、現代の日本にいわゆる安定している企業というのは、ほとんど存在しません。
企業の安定性の面で見れば、ベンチャーと大企業の間に以前ほど大きな違いはないのです。
大企業であれば安定しているというのは、現代にそぐわない昔の考え方といえるでしょう。
【ベンチャーは安定している?】安定した企業に入るには?
それでは、安定した企業に入社するためには、いったいどうしたらよいのでしょうか?
今は、企業の規模やネームバリューだけで、安定しているのかがわかる時代ではありません。
会社説明会に参加しても、その企業の良いところしか紹介されない場合がほとんどです。
たくさんある企業の中から、安定している企業をきちんとご自分の目で見極める必要があります。
どんな企業が安定しているといえるのか、まずはご自分で調べてみてください。
もちろん、安定した企業は大変人気があり、就職希望者がたくさん集まります。
その中で内定を勝ち取りたいのであれば、安定した企業に見合うだけの能力を身につける努力を惜しんではいけません。
今からやれることはすべてやっておきましょう。
安定した企業の見極め方
特にベンチャーは10年後には今ある企業の8割が倒産するといわれています。
その中で、安定した企業を見極めるには、以下に注目してみましょう。
まず、業界内でのシェア率がトップ、またはそれに近い企業は安定しているといえます。
また、複数の製品やサービスで高いシェア率を誇る企業もおすすめです。
そして、自己資本比率の高さも大切です。
自己資本比率が高いほど、少ない借金で経営できている優良企業だと判断され、社会的信用はかなり高いといえます。
企業だけでなく、業界そのものの将来性にも目を向ける、幅広い視点も必要です。
より詳しくベンチャー企業の見極め方について知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください
迷ったら就活エージェントに相談してみよう!
ベンチャー企業の就職に迷ったときは、就活エージェントに相談してみましょう。
就活エージェントに相談すれば、それぞれの志向や価値観に合った企業を紹介してもらえます。
就活エージェントならば、安定性のある優良ベンチャーの情報も大変豊富です。
プロの客観的な視点も就活に必要ですし、将来のキャリアパスに関する情報も豊富にもっているので、利用をおすすめします。
就活エージェントでは、就活で必要とされる力がどんなものなのかも教えてもらえ、面接や履歴書のアドバイスも受けられます。
就活で迷ったときに、1人で悩んでいるだけでは、なかなかその悩みは解決しないでしょう。
そんなときは、ぜひ就活エージェントに相談してみてください。
【ベンチャーは安定している?】まとめ
一般的にベンチャーは安定していないと思われがちです。
ベンチャーの中にも安定している企業もあれば、大企業だからといって安定しているわけではありません。
しかし、たくさんあるベンチャーの中から安定している企業を自力で見つけ出すのは大変です。
そこで、おすすめなのが就活エージェントです。
就活エージェントには、安定したベンチャーの情報も豊富にあるので、自分に合ったところを紹介してもらいましょう。
就活を成功させたいのであれば、ぜひ就活エージェントのプロの目で見てもらうことをおすすめします。