はじめに
今回は文系の大学に通っている就活生向けに、ベンチャー企業に就職してできる仕事の種類やベンチャー企業ならではのメリットについてご紹介します。
理系のみしか募集していないと思われがちな職種も紹介しているので、まだ希望する業界や職種が決まっていない方も参考になる内容となっています。
記事の後半では、ベンチャー企業に就職する際に注意しなければならないデメリットについてもご紹介するので、メリットとデメリットをよく考えて受ける会社を選びましょう。
文系のベンチャー就職でできる仕事とは?
まずは、文系の学生が就職しやすいベンチャー企業の職種について、今回は大きく分けて下記5つの仕事についてそれぞれの特徴をご紹介していきます。
・営業
・マーケティング
・事務
・エンジニア
・接客業
文系の学生が選べる仕事の幅は意外と広く、自分に適性がある仕事を見つけやすいです。
エンジニアなどは理系専門の仕事だと思われがちなので、意外に感じる方も多いのではないでしょうか。
それぞれの仕事の特徴について理解したら、自分に合っているかご自分でさらに詳しく調べてみましょう。
営業
営業職は銀行や保険会社、メーカーなどで人を相手に自分たちの商品を売り出す仕事です。
それ以外にも、IT会社なら技術力や自社の社員を売り込むこともあります。
こうした営業職は、法人相手に行うことが多く、特別なスキルは必要ありません。
また電話のかけ方や名刺交換、資料作りなどの基本的なビジネスマナーを学べるので新人研修にも最適です。
そのため、入社すると希望の部署に入る前に研修として営業を学ぶ、という研修を行っている企業も多いです。
また、自社の製品を売り込むためにはその製品について学ぶ必要もあるため、やはり新人の研修に最適であるとわかります。
そんな営業職ですが、仕事の成果によって歩合で賞与を与えられることが多いです。
うまくいけば20代のうちから高い年収を狙えるかもしれません。
営業は外回りが必要なことも多いので、自社にいるよりも顧客先を訪問していることが多いという特徴もあります。
マーケティング
営業が顧客先訪問メインで自社にいない時間が多かったのに対して、マーケティングはオフィス内で集客や目標達成などの施策を企画、運営することが主な仕事です。
過去のキャンペーンや時代の流れを分析して、どうやったらより売り上げを増やせるかを常に考えている職種です。
売れる商品を企画するには、お客様が何を求めているかを知ることが重要だといえます。
アンケート記事や政府が発行する統計データなどを駆使して市場調査を行ったり、サンプルを出品して直接意見を聞いたりして改善策の提案などを行っています。
また、商品が完成したらその商品を宣伝するのもマーケティングの一環です。
テレビや新聞のほか、現代ではSNSやYouTubeなどのメディア広告を使うことも一般的になりました。
事務
事務職は請求書や納品書などの書類を作成したり営業部のサポートをしたりと、意外と幅広い業務を行う仕事です。
基本はパソコンに向き合って作業をしている時間が多くなるでしょう。
事務職は残業が少なくて業務時間が安定しているため家庭と両立できる、といったイメージをもたれがちです。
しかし、必ずしもすべての事務職がそれに当てはまるわけではありません。
会社によっては事務職でも残業が多く、休日出勤が必要なところもあります。
そのため、安定していそうだからという理由だけで事務職を選ぶことはおすすめしません。
さらに、事務職は直接利益をあげる部署ではないです。
設定されている給与は低めなことが多く、昇給が難しいという特徴もあります。
簿記の資格を持っていると資格手当が出る会社もあるので、事務職を考えている方は学生のうちに取得しておくことをおすすめします。
エンジニア
ITエンジニアと聞くと、理系の人しか就けない職業だと思っている方が多いのではないでしょうか。
たしかに理系の大学ではプログラミングなどを学習する機会があります。
しかし、ベンチャーのIT企業では、まったく未経験の文系学生を募集しているところも多いのです。
そして、エンジニアという職業は非常に種類が豊富です。
一口にエンジニアと言っても、スマートフォンやパソコン向けのアプリを開発するシステムエンジニアや、ネット環境のインフラ基盤を構築するインフラエンジニアなどが存在します。
エンジニアはIT技術を使って仕事をしますが、この技術は常に進歩し続けており、世間も新しいものを望みます。
そのため、エンジニアは常に新しい知識を取り入れなければならず、生涯勉強が必要になる職業です。
エンジニアはそうした時代の変化に追従していけるような、勉強意欲と好奇心がある方におすすめできます。
接客業
接客業とは店舗などで顧客と直接やり取りをしたあと、商品やサービスの利用をうながす仕事です。
営業職が法人を顧客とするBtoBなのに対して、接客業の多くは一般の消費者が顧客のBtoCです。
また店舗を運営しているメーカーなどに就職した際も、新人研修として店舗に配属されて接客をすることが多いでしょう。
最前線に立つことで店舗の現状を知ることができ、ビジネスマナーも同時に学べるのがその理由です。
接客業は消費者と直接やり取りを行うため、直接感謝の声が聞けることにやりがいを感じる方が多いです。
しかし、クレームなどのトラブルが発生することも多いのでストレス耐性がないとつらい仕事かもしれません。
加えて、シフト制になることも多く土日祝日に休めず、連休も取りづらいという特徴があります。
文系生がベンチャーに就職するメリット
大手企業かベンチャー企業で悩んでいる方は、ベンチャー企業に就職するメリットをもう一度確認してみましょう。
ベンチャー企業には、大きく分けて「裁量権の大きさ」、「コミュニケーション能力を活かせる」、「経営陣との距離の近さ」、「成長速度の速さ」という4つのメリットがあります。
それぞれのメリットの詳細についてご紹介していくので、このメリットと自分の理想とする職場環境や働き方が合致するか確認してみましょう。
裁量権が大きい
大手企業の多くは上から仕事内容に関する指示が細かく伝えられ、言われたことをやるという流れの場合が多いです。
さらに社員数も多いため、1人に任される仕事の枠が狭く、あまり多くの仕事に関われないでしょう。
しかし、ベンチャー企業なら1人に任される仕事の裁量は多く、幅広い仕事に関われます。
責任のある仕事を早い段階から経験できるのはベンチャー企業ならではのメリットです。
そして、人数が少ない分、結果を出していれば出世して役職に就くのも早くなります。
そのため、給料が上がるスピードも速いです。
大手企業の場合は年功序列で長く働いている人ほど給料が高いこともありますが、ベンチャー企業の場合は働き方次第で高い年収を目指せます。
コミュニケーション力を活かせる
文系の大学生は一般的にコミュニケーション能力が高い傾向にあります。
そして、そういったコミュニケーション能力を活かせる職種はベンチャー企業に多いです。
営業職や接客業に関しては特にその傾向が強く、コミュニケーションによって顧客との良好な関係を築き上げ、そこから商品を売り出すという流れになります。
また、ITエンジニアなども一見するとパソコンと向かい合っているだけで、コミュニケーション能力は不要のように思えますが、実際は顧客とのやり取りも必要になる機会が多いです。
営業に同行して顧客の悩みを聞き出し、それに対する解決策を提案できるほどのコミュニケーション能力をもっていると、より責任ある仕事を任されて会社での評価も上がるでしょう。
経営陣との距離感が近い
大手企業では、会社の経営層の顔を見たことがないという方も多いです。
大手の一般社員にとって、経営陣は雲の上のような存在で話す機会はまずないという場合がほとんどです。
しかし、ベンチャー企業は社員数が少ないことから、経営陣と同じフロアで仕事をしているという企業もたくさんあります。
そのため休憩時間なども同じ場所で過ごすことが多く、経営陣と気軽に会話できるという特徴があるのです。
現場に経営陣がいれば、社員たちの身が引き締まるほか、仕事の問題や悩みを直接相談することもできるため、非常に風通しもよくなります。
また仕事の成果を簡単にアピールできる環境なので、結果を出せたら直接経営陣の目にも留まるでしょう。
こういった経営陣との距離の近さは、ベンチャー企業ならではの特徴です。
成長速度が速い
大手企業のようにすでに成熟している企業に比べて、歴史の浅いベンチャー企業は発展途上な場合も多く、そうした企業の成長スピードはとても速いです。
大手企業の場合は新しいものを取り入れる場合は、相当数の会議や株主への説明会などを経る必要があります。
しかしベンチャー企業の場合は、社長や現場の一任で新技術や新商品を取り入れることもあります。
そうして時代の流れを即座に取り込んで新しい波に乗ってしまえば、驚くほどのスピードで成長することも多いです。
また、会社だけでなく個人の成長速度も速いです。
ベンチャー企業は社員数が少ないため、個人に与えられる仕事の裁量が必然的に大きくなります。
数多くの仕事をこなしていくと、おのずと自分の能力も成長していきます。
文系生がベンチャーに就職するデメリット
ここまでベンチャー企業のメリットについて説明してきましたが、もちろんデメリットも存在します。
そして、このデメリットを正しく理解して自分なりに調べておかないと、入社したことを後悔してしまうかもしれません。
会社選びは今後の人生に大きな影響を与えます。
メリットだけでなくデメリットに関することもしっかり学んで、自分が納得できる会社を選びましょう。
ここからは「福利厚生や労働環境」と「理系学生との差」についてご紹介していきます。
福利厚生や労働環境の整備
ベンチャー企業は大手企業と比べて、福利厚生の整備が劣っていることも多いです。
退職金はそのなかでも代表的なものの1つです。
公務員や大手企業では当たり前とされている退職金ですが、ベンチャー企業ではそもそもこの制度が存在しない会社も多く存在しています。
また育休などの制度が用意されていないことも多く、制度としてはあるものの実際に取得したロールモデルがいないということもあります。
そういった会社だと、結婚後も仕事を続けたいという女性には長く働きづらいでしょう。
また、みなし残業に関しても注意が必要です。
基本給が低くなっている分、月に20時間程度分のみなし残業を上乗せして調整している企業も多いです。
こうした場合、月に20時間以上働かないと残業代がもらえないと覚えておきましょう。
エンジニア就職の場合理系学生との差がある
ITエンジニア系はたしかに文系でも募集している企業は多いです。
しかし、そういった企業は文系の学生だけでなく理系の学生も募集しています。
理系の場合大学の授業やゼミの研究でプログラミングなどを学ぶ機会があり、専門用語やプログラミングの仕組みなど、基本的な知識量で文系の学生とは差が出ます。
そのため、文系でエンジニアになる場合は入社時点で同期と差があることを受け入れて、人一倍熱心に勉強することが必要です。
ベンチャー企業の場合、手厚い新人研修を受けられることは少ないです。
自分で積極的に知識を取り入れて、資格取得することをおすすめします。
おすすめはLinux技術者としての技術力を認定する「LPI」、データベースや情報セキュリティ、ネットワークなどのITに関する超基本的な知識を認定する「ITパスポート」などがおすすめです。
企業によっては、資格の受験費や勉強に必要な教材費を負担してくれることもあります。
役立つ資格はどんどん取得しましょう。
転職を成功させるために就活エージェントを利用しよう
現在すでに就職している方でも、第二新卒や中途採用といった枠で転職が可能です。
別の仕事にチャレンジしてみたい方や現在の職場環境に不満がある方、キャリアアップしたい方は思い切って転職を検討してみてはいかがでしょうか。
しかし、どうやって転職すればいいかわからないという方も多いでしょう。
そんな方には就活エージェントの利用をおすすめします。
就活エージェントは一人ひとりと面談し、その人の理想とする条件に適した企業を紹介してくれるサービスの提供をしているのです。
無料で面接や履歴書作成のサポートも行ってくれます。
はじめての転職で何から始めたらよいか、不安になったり悩んだりしている方は積極的に利用するとよいでしょう。
まとめ
今回は文系の学生向けにベンチャー企業に入社するメリットやデメリットについてご紹介しました。
営業や接客業以外にマーケティングやエンジニアなど、文系の学生が選べる仕事は意外に多いことも知っていただけたかと思います。
ベンチャー企業では経営陣との距離が近く、入社してから比較的早い段階で責任感のある仕事を任せてもらえます。
こういった環境では仕事にやりがいを感じやすく、自分の成長スピードも速くなるため、向上心のある方にもぜひおすすめです。