はじめに
ベンチャー企業は、女性にとって働きやすい環境の整っている企業属性の1つかもしれません。
女性が働くことを考えたうえで、一定のメリットとデメリットがあるからです。
この記事では、ベンチャー企業が女性にどのような職場環境を提供できるかについて解説しています。
「ベンチャー企業に興味がある」という方はぜひ参考にしてください。
女性にとってベンチャー企業で働きやすいのか?
女性にとって、ベンチャー企業が働きやすいかどうかは、その人の職業理念やライフステージによって異なります。
実際に、女性でベンチャー企業を強く志望する人や、ベンチャー企業に勤めているという人は多くありません。
なぜなら、ベンチャー企業は学歴や経歴よりも、結果を重視する成果主義の会社が大部分を占めるからです。
「結果さえ出せばどんどん認められる職場が良い」「役職や責任のある仕事に憧れる」女性にとって、ベンチャー企業は働きやすい環境が整っています。
逆に「チームで仕事に取り組みたい」「仕事とプライベートをきっちり分けたい」と考える女性だと、ベンチャー企業での就業はつらいものかもしれません。
性別に関係なくバリバリ働ける環境だからこそ、どんな働き方をしたいかで、ベンチャー企業の働きやすさは変わります。
女性がベンチャー企業で働くメリット
女性がベンチャー企業で働くメリットは3つです。
まず、一般的な企業と比べると昇進のチャンスが多く巡ってくるでしょう。
結婚して子どもができても、同じ女性が多く働くため家事や育児にも、理解を示してもらいやすい環境も整っています。
また、能力さえあれば裁量のある仕事を多く回してもらえるのも、ベンチャー企業ならではの大きな特徴です。
性別に関係なく男女平等、女性にも昇進のチャンスが多い
ベンチャー企業は、女性であっても一般企業と比べ、昇進のチャンスが巡ってくる回数は各段に増えます。
多くのベンチャー企業に通ずる基本理念は、男女平等・成果主義です。
学歴や経歴、性別は、採用試験やプロジェクトメンバーの選定など、仕事に大きな影響を与えません。
つまり、女性でも頑張りや結果次第で、大きなプロジェクトに携われたり、社内でも重要なポジションを任せたりしてもらえます。
性別を理由にした不当人事を受けるような、女性であることがマイナスに働く場面は考えられません。
仕事で大成したい、より多くのチャンスをものにしてビジネススキルを上げたいと考える、上昇志向の強い女性が働くに際し、十分な環境が整っているといえるでしょう。
育児や家事に対する理解
ベンチャー企業では、チームメンバーや上司といった仲間から、育児や家事に対する理解を得られやすいというメリットがあります。
ベンチャー企業の多くでは、従業員の年齢層は若いという特徴があります。
そのため、女性であっても男性であっても、同じように家庭を築くメンバーもいれば、子育て真っ最中という人もいるでしょう。
家庭をもっており、子育て経験のある年配の重役はいますが、現在進行形で家事や育児に励んでいるわけではありません。
ベンチャーなら似たような境遇のメンバーが集まるため、家事や育児の大変さに対して、理解を得られる可能性は高まります。
また、ベンチャー企業は時代の変化にも寛容で、社内制度を充実させることに前向きな企業も少なくありません。
福利厚生や業務形態を工夫しやすいため、女性でも働きながら家事と育児を両立させやすい環境が整っています。
多くの経験を得られる
ベンチャー企業では、女性でも仕事を通じて、より多くの経験を得られるというメリットがあります。
社員の年齢構成も比較的若いなど、ベンチャー企業は人材配置において、大手企業ほどの余裕はありません。
つまり、仕事の割り振りは能力によって平等に行われます。
言い換えれば、女性であっても業績や積み重ねた努力次第で、社歴が浅くとも幅広い業務に携われる可能性があります。
つまり、ベンチャー企業でなら、一般企業と比べても、チームやプロジェクトを管理する立場により早く就けるでしょう。
年功序列という考え方もなければ、人員の層がそこまで分厚くないため、成長意欲さえあれば、女性でもどんどん活躍できる環境が整っています。
一般的な大企業・中小企業と比較して、女性でも仕事を通じてさまざまな経験が積めるのです。
反対にデメリットはあるのか?
メリットがある反面、女性がベンチャー企業に勤めることにはデメリットもあります。
メリットとしてあがっていた男女平等理念は、仕事における裁量も責任も大きくするのです。
ベンチャー企業の業務量は、プライベートをどの程度充実させたいかでも、善し悪しが分かれます。
良くも悪くも男女平等
ベンチャー企業は、良くも悪くも男女平等に扱われるので、業務内容が過酷な現場では、男女平等が不利に働く場合もあります。
なぜなら、女性は男性よりも体力が低い傾向にあり、同じようにトレーニングをしても、も男性ほど実を結ばない場合があるからです。
純粋に性別をはかりにかけず仕事を割り振ってくれることはメリットですが、体力面に不安がある女性にとっては注意しなければならないポイントでもあります。
ベンチャー企業で働きたいと考えるなら、業務内容について無理がないかどうか、くわしく見ておく必要があるでしょう。
体力アップを目的とした運動をする、体調管理に気を配るなどして、体力の低下が仕事に影響を及ぼさないよう努力する必要もあります。
プライベートとの両立
ベンチャー企業で働くと、プロジェクトや繁忙期などによって、1人あたりの業務量が増えてしまい残業や休日が返上になる場合もあります。
もはや男女は関係なく、プライベートに費やせる時間が減ってしまう可能性は高くなります。
それでも「20代までにスキルを身につけたい」「キャリアアップを考えている」というように、キャリアビジョンを考慮し、あえてベンチャーで働く道も1つです。
しかし、就業時間や繁忙期などをしっかりと見極めておかないと、将来的に働き続けることがつらくなってしまうかもしれません。
プライベートにはどれだけの時間を割きたいのか、キャリアビジョンをどのように組み立てるかは事前に考えておいてください。
社会人として有意義な人生を送りたいのであれば、意味もなくただ忙殺されてしまうだけではもったいないでしょう。
向いている人の特長
ベンチャー企業で働くのに向いている女性(人)の特徴は、以下の3つです。
裁量が任されやすく、早く出世しやすいベンチャーで働きやすいのは積極的な人です。
また、負けず嫌いで自己管理能力の高い人ほど、人より早く結果が出せるためベンチャー企業との相性に優れています。
何事も積極的に取り組める
ベンチャー企業には、何事にも前向きで、積極的に取り組める女性が向いています。
ベンチャー企業は、根幹事業のさらなる発展、新しい商流を築くことに注力する傾向があります。
つまり、新しい事業や業務内容の変更・拡大が、一般企業と比べても頻繁にあるのが大きな特徴です。
仕事に対して受け身な姿勢は歓迎されず、積極的かつ能動的に仕事を覚えながら、自立を試みる人がベンチャー企業では好まれます。
変化やイレギュラーを楽しいととらえられる女性であれば、ベンチャーの企業風土はぴったりと合うでしょう。
もし、自分に後ろ向きな部分があり、それでもベンチャー企業で働きたいと考えている場合は、日頃から何事も前向きにとらえられるよう心掛けてください。
負けず嫌いな性格である
負けず嫌いな性格であることも、ベンチャー企業に勤務するうえでは、プラスになります。
ベンチャー企業では、ほかの一般企業と比べても業務を任される機会も多くなります。
裁量はもちろん、与えられる業務内容そのものが、男女平等であることが大きな特徴です。
体力的に性別の壁がある男性社員とも、仕事の内容や成果について比較されてしまうでしょう。
つまり、ベンチャー企業で働くには負けず嫌いの精神が欠かせません。
相手が社歴の長い先輩であろうとも、自分よりスキルのあるメンバーであろうとも、負けん気をもって仕事に取り組む必要があります。
成果で比較されること、誰かと比べられることに抵抗を感じる人だと、ベンチャー企業で働くことがつらくなってしまうかもしれません。
自己管理能力が高い
自己管理能力が高いことも、ベンチャー企業に勤務するうえでとても有利に働きます。
ベンチャー企業では、ジャンルや内容にとらわれず、さまざまな業務が任せられる傾向にあります。
手を挙げさえすれば、どんな仕事にもチャレンジできますが、その反面、多岐にわたる業務を1人でこなす必要性も出てくるのです。
仕事の内容、業務量そのものがかなり多くなるでしょう。
そのような状況で仕事を遂行するには、高い自己管理能力が求められます。
たとえば、納期や求められる目標に対して、達成シナリオを描き、実行にきちんと移せるかどうかは自己管理能力にかかっています。
また、それだけ多くの業務を抱えながらもプライベートを仕事と両立させるには、体調面や精神面の管理も求められるでしょう。
自己管理能力が高ければ、ベンチャー企業の就業形態に順応しながらプライベートも充実されられます。
向いていない人の特長
逆に、以下のような特徴がある女性(人)は、ベンチャー企業で働くのは向いていません。
変化の激しいベンチャー企業では、安定志向な人は働きにくいでしょう。
仕事よりもプライベートに時間を費やしたいのであれば、同様にベンチャー企業は向いていません。
安定志向な人
仕事内容や、会社の業績など、働くことについて常に「安定志向を求めている」女性は、ベンチャー企業に向いていません。
ベンチャー企業は、どれだけ勢いがあってもまだまだ発展途上に位置する会社が多くあります。
会社の経営や、プロジェクトや事業全体が安定しているとは言い切れません。
ベンチャー企業は、業績や世の中のトレンドへ順応に対応しようとする傾向があるため、取り扱う商品やサービスが刻一刻と変化しています。
「安定的に同じ業務をこなしていきたい」「ルーティンワークが良いと」考える人に、ベンチャー企業での仕事は向いていないといえます。
年功序列のように、社歴などで着実に役職が上がっていくタイプの職場が良い人にとっても、ベンチャー企業は向いていません。
ベンチャー企業は成果主義にあたるため、できる人間にはどんどん裁量が与えられ、できない人間はプロジェクトから退いたり会社を辞めていったりします。
安定的に仕事の継続だけを望むなら、ベンチャー企業が性に合わないでしょう。
仕事よりもプライベートを確保したい人
ベンチャー企業では、仕事に精を出すあまり、プライベートよりも仕事に割く時間が長くなります。
プロジェクトが佳境に入れば残業が発生し、月末や決算月などに目標が未達というような状態にあれば、休日出勤も辞さないのがベンチャーの考え方です。
それだけアグレッシブに仕事と向き合える環境は整っていますが、プライベートを充実させたいという考えが強い人には合わない環境といえます。
仕事をストレス・苦痛に感じてしまわないためにも、プライベートに割く時間を多く確保したいのであれば、ベンチャー企業は避けた方が無難です。
あらぬストレスを抱えてしまい、それが原因で仕事ができなくなるようでは元も子もありません。
働くうえでのキャリアビジョンと合わせて、自分が仕事とプライベートのどちらをどの程度、優先したいのか考えましょう。
女性がベンチャー企業に就職する前に注意したいこと
女性がベンチャー企業で働こうと考えるなら、以下の2点について注意しましょう。
まずは、ライフワークバランスです。
プライベートと仕事、いずれの比率が高いかは要チェック項目です。
また、女性社員がどのくらい在籍し活躍しているかも確かめましょう。
女性が本当に働きやすいかどうかを見極めてください。
ワークライフバランスはどうか
女性でベンチャー企業への就業を考えるなら、ワークライフバランスについてしっかりと確かめてください。
多くの場合、女性は仕事を続けていく中で家事や育児に時間を取られ、仕事との向き合い方が変わる時期はやってきます。
ライフワークバランスが保てるかどうかは、事前にチェックしておきましょう。
具体的な例でいえば、育児休暇の取得状況(制度としてあるかどうか)、産休明けに職場復帰を果たせているかどうかです。
もし前例がないという場合は、管理職や役員、社長などベンチャー企業を運営するメンバーが、それらについてどう考えているかを聞いてください。
待遇面でのチェックでも構いませんが、可能であれば面接の場などで直接聞けると良いでしょう。
女性社員の割合
女性でありなおかつベンチャー企業で働こうと考えているなら、女性社員の割合についても注目してみてください。
どれだけ理解があるといっても、男性の多い職場では、働く女性の悩みについて共感を得られにくい場合があります。
女性の悩みは、同じ女性であり、当事者でもある女性が一番理解できるでしょう。
もちろん、女性が多くとも、子育てや家事に奔走した経験のない人だと、プライベートと仕事の両立の難しさは深く共感してもらえません。
精神的に追い詰められたり、ストレスを感じたりしないようにするためにも、女性社員の割合が多いベンチャー企業を選べるとベストです。
また、女性社員の割合が多いということは、それだけ女性にとって働きやすい環境が整っているともとれます。
ベンチャー企業で、実際に働く構成メンバーから読み取れる情報を読み取りましょう。
まとめ
女性がベンチャー企業で働くことについて、メリットとデメリット、働きやすさや向いている人柄について解説しました。
ベンチャー企業は会社の成長が波に乗り、勢いのある会社です。
毎日、目まぐるしく業務内容が変わり、変化を楽しみながら仕事としっかりと向き合える企業風土が整っているでしょう。
活発で、チャレンジ精神にあふれた職場環境ですが、能動的に働くよりも、ルーティンワークを着実にこなしたい人には向いていません。
女性でも働き続けやすいよう、チェックすべきはワークライフバランスと女性社員の割合です。
面接の場などで、しっかりとチェックしておきましょう。