はじめに
転職活動でベンチャ企業の面接を受けることになっても、中途採用の面接やベンチャー企業の面接の経験がないと、どういったことを聞かれるのか不安になるのではないでしょうか。
そういった方のために、ベンチャー企業の中途採用面接についてくわしくご説明します。
ベンチャー企業の面接の特徴
ベンチャー企業の面接には、いくつか大手企業とは異なる特徴があります。
面接の前にその特長に知っておけば、予想外のことに驚くこともないでしょう。
ベンチャー企業は、規模がそれほど大きくなく社員数も少ないです。
そのため、人柄重視の採用活動をしているところが多いので、今まで体験した面接とは一味違うかもしれません。
しかし、特徴を押さえていれば身構える必要はないでしょう。
場合によっては大手企業よりもリラックスして面接を受けられるかもしれません。
面談のようなラフさ
ベンチャー企業の面接では、まるで面談のようなカジュアルな雰囲気でラフに話す形式が多く見られます。
これは、ベンチャー企業が就職希望者の人柄や素の姿を見たいと考えているからです。
あまり形式張らずに本音で話し合うことを目的としているため、私服OKであるケースもたくさんあります。
特にスーツ着用が義務づけられていない職場だと、面接であっても私服で大丈夫な場合が多いです。
面接の場でまったく緊張しないという人はまずいません。
しかし、過度な緊張でその人の本当の姿が見えにくくなってしまったら、人柄を重視したいベンチャー企業側としては面接する意味がなくなってしまいます。
面接にもかかわらずラフな雰囲気なのは、就職希望者の人間性を見たいという願いのあらわれです。
選考フロー
ベンチャー企業の面接は、選考フローがとにかく早いという特徴もあります。
形式は企業によってさまざまですが、1次選考が説明会を兼ねていたり、1次面接の次はすぐに最終面接に飛んだりというケースが多いです。
1つの選考結果が出るのも早く、次に進む場合も1週間前後とスピーディーに進んでいくのもベンチャー企業の中途採用面接ならではといえるでしょう。
ベンチャー企業は社員数が少ない分、できるだけ優秀な人材を求めています。
そのため「ゆっくり選考していたら優秀な人材をほかの会社に取られてしまう」という危機感ももっています。
また、人事がトップから採用を一任されていたり、トップ自ら面接をしたりすることも多いというのが、ベンチャー企業の選考フローが早い理由です。
社長面接がある
社員数が少ない分、少数精鋭で社員と経営陣の距離が近いところもたくさんあるのが、ベンチャー企業の特徴です。
そのため、最終面接は社長自らが面接官を務めるというパターンも、ベンチャー企業であればよく見られます。
大手企業であれば、たとえ最終面接であっても社長が出てくることはあまりありません。
しかし、ベンチャー企業は社長自らが就職希望者に会って、自社にふさわしい人材かを判断することも多いです。
就職希望者は数社を並行して受けている場合も多く、結果待ちの間に他社から内定をもらえればそちらに決められてしまうこともあります。
社長が自ら面接して採否を判断すれば結果を出すまでの時間が短縮され、優秀な人材をみすみす他社に取られてしまうことも減るのです。
面接官が見ているポイント
ベンチャー企業は、大手企業と異なり人物重視の採用を実施していることが多く、面接官が見ているポイントも一味違います。
面接でどういったところを重点的に見られるのか事前に押さえておけば、本番も安心して受けられるでしょう。
人柄や価値観
ベンチャー企業では規模が小さく社員数も大手企業と比較すると少なめです。
そのため、周りの人にうまく溶け込めるか、社内の雰囲気に合っているか、社内に歪みを生まないかなど、面接では就職希望者の人柄を重視しているケースが多く見られます。
社内の雰囲気と合致した人材を採用できれば仕事が回りやすく、すぐにチームの一員として溶け込めるでしょう。
しかしそうでなかった場合、本人にも、もとからいるチームのメンバーにも負担がかかってしまい、お互いに良い結果とはならない可能性が高いです。
したがって、面接で就職希望者の人柄や価値観が自社と合致しているかを重視して採否を決定します。
そうすることで、新しく雇用する人材と企業のミスマッチを防いでいるのです。
成長意欲や熱意
ベンチャー企業では、成長意欲や熱意がある人材を求めているので、面接でも当然成長意欲や熱意をもっているかどうかという点が評価されます。
ベンチャー企業は新しい企業が多く、まだ成長途中にある企業も珍しくありません。
これから会社を大きくしていこうという成長志向が高いのです。
そういった企業風土の中では、当然社員にも成長意欲や熱意が求められます。
成長意欲や熱意が見られなければ、そこからの成長は期待できないため、面接での評価はきびしいものとなるでしょう。
逆にあなたの成長意欲や熱意が伝われば、採用される確率は高くなるはずです。
ベンチャー企業では企業とともに、自分自身で成長できる社員を求めており、面接官も気をつけて見ています。
よく聞かれる質問例
ベンチャー企業の中途採用面接では、よく聞かれる質問が存在します。
ベンチャー企業でなくても聞かれる可能性の高い質問ではありますが、頻出質問に関しては事前に回答を練っておくと安心です。
準備をおこたらずに胸を張って答えられるようにしておきましょう。
なぜこの企業を選んだのか
どうしてその企業を選んだのか、いわゆる志望動機は採用面接では必ずといって良いほどよく聞かれる質問です。
ベンチャー企業でもその事業内容は多種多様で、有名無名にかかわらず多くの企業があります。
そのなかで「なぜその企業を選んだのか」ということからその人の志望度がわかるため、採用面接で聞かれる可能性はかなり高いです。
この質問に対しては、しっかりと自分の考えを含めて言語化できないと「志望度はそこまで高くないのだ」とみなされてしまう可能性が高いので、しっかりと答えられるようにしておかなければなりません。
その企業のどういった面にひかれたのか・そこでどのように働きたいのか・どういった結果を残せるのか、自分の言葉でしっかり面接官にアピールしましょう。
何をやりたいのか?
実際にその企業で勤務してから何をしたいのかを問われることも頻繁にあります。
この質問で問われているのは、積極性や能動的に仕事ができるのか、そして将来のビジョンを見据えているのか、ということです。
ベンチャー企業は社員数が少ないことも多いため、指示を待つだけでなく、自分から動ける人材がそろっていないと仕事は回りません。
しかも、1人の裁量が大きいため、将来のビジョンがある人材の活躍する場はありますが、そうでない人は活躍できる場があまりないのです。
何をやりたいのかという質問にうまく答えられないと、ベンチャー企業仕事に対する意欲が足りないとみなされてしまう可能性があります。
仕事への意気込みと明確な目標をしっかり答えられるようにしましょう。
これまで頑張ってきたことは何か?
今まで頑張ってきたことに関する質問も、ベンチャー企業の採用面接ではよく聞かれる質問です。
このような質問を企業がするのは、これまでに頑張ってきたことに経験から、その人がどのような人間であるか・その頑張った経験を仕事に置き換えたとき、積極的に働けるかなどを知るという目的があります。
この質問に対しては、前職での頑張りについて具体的な説明ができるようにしておくと良いでしょう。
どのような仕事をどのように頑張ったのかがわかれば、次は自社でどのように活躍できそうなのか、ベンチャー企業側が推測しやすくなります。
前職の経験を織り交ぜながら、能動的かつ積極的に、仕事に取り組める力があることをアピールしてください。
面接を突破するための対策ポイント
ベンチャー企業の面接を突破して内定を獲得するためにはどういった点に注意すれば良いのでしょうか。
ベンチャー企業が採用面接でどういったところを見ているのか押さえておけば、対策を立てやすくなります。
これまでの経歴に意味がないわけではありませんが、企業側が重要視しているのは人間性とこれからの可能性です。
企業が求めている人物像に少しでも近づければ成功する可能性も上がるため、面接対策をしっかりしたうえで面接に臨みましょう。
主体性や熱意をアピールする
ベンチャー企業の面接を突破したければ、主体性のある行動ができることや能動的に仕事に取り組めることをアピールする必要があります。
また、企業や仕事に対する熱意もどんどんアピールしていきましょう。
なぜなら、ベンチャー企業が求めている人材は、積極的に仕事を進められ、熱意をもった人物であるからです。
そういった人材でなければ、なかなか活躍の機会を与えられないのがベンチャー企業です。
自分の主体性や熱意を伝えるには、具体的な裏づけエピソードがあると、よりうまく伝わります。
前職で、主体性や熱意を活かして成功した経験があれば、ぜひそれを披露してください。
具体的なエピソードがあれば、企業側もあなたが主体的に熱意をもって働いている姿をイメージしやすくなります。
志望理由を明確にする
志望理由は必ず聞かれるといっても過言ではありませんので、必ず答えられるようにしておかなければなりません。
志望理由を明確にし、面接の場できちんとそれを言語化できないと、ベンチャー企業にとってはその就職希望者の熱意を感じられません。
その結果不採用となるケースが多いです。
どうしてその企業なのか、その企業でないとだめな理由やその企業でしかやれないことを中心に説明すると良いでしょう。
同じような事業内容の企業はいくつもあり、似たような仕事なら別のところでもできるかもしれません。
しかし、まったく同じ企業理念やビジョンをもっている企業はまったくありませんし、社風もそれぞれ異なります。
その企業でなければ実現できない目標などを掲げるのも良いでしょう。
自己分析をしっかり行う
ベンチャー企業では人物重視の採用を実施している場合が多く、人間性を掘り下げた質問などをさせることもたくさんあります。
そういった質問に答えるためには、自己分析をしっかりして、自分の強みや弱み、考え方や将来像を明確に言語化しておくことが重要です。
自分の本質を理解していないようでは、自己アピールは到底できません。
しかも、それを言語化して相手に伝えることも必要です。
表面上の自己分析では太刀打ちできません。
自分の内面までしっかり自己分析をして、自分について深掘りをされてもきちんと答えられるようにしておきましょう。
ベンチャー企業の採用は人物重視ですから、あなたがどのような人物であるのかを正確に面接官に伝えなければならないのです。
気をつけておきたい注意点
面接は企業と就職希望者の対話の場です。
人物重視のベンチャー企業の面接では「面接時の印象ですべてが決まる」と言っても過言ではありません。
基本的なマナーを守ることは当然ですが、特に気にすべき注意点を紹介します。
注意点を守らなかったために不採用とならないように、事前にしっかりと注意点を押さえておきましょう。
ただし、ベンチャー企業の採用面接における注意点といっても特別なことではなく、すでに社会人であれば当然のことでもあります。
カジュアルとはいえ身だしなみは整える
ベンチャー企業の面接はラフでカジュアルな形式です。
先方もスーツではなく、私服であることも多いでしょう。
しかし、奇抜な格好や不潔な身だしなみは避けるべきです。
人物重視の面接になるので「この人となら一緒に働きたい」と思ってもらうことも、とても重要です。
いきなり奇抜な服装で来る人や不潔な身だしなみの人と一緒に働きたい人は、あまりいないのではないでしょうか。
いくらカジュアルとはいえ、最低限のマナーを守った服装と清潔感ある身だしなみを心がけるべきです。
少なくとも襟がついたシャツにジャケットを羽織るなど、オフィスカジュアルに準じた服装を選び、シワのない服を選ぶようにしましょう。
髪型もさっぱりとして清潔感のあるものがおすすめです。
企業研究は必ず行う
企業についてしっかり研究し、情報を知っておくことは必要です。
自分が面接を受ける企業についてよく理解していない状態で面接に進んでしまうと、聞かなくても調べればわかるような質問をしてしまったり、面接官を話がかみ合わなかったりすることが予想されます。
そうなると当然企業からの印象は悪くなってしまうため、企業研究は必ずやっておきましょう。
しかも、企業研究をして企業への理解度が深まれば、仕事へのモチベーションが上がることも期待できます。
もし採用されればそこで働くことになる企業なので、面接の前にきちんと研究して疑問点があれば面接の場でどんどん質問しましょう。
するどい質問であれば、面接官に本気度が伝わり、印象が良くなる可能性も考えられます。
まとめ
ベンチャー企業の中途採用は就職希望者の人間性や熱意が重視されることは多いです。
そのため、内定を獲得するには面接における自己アピールが大変重要になります。
面接で伝えるべきことは、仕事や企業に対する熱意や主体性です。
また、志望動機や将来の展望・今まで頑張ってきたことなどは聞かれる可能性が高いため、事前にしっかり準備しておきましょう。
そのためには、企業研究と自己分析が不可欠です。
しっかりと準備して面接に臨んでください。