ベンチャー企業は離職率が高い?実態について解説!

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はじめに

ベンチャー企業とは、新しいビジネスを中心とする新興企業のことです。

ベンチャー企業は就職活動において人気はありますが、総じて離職率が高いといわれています。

離職率とは、ある一定期間でどの程度の人が辞めたかを表す数値です。

今回はその実態と原因を探っていきます。

ベンチャー企業は離職率が高いのか

ベンチャー企業の求人情報を見たことがありますか。

業務内容や福利厚生はさまざまでも、求職者へ向けたメッセージや社内の取り組みなど、熱意のこもったものが見受けられます。

仕事に憧れを抱き、これから頑張っていこうと考える人たちには大変魅力的です。

やる気があれば、自分も活躍できそうだと感じる人も多いのではないでしょうか。

しかし、夢を描いてベンチャー企業に入社しても、早くに辞めてしまう人があとを絶ちません。

大手企業に比べると、ベンチャー企業の離職率が高いのは本当です。

一般に離職率が10%を超える場合、大手企業では高い数値ですが、ベンチャー企業では優秀だといえます。

離職率の平均がどの程度なのか、よりくわしく見ていきましょう。

離職率の平均

離職率は、業界や企業の規模によっても異なります。

そのため、どの程度が適正なのかを示す値は存在しません。

離職率が高い業界は宿泊業・飲食サービス業で、逆に低いのは建設業・製造業です

日本全体における離職率の平均は、近年14~16%で推移しています。

企業規模別に見ると、1,000人以上の企業が14%、300人〜999人規模の企業が13.3%です。

100人〜299人規模の企業が17.4%、30人〜99人規模の企業が14.7%、5人〜29人規模の企業が13.6%と続きます。

大規模の企業よりも、中小規模の企業の方が離職率は高い傾向です。

離職率の平均は、世代でも差があります。

どのような業界や企業規模であっても、総じて若者の方が離職率は高いです。

特に多いのが新入社員の離職で、新入社員のおよそ3割は、入社から3年で辞めるといわれています。

これらのことから、ベンチャー企業の離職率が高い原因は、企業の規模や年齢層にあると考えられるのです。

なぜ離職率が高いのか

ベンチャー企業は、大手企業には少ない、チャレンジングな企業です。

新しい事業へ取り組めることに、魅力を感じる人も多いでしょう。

みんな意欲をもってベンチャー企業に入社したはずなのに、なぜ辞めてしまうのでしょうか。

原因として3つ考えられます。

まず、業務内容が多いことです。

そのほかに、環境が整っていないこと、従業員の年齢層が若いこともあげられます。

ベンチャー企業の特徴ともいえるこの3つが、離職率の高い要因となっているのです。

なぜ離職につながってしまうのか、一つひとつ解説します。

業務内容の多さ

業務内容の多さが、離職率の高さに大きく影響していると考えられます。

ベンチャー企業の従業員数は数人~100人未満であることがほとんどで、企業規模としては小さめです。

規模が小さくても、ほかにない新しい事業を行うため、決して仕事が少ないわけではありません。

むしろ、従業員1人に対する業務内容は幅広く、量も多くなります。

業務内容を見直してもらおうにも、慣れないうちは言いづらいものです。

そのため残業が続き、労働時間が長くなります。

自由な時間が減るばかりか、睡眠不足にもつながるでしょう。

体力を回復できないと、次第に精神面にも悪い影響をおよぼします。

これではいくら若い世代であっても、リタイアする人が多いのは当然です。

環境の不整備

ベンチャー企業は新興事業で急速な成長を目指しています。

そのため、研修制度や福利厚生面が完全に整っていない場合も少なくありません。

ベンチャー企業はベテランの社員が少ないため、新入社員の研修期間は短い傾向にあります。

大手企業のようには人員を割けないことも、理由の1つでしょう。

給与面でいえば、ベンチャー企業も大手企業も最初はそれほど差がありません。

しかし、ベンチャー企業は残業代が出なかったり家賃補助がなかったりすることも多いです。

その点を考えると、やはり大手企業が上だといわざるを得ません。

また、手本となるビジネスモデルがあまりなく、社員を取り巻く環境も不安定です。

このような面で不満が募り、転職してしまう人が一定数います。

年齢層

ベンチャー企業の従業員は若年層が多い傾向です。

退職しても20代ならまだ年齢的にも再チャレンジは容易にできます。

同等のスキルであれば、若い方が転職活動は有利でしょう。

また、最初から長く勤めようと考えている人が少ないという理由もあります。

若年層は経験が少ないため、本当にやりたいことがわからないまま就職する人は多いです。

ベンチャー企業で仕事のやり方を学ぶうちに、ほかに興味がうつることもあるでしょう。

意欲に満ちた人であれば、将来は独立をしようと考えています。

その場合、新しいビジネスに挑戦するベンチャー企業はとても参考になるはずです。

近年ベンチャー企業が次々に誕生しているのは、このような独立志向が影響しているかもしれません。

離職率が高い企業の特徴

ベンチャー企業でも、離職率が低い優秀な企業もあります。

逆に、ベンチャー企業ではなくても、離職率が高い企業もあるのです。

仕事を辞めたくなるのには、それなりの理由があります。

離職率が高い企業に共通する特徴はなんでしょうか。

就職活動で失敗したくない、できるだけ長く勤めたいと考えている人は知っておくべきです。

ここでは代表的な3つの特徴を説明します。

自分の応募する企業が、これらに当てはまらないかチェックしてみましょう。

労働時間が長い

離職率が高い企業は、労働時間の長いことがほとんどです。

求人情報に「みなし残業」と書かれていたら注意してください。

みなし残業とは、企業側が従業員の正確な残業時間を把握できない場合に設定しておくものです。

給与に数万円分がみなし残業代として含まれているため、残業が発生しなければお得ですが、それほど甘くありません。

また、サービス残業が多かったり、そもそも基本労働時間が長かったりするのも危険です。

休みを取得しやすければ、まだ望みはあるでしょう。

年間休暇日数も見落としてはいけない情報です。

全体的に拘束時間が長い企業は、総じて離職率が高い傾向にあります。

リフレッシュできる時間が少ないと、体力的にも精神的にも疲れきってしまうからです。

待遇面が整っていない

待遇面が整っていない企業も、離職率が高いです。

人が辞めない企業は福利厚生が充実しています。

福利厚生とは、労働に対する金銭以外の報酬で、従業員や家族に提供されるサービスです。

たとえばスポーツ施設の利用権や、職場のコーヒー飲み放題などがあります。

資格取得手当のように、金銭だけではなくモチベーションアップにつながるものも人気です。

そのほかにも、新人研修制度があるかないかは、離職率に差が生まれる重要なポイントといえます。

右も左もわからない状態で仕事をするのは、誰でも不安なものです。

じっくり研修を受けられたら、そのあとつまずくことが減ります。

研修が終了しても、教育担当者に質問しやすい環境であれば、新入社員が長続きするでしょう。

業績が良くない

離職率が高い企業に共通するのは、業績が良くないことです。

成長中の企業であれば、多少忙しくても給与に反映されることが多いため、我慢できるかもしれません。

しかし、事業の業績が伸び悩んでいる場合は、どれだけ働いても給与アップは難しいです。

輝く将来を描けない状態になると、モチベーションを維持できず、辞めたくなるのは当然といえます。

業績が思わしくないときに真っ先に辞めるのは、優秀な人です。

意欲があり能力も高い人は、より自分が輝ける企業を求めています。

優秀な人から辞めていくと、最終的に残されるのはそうでない人たちです。

今後の業績の伸びは、期待できるはずもありません。

業績が落ち始めると企業からの解雇が発生し、その分離職率は高まります。

離職率が高い企業に入るデメリット

ベンチャー企業の多くは、前述の離職率が高い企業の共通項目に当てはまります。

今までなかった新しい事業に挑戦しようとしているため、そうなるのも仕方がないのかもしれません。

それでも、離職率が高い企業にあえて入社しようと考える人は少ないでしょう。

ほとんどの人が、デメリットしか浮かばないはずです。

たとえば人間関係や環境の変化、労働時間の長さなどがあげられます。

デメリットをメリットに変えられるかは、その人次第です。

同期や先輩がどんどん辞めてしまう可能性

デメリットの1つとしてあげられるのが、人間関係を構築しづらいことです。

離職率が高い企業は、労働時間が長かったり業績が悪かったりで、多くの社員がストレスを感じています。

心に余裕がないため、どうしても人間関係に悪影響をおよぼしてしまいがちです。

そうなると次第に人が辞めていきます。

尊敬していた先輩や仲の良かった同期が次々に転職をしていくと、モチベーションも下がるものです。

困ったときや苦しいときに胸の内を明かせる仲間がいないと、心まで疲れてしまうでしょう。

新たに社員が入社してきても、そのような雰囲気の中では、良い人間関係を構築することは難しいかもしれません。

人が続かない職場では、将来性や安定性の面でも常に不安がつきまといます。

業務や環境が目まぐるしく変わる

デメリットの2つめは、自分の担当業務や環境が目まぐるしく変わることです。

離職率が高いということは、つまりそれだけ人員の入れ替わりが激しいといえます。

人が辞め、新たに人が配置されるその度に、担当する業務内容や社内の環境が変わってしまうのです。

度々変わっていたのでは、仕事をまともに覚えることすら難しいでしょう。

「継続は力なり」の言葉が示すように、何事も努力を続けていってこそ目標を達成できるものです。

やる気はあっても、肝心の環境の変化が激しければ、継続することができません。

安定した職場環境で、落ち着いて根を張ることが一番の成長の秘訣です。

離職率が高い企業では、それを叶えるのが困難であることは間違いないでしょう。

ワークライフバランスへの不満が生まれる

3つめのデメリットは、ワークライフバランスへの不満が生まれることです。

離職率の高い企業は、業務に拘束される時間が長い傾向にあります。

人がすぐ辞め入れ替わってしまうため、慣れない業務に時間を取られ、日常的に残業が発生するのです。

また、福利厚生などの面も整っていないと、不満が蓄積してしまう可能性は高いでしょう。

頑張った分が給与や各種手当に反映されなければ、次第にむなしさを感じるようになります。

年齢層に関係なく、自分の自由な時間や家族との時間を大切にしたい人は多いです。

仕事の疲れを癒し、やる気を充足させるためには、適度なリフレッシュタイムが欠かせません。

特に近年は、そういったワークライフバランスを重要視する人が増えています。

離職率が高い会社は良くないのか?

離職率が高い企業は、デメリットしかないのでしょうか。

実は、一概に悪いとはいえません。

人の入れ替わりが激しいため、次々に新しい業務を担当することになり、その分早くキャリアアップできるとも考えられるのです。

仕事をこなすコツや改善点などに気づきやすくなるでしょう。

また、先輩たちが辞めていくことで、チームリーダーなどの重要なポジションを任せられる場合もあります。

ベンチャー企業は実力主義であることが多いです。

そのため、仕事をバリバリこなす自信がある人にとっては、実力に見合った評価をしてもらえる理想の環境といえます。

一方、大手企業は人が辞めずベテランも多く在籍しているため、なかなか昇進のポジションが空きません。

そこまで実力の高くない社員が、その社歴の長さだけで上役に居座っていることもあります。

意欲の高い若い世代にとっては、適切な評価がされないのはモチベーションが下がる要因です。

このように、離職率の高さだけでは企業の良し悪しを判断できないのです。

まとめ

今回は、離職率が高いと言われるベンチャー企業の実態について解説しました。

人が辞めてしまう原因は、どれも納得できるものばかりです。

しかし、離職率が高いのは決して悪いことばかりではありません。

新しいことに挑戦し続けたい人、昇進欲がある人などには向いています。

大手企業に比べると安定性には欠けますが、将来性は自分の実力と努力次第です。

ベンチャー企業に入社し、身につけたスキルをもとに、次へのステップアップとするのも悪くないでしょう。

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